米ドル依存の世界経済の裏で…「金を買い集める」ロシア&中国の狙いは?

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今、米ドルが信頼を失えば、それに代わる代替通貨はありません。

第二の通貨として期待されたユーロは、度重なるユーロ圏の危機で存在そのものが怪しくなってきました。中国の人民元は、金融市場の開放・情報の公開性・世界規模での利用度のどれをとっても米ドルに遠く及びません。

そして、仮想通貨のビットコイン・・・未来の世界はいざ知らず、安定した通貨となるには、かなりの時間を費やすことでしょう。

参考:
お金の概念に革命が起こる…!新しい通貨「ビットコイン」って何?
ビットコインが急落!世界が大慌て「人民元とビットコインの深い関係」

金の価値は、一時的な下落はあっても常に復活してきました。20世紀末に、装飾品・電子部品として利用される美しく実用的な金属へと堕ちかけた金。今後、さらなる高値へと上昇していく可能性を秘めています。

■現在の世界情勢は危うさを増す

トランプ政権による米国第一主義・反グローバリズムが高まることは、世界経済にとって、危険な綱渡りになりえる可能性があります。

トランプ大統領が演説しているように、近年、世界に対する米国の地位は大きく低下しました。中国をはじめとした新興国の台頭・中東の混乱などで、米国一国が覇権を握る状態は終りました。

■強まる米ドルの存在価値

しかし、政治・経済的な米国の力は落ちても、米ドルの支配力は落ちていません。今も貿易の決済をはじめとした基軸通貨・世界通貨の地位は米ドルが保ったまま。一時は、ユーロの上昇によって、ユーロ決済を望む動きもありましたが、近年、ユーロが弱まったために、米ドルは、以前より強くなったと言えるでしょう。

そのため、世界中で、米ドルへの需要は増す一方。もしかしたら、米ドルが足りなくなるのではという話も出ていた程。トランプ政権の誕生で、米国債の大量発行・金融緩和(お金の大量生産)方向に進み、目先の米ドル不足は避けられそうな状況。

■経済危機の救い主は誰?

一方、米国第一主義を掲げるトランプ政権は、リーマン・ショック級の被害が欧州やアジアを襲った時に、救いの手を差し伸べるでしょうか。

リーマン・ショック時は、米FRBが速やかに金融システム救済に動きました。しかし、その時に救済された銀行達は、自分達の危機が終わった後に巨額のボーナスをもらったためにアメリカ人を激怒させています。「ウォール街をぶっつぶせ」運動は、終わったわけではありません。

となると、次回、金融危機が起きた時に、救いの手を差し伸べられるところがないかもしれません。欧州中央銀行・・・ギリシャやイタリアのことで手一杯です。中国・・・人民元を貸し出すことで危機が終わるとは思えません。内向きのアメリカは他国の危機を助けるかどうか不明です。

つまり、今、金融危機が起きると、かなり危ない状態にあるということ。米ドルに一極集中している通貨体制は、米国の機嫌を損ねると大変。米ドルを使えなくなった中小国は、兵糧攻めに合うのと同じです。米銀行との取引停止・米国内資産凍結など金融を武器として使えるのです。
それゆえに、トランプ政権樹立後に株価が上昇しても金は高値を維持しているのです。

例えば、ロシア・中国などは、外貨準備にしっかりと金を組み込んで、万一の事態に備えています。自国通貨・米ドルが使えない時の代替通貨はやはり「金」!

中央銀行の金保有量

中央銀行の金保有量、マネーゴーランド
※引用:WGC 2016年12月末 青線:中国、紫線:ロシア

もし、次の経済危機が起きれば、未曽有の被害が世界を襲うかもしれません。その時のために、金を買い集めている人達は必ずどこかにいることをお忘れなく。

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  • 米ドル依存の世界経済の裏で…「金を買い集める」ロシア&中国の狙いは?

執筆者

上村 和弘 (かみむらかずひろ)

アセットクラス&WEBコンサルティングLLC 代表CEO・ファウンダー 日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP会員、1級FP技能士 1990年 現三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社を皮切りに、証券リテール業務や企画調査、ファンド事業等に従事。1999年より、FX事業の新規立ち上げ後、複数社での金融ネット事業の立ち上げ、事業再構築・運営等の統括マネージメントを経て2011年独立。現在、金融情報サービス事業をコアに、投資教育系、システムツールのサポート業務を行う他、シンクタンク系企業、金融システムベンダー等の顧問等を兼務する。1968年生、宮崎県出身。

上村 和弘

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資産家たちは、金を持つ場合に1~2年といった目先の動きに一喜一憂しません。十年以上・・・時には、子孫の代まで考えて金を保有します。

そして・・・金を保有し続けていたお金持ちの考えは近年の値上がりを見ると正しい選択でした。長い目で見ると、政府の発行する紙幣や国債は、破たんや価値の下落が相次いでいるのです。

金を長期間に渡り、観ることで、そのことが如実に分かります。

■日本の金は100年で、とんでもなく上昇

日本が1897年(明治30年)に、貨幣法を制定した時の値段は、0.75g=1円。1gになおすと約1.3円。今の値段は1g=約5,000円ですから、凄まじい値上り率!

もちろん、お米・土地といった全ての物価が上がった結果、金も値上りしているわけです。ここで、大事なのは、金を含めたモノの値段が上がったということは、長い目で見た時にお金の価値は大きく下がっているという裏からの視点です。

お金持ちたちは、お金を持っているだけでは飽き足らず、なぜ、資産をさらに増やそうと努力したり、金を買ったりするのか?

その答えは、お金として持っているだけでは減っていくから。だからこそ、必死にお金を運用して増やそうとするのです。

金はこんなに値上がりしている、マネーゴーランド

■第二次大戦後の米ドル建て金も大きく上昇

さて、次に、世界的な金の値動きを第二次大戦後から見てみましょう。こちらも大きく値上がりしています。

1944年に第二次大戦戦後の経済体制を決めたブレトンウッズ協定は、1トロイオンス(31.1035g)の金の値段を35ドルと定めました。これが、金本位制による正式な価格です。

その後、米ソの冷戦・朝鮮戦争・ベトナム戦争など相次ぐ戦争で、米国の軍事費は増加する一方。
軍事費を賄うために、増刷を続けた米ドルの威信は徐々に低下し、財政・貿易と双子の赤字が溜まります。そこで、信頼を失いつつある米ドルを持っていては不安で、金と交換して欲しいというニーズが世界中で高まります。

ついに、金と米ドルの交換を保証できなくなった米国は、1971年に金本位制からの離脱を宣言。(ニクソンショック)。これは、とてつもない衝撃を世界に与えました。

その後、1971年12月にスミソニアン会議が開かれ、金は1トロイオンス38ドルと定められました。ブレトンウッズ協定時から3ドルの値上がり。ところが、この体制は、約5年しか持たず、1976年1月にジャマイカで開催された会議において、とうとう、金の廃貨と外国為替の変動相場制が決まりました。これによって、金の値段は、国に縛られることがなくなり、実態にあわせて動くようになりました。

■金の盛衰:オイルショック~株式・デリバティブの栄光

1970年代~80年代は、オイルショック・ソ連のアフガニスタン侵攻など地域紛争とインフレの時代。米ソ冷戦の戦費もかかる上に、石油の値段が高騰したために、金の値段も急上昇。米ドル/円相場は、大きく円高に進み、米ドルの価値は下がる一方。

この時に、ソ連のアフガン侵攻後にロンドン市場でついた1トロイオンス850ドルがしばらく金の史上最高値でした。(1980年1月21日)
この後は、高すぎるインフレを抑えるために、米国が高金利政策を取ったことから、金市場も落ち着きを見せ、値段も下がっていきます。

金はこんなに値上がりしている、マネーゴーランド

そして、1990年代に入ると、冷戦に勝利した米国がITバブルとデリバティブをはじめとする金融分野で世界を席巻します。すると、金利を生まない金を売り株式や債券を買う動きが強まります。冷戦も終わり、世界平和が到来すると、金を持って国から逃げだすようなことも減ることが期待されていました。

この時、ゴールド=見捨てられた資産であり、新進気鋭の投資家からは、ゴールドを持っていてもまったく儲からない・間抜けな奴しか持たないと、散々、馬鹿にされたゴールド受難の時代。

株式や不動産が上昇すると共に、金融業界に理系の頭脳が入り込むことで、デリバティブ(金融派生商品)がどんどん開発されましたしね。この繁栄の裏に、バブル崩壊や米国の衰退が待っていると誰が考えたでしょうか。
次回に続きます。

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では、具体的に金の値段がどのくらいなのか、調べてみましょう。 金メダル1個は238万円の価値⁉︎「金にまつわる」気になるアレコレ で、オリンピックの金メダル1個の値段を算出していますから、いかに金が高価なものかわかることでしょう。

これまで金を持つ良い点を中心にご紹介しましたが、決してメリットだけではありません。金を持つデメリットについては 泥棒&偽物の危険が…金を持つデメリット4つ【お金持ちは金がお好き】 を参考にすることを、おすすめします。

NY金市場で$1923.7の史上最高値に!「金の価値を世界が認めた」復活劇

東西冷戦の終りをきっかけに、価値の下がった金(ゴールド)は、そのままでは終わらずに華麗な復活を遂げます。今回は、そのお話しをいたします。

世界大戦の危機が去り、つかの間の平和を楽しむ経済界では、リスクヘッジの必要性が弱まった上に、金利を生まない金への注目度が下がり、資産運用への利用が減りました。株式や債券・投資信託への投資の方が、儲かるとされた為に、投資資金は株式や不動産に集中していったのです。

ところが、2001年9月11日に米国で起きた同時多発テロ。これをきっかけに、金を巡る流れがまたもや変わります。

同時多発テロが金に与えた影響は以下の通り。
・冷戦に変わるテロとの戦い開始
・イラク、アフガニスタン、アフリカ、シリアと地域紛争の増加
・米国の戦費が増加

これは米国がベトナム戦争にのめり込んだ時と同じような状況。

■平和が終りテロとの戦争

ベトナム戦争で米国の力が弱まり、ニクソンショックで金本位制が崩れた時と同じような事態が始まります。

戦争は、お金を使いますからね。テロとの戦争で必要な軍事費のために、供給量が増えた米ドルの価値は、経済の法則に従いやすくなります。ということは、米ドルの価値が下がり、相対的に金の価値が上昇することに。

そこに、中国・インドといった新興国の成長が更なる追い風を呼び込みます。

中国・インドの両国は、歴史的な経緯から金を好む民族。お金持ちになった彼らは、万一の資産保全などを理由に金を購入します。

このように、金を巡る環境が好転し、価格が上昇しているところに畳み掛けるような大事件が発生。

■世界金融危機発生

米国のサブプライムローン危機~リーマンショックと続いていく世界金融危機が起きてしまいました。そもそも、このサブプライムローン自体が、前回(20世紀はやっぱり激動だった!資産価値が無くなる…金の暗黒時代とは)にお話しした、金融技術の進歩で生じた新しい金融商品であり技術。

持っている資産を担保に証券を発行するメカニズムが行き過ぎて、どんどん流通量を増やした結果、金融システム崩壊の危機に見舞われます。

ここで、苦境に陥った世界経済を救うために、中央銀行が取ったのが量的緩和政策。金利を限界まで下げた上で、お金を市場にどんどん供給することで、なんとか金融システムを安定させることに成功しました。

金利を生まないために見捨てられた金は、中央銀行が金利を下げれば、輝きを取り戻します。経済危機で株価下落の中で、リスクヘッジを求めて金に投資家が殺到しました。
市場にお金が大量に供給されているため、米ドルやユーロの価値は下がります。ならば、金とばかりに買いが集中した結果、2011年9月6日に、NY金市場では、1923.7ドルの史上最高値を付けました。

価値を失いかけた金(ゴールド)の華麗なる復活劇、マネーゴーランド

さて、金相場の歴史をカンタンにご紹介してきましたが何となく流れをご理解いただけましたでしょうか。

もっともお伝えしたいのが、歴史は繰り返すということ。

米国は、トランプ政権の誕生により、流れが変化し、金利上昇・株高・インフレへと舵を切っています。そのために、金利を生まない金の価値は下がっている途中。これはいつか来た道。この好調はいつまでも続かずに、バブルとなって弾ける時が来るでしょう。その時には、以前と同じく株価の下落・金利の引き下げが起きます。

しかも、現在のデリバティブ市場は、リーマンショック以上に膨らんでいるという指摘もあり、かつて、米国の衰退を代わりに支えた中国のような存在も見当たりません。それどころか中国も震源地の一つになりそうな状況。

ということは、次にバブルが弾けた時は、リーマンショック以上の衝撃になるというシナリオも現実のモノとなるかも知れません。

その時に、備えておくのが金(ゴールド)の役目。世間から見捨てられている時こそが、金をコツコツと貯めるチャンスだということを歴史は教えてくれているのです。

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やっぱり純金積立は魅力的?最強の安全資産「金の買い方」基本ガイド

金保有する人のタイプは資産全体を守る「安全性重視」と積極的に金で儲ける「利益重視」の二つに大きく分けられます。

両方を狙いすぎるとアブハチ取らずになりやすいので、どちらをメインテーマに取引するのかハッキリしておくことが大切。

金融商品として金を購入する時は、現物の金を持つ時よりも「価格の動き」に注目します。

金融商品の場合、金融機関がパッケージ化した商品を提供しており、金の現物のデメリットとなる保管方法に悩まなくて済みます。金価格の変動で利益を得ることを目的に取引している人も多く、投資としても人気があります。

ただし、戦争・国家破綻といった100年に一度レベルの大惨事が起きて、金融機関が軒並み破たんするような場合には、金融商品としての金が価値を維持できないことがあります。その場合は、現物の金が最強の安全資産となるでしょう。

では、金融商品としての金にどんなものがあるか見ていきましょう。

■純金積立

もっとも気軽な金の購入方法の一つ。毎月一定金額で金を購入していきますので、続けていけば、かなりの量の金を積立てることができます。純金積立は、金価格の変動で儲けるというより、少額の金を毎月積み立てることで、資産を確実に増やしていく商品。金だけでなくプラチナを積み立てることもできます。

購入した金は、取引会社に預ける形で、様々な報告書で金が溜まっていくのを見て喜びを感じることができます。最低額は毎月千円からのところが多く、田中貴金属をはじめ銀行・証券会社等で取り扱っています。

■金ETF

株式の投資信託と同じ仕組みで、金上場投資信託とも呼びます。株式市場に上場されていて、市場が開いている時は自由に売買できるため、資産運用の一つとして利用しやすい商品です。

金ETFの価格は金価格に連動して同じ動きをします。現在、金ETFは数本運用されており、ロンドン金価格に連動しているものと日本国内の金価格に連動しているものとがあります。そのため、同じ金ETFでも連動の対象となる価格が違うことに注意が必要です。

銘柄により最低購入額は違い、数千円もしくは数万円から取引ができます。

■金の商品先物取引

金・銀・プラチナといった貴金属を取引する専門の取引所が商品先物取引所。最低売買単位が1kg(約450万円)もしくは100gと大きく、金取引に慣れている人向け。金地金の現物を受け取れる現受けもできるため、大口の顧客で利用している人もいます。

その分、値上がり益を狙うだけでなく、値下がりでの利益を狙うこともできますし、レバレッジ(担保になる一部の証拠金を預けることで、大きな取引が可能となる)により、少ない資金で大きな取引を行うことができます。取引にかかる手数料も金取引の中では、安いため、金の売買を積極的に行う人の間で人気があります。

■金のCFD取引

CFD取引は、金先物と同じく価格変動による売買益狙いの金融商品。レバレッジ・値下がり利益を狙えるのも同じ。金先物との違いは、現物を受け取ることができないことや24時間取引ができるなど取引の利便性が高いこと。また、米ドル建てで取引できるために、為替の影響を受けずに金を取引できることはメリットと言えるでしょう。

金融商品としての金の購入!「金&プラチナの買い方」基本ガイド2、マネーゴーランド

ちなみに、、、
ロコ・ロンドン金取引などを電話や訪問営業で勧誘してくるケースもごくごく稀にありますが、かなり怪しい為、手を出さない方が無難です。金価格の変動を100%当てることは誰にもできません。金を買いたい場合は、自分自身で買いに行くこと。見ず知らずの他人や知人からの儲け話をうのみにすれば、お金は無くなり残るのは後悔だけです!

同じ金融商品でも、それぞれ特徴がありますね。少額の資金かつ経験の浅い方は、純金積立か金ETFがおすすめです。商品先物取引とCFD取引は、投資の経験を積んだベテラン向けの商品ですから、安易に手を出さない方が良いかと思います。

では、金価格って、何が起きれば動くの、というお話は次回に!

<これまでの金のシリーズ>
大富豪は「金」が大好き!お金持ちがゴールドを資産に選ぶ理由
泥棒&偽物の危険が…金を持つデメリット4つ【お金持ちは金がお好き】
お金を増やしたいなら知ってて当然!「金&プラチナの買い方」基本ガイド

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