元銀行マンが斬る!「顧客の満足度を高める投資商品」と銀行員の矛盾点

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<材料>

・将来のお金について考える心構え

<Point>

1ヤル気満々のお客様は有難い

2コンサルタントと営業マンの違い

3銀行のビジネスを理解しよう

友人が毎月分配金を受け取れる投資信託で運用していると聞いたAさん。自分も分配金が欲しいと思い銀行に相談に行きました。

営業マンはAさんの意向に沿って、希望通り高い分配金が受け取れる投資信託を提案し、Aさんは大満足。「私の気持ちをわかって良い商品を勧めてくれた」と感謝します。

それが、専門家から見たらコストも高く、運用資産を増やせる見込みの低いダメ商品だったとしても、です。

■ヤル気満々のお客様は有難い!

銀行の営業マンは、生命保険にしても投資信託にしても、お客様に買って頂くために、日々大変な苦労をしています。

銀行預金はいつでも使うことができますが、生命保険の資産はすぐに使うことができません。銀行預金は元本割れしませんが、投資信託は元本割れする可能性があります。預金がメインのお客様のお金を、そんな商品に動かしてもらうのは大変です。だから、最初からヤル気満々のお客様が飛び込んできたら、それはまさにラッキーです。

ヤル気満々のお客様ですから、契約もすんなり進みます。

■コンサルタントと営業マンの違い

本来、プロの資産運用コンサルタントであれば、相手の状況を聞いて、投資信託の分配金に対して誤った認識を持っているのであれば、正しい情報を教えてくれるはずです。

金融商品を販売する立場を離れて、友達や家族から相談を受ければ、「高い分配金が支払われている投資信託は価格が下がりやすく損しやすいから、やめておいた方が良い」とアドバイスするでしょう。

しかし、銀行の営業担当者としてそんなアドバイスをして、お客様が投資信託を購入する気がなくなってしまったら営業のプロとしては失格なのです。分配金がもらえる投資信託を買いたいというお客様が来れば、分配金の魅力を伝えて、背中を押してあげることで、購入してもらいます。

■銀行のビジネスを理解しよう

わざと意地悪しているのではありません。銀行もビジネスですから、お客様の満足度を高めることができ、自らの収益を上げることができるのであれば、それは良い仕事と言えます。

むしろ、お客様の将来のことを本気で考えて違う方法を提案することは、ヤル気満々のお客様からしてみると「なんだよ!この担当者、客のリクエストに応えてくれないのかよ!」と不満に繋がるかもしれません。

銀行の担当者は、ヤル気満々のお客様には、満足度と手数料の高い商品を勧めます。営業マンが悪いわけではなく、銀行もビジネスなのだと理解し、一歩冷静になって、効率的な資産運用に取り組むようにしましょう。

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  • 元銀行マンが斬る!「顧客の満足度を高める投資商品」と銀行員の矛盾点

執筆者

高橋忠寛 (たかはし ただひろ) ファイナンシャル・プランナー (CFP®)

株式会社リンクマネーコンサルティング代表取締役  http://link-money.co.jp/ ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・日本証券アナリスト協会検定会員(CMA) 上智大学経済学部経済学科卒業。東京三菱銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)、シティバンク銀行での10年超の銀行勤務を経て、2014年9月に独立。金融商品の販売には関わらない完全に独立した立場で資産運用や保険、相続について総合的なアドバイスを提供している。 著書『銀行員が顧客には勧めないけど家族に勧める資産運用術』(日本実業出版社)

高橋忠寛

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元銀行マンの告白…「資産運用の相談をしない方がいい」意外な相手とは

皆さんは資産運用の相談を誰にしますか? 「資産運用について相談するのだから、銀行や証券会社の窓口で営業担当者に聞くのが間違いないでしょう」、と多くの人は言います。しかし、本当にそうでしょうか。

■顧客と銀行は利益相反の関係にある

銀行は金融商品を販売することによって手数料を受け取っています。顧客側の払うコストが銀行の収入になるのです。資産運用に取り組むお客様は、金融商品の購入にかかるコストはできるだけ低く抑えたいと考えるでしょう。

しかし金融機関は少しでも多くの利益を上げるため、手数料の高い金融商品を買ってもらいたいと考えています。コストの低い商品ばかり販売していても、収益が上がらないからです。

つまり、顧客と銀行は利害関係の一致しない「利益相反」の関係にあるのです。もちろん銀行も営利企業である以上、売上や利益を伸ばすことは当然のことであり、非難されるべきではありません。したがって、これは構造上の問題なのです。

■銀行の営業担当者の役割は誠実にアドバイスすることではない⁉︎

銀行の営業担当者からすれば、お客様に取引をして頂かないと営業成績に結びつきません。最近は、変化の兆しもありますが、基本的に銀行の営業担当者は金融商品の販売実績で評価されます。

どんなに質の高いアドバイスをしても売れなければ評価されません。転勤もあり、販売目標も、毎月、四半期、半年など短期間で管理されています。志の高い営業担当者が5年後、10年後までお客様をサポートしたいと考えても、それは叶いません。

このようにノルマという数字目標がある以上、本来は資産運用に向いていないお客様や、資産運用の必要のないお客様に対して、「やめた方がよい」「やる必要はない」とは言えないのです。また、資産運用の相談を受けても、自分の銀行で取り扱っている商品でしか解決策を提案できません。

銀行の営業担当者は、ファイナンシャル・コンサルタントやアドバイザーと肩書きがついていても、単なる金融商品の売り手(営業員)であり、誠実にアドバイスすることが役割ではないのだ、ということをまずは理解しましょう。

■誰に相談したら良いのか

では、一体誰に資産運用の相談をすればいいのでしょうか。銀行の営業担当者のレベルや提案内容の質を判断できるのであれば、複数の担当者に相談してみて、優れた頼れるアドバイザーを探せばよいと思います。

しかし、それを判断できないのであれば、金融商品の売り手には相談せず、利害関係のない人に相談するべきでしょう。金融商品を販売していない立場のアドバイザーに相談すれば、余計な商品を売りつけられる心配はありません。

お金の問題を相談する相手は慎重に選ぶべきだということです。
金融の知識に自信がないのに、金融商品の売り手に相談するのは危険です。アドバイザーの質を判断できないのであれば、売りつけられる心配のない相手に相談することをお勧めします。

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元銀行員FPにウェブ無料相談「将来に不安…やっぱり投資は始めるべき?」

投資信託でよくある思い込み…「長期投資が儲かる」とは限らないワケ

よく言われる「投資は長期資金で」「投資信託は長期で」という説明。正しくもあり、間違ってもあり。さてそのワケは?

■そもそも「投資」とは

投資は投機と違います。

「機」つまりタイミングを狙ったイチかバチかの取引は、「投機」。儲かる「瞬間」「タイミング」を見計らった取引です。

一方、投資は「資(もとで)」を投じて、何かに活用された後に付加価値とともに出資者に戻って来るというもの。結果がうまくいけば投資家にはプラス、うまくいかなければ、投資家はマイナスの価値を甘んじて受け入れるしかありません。

このように、投資家の資金が必要とされる場で活かされ、その成果が投資家の手元に還ってくるのが「投資」なのです。

■投資の成果が出るまで待たされる場合も

しかし、投資がすぐに成果を上げるとは限りません。取り巻く環境が悪化し、思った通りにならない場合もあります。経済の停滞や自然災害、政治の混乱など、予期せぬ事態が起これば、成果が出るまで長期間待たされます。

そのため、投資資金を回収するまでの期間は、そのお金を使う時期ギリギリではなく、余裕を持って投資期間を決めることが重要です。このことを「投資は長期投資で」と言っているのです。

■長期間待てば利益は出るのか?

投資信託は、預金のように投資日数を重ねれば利息が増えるものではありません。ですから、投資信託は「長く持てば持つほど良い」とは言えないのです。また、値下がりしている投資信託を「ずっと持っていればいつか値段が戻るだろう」と期待し、ひたすら持ち続けている人もいます。

これはよく考える必要があります。

世の中は常に変化しています。どんなに良いものでも、取り巻く環境が良くなければ人々に評価されません。人々に評価されないということは、どんなに有意義なものでも、価値が認められず投資利益が出ないこともあります。

しかし、環境や人々の好みが変われば、それまで価値が認められていなかったものが急に評価されて値打ちが上がり、投資の利益が出ることもあります。反対に、永遠に価値が認められないのであれば、できるだけ早いうちに見切りをつける方が効率的ともいえます。

このことから、運用期間を考える際は、ある程度長い目でいつ訪れるか分からない「成果を得る時期」を待てる人、待てる資金で投資をするというのが基本です。このことを指して、「投資は長期資金で」と言われるのです。

投資信託ビギナーにありがち「銀行&証券会社まかせ」はダメな理由

ときに勘違い、「銀行の投資信託」とおっしゃる方がいます。

銀行で取り扱う投資信託は、銀行が「販売」しているだけ。銀行ではお客様の投資信託を「運用」しているのではありません。

■銀行や証券会社は、投資信託の販売店

投資信託を一般の商品に例えると、銀行はその商品を棚に陳列し販売する販売店。メーカーは、投資信託の運用をしている「○○投信」「▲▲ファンド」という名の運用会社(委託会社)なのです。

家電製品におきかえると、銀行や証券会社は家電量販店や街の電気屋さん。運用会社(委託会社)は家電メーカーと言えます。

■銀行や証券会社は、運用のプロではない

販売店は、販売のプロ。その商品の特徴や使い方を説明し、販売します。一方、メーカーは、その商品の機能性の研究開発に力を注ぎ、品質の良い、消費者の使用目的に合った商品を製造します。

販売専門の会社である銀行や証券会社は、投資信託の運用にはノータッチ。運用結果の良しあしは、メーカーである運用会社(委託会社)の能力次第なのです。

昔から、街の電気屋さんはナショナルショップ(今のパナソニック)、日立のお店、東芝のお店というように、メーカーの家族のような関係で電化製品を販売していました。

家電量販店が台頭した今、国産のみならず海外メーカーの家電も、量販店では比較しながら購入できます。投資信託の販売店つまり銀行や証券会社でも、従来は系列の運用会社の投資信託だけを取り扱うことがほとんどでしたが、今ではラインナップも豊富です。

投資信託の裏知識!「銀行&証券会社に運用を任せられない」理由、マネーゴーランド

■販売店独自のサービスや、メーカー直販も

また、販売店独自の戦略として、投資信託の販売手数料が無料のキャンペーンや、ポイントアップサービスなどを行う金融機関もあります。

さらには、メーカー直販の投資信託も品ぞろえが増えました。銀行や証券会社を通さずに、投資家が運用会社と直接、取引するのです。

ひとつの銀行で預金をし、投資信託の積立もし、1つの金融機関でワンストップのサービスを受けるのが良いと思う人がいます。また、証券会社で投資相談にものってもらい、株式取引もし、投資信託もしたいという人もいます。さらに、投資信託はインターネット証券で手数料を安く抑えたいという人もいます。メーカー直販の投資信託が好きだという人もいて、人それぞれです。

投資信託の「販売店」「メーカー」の役割を理解し、自分に合った窓口で投資信託を購入しましょう。

元証券会社社員が指摘!危険なセールストークと本気の投資信託とは

「投資信託は長期投資で」と言われます。けれど現実はギャップが大きく、日本の投資信託の多くが短期売買されてきました。

しかし、ようやく本気で長期投資の風が吹いてきたようです。2016年7月29日付の日本経済新聞朝刊によると、2016年上半期に新しく設定された公募追加型株式投資信託の金額が、前年同期より半減した(日興リサーチセンター調べ)というのです。

■「新しい商品が出ました」のセールストークが横行

筆者は1990年から2002年まで、証券会社に勤務していました。バブル崩壊とともに投資信託も転落、お客様にはひたすら頭を下げるばかり。値下がりした投資信託を解約し新しく設定される投資信託を買って頂く、「乗り換え販売」が横行していました。

「新しい商品が出ました。値下がりした投資信託を解約して、新しい投資信託で損を取り戻しましょう」

しかし証券不祥事を経てコンプライアンスは厳しくなり、相応の理由がなければ投資信託の乗り換えはできなくなりました。証券会社は、お客様の資産を売買するビジネスから資産管理をメインに舵を切ったのです(そのため、「ラップ口座」なる別のビジネスモデルが誕生します)。

一方で、それまで投資信託を販売できなかった銀行で、投資信託の取り扱いがスタート。預金とローンでは商売にならない低金利の中、銀行の窓口で「新しい商品が出ました」のトークが聞かれるようになりました。

■購入時の手数料は販売会社の儲け

投資信託の多くは「購入時手数料」がかかります。投資元本の0%~3%程度で、証券会社や銀行などの販売会社に支払います。投資信託を買えば、その都度です。売買を繰り返すより、一度購入した投資信託を長く持ち続けた方が、相対的に購入時手数料は割安です。

投資信託の販売会社は、顧客の乗り換えが頻繁であるほど、同じ投資元本で何度も手数料を頂けます。そこに金融庁のメスが入りました。

■2012年から金融庁による投信制度改革が始まる

制度改革では、投資信託の乗り換え時に説明を徹底すること、顧客が説明を理解できるよう資料を分かりやすくすること、顧客の利益を最重視すること、などが定められました。

2016年上半期に「新しい投資信託」が半減したのは、その成果とも見られています。今度こそ、金融機関の姿勢は正されるでしょうか。

「新しい」が選ぶ理由なのではなく、「品質の良さ(つまり運用が上手)」が投資信託を選ぶ理由であるのは、言うまでもありません。

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