長期運用で放ったらかしにしたら…「投資信託の残念すぎる失敗例」

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<材料>

・投資信託の基礎知識

<Point>

1「繰上償還」とは?

2純資産総額が極端に減ったら要注意

3予期せぬ償還を回避するためには?

「投資信託は長期運用。一喜一憂せず放ったらかしで良い」というKさん。老後の生活費として、償還期限のない投資信託を選びました。

Kさんは時々気になるものの、「自分の力で値上りするわけでもないし、どうせ放ったらかしだし、気にしても仕方ないや」と、基準価額すら見ていませんでした。

数年後。Kさんの元に1通の手紙が!

■想定外で届いた手紙とは…

手紙は「繰上償還(予定)のお知らせ」。内容は難しく、一度読んでも意味が分かりません。何度も読み返し、どうやら「運用会社はこの投資信託を償還し、運用を終了したいようだ」という程度の理解ができました。

手紙は「その投資信託の残高は運用が困難な水準に減少し、これ以上運用を続けられません。投資家にお金を返そうと考えています」という趣旨。さらに償還に同意するかと問われています。同意しないなら文書で返事をしろ、と。

さて困ったKさん。一体どうしたら良いのか、さっぱりわかりません。

■繰上償還とは?珍しいことではない

「繰上償還」とは、決められていた償還日以前に運用を終了し、投資家に時価でお金を返すこと。償還日がない無期限の投資信託の運用終了も同様です。

Kさんのように長く運用したくても、繰上償還なら運用は終わりです。ほとんどが解約による投資信託の残高減少が理由で、運用会社は「この残高では運用が難しい」と、お手上げ状態です。

繰上償還は珍しくありません。2016年12月に償還した追加型の株式投資信託は、44本。そのうち繰上償還は12本でした。

Kさんが同意しない文書を送っても、同意する投資家の過半数(平成19年9月29日以前に設定した投資信託は3分の2以上)で繰上償還は決定します。この場合、同意しなかったKさんは償還前の買取請求を勧められ、結局は換金せざるを得ないのが通常です。

なお、同意する場合は返事も手続きも不要。指定日に時価で償還されます。

■予期せぬ償還に見舞われないために

投資信託は、運用会社が週1回の簡単な運用レポートや月1回の丁寧なレポート、決算期ごとの詳細な運用報告書を作成します。できれば月次レポートを毎月、せめて半年に1回でも目を通しましょう。

その際、運用状況や今後の運用、基準価額などの他に「純資産総額」にも目を通し、純資産総額もチェック。極端に減少すると繰上償還の可能性が高くなります。

また、購入時に「目論見書」で繰上償還の条項を見ておくこと。「残高(口数)が●億円(口)を下回った場合」と書かれています。その水準になってもすぐに繰上償還にはならず、しばらく運用を続ける場合もありますが、いつ繰上償還してもおかしくありません。

いくら「投資信託は放ったらかしOK」でも、運用状況は定期的にチェックしたいもの。場合によっては早めに見切ることも大切です。

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  • 無期限のはずが……放ったらかしで投信を持ち続けた失敗例

執筆者

石原敬子

CFP® 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 専修大学文学部人文学科心理学コース卒業後、証券会社で約13年の営業職勤務。その後2003年 1月にFP事務所を開業。「使うこと」に焦点を当てた個人相談、金融や資産運用を分かりやすく話すセミナーと書籍やコラムの執筆を行う。 http://www.keikoishihara-fp.jp/

石原敬子

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投資信託でよくある思い込み…「長期投資が儲かる」とは限らないワケ

よく言われる「投資は長期資金で」「投資信託は長期で」という説明。正しくもあり、間違ってもあり。さてそのワケは?

■そもそも「投資」とは

投資は投機と違います。

「機」つまりタイミングを狙ったイチかバチかの取引は、「投機」。儲かる「瞬間」「タイミング」を見計らった取引です。

一方、投資は「資(もとで)」を投じて、何かに活用された後に付加価値とともに出資者に戻って来るというもの。結果がうまくいけば投資家にはプラス、うまくいかなければ、投資家はマイナスの価値を甘んじて受け入れるしかありません。

このように、投資家の資金が必要とされる場で活かされ、その成果が投資家の手元に還ってくるのが「投資」なのです。

■投資の成果が出るまで待たされる場合も

しかし、投資がすぐに成果を上げるとは限りません。取り巻く環境が悪化し、思った通りにならない場合もあります。経済の停滞や自然災害、政治の混乱など、予期せぬ事態が起これば、成果が出るまで長期間待たされます。

そのため、投資資金を回収するまでの期間は、そのお金を使う時期ギリギリではなく、余裕を持って投資期間を決めることが重要です。このことを「投資は長期投資で」と言っているのです。

■長期間待てば利益は出るのか?

投資信託は、預金のように投資日数を重ねれば利息が増えるものではありません。ですから、投資信託は「長く持てば持つほど良い」とは言えないのです。また、値下がりしている投資信託を「ずっと持っていればいつか値段が戻るだろう」と期待し、ひたすら持ち続けている人もいます。

これはよく考える必要があります。

世の中は常に変化しています。どんなに良いものでも、取り巻く環境が良くなければ人々に評価されません。人々に評価されないということは、どんなに有意義なものでも、価値が認められず投資利益が出ないこともあります。

しかし、環境や人々の好みが変われば、それまで価値が認められていなかったものが急に評価されて値打ちが上がり、投資の利益が出ることもあります。反対に、永遠に価値が認められないのであれば、できるだけ早いうちに見切りをつける方が効率的ともいえます。

このことから、運用期間を考える際は、ある程度長い目でいつ訪れるか分からない「成果を得る時期」を待てる人、待てる資金で投資をするというのが基本です。このことを指して、「投資は長期資金で」と言われるのです。

元銀行員が激白…知らずに払わされてる「投資信託&保険の見えない手数料」

最近は、銀行の窓口で様々な金融商品を販売しています。円預金には手数料はかかりませんが、外貨預金や投資信託など購入時に手数料がかかる商品も多くあります。

そのような中、「債券や保険は手数料がかからないから、いいよね」とおっしゃるお客さまがいます。

本当にそうでしょうか?債券や保険も銀行が無償で提供してくれるわけではありません。当然ですが、利用者が手数料を間接的に負担しているのです。

しかも、投資信託や株式などの直接払う手数料(見えるコスト)より、保険や債券などの間接的に負担する手数料(見えないコスト)の方が大きいケースもあります。

■保険料には見えないコストが含まれている

銀行で保険の契約をする人が増えています。銀行で取り扱っている保険の多くは貯蓄性のある商品であり、保険商品を使って資産運用しようと考える人もいます。

しかし、金融の専門家は一様に「保険商品を使っての資産運用は非効率である」と言います。現在の低金利環境で保険商品を使って資産運用を勧めるのは、保険商品を売りたい金融機関や資産運用があまり得意でない一部のFPくらいでしょう。

なぜ保険商品を使った資産運用が非効率かというと、保険商品の設計には様々なコストがかかっているからです。そのうちの1つが、保険を販売してくれた銀行に対して保険会社が払う手数料です。

銀行で保険の契約をしても、お客様は手数料を直接支払いません。銀行が保険を販売することによって、保険会社から販売手数料をもらう仕組みになっているからです。この販売手数料も間接的にはお客様が負担することになる費用ですから、保険の契約をする際の見えないコストと言えます。しかも投資信託の2倍から3倍の手数料が発生していることもあります。

■投資信託にも見えないコストがある

一方、投資信託はきちんとコストが表示されていて透明性の高い金融商品といえます。しかし、投資信託にも、見えないコストが内包されたタイプの商品があります。通貨選択型や一定条件下で元本が確保されるような複雑な仕組みの投資信託です。

複雑な仕組の商品を組成するにあたって、かかっている高いコストについては、どのくらいを盛り込んで中抜きしているのかは、外部の人にはまず分からないようになっています。まさに見えないコストなのです。

■見えないコストの説明義務はない

特定の商品の中に、こうした見えないコストが含まれていることを金融機関の営業担当者がわざわざお客様に対して伝えることはありません。説明する義務がない、というか説明すべきコストに該当しないからです。しかし、私たちは知らず知らずのうちに、表面上明示されている以上のコスト負担を強いられています。

そして、金融商品を販売する側としては手数料を稼ぎやすい商品を優先的に販売するインセンティブが働きやすい状況にあります。こういったことも意識しておくと上手に金融機関と付き合っていくことができるでしょう。

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投資信託はどこで売ってる? 超初心者向け「投資信託の始め方」

「投資信託を始めたい、でもどこで手続きする?」というビギナーさんが多いようです。

■投資信託はどこで扱ってるの?

投資信託ビギナーにありがち「銀行&証券会社まかせ」はダメな理由』の通り、銀行や証券会社が投資信託の小売店(販売店)です。また、ファイナンシャル・プランナー(FP)の事務所や保険代理店などの「証券仲介業」を行う業者でも扱っています。

他に、「直販」と呼ばれる、投資信託の運用会社(商品に例えるとメーカー)が、直接、顧客に対して販売する投資信託もあります。運用会社は店舗がなく、コールセンターと郵便、またはインターネットで取引をします。

つまり「どこで」とは、銀行、証券会社、FP事務所や保険代理店などの証券仲介業者といった「販売会社」、または「運用会社の直販」です。

販売会社は、リアル店舗とネット店舗の2タイプ。街に実際の店舗があるのがリアル店舗。スマホやパソコンで取引をする、インターネットバンキング、モバイルバンキング、インターネット証券などがネット店舗です。

■結局どこで買ったらいいの?

【リアル店舗が向いている人】
・口座開設や購入、換金など手続きは、対人による説明が欲しい
・インターネット環境が整っていない
・ネットでの商取引が嫌い
・モバイルやパソコンの操作が苦手

【ネット店舗が向いている人】
・販売手数料を安く抑えたい
・自分で情報収集ができる
・営業時間内にリアル店舗に行くことが難しい
・少額で取引をしたい
・営業員の説明やアドバイスが不要

【運用会社の直販が向いている人】
・その運用会社の運用スタイルや、投資信託に惚れ込んでいる

■投資信託の店舗選びの注意点

それぞれのデメリットにも注意をしておきましょう。

【リアル店舗】
・比較的、販売手数料が高い

【ネット店舗】
・インターネット特有のトラブルに注意
・情報収集から投資判断まですべて、自分で行う

【運用会社の直販】
・他の運用会社の投資信託を取り扱っていない

なお、投資信託は、リアル店舗・ネット店舗に関わらず、また、銀行・証券会社・その他等に関わらず、全ての銘柄を取り扱っているというワケではありません。その金融機関・業者が選んだ投資信託を品揃えしています。

お目当ての投資信託がある場合は、その投資信託を取り扱っている金融機関や業者を調べ、その中から、上記を参考に選んでくださいね。

投資信託ビギナーにありがち「銀行&証券会社まかせ」はダメな理由

ときに勘違い、「銀行の投資信託」とおっしゃる方がいます。

銀行で取り扱う投資信託は、銀行が「販売」しているだけ。銀行ではお客様の投資信託を「運用」しているのではありません。

■銀行や証券会社は、投資信託の販売店

投資信託を一般の商品に例えると、銀行はその商品を棚に陳列し販売する販売店。メーカーは、投資信託の運用をしている「○○投信」「▲▲ファンド」という名の運用会社(委託会社)なのです。

家電製品におきかえると、銀行や証券会社は家電量販店や街の電気屋さん。運用会社(委託会社)は家電メーカーと言えます。

■銀行や証券会社は、運用のプロではない

販売店は、販売のプロ。その商品の特徴や使い方を説明し、販売します。一方、メーカーは、その商品の機能性の研究開発に力を注ぎ、品質の良い、消費者の使用目的に合った商品を製造します。

販売専門の会社である銀行や証券会社は、投資信託の運用にはノータッチ。運用結果の良しあしは、メーカーである運用会社(委託会社)の能力次第なのです。

昔から、街の電気屋さんはナショナルショップ(今のパナソニック)、日立のお店、東芝のお店というように、メーカーの家族のような関係で電化製品を販売していました。

家電量販店が台頭した今、国産のみならず海外メーカーの家電も、量販店では比較しながら購入できます。投資信託の販売店つまり銀行や証券会社でも、従来は系列の運用会社の投資信託だけを取り扱うことがほとんどでしたが、今ではラインナップも豊富です。

投資信託の裏知識!「銀行&証券会社に運用を任せられない」理由、マネーゴーランド

■販売店独自のサービスや、メーカー直販も

また、販売店独自の戦略として、投資信託の販売手数料が無料のキャンペーンや、ポイントアップサービスなどを行う金融機関もあります。

さらには、メーカー直販の投資信託も品ぞろえが増えました。銀行や証券会社を通さずに、投資家が運用会社と直接、取引するのです。

ひとつの銀行で預金をし、投資信託の積立もし、1つの金融機関でワンストップのサービスを受けるのが良いと思う人がいます。また、証券会社で投資相談にものってもらい、株式取引もし、投資信託もしたいという人もいます。さらに、投資信託はインターネット証券で手数料を安く抑えたいという人もいます。メーカー直販の投資信託が好きだという人もいて、人それぞれです。

投資信託の「販売店」「メーカー」の役割を理解し、自分に合った窓口で投資信託を購入しましょう。

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