株価上昇と共に金価格もUP!本当に考えたい「トランプ政権のリスク」は?

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トランプ勝利から政権誕生までの流れは、多くのメディア・投資家の予想を裏切りました。戦争リスクの高まり・分断化から、世界経済は悪化するとの考えで、トランプ勝利=株価下落と予想していた方は多いでしょう。

しかし、いざトランプ氏が勝利すると、減税・規制緩和・財政支出の三本柱への期待から世界的に株価上昇・金利上昇が起きています。

■トランプ政権誕生で経済好転!

米株価のNYダウは2万ドルを突破。日経平均株価も2万円を目指す勢いで上昇しました。この世界的な株価絶好調の流れは、本当に信頼できるのでしょうか?

気になるのが、トランプ後の米金利高・株価上昇の動きに逆行するかのように上昇したゴールド。本来、米金利高は金利を生まない金にとってマイナス要因。
ところが、NY金は、下落せずに上昇しています。これは、トランプ政権のリスクを考えて、リスクヘッジのために買われているのではないかと思います。

●NY金と米10年債の日足チャート
トランプリスクで金価格は上昇中!、マネーゴーランド
※引用:GMOクリック証券

トランプ氏の大統領選勝利後から、米金利は急上昇。その分、NY金は下落しました。ところが、12月の半ばごろにNY金は下げ止まり。米長期金利が落ち着いたこと、トランプリスクに投資家が目を向け始めたこともあって、上昇トレンドに変化しました。

12月にNY終値で1130ドルを割り込んだ金は、1230ドルを超えるレベルまで上昇しています(2017年2月21日現在)。ちょうど、米FOMCで金利が引き上げられて市場が落ち着いたこと・各地でテロ事件が相次いだことなどが上昇要因。

■トランプ政権の抱えるリスク

・世界的な保護主義の台頭 ⇒ 世界的な経済成長ダウンや分断リスク
・脅しとも取られかねない交渉術 ⇒ 交渉決裂や戦争リスク
・財政支出に対する資金の裏付け ⇒ 米国財政破たんや米ドルのリスク
・規制緩和による副作用 ⇒ 格差拡大や環境破壊リスク
・中国との対立 ⇒ 米中戦争リスク

トランプ政権は、米国第一主義を唱えて、他国が受けている恩恵を米国に取り戻す政策を取ろうとしています。メキシコ・中国にある工場を米国に移転すれば、米国の雇用は増えてもメキシコ・中国の雇用は減りますね。これ、近隣窮乏化政策とも言われ、世界大戦の引き金の一つでもあるんです。

さらに、交渉方法も極端。相手が受け入れがたいレベルの提案を投げかけて、妥協地点を有利な方向に持っていこうとしています。この方法は、相手国の国民感情を悪化させて指導者の面子を潰して妥協できない対立を生む可能性があります。

★交渉失敗の行きつく先は決定的な対立による交渉中止や戦争。

トランプ政権の国家通商会議に起用されたピーター・ナヴァロ氏は、米中戦争もありえると想定した書籍も出した人。本当に戦争すれば、米中ともに被害は甚大になることは子供でも分かります。

■トランプ氏のはったり戦術にリスクあり

経済は、名より実を取ることを重視します。しかし、政治および国民感情は、経済とは逆に名誉や恥を重んじます。相手に脅されて妥協することが、国民感情的に許せなくなり、破滅への道を歩み可能性があるのは歴史を見ても明らか。戦力的にかなわなくても負ける戦争に挑んだ例は数多くあります。

金が買われているのは、そういったトランプ政権が抱えるリスクを加味してのこと。好調さを維持する株式相場を見るだけでは、本当のリスクを見誤るかもしれません。分断・紛争・経済戦争とリスクのタネがあちこちにばら撒かれていることを忘れずビジネス・投資を行いましょう!

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執筆者

上村 和弘 (かみむらかずひろ)

アセットクラス&WEBコンサルティングLLC 代表CEO・ファウンダー 日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP会員、1級FP技能士 1990年 現三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社を皮切りに、証券リテール業務や企画調査、ファンド事業等に従事。1999年より、FX事業の新規立ち上げ後、複数社での金融ネット事業の立ち上げ、事業再構築・運営等の統括マネージメントを経て2011年独立。現在、金融情報サービス事業をコアに、投資教育系、システムツールのサポート業務を行う他、シンクタンク系企業、金融システムベンダー等の顧問等を兼務する。1968年生、宮崎県出身。

上村 和弘

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資産家たちは、金を持つ場合に1~2年といった目先の動きに一喜一憂しません。十年以上・・・時には、子孫の代まで考えて金を保有します。

そして・・・金を保有し続けていたお金持ちの考えは近年の値上がりを見ると正しい選択でした。長い目で見ると、政府の発行する紙幣や国債は、破たんや価値の下落が相次いでいるのです。

金を長期間に渡り、観ることで、そのことが如実に分かります。

■日本の金は100年で、とんでもなく上昇

日本が1897年(明治30年)に、貨幣法を制定した時の値段は、0.75g=1円。1gになおすと約1.3円。今の値段は1g=約5,000円ですから、凄まじい値上り率!

もちろん、お米・土地といった全ての物価が上がった結果、金も値上りしているわけです。ここで、大事なのは、金を含めたモノの値段が上がったということは、長い目で見た時にお金の価値は大きく下がっているという裏からの視点です。

お金持ちたちは、お金を持っているだけでは飽き足らず、なぜ、資産をさらに増やそうと努力したり、金を買ったりするのか?

その答えは、お金として持っているだけでは減っていくから。だからこそ、必死にお金を運用して増やそうとするのです。

金はこんなに値上がりしている、マネーゴーランド

■第二次大戦後の米ドル建て金も大きく上昇

さて、次に、世界的な金の値動きを第二次大戦後から見てみましょう。こちらも大きく値上がりしています。

1944年に第二次大戦戦後の経済体制を決めたブレトンウッズ協定は、1トロイオンス(31.1035g)の金の値段を35ドルと定めました。これが、金本位制による正式な価格です。

その後、米ソの冷戦・朝鮮戦争・ベトナム戦争など相次ぐ戦争で、米国の軍事費は増加する一方。
軍事費を賄うために、増刷を続けた米ドルの威信は徐々に低下し、財政・貿易と双子の赤字が溜まります。そこで、信頼を失いつつある米ドルを持っていては不安で、金と交換して欲しいというニーズが世界中で高まります。

ついに、金と米ドルの交換を保証できなくなった米国は、1971年に金本位制からの離脱を宣言。(ニクソンショック)。これは、とてつもない衝撃を世界に与えました。

その後、1971年12月にスミソニアン会議が開かれ、金は1トロイオンス38ドルと定められました。ブレトンウッズ協定時から3ドルの値上がり。ところが、この体制は、約5年しか持たず、1976年1月にジャマイカで開催された会議において、とうとう、金の廃貨と外国為替の変動相場制が決まりました。これによって、金の値段は、国に縛られることがなくなり、実態にあわせて動くようになりました。

■金の盛衰:オイルショック~株式・デリバティブの栄光

1970年代~80年代は、オイルショック・ソ連のアフガニスタン侵攻など地域紛争とインフレの時代。米ソ冷戦の戦費もかかる上に、石油の値段が高騰したために、金の値段も急上昇。米ドル/円相場は、大きく円高に進み、米ドルの価値は下がる一方。

この時に、ソ連のアフガン侵攻後にロンドン市場でついた1トロイオンス850ドルがしばらく金の史上最高値でした。(1980年1月21日)
この後は、高すぎるインフレを抑えるために、米国が高金利政策を取ったことから、金市場も落ち着きを見せ、値段も下がっていきます。

金はこんなに値上がりしている、マネーゴーランド

そして、1990年代に入ると、冷戦に勝利した米国がITバブルとデリバティブをはじめとする金融分野で世界を席巻します。すると、金利を生まない金を売り株式や債券を買う動きが強まります。冷戦も終わり、世界平和が到来すると、金を持って国から逃げだすようなことも減ることが期待されていました。

この時、ゴールド=見捨てられた資産であり、新進気鋭の投資家からは、ゴールドを持っていてもまったく儲からない・間抜けな奴しか持たないと、散々、馬鹿にされたゴールド受難の時代。

株式や不動産が上昇すると共に、金融業界に理系の頭脳が入り込むことで、デリバティブ(金融派生商品)がどんどん開発されましたしね。この繁栄の裏に、バブル崩壊や米国の衰退が待っていると誰が考えたでしょうか。

※ 尚、本記事では内容をわかりやすくするため、当時の貨幣価値は考慮せずに単純比較して計算しています。

<【シリーズ】なぜ金などの「実物資産」が好まれるのか>

  1. 大富豪は「金」が大好き!お金持ちがゴールドを資産に選ぶ理由
  2. 昔の定説「インフレに強い」は嘘⁉︎ 金の価値が変わる真の理由は?
  3. 世界経済暴落が予知できる⁉︎ 「富豪が金の値段に注目する」理由
  4. プラチナでできる資産運用!金にはない魅力&特徴は?
  5. 100年で価値が3800倍⁉︎ 歴史を知れば納得「資産家が金を持つ理由」
  6. NY金市場で$1923.7の史上最高値に!「金の価値を世界が認めた」復活劇
  7. 消費税8%分丸儲け!金密輸入が急増「日本が狙われる理由」とは
  8. 米ドル依存の世界経済の裏で…「金を買い集める」ロシア&中国の狙いは?
  9. 泥棒&偽物の危険が…金を持つデメリット4つ【お金持ちは金がお好き】

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実物資産「金・銀・プラチナ」で資産運用

米ドル依存の世界経済の裏で…「金を買い集める」ロシア&中国の狙いは?

今、米ドルが信頼を失えば、それに代わる代替通貨はありません。

第二の通貨として期待されたユーロは、度重なるユーロ圏の危機で存在そのものが怪しくなってきました。中国の人民元は、金融市場の開放・情報の公開性・世界規模での利用度のどれをとっても米ドルに遠く及びません。

そして、仮想通貨のビットコイン・・・未来の世界はいざ知らず、安定した通貨となるには、かなりの時間を費やすことでしょう。

参考:
お金の概念に革命が起こる…!新しい通貨「ビットコイン」って何?
ビットコインが急落!世界が大慌て「人民元とビットコインの深い関係」

金の価値は、一時的な下落はあっても常に復活してきました。20世紀末に、装飾品・電子部品として利用される美しく実用的な金属へと堕ちかけた金。今後、さらなる高値へと上昇していく可能性を秘めています。

■現在の世界情勢は危うさを増す

トランプ政権による米国第一主義・反グローバリズムが高まることは、世界経済にとって、危険な綱渡りになりえる可能性があります。

トランプ大統領が演説しているように、近年、世界に対する米国の地位は大きく低下しました。中国をはじめとした新興国の台頭・中東の混乱などで、米国一国が覇権を握る状態は終りました。

■強まる米ドルの存在価値

しかし、政治・経済的な米国の力は落ちても、米ドルの支配力は落ちていません。今も貿易の決済をはじめとした基軸通貨・世界通貨の地位は米ドルが保ったまま。一時は、ユーロの上昇によって、ユーロ決済を望む動きもありましたが、近年、ユーロが弱まったために、米ドルは、以前より強くなったと言えるでしょう。

そのため、世界中で、米ドルへの需要は増す一方。もしかしたら、米ドルが足りなくなるのではという話も出ていた程。トランプ政権の誕生で、米国債の大量発行・金融緩和(お金の大量生産)方向に進み、目先の米ドル不足は避けられそうな状況。

■経済危機の救い主は誰?

一方、米国第一主義を掲げるトランプ政権は、リーマン・ショック級の被害が欧州やアジアを襲った時に、救いの手を差し伸べるでしょうか。

リーマン・ショック時は、米FRBが速やかに金融システム救済に動きました。しかし、その時に救済された銀行達は、自分達の危機が終わった後に巨額のボーナスをもらったためにアメリカ人を激怒させています。「ウォール街をぶっつぶせ」運動は、終わったわけではありません。

となると、次回、金融危機が起きた時に、救いの手を差し伸べられるところがないかもしれません。欧州中央銀行・・・ギリシャやイタリアのことで手一杯です。中国・・・人民元を貸し出すことで危機が終わるとは思えません。内向きのアメリカは他国の危機を助けるかどうか不明です。

つまり、今、金融危機が起きると、かなり危ない状態にあるということ。米ドルに一極集中している通貨体制は、米国の機嫌を損ねると大変。米ドルを使えなくなった中小国は、兵糧攻めに合うのと同じです。米銀行との取引停止・米国内資産凍結など金融を武器として使えるのです。
それゆえに、トランプ政権樹立後に株価が上昇しても金は高値を維持しているのです。

例えば、ロシア・中国などは、外貨準備にしっかりと金を組み込んで、万一の事態に備えています。自国通貨・米ドルが使えない時の代替通貨はやはり「金」!

中央銀行の金保有量

中央銀行の金保有量、マネーゴーランド
※引用:WGC 2016年12月末 青線:中国、紫線:ロシア

もし、次の経済危機が起きれば、未曽有の被害が世界を襲うかもしれません。その時のために、金を買い集めている人達は必ずどこかにいることをお忘れなく。

<【シリーズ】なぜ金などの「実物資産」が好まれるのか>

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NY金市場で$1923.7の史上最高値に!「金の価値を世界が認めた」復活劇

東西冷戦の終りをきっかけに、価値の下がった金(ゴールド)は、そのままでは終わらずに華麗な復活を遂げます。今回は、そのお話しをいたします。

世界大戦の危機が去り、つかの間の平和を楽しむ経済界では、リスクヘッジの必要性が弱まった上に、金利を生まない金への注目度が下がり、資産運用への利用が減りました。株式や債券・投資信託への投資の方が、儲かるとされた為に、投資資金は株式や不動産に集中していったのです。

ところが、2001年9月11日に米国で起きた同時多発テロ。これをきっかけに、金を巡る流れがまたもや変わります。

同時多発テロが金に与えた影響は以下の通り。

  • 冷戦に変わるテロとの戦い開始
  • イラク、アフガニスタン、アフリカ、シリアと地域紛争の増加
  • 米国の戦費が増加

これは米国がベトナム戦争にのめり込んだ時と同じような状況。

■平和が終りテロとの戦争

ベトナム戦争で米国の力が弱まり、ニクソンショックで金本位制が崩れた時と同じような事態が始まります。

戦争は、お金を使いますからね。テロとの戦争で必要な軍事費のために、供給量が増えた米ドルの価値は、経済の法則に従いやすくなります。ということは、米ドルの価値が下がり、相対的に金の価値が上昇することに。

そこに、中国・インドといった新興国の成長が更なる追い風を呼び込みます。

中国・インドの両国は、歴史的な経緯から金を好む民族。お金持ちになった彼らは、万一の資産保全などを理由に金を購入します。

このように、金を巡る環境が好転し、価格が上昇しているところに畳み掛けるような大事件が発生。

■世界金融危機発生

米国のサブプライムローン危機~リーマンショックと続いていく世界金融危機が起きてしまいました。そもそも、このサブプライムローン自体が、(20世紀はやっぱり激動だった!資産価値が無くなる…金の暗黒時代とは)にお話しした、金融技術の進歩で生じた新しい金融商品であり技術。

持っている資産を担保に証券を発行するメカニズムが行き過ぎて、どんどん流通量を増やした結果、金融システム崩壊の危機に見舞われます。

ここで、苦境に陥った世界経済を救うために、中央銀行が取ったのが量的緩和政策。金利を限界まで下げた上で、お金を市場にどんどん供給することで、なんとか金融システムを安定させることに成功しました。

金利を生まないために見捨てられた金は、中央銀行が金利を下げれば、輝きを取り戻します。経済危機で株価下落の中で、リスクヘッジを求めて金に投資家が殺到しました。
市場にお金が大量に供給されているため、米ドルやユーロの価値は下がります。ならば、金とばかりに買いが集中した結果、2011年9月6日に、NY金市場では、1923.7ドルの史上最高値を付けました。

価値を失いかけた金(ゴールド)の華麗なる復活劇、マネーゴーランド

さて、金相場の歴史をカンタンにご紹介してきましたが何となく流れをご理解いただけましたでしょうか。

もっともお伝えしたいのが、歴史は繰り返すということ。

米国は、トランプ政権の誕生により、流れが変化し、金利上昇・株高・インフレへと舵を切っています。そのために、金利を生まない金の価値は下がっている途中。これはいつか来た道。この好調はいつまでも続かずに、バブルとなって弾ける時が来るでしょう。その時には、以前と同じく株価の下落・金利の引き下げが起きます。

しかも、現在のデリバティブ市場は、リーマンショック以上に膨らんでいるという指摘もあり、かつて、米国の衰退を代わりに支えた中国のような存在も見当たりません。それどころか中国も震源地の一つになりそうな状況。

ということは、次にバブルが弾けた時は、リーマンショック以上の衝撃になるというシナリオも現実のモノとなるかも知れません。

その時に、備えておくのが金(ゴールド)の役目。世間から見捨てられている時こそが、金をコツコツと貯めるチャンスだということを歴史は教えてくれているのです。

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20世紀はやっぱり激動だった!資産価値が無くなる…金の暗黒時代とは

金利上昇と株式相場が上昇している中、金の値段がしばらく下がるかもしれません。そこで、20世紀末に、金を持つことが馬鹿にされた時代を振り返ってみましょう。

■資産としての価値を失いかけた20世紀末

20世紀末、金は資産としての価値を失いかけたことがあります。工業用としての用途や装飾品としての価値は保っていましたが、資産運用として金を持つことの優先順位はかなり低かったのです。

それには、幾つかの理由が絡みます。金をあらたに掘り出す産金量の増加や中央銀行の売却などもありますが、特に大事なことは、「平和と金融技術の進歩」でした。

★冷戦終結によって、世界全体が平和に向かい、戦争等で紙幣・国債・土地が価値を失うリスクが減る。
★金融技術の進歩で、資産運用手段が増えた。

■冷戦終結

20世紀末は、米国とソ連の二超大国が君臨し、世界中が両陣営に分かれて軍拡競争を繰り広げていた時代でした。ノストラダムスの予言では、1999年に人類は滅亡すると言われており、真剣に信じていた人もいたくらい。

大規模戦争が起きるかどうか一触即発の状態。あちこちで、米ソの代理戦争が行われ、核戦争の脅威に人類はおびえていました。その頃の映画「ウォーゲーム」や漫画「北斗の拳」などにその影響は表れています。

ところが、軍拡競争に敗れたソ連および東側諸国は、崩壊への道をたどります。そして、遂に世界に平和が訪れました。

東西冷戦終結で世界が平和になったとは言えないのは現代に生きる我々は知っての通り。
ただ、当時は、世界平和がトレンドになり、欧州諸国を中心に金を持って他国に逃げなければいけないリスクは減りました。

ということは・・・資産のラストリゾート・安全資産としての金の価値は下がってしまいます。

■金融技術の進歩:ロケットサイエンティストの登場

さて、もう一つの要因として、金融技術がこの時代に大きく進化したことがあげられます。

冷戦終結は、米ソの優秀な科学者を軍事技術の開発に専任させる必要をなくしました。軍事費が削られて職を失った彼らが、こぞって金融業界に職を求めて、金融技術が大きな進歩を遂げるのです。

金の暗黒時代、マネーゴーランド

宇宙に行くより金儲け

宇宙への夢や核ミサイルの開発よりも、金融技術の革新に人とお金がつぎ込まれ、デリバティブ(金融派生商品)が次々に開発されたのです。

ABS(資産担保証券)などが普及し、実体経済やマネーの何百・何千倍というお金がデリバティブの世界で膨らみ始めた時代。

金融界では、地中からわずかしか掘り出せない金は時代遅れ。株式・債券・先物・オプションなど多彩な金融商品が登場し、金利を生まない金は選ばれなくなりました。

株式や債券は、保有していると配当や利息を貰えます。しかし、金を保有していても利子が付きません。

世界は、グローバル化が進み、政治や軍事よりも経済・金儲けが大事になる中で、金の価値はどんどん下落しました。

ついに、1999年7月には、1トロイオンス252.80ドルまで下がりました。円建てだと1999年9月の値段が、1gあたり917円。この価格では南アフリカなど古くからの鉱山は採算が取れないために、鉱山の閉山や会社の合併・リストラなどでしのぐ時期が金の暗黒時代でした。当時、筆者は純金積み立ての事業を兼任していた頃ですが、営業展開に苦戦していたのは言うまでもないですね。

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