窓口担当者の言葉を信用したら…「生命保険でよく起こる」典型的失敗例

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<材料>

・生命保険

<Point>

1生命保険の必要保障額は人それぞれ

2保険金額の根拠に納得してからサインする

第一子が生まれ、幸せいっぱいのAさん夫婦(Aさんは会社員、Aさんの妻は専業主婦)。出産を機に生命保険に加入することに。加入した保険の内容は、死亡保障として収入保障保険と終身保険、学資保険がわりとしての終身保険でした。

この情報だけを聞くと一般的な加入パターンです。では、どこに問題があったのでしょうか?

■生命保険の必要保障額は人それぞれ

慣れない第一子の子育てのなか、頑張って家計のやりくりをしてもなかなか通帳の残高が増えないことに不安を抱き始めたAさんの妻。そこで、家計の各費目とその内容を確認することになりました。

費目ごとにどういう理由でお金を使っているのかを尋ねるときちんと答えられます。ある1つの費目を除いては。気になったのは生命保険に加入したときの生命保険のアドバイザーとの会話でした。

「Aさんに万一のことがあった時のために死亡保障はこれくらいあったほうがいい、子どもの教育資金の準備にはこれくらいが必要」と金額を提案され、そういうものなんだな、と提案されるまま保険に加入したといいます。

保険金額をいくらに設定するとよいのかは、Aさん夫婦の今後のライフプランやAさんに万一のことがあった時の家族の収支バランスによって大きく異なります。ではAさん夫婦の考えは?

Aさん夫婦は、今後の収入が増えていくのは難しいので、子育てが落ち着いたら妻もパートなどの収入を得る考えです。子どもは1人、大学への進学は家計の無理のない範囲で応援してあげたいとも思っています。Aさんに万一のことがあった時は、妻は子育てをしながらも就労し家計を支える考えで教育資金は奨学金も視野に入れています。

■Aさん夫婦の失敗の原因

万一のときのライフプランも含め考えがまとまっているAさん夫婦。では、この考えを生命保険のアドバイザーに話したのでしょうか?Aさん夫婦は、保険の相談をした時にライフプランについても現在の家計の収支についても聞かれなかったそうです。

Aさん夫婦の失敗の原因は、生命保険の必要保障額は人それぞれ違うということを知らなかったことにあります。学資保険の代わりに加入した終身保険についても同様のことが言えます。教育資金をいくら準備するかは人それぞれです。

Aさん夫婦は、収入保障保険と学資保険代わりに加入した終身保険の両方の保険金額をきちんと計算すると、保険料は1か月で約1万2000円浮いてくる計算になりました。

統計に基づいた資料は参考にはなりますが、自分に合っているとは限りません。生命保険に加入するときは、提案された保険金額の根拠に納得してからサインするようにしましょう。

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執筆者

中山弘恵

ファイナンシャル・プランナー/住宅ローンアドバイザー/介護相続コンサルタント 関西学院大学卒業後、損害保険会社勤務中にCFP®(ファイナンシャルプランナー上級資格)を取得、その後、都市銀行での資産運用アドバイス・住宅ローン審査業務を経て、現職へ。現在は、相談業務を中心に講師、執筆業務に従事。「安心しながら気軽に話せる相談相手」「わかりやすいセミナー」として定評がある。エフピースマイル代表 http://www.fpsmile.com/

中山弘恵

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妻一人で決めたら危険!生命保険「適正な必要保障額」見極めのコツ

妊娠・出産をきっかけに生命保険(※)に加入する人は多いですが、保険の相談をするときは、夫婦揃っているときがベストです。その理由は、必要保障額の適正金額を決める時のいくつかの質問にあります。

■必要保障額とは

必要保障額とは、遺された家族が一生涯に必要とするお金から、入ってくる予定のお金と預貯金を引いた金額のことをいいます。

必要保障額=(遺された家族が一生涯に必要とするお金)ー(入ってくる予定のお金)ー(預貯金)

遺された家族が一生涯に必要なお金を「支出」、これから入ってくる予定のお金を「収入」と言い換えてみます。家計において、支出よりも収入が多ければ安心して生活できます。収入よりも支出が多い年であっても、貯蓄があれば家計が破綻することはありません。

それと同様に、万一のことが起こった場合も、これからかかるお金(=支出)よりもこれから入ってくるお金(=収入)が多いと、遺された家族は安心して生活できるということになります。これから入ってくるお金(=収入)よりもこれからかかるお金(=支出)が多くても、そのマイナス分だけ貯蓄があれば安心ですね。

つまり必要保障額がゼロ、あるいはマイナスであれば良いわけです。

■必要保障額を知るために必要な情報は?

では、必要保障額を求めるためには、家族のどのような情報があれば計算できるのでしょうか。ファイナンシャルプランナーである筆者の保険相談では、家族の年齢や職業などの基本情報に加え、下記についてお聞きします。

【遺された家族が一生涯に必要なお金がいくらかを知るために必要な情報】
(1)今後の生活費
(2)住居費
(3)教育費
(4)葬儀費用
(5)その他の費用(車の買替費用や住居関連費など)

【入ってくるお金がいくらかを知るために必要な情報】
(6)公的年金(遺族年金、妻の老齢年金)
(7)企業保障(会社員の場合で死亡退職金、弔慰金など)
(8)妻あるいは夫の収入
(9)その他の収入(自宅の売却金など)

<必要保障額>
生命保険の必要保障額は適正ですか?正しく入るコツは夫婦の会話にあり、マネーゴーランド

■夫婦揃って保険相談をするのがベストな理由

上記(1)〜(9)の9項目のなかで、筆者がお金の専門家として知識を提供できるのは(6)です。それ以外の項目で筆者がサポートできることは、夫が亡くなる場合と妻が亡くなる場合の両方を想像していただき、夫婦それぞれが、遺された家族にはどのような生活を送ってもらいたいか、パートナーに先立たれてしまった場合はどのような生活を送ると思うかをヒアリングし、それを数字に置き換えて必要保障額を算出することです。

妊娠・出産という幸せな生活を送っているときに、もしもの時の生活費や教育費、住まい、働き方などを夫婦で話し合うことは気が重いかもしれません。ですが、万一の時の必要保障額を夫婦で共有することで、家計管理を意識するようになったり、子どもの教育方針が見えてきたりします。

保険の相談をするときは、夫婦揃っているときがベストであることがおわかりいただけたでしょうか。妻が妊娠中で体調が芳しくない、子どもを出産したばかりで夫婦のどちらかしか話ができないなどということもあります。その場合は、前もって必要保障額の決定に必要な内容を夫婦で話し合い、夫婦のどちらかが代表で相談をするといいでしょう。

※この記事では、主契約が死亡保障の保険を生命保険と呼んでいます。

万が一夫が…残された家族に必要なお金はいくら?【生命保険の決め方】後編

今回は、遺された家族に入ってくる見込み額(=収入)を計算し、最終的に遺族が生命保険で準備しておきたい保障額を算出します。

遺された家族が一生涯に必要とするお金(=支出)については、前回のコラム 万が一夫が…残された家族に必要なお金はいくら?【生命保険の決め方】 を参照してください。

■遺された家族は一生涯に必要なお金のすべてを準備するわけではない

前回のコラムでは、遺された家族が一生涯に必要なお金(=支出)の合計は9,018万円になりましたが、その全額を準備する必要はありません。なぜなら、私たちには公的保障や企業内保障で賄われる保障があるからです。

私たちは、支出額の総額から公的保障と企業内保障を差し引いた部分を生命保険や生命共済などの私的保障で準備することになります。
万が一夫が…残された家族に必要なお金はいくら?【生命保険の決め方】後編、マネーゴーランド

■公的保障でいくらもらえる?

私たちには公的保障として遺族年金がありますが、夫の職業にかかわらず、18歳未満の子どもがいる場合は、子どもが18歳に到達する年度の末日まで(1、2級障害のある場合は20歳未満)、遺族基礎年金を受給することができます。年金額は定額で、子どもの人数に応じて加算があります。

会社員・公務員は遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金を受給することができます。遺族厚生年金は、妻が亡くなるまで受給できます。

万が一夫が…残された家族に必要なお金はいくら?【生命保険の決め方】後編、マネーゴーランド

さらに、遺族厚生年金を受給する妻には中高齢寡婦加算があります。中高齢寡婦加算とは、遺族基礎年金を受け取れない妻に対して、夫の死亡時に妻が40歳以上などの場合であれば、 妻自身の老齢基礎年金を受給する65歳になるまでの間加算されるものです。

妻は65歳になると、亡くなるまで妻自身の老齢基礎年金を受給することができます。

<遺族年金の受給イメージ>
万が一夫が…残された家族に必要なお金はいくら?【生命保険の決め方】後編、マネーゴーランド

それぞれ受給できる年金の種類と金額は以下のとおりです。

(1)遺族基礎年金の年金額
基本額:780,100円(定額)〈年額〉
加算額:子ども2人目まで…1人につき 224,500円 
子ども3人目以降…1人につき 74,800円

(2)遺族厚生年金の目安額
平成15年以降の勤務期間が長い人の場合
万が一夫が…残された家族に必要なお金はいくら?【生命保険の決め方】後編、マネーゴーランド

(3)中高齢寡婦加算の金額
585,100円

(4)妻の老齢基礎年金の金額
780,100円

死亡&医療保障は不要?おひとりさまの老後資金計画「保険の選び方」

おひとりさまの心配ごとのひとつとして、老後の生活で病気・介護が長期化したときのお金のことが挙げられます。

これらの不安を解消するのに生命保険で備えることもできますが、漠然とした不安だけで加入するとムダな保障に入ってしまうことも。

おひとりさまに必要な保険はどのようなものでしょうか。

■おひとりさまの死亡保障

死亡保険金は、遺族が困らないために残すものなので、両親を養っているなどなければ特に必要ありません。もし、お葬式代や整理資金は保険で残したいなら200~300万円を目安にしましょう。

■おひとりさまの医療保障

医療保険は、万一、大きな病気やケガをした時の資金的なリスクを回避するもの。
ただ、知っておきたいのは、医療機関や薬局での支払いには、月ごとに負担上限があり、超えた分は申請すると還付が受けられます。特に70歳以上の人は、現役世代に比べ上限額が低くなっているので助かります。

⚫️高額療養費<70歳以上の方の場合>
おひとりさまの老後プランと高額療養費、マネーゴーランド
※同一の医療機関等における自己負担(院外処方代を含みます)では上限額を超えない時でも、同じ月の複数の医療機関等における自己負担を合算することができます。この合算額が負担の上限額を越えれば、高額療養費の支給対象となります。

たとえば、73歳の人が病気で入院し医療費が100万円かかったとき、一般的な所得水準なら病院への支払額は20万円(2割負担)。この場合、負担上限が44,400円なので、請求すると超過分が払い戻されるわけです。

つまり、長く入院が続いたとしても、ひと月の負担上限額を自分で払えるなら、基本的に保険は必要ないのです。健康保険適用外の先進医療や差額ベッド代などは全て自己負担なので、それも含め検討してください。

■おひとりさまの介護保障

公的な介護保険制度は、介護の程度に応じて一定金額までは1割負担で介護サービスが受けられます(一定以上の所得なら2割負担)。

⚫️介護保険の支給限度額 1か月あたりの利用限度額(標準的な地域の例)
おひとりさまの老後プランと高額療養費、マネーゴーランド
※自己負担額は、一定以上の所得がある場合は2割負担

たとえば、最も重い“要介護5”なら約36万円の介護サービスが約36,000円で受けられるのです。更に、ひと月の負担が一定額を超えたときは、前述の医療費の場合と同じく還付を受けられます(高額介護サービス費といいます)。介護は、一般的な所得のケースで37,200円が負担上限と覚えておきましょう。

⚫️高額介護サービス費
おひとりさまの老後プランと高額療養費、マネーゴーランド
※世帯・・介護サービスを利用した方全員の負担の合計の上限額
※個人・・介護サービスを利用した本人の負担上限額

■医療費と介護費が両方かかるとき・・

このように医療も介護もそれぞれ負担上限がありますが、場合によっては両方の費用が同時にかかることも考えられます。でも、そんな時も安心。日本の社会保険制度は優れており、1年間の医療と介護の合計額が一定以上になるときは、更に還付が受けられるようになっているのです(高額医療・高額介護合算療養費といいます)。

こちらも所得によって負担上限額が違いますが、一般的なケースでは1年間で56万円を超えたら還付されるようになっています。これを目安に民間の介護保険を検討するのもひとつです。

■さいごに

おひとりさまの保険は、遺族に保険金を残すのではなく、生きている間のリスクをいかに回避するかが目的です。社会保障制度である程度守られているため、それを知ったうえで民間の保険を活用します。ただ、少子高齢化の今、社会保険制度は徐々に厳しくなる傾向にもあります。時々、大きな変更がないかチェックしておきましょう。

<おひとりさまの老後資金計画シリーズ>
老後貧乏を回避!「おひとりさまの老後資金計画」基本4ステップ
おひとりさまの老後資金計画「個人年金は終身にするべき?」

35歳なら5530万円⁉︎ あなたの価値を冷酷にはじき出す「生命価値」とは

人の命をお金に例えるなんてしたくありませんよね。だけど万が一、交通事故などで第三者に後遺症が大きく残るケガをさせてしまったり、死亡させてしまったりしたら損害賠償請求をされてお金を支払うことになります。

そんなときにはどんな基準で人の命の価値を計算しているのか疑問に思ったことはありませんか? そしてもし、あなたが今、交通事故で死亡してしまったらいったいいくら支払われるのでしょうか?

■交通事故の際にはライプニッツ係数を使用

交通事故で後遺障害が残った場合や死亡した場合、被害者の「逸失利益」や慰謝料を請求することになります。

「逸失利益」とは被害者が生きていたらと仮定して、得られた収入から生活費(30%~40%程度)をひいた額をいいます。死亡した年齢によってあと何年働けたのかが変わってきます。このあと何年かは原則、死亡時から67歳までの期間を指します。

ただし、被害者が未成年者の場合は67歳から18年間をひいた49年間になります。また、年金生活者は平均余命年数を終期とし、高齢者は平均余命年数の2分の1になります。

生涯の収入を前倒しにして一時金で受け取るため、前倒しでもらう分利益が生じると考え、一部を割り引かれます。その割り引く金額を出すために、「ライプニッツ係数」という指数が使われて計算されます。

■35歳・40歳・45歳、年収500万円の場合の生命価値は?

年収×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数=死亡逸失利益

という計算式に当てはめて計算してみましょう。生活費控除率は30%としましょう。
35歳の人の場合、ライプニッツ係数は就労可能年数が32年(67歳-35歳)のため15.803を使用します。

5,000,000円×(1-0.3)×15.803=55,310,500円

つまり、55,310,500円が生命の価値となります。

次は40歳で年収500万円の人の場合で考えてみましょう。
40歳の人の場合、ライプニッツ係数は就労可能年数が27年(67歳-40歳)のため14.375を使用します。

5,000,000円×(1-0.3)×14.375=50,312,500円

こちらの人の生命の価値は50,312,500円となります。

45歳の人の場合、ライプニッツ係数は就労可能年数が22年(67歳-45歳)のため13.163を使用します。

5,000,000円×(1-0.3)×13.163=46,070,500円

45歳の人は46,070,500円が生命の価値となります。

■高齢者の生命価値は?

では、高齢者はどうでしょうか?70歳の年金生活者(年金100万円)が交通事故で亡くなったとします。平均余命の2分の1に対応するライプニッツ係数8.3064を使用します。生活費控除率は50%とします。

1,000,000円×(1-0.5)×8.3064=4,153,200円

生命価値は4,153,200円という事になります。

■まとめ

いかがでしょうか?この価値、高いと見ますか?低いと見ますか?
この生命価値、将来の可能性などは加味してはくれません。自分が被害者になってしまったら家族も納得する金額ではないと思います。

日々、交通事故のニュースを見ない日はありませんし、かなりの確率で交通事故現場を目にするのではないでしょうか? 人の命の価値は交通事故においてはかなり低くなってしまいます。日頃、車の運転などには十分注意を払いたいものですね。

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