休日出勤で手当てがもらえる!「35%の割増賃金になる」場合は…

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会社から「次の休日は出勤してくれ」と言われて、休日出勤をして別の日に休んだことがありませんか?実はその休日出勤が振替か代休かによって、割増賃金が異なります。その違いを見てみましょう。

■振替になるパターン

繁忙期など仕事が忙しい時に「今度の休日は出勤してくれ」と上司から言われた場合、断る人はいないかと思います。その時に例えば「1日の休日は出勤をしてくれ。その代りに3日は休んでいいよ」と言われた場合の3日が振替となります。

事前にあらかじめ振り替えるべき日を特定しています。この振替は単に休日を振り替えただけなので割増賃金は発生しません。

■代休になるパターン

上司から「明日は仕事の納期が迫って忙しいので、休みだけれど出勤をしてくれ」と言われ、替わりの休日を指定されないまま出勤をして仕事をしました。そして帰る時に「今日の休日出勤の分は明日か明後日1日休んでいいよ」と言われ、次の日休んだ場合が代休にあたります。

これは休日労働を行った後で、その代償としてその後の特定の日の労働を免除することになり、休日労働はすでに行われているので割増賃金が発生するのです。

代休の場合、事前に休みが指定されません。そのため、休日に出勤をしたのでその日は休日出勤となり、35%の割増賃金が必要となります。いくら別の日に休ませたからと言って払わないと法律違反となります。

■振替と代休の違い:事前に休みが指定されるかどうか

休日出勤とは、書いて字のごとくお休みの日に出勤をして仕事をすることです。お休みなのに仕事をしたと言うことで35%の割増賃金が発生します。振替の場合、割増賃金が発生せず、反対に代休の場合は発生することに。

どこがどう違うのか簡単に説明すると「休日に出勤をすることになった時に、事前に休みが指定されるかどうか」です。事前に指定された場合には、振替となって割増賃金はありません。

■就業規則で確認しよう

また、注意をしてほしいのが就業規則です。実は振替を実施するには、就業規則に「休日を他の日に振り替えることがある」旨を記載しなければなりません。この記載がないといくら事前に休みを指定しても代休になります。一度就業規則も確認をするとよいでしょう。

ただし、社員が10人未満の会社は就業規則作成の義務がないので作っていないかもしれません。その場合はそれに代わるものを作成して社員に周知をしなければならないので、たぶん就業規則がない会社は、振替ができないものと考えていいかと思います。

今後「休日に出勤をしてね」と言われて事前に別の休みの日が指定されたかどうか確認をしておいてください。指定されなければ(つまり休日に出勤をしてその日にこの日に代わりに休んでくれと言われた場合)給与明細に休日出勤の手当が支払われているかどうかチェックすることをお勧めします。

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執筆者

菅田芳恵 社会保険労務士/ ファイナンシャル・プランナー

愛知大学卒業後、証券会社、銀行、生命保険会社、コンサルティング会社に勤務した後、49歳から2年間でCFPや社労士等7つの資格を取って独立開業。現在は13の資格を活かして、セミナーや研修講師、企業のコンサルティングを行っている。

菅田芳恵

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失業保険が2017年度に改定!退職時に知っておきたい「得する人」は?

2017年度からの雇用保険制度の見直し内容が、2016年12月、厚生労働省から発表されました。

雇用情勢が着実に改善したことと、それにともなって積立金残高が過去最高となったことから保険料率の引き下げや、倒産や解雇により退職となった「特定受給資格者」の給付日数の一部年齢層についての拡充など、いくつかの点が検討されています。

正式には国会の審議を経てから決定となりますが、変更案の中から失業保険(基本手当)に関わる変更点と、基本手当を受給する上での手順と注意点も併せて説明します。

■失業保険(基本手当)の賃金日額の見直し

最低賃金の引き上げにより、「基本手当」を計算するための賃金日額の下限額が、最低賃金を下回る状態となったことから、下限額の引き上げとそれにともなって上限額の引き上げが検討されています。

現在の下限額は全年齢、2,290円ですが案では2,460円に。上限額は、30歳以上45歳未満では、現在14,150円から14,850円に変更予定です。

基本手当の日額は、基本的には退職直前6ヶ月間の給与の総額を180で割って賃金日額を出し、それに算出割合を掛けて決定されますので、具体的な金額はそれぞれで異なります。

■「特定受給資格者」の給付日数を拡充

「特定受給資格者」とは、倒産や解雇など会社の都合により、離職せざるを得なかった人が該当します。基本手当の所定給付日数(基本手当を受給できる上限日数)は、退職時の年齢と雇用保険の被保険者であった期間によって決められています。

そのうち、被保険者期間1年以上5年未満の人で、退職時年齢が30歳以上35歳未満の人が、現在90日から120日へ、35歳以上40歳未満の人は90日から150日への拡充が予定されています。

■有期契約労働者の雇い止めによる失業の扱い

雇用契約期間の終わりが定められている「有期契約労働者」であって、本人が契約更新を希望したにも関わらず雇い止めになった人は、本来「特定理由離職者」として扱われますが、暫定的に5年間特定受給資格者として扱うことについても検討されています。
諸条件に合致すれば、今後5年間も所定給付日数は、特定受給資格者としての日数となります。

■基本手当を受給する上での手順と注意点

退職前に会社から、「離職票」が必要かどうかを問われるケースがあります。これは退職直前の給与の額を会社が証明したもので、基本手当の手続きに必要です。退職後も仕事をしようと考えている人は、必ず必要であることを伝えます。
すぐに仕事をしないまたは仕事ができない人も請求しておきます。もし何も聞かれない場合は、発行されると考えていいでしょう。

仕事を探そうと思ったら離職票を持って、住居地を管轄するハローワークで求職の申し込みを行います。
申し込み後、待機期間として失業している期間が7日間必要で、その期間に継続的な仕事に就けた場合は、基本手当の対象とはなりません。

その後ハローワークの説明会に参加し、具体的な指示や今後のスケジュール、不正受給をした場合のペナルティなどについての説明を受けます。

基本手当は、「受給期間」(退職日の翌日から受給が終了するまでの期間)が原則1年間と決まっています。受給期間を超えてしまうと、所定給付日数が残っていても受給できません。
基本手当を受給するためには、「失業中」であって、「仕事ができる状況であること」と「仕事がしたいと思っていること」が必要です。

妊娠・出産・育児または病気やけがなどで、長期間仕事ができない場合は、最長3年間延長ができます。
30日以上仕事ができなくなってから1ヶ月以内に、延長手続をすることが重要となります。手続きを忘れていたということがないよう注意しましょう。

覚えておきたい大事なこと、会社が倒産! 私の退職金どうなるの?

前回は退職金についてお伝えをしましたが、仮に会社が倒産し、もらえるはずだった退職金が支払われない場合どうなるのでしょうか?

「泣き寝入りするしかない・・・」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、一定の要件を満たす場合は、国の救済制度があります。

■「未払賃金の立替払制度」って?

未払賃金の立替払制度」というもので、労働者とその家族の生活の安定を図るセーフティーネットとして、会社の倒産によって賃金や退職金が支払われないまま退職した労働者に対し、「賃金の支払の確保等に関する法律」に基づいて、その未払賃金や退職金の一部を政府が会社に代わって立替払する制度です。「独立行政法人 労働者健康安全機構」というところが制度を実施しています。

■立替払を受けることができる人は?

会社側の要件は、「同居の親族以外の労働者を使用して、1年以上の期間にわたって事業を行なっていたこと」です。

労働者側の要件は、「法的手続の申立があった日又は労働基準監督署長の認定申請より6カ月前の日以降2年間に退職したこと」です。(図参照)したがって、法的手続申立の6カ月以上前に退職していた場合は、立て替えて貰えません。また、破産手続開始決定日(または「事実上の倒産」の認定日)の翌日から2年以内に立替請求をすることが必要ですので、この点も注意してください。

■立替払の対象となる未払賃金は?

立替払の対象となる未払賃金は、労働者が退職した日の6か月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している定期賃金と退職金のうち、未払となっているものです。(図参照)ボーナスは立替払の対象とはなりません。また、未払賃金の総額が2万円未満の場合も対象とはなりません。

■「未払賃金の立替払制度」によって支払われる金額は?

ただし「未払賃金の立替払制度」によって支払われる金額は、未払いの定期賃金・退職金の金額の8割が原則です。また、退職日の年齢に応じて、支給金額の上限が定められています。未払い賃金の金額が上限額を超える場合には、上限額の8割が支給されることになります。

たとえば、退職日の年齢が30歳以上45歳未満の場合、未払い賃金の金額上限は220万円、立替払いの金額上限は176万円(45歳以上は296万円、30歳未満は88万円)となります。

とりあえずの相談先は、「労働基準監督署」になりますが、実際に手続きを依頼するとなると弁護士さんにということになります。このような制度があること自体を知っている人は少ないと思いますので、いざという時のために覚えておいてください。

■図版
独立行政法人 労働者健康安全機構のHPより
〔参考〕立替払を受けることができる人
〔参考〕立替払を受けることができる人

〔参考〕立替払の対象となる「未払賃金」の例
〔参考〕立替払の対象となる「未払賃金」の例

何分遅れたら減給される?会社員は知っておきたい「就業時間と給料の話」

会社に遅刻するとその分だけお給料が引かれますし、上司から指導されます。遅刻はしないことが一番ですが、出社していつからが遅刻になるのでしょうか?

■始業時間を確認

会社は「○時から○時まで」というように働く時間が決められています。例えば始業時間が9時であれば、仕事は9時に始まることになります。法的には、9時に会社に入っていれば遅刻にはなりません。ただし、多くの会社は9時では遅刻となり、お給料までは引かれませんが上司の指導は免れません。

実は多くの会社は、朝9時から始まるのであれば「8時半までに出社」や「始業の15分前には出社」等暗黙のルールがあります。筆者がトラブルにかかわったケースでは、9時から始まる会社で8時半までに出社をしなければならず、その8時半に遅れて何度も上司から厳しい指導を受けて病気になられた方がいました。

この場合、8時半の出社は、遅刻ではなく厳密には30分早めの出社となり残業代が発生します。

■始業時間とは仕事が始められる時間

9時から始まる会社であれば、何時に出社をすれば遅刻にならないのでしょうか? 「法的には9時」と先ほど書きましたが、9時というのはすぐに仕事が始められる時間です。会社の入り口に9時に入ったとしても、自分の職場では数分後になります。つまり遅刻です。

これについては、入社の時に説明はないと思いますが、社会的な常識なので覚えておきましょう。知らないと大恥です。

また、「会社のルール=就業規則」には、服務についての項目でこの始業時間についても多くの会社で記載されています。入社したらその会社のルールに従うことが社員の義務となります。

■早めの強制出社は残業問題に

遅刻をするとその分だけお給料が引かれます。しかし、よほど遅れない限り、給料を引く会社は少ないのが現状です。なぜなら、始業時間の問題があるからです。9時開始の会社がいくら「毎日8時半にこいよ」と言っても9時に仕事が開始できる状態であれば文句を言うことができないからです。

ただ、決められた会社のルールに従わないと会社に居づらくなるかとは思います。このように早めに出社をさせる会社は少なくなく、一種の残業となります。何かあった時のために帰社時間のメモだけでなく、出社時間もメモしておきましょう。

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「パートやアルバイトには有給休暇はない」と思っている方、それは間違いです。

中には、会社から「パートやアルバイトには有給休暇はない」と言われて納得している人もいるかもしれません。
しかし法的には、パートやアルバイトにも当然有給休暇があります。

■有給休暇とは

有休休暇とは、入社してから6ヶ月間出勤すべき日数の8割以上を出勤した時に、6ヶ月後から1年間、正社員の場合は10日、パートやアルバイトの場合は、正社員に比例して(週何日出勤するか)与えられます。
また、有給休暇は2年間使わなければ時効となり、その権利はなくなります。パートやアルバイトの場合の6ヶ月後の有給休暇日数は下記の通りです。

  • 週5日勤務 10日
  • 週4日勤務 7日
  • 週3日勤務 5日
  • 週2日勤務 3日
  • 週1日勤務 1日
    • 上記のようにパートの場合は、1日何時間というような働く時間ではなく、週何日働くかによって有給休暇の日数が決まります。
      だから正社員と同じように週5日働けば、たとえ1時間の勤務時間でも、半年たてば10日もらえることになるのです。
      また、週1日の場合でも、半年後から1日もらえます。

      パートやアルバイトの場合、週何日という契約で働いているケースが多いので、有給休暇は真面目に出勤をしている限り会社は与えなければなりません。

      ■「パートに有給休暇はない」と言われたら?

      パートやアルバイトに対して「有給休暇はない」と言う会社があります。しかし、有給を与えないということは法律(労働基準法)違反です。多くの会社は、ただでさえ少ない人数で仕事を回しているのに、さらに有給で休まれては困るという単純な理由で、与えないのです。

      本来は法律を見せて、「ここに記載されています」と言えればいいのですが、現実は「そんな要求をする人はいらない。辞めろ!」と言われる可能性は非常に高いと思います。
      といっても契約期間満了までは、会社は解雇することはできませんので、辞める必要はありません。

      よく聞く話ですが、「有給休暇がないのはおかしい」と言ってきた人にだけ、「他の人には内緒にして」と会社は休暇を与えているようです。これもおかしな話ですね。

      ■有給休暇を確実にもらう一番の方法は?

      そこで一番の方法は、会社に有給の有無を確認することです。
      その返事次第で会社のパートに対する誠意がわかります。
      「うちはない」と言われたら密かに転職の準備です。

      そして、求人の内容でパートにも有給ありと書かれている会社を探し、さらに面接のときに、確認をします。また、ほとんどの会社で採用されている試用期間は、有給の権利を満たす6ヶ月の期間に入りますので、注意をしてください。

      一部の会社では、試用期間が終わってからカウントするケースもありますのでその場合は、きちんと話し合う必要があります。

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