配偶者・医療費控除はどうなる!? 「2017年度から変わる税金制度」まとめ

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<材料>

・平成29年度(2017年度)税制改正

<Point>

1配偶者控除の所得制限のラインが103万円から150万円へ(平成30年から)

2医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)が登場

3タワーマンションの固定資産税が高層階は低層階より高く

4所得税・消費税・相続税等のクレジットカード決済が可能に

昨年12月に平成29年度税制改正大綱が発表されました。大きな変更はなかったものの、私たちの生活に少なからず影響しそうなものがありましたので、いくつかピックアップして、どのように影響するのか内容を見ていきましょう。

■配偶者控除・配偶者特別控除

昨年まではいわゆる103万円の壁として存在していた配偶者の所得制限のラインですが、平成30年分の所得から150万円となります。つまり奥さんが150万円まで働いても、夫側で配偶者控除と同額(38万円)の配偶者特別控除が受けられることになります。

しかしいくつか注意が必要で、適用には夫側に所得制限(給与収入で1220万円以下)があることと、奥さんの方では、仮に150万円まで働くと住民税、所得税、社会保険料の負担が増えたり新たに生じたりします。

参考:【29年度税制大綱】配偶者控除「150万円に拡大」パートの手取額はどうなる?

■医療費控除

いままで確定申告で医療費控除を受ける際には、領収書の添付が必要でしたが(書面提出の場合)、これが平成29年分の申告から明細の添付で良いこととなりました。

ただし税務署から提出を求められた場合は提出しなければいけないので、捨ててしまってはいけません。

また、今年から医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)として、きちんと健康診断を受けている人が、その健康診断の費用や厚生労働省の指定する特定の医薬品の購入費用が年間12,000円を超えた場合、その超過額(上限額88,000円)を所得控除できることとなりました。

これにより、従来10万円以上(所得が200万円以下の場合は所得の5%以上)支出しないと控除額がなかった医療費控除のハードルがぐっと下がりました。

ちなみにこの制度は従来の医療費控除との選択適用ですので、毎年比較検討が必要になります。

参考:市販の風邪薬もOK!やらないと損する「医療費控除の仕組み&申告法」

■タワーマンションの増税

今まで高層階でも低層階でも、床面積などスペックが同じであれば固定資産税や不動産取得税に違いはありませんでした。ところが、これでは取引実態とかけ離れているということで、平成30年に新たに課税されるマンションでその高さが60m超の場合、低層階よりも高層階の方が固定資産税が高く設定されることになりました。

ちなみにその割合は、40階建ての場合ですと1階の税額に対して40階は10%UPとなります。建物の評価額は変えず税額のみの調整ということで、建物全体の税額は改正前後で変わらないようです。従いまして今までとの比較という意味では、中間階を境にして高層階は最大で5%増税、逆に低層階では最大5%の減税となります。

また、固定資産税は元々それほど大きな金額ではないので、さらにその5%となるとインパクトとしては小さく(20万円の固定資産税なら最大1万円の増税)、これで購入が左右されることはないかと思われます。

参考:タワーマンションで勃発する不公平!「高層階ほど節税できる」問題とは

■国税もクレジットカード決済が可能に!

今まで固定資産税や自動車税などの地方税は、自治体によってはクレジットカードによる納付が認められていました。しかし今年からは国税(所得税、消費税、相続税、贈与税、法人税)についてもクレジットカードによる決済が可能になりました。

「国税クレジットカードお支払いサイト」での手続きで納付まで行うことができるので、自宅に居ながら手続きができます。また、金融機関などでの窓口納付と比べて、納付時期を先延ばしできるなどのメリットもあります。

しかし、利用の際は税額1万円ごとに82円(消費税込)の決済手数料がかかりますので、カードのポイントや従来からある手数料無料の振替納税(こちらも申告所得税や個人事業者の消費税は本来の納付期限から1か月程度遅れての納付になります)などを含めて比較検討した方がよろしいかと思います。

参考:2017年1月から所得税・贈与税等のクレジットカード払いが可能に!

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執筆者

小山潤 税理士

青山学院大学卒業後、会計事務所、上場企業財務部の勤務を経ながら税理士資格を取得し、2010年4月に独立開業。法人、個人の申告業務や税務相談、相続対策、事業立ち上げ相談などのコンサルティング業務等を中心に業務を行う。最近では雑誌のコラムや書籍の執筆、セミナー講師などの業務も積極的に行うことで税務情報の発信にも努め、困った時の相談相手として最初に思い出してもらえる人を目指して取り組んでいる。

小山潤

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医療費控除は病院で支払った自己負担額だけだと思っている人が多いようですが、実は薬局で購入した市販の薬や予防注射も申請できることご存知でしたか?

知らないと損をする医療費控除の制度を紹介します。

■医療費控除の仕組みとは?

医療費控除は、1月1日から12月31日まで自分と配偶者、生計が一緒の親族のために支払った医療費の自己負担金額が10万円を超えたときに、超えた金額に対して所得控除を受けることができます。

例えば、入院して治療を受けた場合、支払った自己負担金額がそのまま医療費控除として申告できるわけではありません。民間の保険会社の医療保険に加入している人は入院給付金や手術給付金など、健康保険から還付される高額療養費などを差し引いた、実質の自己負担額金額です。その自己負担金額の合計が10万円を超えたとき、確定申告をすることによって、会社員の方でも所得税や、住民税の節税ができるのです。

■医療費控除の対象になるものは?

初めに、1年間に支払った医療費の合計を計算します。そのとき医療費控除として申請できる対象になるものは、病気やケガの治療のために支払った治療費はもちろんですが、病院まで行った交通費も含まれます。交通事故などで通院にタクシーを使った場合も含まれますので、領収証はしっかりとっておきましょう。

その他には、風邪をひいたときに買った市販の風邪薬や、はり・きゅう治療、柔道整復師による施術も含まれます。しかし、治療とは関係のないマッサージなどは含まれません。またインフルエンザの予防接種は医療費控除の対象外です。理由は、医療費控除の対象が「治療」であり、「予防」は対象外だからです。

ちなみに、インフルエンザにかかってしまい治療した場合は「治療」なので、医療費控除の対象になります。

■セルフメディケーション税制

平成29年から「セルフメディケーション税制」が始まります。どんな制度かというと、健康診断やがん検診、特定健康診査などを受けている個人が、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。

今までの制度と何が違うかというと、指定の医薬品を購入した場合1万2千円を超えた部分(8万8千円限度)が所得控除されます。しかし、現行の医療費控除と同時に申請することはできません。

今までの制度では10万円を超えないと申請できなかった医療費控除制度ですが、年間1万2千円を超えると特定の薬の購入がある場合は申請できるようになります。どちらの制度で申告するかは個人の選択によりますが、どちらにしても支払いを証明する領収書などを確定申告書に添付するか提示する必要がありますので無くさないように保管しておきましょう。

失業保険が2017年度に改定!退職時に知っておきたい「得する人」は?

2017年度からの雇用保険制度の見直し内容が、2016年12月、厚生労働省から発表されました。

雇用情勢が着実に改善したことと、それにともなって積立金残高が過去最高となったことから保険料率の引き下げや、倒産や解雇により退職となった「特定受給資格者」の給付日数の一部年齢層についての拡充など、いくつかの点が検討されています。

正式には国会の審議を経てから決定となりますが、変更案の中から失業保険(基本手当)に関わる変更点と、基本手当を受給する上での手順と注意点も併せて説明します。

■失業保険(基本手当)の賃金日額の見直し

最低賃金の引き上げにより、「基本手当」を計算するための賃金日額の下限額が、最低賃金を下回る状態となったことから、下限額の引き上げとそれにともなって上限額の引き上げが検討されています。

現在の下限額は全年齢、2,290円ですが案では2,460円に。上限額は、30歳以上45歳未満では、現在14,150円から14,850円に変更予定です。

基本手当の日額は、基本的には退職直前6ヶ月間の給与の総額を180で割って賃金日額を出し、それに算出割合を掛けて決定されますので、具体的な金額はそれぞれで異なります。

■「特定受給資格者」の給付日数を拡充

「特定受給資格者」とは、倒産や解雇など会社の都合により、離職せざるを得なかった人が該当します。基本手当の所定給付日数(基本手当を受給できる上限日数)は、退職時の年齢と雇用保険の被保険者であった期間によって決められています。

そのうち、被保険者期間1年以上5年未満の人で、退職時年齢が30歳以上35歳未満の人が、現在90日から120日へ、35歳以上40歳未満の人は90日から150日への拡充が予定されています。

■有期契約労働者の雇い止めによる失業の扱い

雇用契約期間の終わりが定められている「有期契約労働者」であって、本人が契約更新を希望したにも関わらず雇い止めになった人は、本来「特定理由離職者」として扱われますが、暫定的に5年間特定受給資格者として扱うことについても検討されています。
諸条件に合致すれば、今後5年間も所定給付日数は、特定受給資格者としての日数となります。

■基本手当を受給する上での手順と注意点

退職前に会社から、「離職票」が必要かどうかを問われるケースがあります。これは退職直前の給与の額を会社が証明したもので、基本手当の手続きに必要です。退職後も仕事をしようと考えている人は、必ず必要であることを伝えます。
すぐに仕事をしないまたは仕事ができない人も請求しておきます。もし何も聞かれない場合は、発行されると考えていいでしょう。

仕事を探そうと思ったら離職票を持って、住居地を管轄するハローワークで求職の申し込みを行います。
申し込み後、待機期間として失業している期間が7日間必要で、その期間に継続的な仕事に就けた場合は、基本手当の対象とはなりません。

その後ハローワークの説明会に参加し、具体的な指示や今後のスケジュール、不正受給をした場合のペナルティなどについての説明を受けます。

基本手当は、「受給期間」(退職日の翌日から受給が終了するまでの期間)が原則1年間と決まっています。受給期間を超えてしまうと、所定給付日数が残っていても受給できません。
基本手当を受給するためには、「失業中」であって、「仕事ができる状況であること」と「仕事がしたいと思っていること」が必要です。

妊娠・出産・育児または病気やけがなどで、長期間仕事ができない場合は、最長3年間延長ができます。
30日以上仕事ができなくなってから1ヶ月以内に、延長手続をすることが重要となります。手続きを忘れていたということがないよう注意しましょう。

パートの年収はいくらがベスト?103万〜150万「夫婦の手取り額徹底比較」

「配偶者控除廃止!?」「夫婦控除の導入!?」と、2016年は例年よりも話題となりましたが、配偶者控除の廃止は見送りになりました。ただし、政府は、配偶者控除が適用になる年収要件を、年収103万円から150万円に引き上げることを検討しています。今後の動向には要注目です。

さて、読者の方の中には、いくらまで働けばよいか知りたいという思いで本記事を開いた方が多いことでしょう。

■主婦の年収別、夫婦の手取り額を徹底比較

今回は、東京都在住、夫38歳年収500万円、妻35歳パートの夫婦において、主婦の年収が103万円、106万円、130万円、141万円、150万円、160万円のとき、夫婦の手取り額がいくらになるかシミュレーションして比較しました。

パートが社会保険に入ったら…夫婦手取り額徹底比較、マネーゴーランド
※単位:万円 (c) Money &You Inc

パートが社会保険に入ったら…夫婦手取り額徹底比較、マネーゴーランド

■妻の年収103万円以上:配偶者控除がなくなり妻に所得税支払いが発生

扶養者である夫に配偶者控除が適用される、妻のギリギリの年収が「103万円」です。これが、いわゆる「103万円の壁」です。所得税の配偶者控除は38万円、住民税の配偶者控除は33万円です。

つまり、夫の所得税率が10%の場合、年間で3万8000円の税負担が減り、住民税と合わせると合計7万1000円減ります。大きな額ですよね。また、妻の収入が103万円を超えると所得税の支払いが発生します。

妻の年収が103万円の場合、夫婦の手取り額は、約500万円になります。

■妻の年収106万円以上:社会保険適用となり手取りは減る(一定条件に該当した場合)

2016年10月から以下の5条件すべてに該当すると社会保険に入らないといけないことになり、パート収入から「健康保険料」と「厚生年金保険料」が自動的に引かれることなります。

【5条件】
(1)厚生年金に入っている従業員が501人以上いる会社に勤務
(2)1週間の労働時間が20時間以上
(3)給料が月8.8万円以上(年間106万円以上)
(4)1年以上働くと見込まれている
(5)学生ではない

妻の年収が106万円で社会保険加入の場合、夫婦の手取り額は、約488万円になります。妻の年収が103万円の時と比べると、手取りが12万円も減る結果となります。

■夫婦の手取りを増やすなら:妻の年収150万円以上が目安

妻の年収が150万円の場合、夫婦の手取り額は約514万円になります。妻の年収が103万円の時と比べると、夫婦の手取りは14万円増えます。妻の年収増加分に対する夫婦手取り増加分の割合は30%です。

よって、働いた分が手取りに反映してくると実感できるのは、150万円のラインからでしょう。夫婦の手取りを増やしたいなら、妻の年収は150万円以上が目安となります。また、現時点に近い手取り額を確保したいなら、103万円以内に抑えるという考え方も、手取りの金額という観点ではありでしょう。

■社会保険加入はいざという時に効いてくる

ただし、社会保険に加入することで将来の年金が増えるだけでなく、健康保険加入によって傷病手当金や出産手当金が出るというメリットがあります。また、障害厚生年金や遺族厚生年金の支給対象にもなります。

目先の手取り金額だけに捉われず、長い目で考えることが大切です。仮に40歳から60歳の20年間社会保険に加入すると、毎月もらえる年金の額は、年収103万円と106万円の場合で毎月約1万円、年間で約12万円の差が出ます。

税金の優遇を意識した働き方は、お金を増やすために大切です。しかし、仕事との向き合い方は別の話。自分自身がどのように働きたいのか、家庭にとってどんな働き方がベストなのかよく考えましょう。

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強制解体&固定資産税4倍に⁉︎ 実家を空き家のままにしたらどうなる?

空き家問題は他人事ではありません。親が自宅を所有し、将来そこに誰も住む予定がないのなら、それはいずれ空き家になります。

『空き家等対策の推進に関する特別措置法(以下、特措法)』の施行により、空き家の放置はもう許されない時代になりました。実家などを相続した場合には、今後それをどうするのか、早めの対応が重要となります。今回は特措法について、その内容と影響をみていきましょう。

■空き家は総住宅数の13.5%

総務省の調査によると、平成25年10月時点における全国の空き家の数は820万戸。全国の総住宅数6,063万戸の約13.5%、なんと7~8件に1件が空き家という状態です。特に賃貸・売却用や別荘などを除いた住居の空き家は、過去20年間で約2倍に増加しています。

また『マネーゴーランド』が独自で行った相続に関する調査でも「両親の実家が空き家である」と答えた人はおよそ5%と、決して少なくないことがわかりました。さらにその空き家をどうする予定か聞いたところ、47.2%が「まだ決まっていない」と回答しており、多くの方が空き家のまま放置している実態が明らかとなりました。

Q:現在、ご両親の実家は空き家ですか?
相続に関する実態、マネーゴーランド意識調査

■空き家を放置するとどうなる?

空き家が放置されると、壁が壊れたり、不審者が住みついたり、虫がわいたりなど、安全上、衛生上の様々な問題が生じてきます。空き家対策においては、今までは自治体単位で対応を行っていたものの、それではやはり限界がありました。

そこで、国は平成27年に『空き家等対策の推進に関する特別措置法』を制定。法律の制定により、国として本気で空き家対策に乗り出したというわけです。

■『空き家等対策の推進に関する特別措置法』とは?

特措法では単なる「空き家等」と「特定空き家等」を区別し、「特定空き家等」については様々な措置がとられることになります。「特定空き家等」の定義は以下のとおりです。

(1)そのまま放置すれば、倒壊等、著しく保安上危険となるおそれのある状態
(2)そのまま放置すれば、著しく衛生上有害となるおそれのある状態
(3)適切な管理が行われていないことにより、著しく景観を損なっている状態
(4)その他周辺の生活環境の保全を図るために、放置することが不適切である状態

■「特定空き家等」に指定されると強制解体の可能性&固定資産税が3~4倍に

保有している空き家が「特定空き家等」に指定されると、行政から修繕・撤去の指導や勧告、命令を受け、命令に従わなかった場合には、行政が強制的に解体・撤去を行います。そして、撤去等にかかった費用はすべて所有者が負担することになります。

さらに「特定空き家等」に指定された場合、税金面でも大きな負担となります。実は、そもそも空き家のまま放置されてしまう原因のひとつとして、税金の問題がありました。

住宅用地の場合、住宅が建っている場合は最大で固定資産税が6分の1、都市計画税が3分の1に軽減される『住宅用地の特例』という制度があります。今まではどのような建物であろうとも、住宅が建っているだけで更地よりも税制優遇されていたため、住宅を撤去して更地にするという行為にはつながりませんでした。

しかし、今後は「特定空き家等」に指定された場合は、この軽減措置は受けられなくなります。税金は更地同様に引き上げられ、しかも撤去または修繕というなんらかの対応をせまられることになります。

■実家などの相続時は早めの対応を

空き家になる原因のうち、最も多いのは相続です。実家などを相続する可能性があり、将来そこに誰も住まないのならば、売却、賃貸、更地化などの方向性を早めに決めることが重要です。

とはいっても、実家には思い出がたくさんつまっているため、とりあえず保有する、という場合も多いでしょう。しかし、何もせずに放置したままだと、建物は急速に劣化していきます。地理的に遠いなど、自分で物件の管理が難しい場合は、定期的に物件を見に入ってくれる管理代行というサービスを利用するという方法もあります。空き家といえども、今後はきちんと管理するということが必要となるでしょう。

※上記集計は2016年8月にマネーゴーランド編集部が行ったインターネットによるアンケートの集計結果です。(対象:全国の男女、回答数1,500名)

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