日本の生徒、余暇や宿題でのインターネット活用、きわめて少ないことが判明

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 OECD(経済協力開発機構)が発表した生徒の学習到達度調査(PISA)2015年調査国際結果報告書「生徒のwell-being(生徒の『健やかさ・幸福度』)」から、日本の15歳の、学校外での平日のインターネット利用時間は、参加国中で韓国についで2番目に少ないことがわかった。また、余暇・宿題のためのICT活用頻度がいずれも他国に比べてきわめて少ないことが明らかとなった。

◆学校外でのネット利用時間

 日本の平日1日当たりのインターネット利用時間は90分で、もっとも少ない韓国についで2番目に少ない結果となった。OECD平均は146分で、もっとも長いチリでは195分だった。なお、2015年の結果を2012年と比較すると日本では19分増加、OECD平均では41分増加しており、2012年からの3年間で15歳のインターネット利用時間は総じて長時間化していることが明らかになった。「平日に学校外でインターネットを利用する時間」については35か国・地域のデータがまとめられている。

◆余暇・宿題のためのICT活用

 インターネットの利用目的として、「余暇のためのICT利用」と「宿題のためのICT利用」についても調査された。各々の頻度をOECD平均と比較すると、日本は「余暇のためのICT利用」がマイナス0.45、「宿題のためのICT利用」がマイナス1.21で、いずれも他国に比べてきわめて少ないことがわかった。

 これを男女別にみると、日本では「余暇のためのICT利用」の頻度は男子が高く、「宿題のためのICT利用」は女子が高い。「余暇のためのICT利用」頻度が男子のほうが高いのは参加国全体に共通する傾向となっている。

 一方で、「宿題のためのICT利用」頻度については多くの国で男女差がみられない。女子のほうが頻度が高い傾向がみられるのは、日本のほかには台湾、韓国、アイルランド、アイスランドだった。

◆インターネット利用時間と学力の関係

 インターネット利用時間とPISA調査の3分野(科学的リテラシー、数学的リテラシー、読解力)における、生徒の得点との関係についても分析された。

 学校外でのインターネット利用時間は、下記のとおり。日本もOECD平均も、平日は2時間以上6時間未満が最多で日本は30.6%、OECD平均は43.3%。平日に6時間以上利用する生徒は日本では6.4%なのに対し、OECD平均は16.2%と大きな差がみられた。

・日本
 平日:1時間未満30.0%、1時間以上2時間未満25.0%、2時間以上6時間未満30.6%、6時間以上6.4%
 休日:1時間未満18.9%、1時間以上2時間未満18.9%、2時間以上6時間未満41.0%、6時間以上17.3%

・OECD平均
 平日:1時間未満16.5%、1時間以上2時間未満20.8%、2時間以上6時間未満43.3%、6時間以上16.2%
 休日:1時間未満11.5%、1時間以上2時間未満15.1%、2時間以上6時間未満44.9%、6時間以上26.1%

 3分野の得点は、日本は平日・休日ともに1時間以上2時間未満利用する生徒の得点がもっとも高かった(平日:科学的リテラシー550点・数学的リテラシー547点・読解力529点、休日:科学的リテラシー549点、数学的リテラシー549点・読解力528点)。OECD平均も、平日は1時間以上2時間未満の生徒でもっとも高かった(科学的リテラシー511点・数学的リテラシー508点・読解力509点)が、休日は2時間以上6時間未満の生徒の得点が高かった(科学的リテラシー509点・数学的リテラシー506点・読解力510点)。

 ICT活用についてはこのほか、家庭におけるICT機器の利用状況や所有状況、デスクトップコンピューターとノートパソコンの利用状況、初めてインターネットを使用した年齢の経年変化、生徒のインターネットに対する意識などについても調査している。

 PISA調査は、義務教育終了段階にある15歳の生徒の知識や技能が、実生活で直面する課題にどの程度活用できるかを評価するもので、2015年調査には72か国・地域から約54万人が参加し、日本では2015年6~7月、全国の高校、中等教育学校後期課程、高等専門学校の1年生約6,600人が参加した。なお、ICT活用調査には46か国が参加した。

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画像一覧

  • 平日に学校外でインターネットを利用する時間(分/日)
  • 「余暇のためのICT利用」指標と「宿題のためのICT利用」指標の分布
  • 「余暇のためのICT利用」指標と「宿題のためのICT利用」指標の男女別分布
  • 学校外でのインターネット利用時間別生徒の割合
  • 学校外でのインターネット利用時間と3分野の得点

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50代で年間820万円…子育て世代の生活費…大学就学費が要因

 子育て世代がきちんとした暮らしを送るためには、50代夫婦と大学生と高校生の子ども2人の世帯で年額約820万円必要なことが、埼玉県労働組合連合会と有識者による調査結果より明らかになった。50代世帯の平均年収との差は約275万円。原因は大学就学費用にあるという。

 埼玉県労働組合連合会と静岡県立大学短期大学部の中澤秀一氏による埼玉県最低生計費資産調査は、埼玉県労働組合連合会の組合員など3,000人を対象に実施し、597人の回答を得た。調査期間は2016年1月~3月。「生活実態調査」「持ち物財調査」「価格調査」の3つの調査を基礎として、それらの結果と統計資料などを組み合わせて最低生計費を算出した。設問項目は性別、年齢、世帯構成、居住形態、家賃などの対象者(世帯)の基本的属性のほか、仕事の内容、旅行や交際費、自動車・バイクの必要性などの日常生活、仕事に対する悩みや不満、生活での困り事、近所づきあいの程度など48項目にわたる。

 子育て世代がきちんとした暮らしを送るためにはどれだけの費用がかかるのかを試算した結果、30代夫婦と小学生と幼稚園児の子ども2人の世帯では、税・保険料込みで月額約50万円・年額約600万円の生計費が必要であることがわかった。今回想定した30代世帯の年収(411万円)と最低生計費との差は約189万円あり、この差を埋めるためには、「共働きするか生活費を切り詰めるしかない」とされている。

 40代夫婦と中学生と小学生の子ども2人の世帯では、月額約54万円、年額約650万円の生計費が必要。今回想定した40代世帯の年収(485万円)と最低生計費との差は約165万円。

 50代夫婦と大学生と高校生の子ども2人の世帯では、月額約68万円、年額約820万円の生計費が必要。今回想定した50代世帯の年収(545万円)と最低生計費とのギャップは約275万円。ギャップの最大の原因は大学の就学費用。調査は、「賃金や貯金で賄えない場合は、奨学金を借りるか、大学生自らのアルバイト収入に頼らざるを得ない」としている。

 30代と40代世帯では少なくとも約5割、50代世帯では約6割が生計費未満の層にあたることから、多くの世帯が生計費未満の生活であることが明らかになった。同組合では、賃金の底上げと、教育や住宅も含めた社会保障(生活保障策)を充実しなければならないとしている。

3年ももたないの…!? 夏タイヤ「購入からパンクまでの平均期間」判明

GfKジャパンは、全国のドライバー1万0689名に対し、自動車タイヤのパンクに関するインターネット調査を実施し、その結果を発表した。

まずパンク経験を尋ねたところ、夏タイヤでは40%、冬タイヤでは9%のドライバーがあると回答。夏タイヤでは、年代が上がるほどパンク経験率が高まり、20代以下では24%だったが、50代では43%に上った。一方、冬タイヤでは年代による大きな違いはなかったが、地域差があり、降雪地域におけるパンク経験率をみると、北海道、東北では20%弱に上った。なお、冬タイヤのパンク経験者では軽自動車ユーザー率が高く、夏タイヤより9ポイント高い49%を占めた。

またパンク経験者にタイヤ購入からパンクまでの期間を尋ねたところ、夏タイヤでは平均33.0か月、冬タイヤでは29.8か月となった。冬タイヤはパンク経験率こそ低いが、パンクまでの期間が夏タイヤより短いことがわかった。パンクまでの期間は地域差もみられた。冬タイヤのパンクまでの期間は、降雪地帯である北海道では平均26.5か月、東北では27.2か月で、全体と比較すると約3か月短かった。

毎月の平均収入は約10,000円!〜ネット上でのお小遣い稼ぎの実態〜

 デジタルアーツ(DAJ)は3月1日、未成年の携帯電話・スマートフォン・インターネットの利用実態に関する最新調査結果を発表した。あわせて同日に都内で記者発表会を開催し、代表取締役社長の道具登志夫氏、管理部広報課課長の吉田明子氏らが登壇し、現状や分析結果の解説を行った。

 この調査は、2011年12月から定期的に行っている「未成年の携帯電話・スマートフォン使用実態調査」の第10回目となる。今回の調査では、携帯電話・スマートフォンを所持する10歳~18歳男女(未成年者)618名、0歳~9歳の子どもを持つ保護者層579名、合計1,197名から回答を得た。調査期間は1月10日~1月16日。

 調査は「携帯電話・スマートフォンの所有率・利用時間・利用目的・利用アプリ」「フィルタリングの使用状況」「携帯電話・スマートフォンを使い始めたことによる変化」「ネットを使った小遣い稼ぎ」「リスクに対する考え方」など、さまざまな項目についてアンケートしたものとなっている。

◆「スマホで当たり前」時代? 格安スマホの影響

 記者発表会冒頭のあいさつで道具氏は、学校でのWi-Fi環境の整備、さらに2020年の学習指導要領の変化に言及し、「教育やITの変化の中で、このデータを活用してほしい」とした。この調査データは、政府も利用しているという。

 引き続き記者発表会では、吉田氏が登壇し、データの詳細について解説を行った。今回の調査によると、未成年者がスマートフォンを所有している割合は80.3%で、前回調査(2016年1月実施)の70.6%から9.7ポイント増加した。特に小学生の所有率が、60.2%(前回37.9%)と、前回より22.3ポイント急増した。

 この変化について吉田氏は、親がスマホ普及世代に移行し“(ケータイでなく)スマホで当たり前”になりつつあること、格安スマホが登場したことなどが理由ではないかと分析している。実際、今回の調査では、所有機種について初めて「格安スマホ」かどうかを質問。その結果、小学生の21.0%、中学生の13.0%、高校生の9.4%が格安スマホを所有・利用していた。低年齢に持たせるスマホとして、格安スマホが大きな選択肢となっていることが伺える。

 一方で、「フィルタリング」について聞くと、全体での使用率は53.9%(前回52.3%)にとどまるなど、スマホの伸びに比べて、ここ数年大きな変化がない。小学生は平均より低く51.0%で、前回から変化無し。1番高い女子高校生でも59.6%(前回54.1%)にとどまっており、吉田氏は懸念を示した。

◆伸びる利用時間、危機感薄く

 そのほかの、利用状況で目立った点としては、「女子高校生の利用時間の伸張(平均6時間を突破)」「高校生の4人に1人が、0~3時の深夜時間帯も利用」「『メルカリ』の利用が、小中では1桁台だが、高校生では30%越え。女子高校生に限ると49.5%にまで達する」「親の『LINE』の利用が、2015年1月の27.6%から、2017年1月には82.4%と、約3倍に急増」などがあげられた。

 また、利用増の弊害として、女子高校生では「頭痛等の体調不良になる回数が増えた」26.2%(前回14.6%)、「学校の成績が落ちてきたと注意された」20.4%(前回9.7%)など、体調不良・学業への悪影響も増加している。

 「ネット上でのお小遣い稼ぎの実態」としては、毎月平均収入は9,836円。手段としては、「ポイント交換」78.4%、「中古品の販売」18.8%、「LINEスタンプの作成」16.4%などがあげられた。LINEスタンプは前年の10倍ほどに伸びているが、これは初期制作必要数が40個から8個になるなど、参入の敷居が下がったことに寄ると、吉田氏は分析している。

 「最近のネットに関する事件で自分が当事者になりうると感じた事件」は、子ども全体では「特にない」が61.5%ともっとも高く、やや危機感に欠ける現状が明らかとなった。一方で「個人情報が漏洩する」25.6%、「アカウントを乗っ取られて悪用される」17.8%、「友達・知り合いの写真・動画をネットで勝手に投稿する」15.9%をあげる子どももいた。

 そのほか「タブレット利用経験」は小学生に多く、男子小学生27.2%、女子小学生33.0%。プログラミングの「興味あり」は全体の47.0%で、「経験あり」は全体の14.5%にとどまった。

◆情報モラル・リテラシーに警鐘…「禁止」路線にアドバイス

 発表会では続いて、経営企画部政策担当課長(チーフエバンジェリスト)の工藤陽介氏が登壇。調査結果の発表を踏まえ、フィルタリングの普及率から見た、これからの情報モラル教育とリテラシー教育のあり方について解説した。

 デジタルアーツも積極的に関与・協力しているセキュリティ教育だが、現在の課題は「“上手に使う”に焦点を当てていない活動の多さ」「“加害者・犯罪者にならない”という視点の不足」だという。

 まず、情報モラル教育において“上手に使う”ことに焦点を当てていないと「スマホは持たせない」「SNSは使わせない」「写真は投稿しない」など、禁止の方向性に進んでしまいがちだ。これについては、子どもたちによる主体的な議論、実機を使ったフィルタリング設定の実技などで、改善されるとのこと。

 そして“加害者・犯罪者にならない”ためには、モラル教育だけでなく、論理的な思考や技術力を育むことでも回避できるのでは、という考えを示した。

 デジタルアーツでは、今回の調査結果について「全般的にリスク対策における意識の低さが感じられる結果」と考察しており、今後の課題として、低年齢層の保護者に対する説明機会の創出、フィルタリングの理解促進をあげており、これらに注力する方針だ。

13%が10万円以上〜ネット詐欺の高額被害は10代が最多〜

 BBソフトサービスによる2016年8月度インターネット詐欺リポートによると、10万円以上の高額なネット詐欺被害にあった年代は、10代と40代がもっとも多いことがわかった。被害者の約7割が、端末にスマートフォンを利用していた。

 調査は9月5日~7日、これまでにインターネット上で詐欺被害にあったことがある、あるいはあいかけたことがある全国の10~60歳代の各年代30人計180人を対象に、インターネット詐欺被害の実態についてアンケートを実施した。

 詐欺の種類は、おもに金銭の搾取を目的とした「ワンクリック詐欺」が71.7%と最多となり、ついで「偽メールによる個人情報搾取」が40.0%、「偽のSMSによる個人情報搾取」31.1%となった。ネット通販詐欺やクレジットカードの不正利用、端末のデータを人質に取るランサムウエアなどもあげられ、詐欺の手口は多様化している。

 年代別にみた被害金額では、金銭の被害がなかった割合は10代が53.3%と最多である一方、10万円以上の被害にあった年代は10代が13.3%と40代とならびもっとも多かった。利用していた端末の約7割がスマートフォンで、パソコンの利用頻度の低い年代でも、スマートフォンの普及により被害にあっている実態が明らかになった。

 詐欺に気付いた時の最初の行動として、「メールでサイトの運営者に問い合わせした」は18.3%、「電話でサイトの運営者に問い合わせした」は9.4%となり、電話よりもメールを利用する場合が多い。「第三者機関に相談した」は6.1%、「家族や知人に相談した」は4.4%にとどまった。もっとも多い回答は「問い合わせも相談もしない」37.2%で、被害を放置するケースが多い。何もしない理由については、被害について聞かれるのが面倒、家族や知人に知られたくないという意見が多数をしめた。

 BBソフトサービスでは、中高生を対象とした現在の情報モラル教育では、いじめ問題や不適切な投稿、性犯罪防止などが中心で、インターネット詐欺のさまざまな手口の情報を知る機会が少ないため、社会経験や予備知識の少ない年代が犯罪者の標的になりやすくなっていると推測している。

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