中国懸念は後退…やっぱりドル高継続!【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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■1月第2週の見通し(2017/1/9)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「中国懸念の後退でドル高継続」
昨年に続きドル円は年初から荒っぽい動きで始まりました。
昨年末のドル円はクリスマスや正月休みを控えトランプラリーのドル買いに対するポジション調整の売りに押されて終了しました。しかし、その調整も、高値118円65銭から117円付近で終えるなど小幅なものにとどまりました。

ポジション調整が一巡したドル円は年初から118円60銭まで上昇。昨年末の高値とほぼ同レベルまで買われたものの、結局上抜けに失敗。その後は下落に転じました。

日本が正月休み明けとなる4日未明には昨年12月に行われたFOMCの議事要旨が公開され、市場の注目が集まりました。メンバーは利上げの理由として雇用や物価の上昇を挙げました。また、今年は3回の利上げを予想しましたが、そこにはトランプ政策による影響は考慮されていませんでした。

議事要旨によればほぼ全員がトランプ次期政権で景気上振れリスクがあるとみていることが明らかとなり、市場はドル買いで反応しました。しかし、同時にドル高への懸念も示されたことから最終的に押し戻されるなどドルの重さが優勢となりました。

その日の東京市場では中国人民元の金利が一気に急上昇したことでドルが急落。ドル円は117円を割り込み115円台まで下落。ファンド勢のポジションの巻き戻しを狙ったものとの見方が広がりました。

市場は昨年1月のチャイナショックの記憶もあり、リスク回避の円高も同時に進行。結果的にドル円は115円06銭まで売り込まれました。115円の節目を下回るようなら本格的な巻き戻しが始まるのではといった見方もありました。

しかし、その後発表された米12月雇用統計が総合的に好調な結果を示したことでドルは再び上昇に転じました。
ドル円は117円台を回復し、NY株式市場も三指数ともに上昇するなど、悲観的な見方は後退。一旦は低下した米長期金利も再び上昇に転じるなど、ドル高円安の流れに再び戻り始めたと見てよいかもしれません。

今週は米国国債の入札や米企業の決算、そして中国の重要な経済指標などが発表されます。
中国への懸念が後退してきたことや好調な米経済指標などを背景に、再びドル円は120円を狙う動きが強まると予想します。ただ、新年が始まったばかりで方向感を探る動きが続いており、一時的な円高リスクには注意が必要です。

今月20日からトランプ大統領が誕生し、その発言や実効性に市場の期待と警戒感が入り混じる相場展開が始まります。

今年も昨年と同様ダイナミックな相場展開が予想されます。
本年も引き続きよろしくお願いします。

今週のドル円予想レンジは119円00銭から116円00銭とみています。

参考:
年末年始「日本・海外の株式市場」休日&経済指標イベント まとめ
トランプが劇的勝利!政策から紐解く「世界情勢&日本への影響」どうなる?

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  • 中国懸念の後退でドル高継続!【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

執筆者

岡安 盛男 (おかやすもりお)

レグザム・フォレックスLLC (http://fx-okayasu.com/)代表、為替アナリスト                                                 外資系銀行に20年間在籍、1999年より為替デイトレーダーとして独立後は、 自身のトレードスタイルを確立、実践的な為替投資の啓蒙活動の他、FXスクール講師やFX会社向けの情報提供サービス、投資家向け情報レポートを展開(http://www.gladv.co.jp/members/fx_bible/)。ラジオ日経「岡安盛男のFXトレンド」、日経CNBCの「朝エクスプレス」など出演中。執筆多数。

岡安 盛男

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■12月第4週の見通し(2016/12/26)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「年末最後の週は次の流れを示唆」
先週はクリスマス休暇や日本の連休を控え全般にポジション調整の動きが見られました。

ドル円は前週に開かれたFOMC会合後に118円66銭を高値に、利食い売りなどが入り116円ミドルまで下落しました。その後ドル円は117円ミドルを中心とした保ち合いに入りました。先週は日銀会合が開かれ、1年7か月ぶりに景気先行判断を上方修正。これまでの緩和政策を継続するとともに長期金利も0%程度に抑えることを決定。黒田総裁は急速な円安に対し「驚く水準ではない」「今年の2月に戻っただけだ」とし、円安を容認する姿勢を示しました。この発言後ドル円は118円前半まで上昇しましたが結局前回の上値を超えられませんでした。

NY市場では米7-9月期GDPや各住宅販売指数、そして耐久財受注などの重要経済指標はそれぞれ予想を上回る好調な結果を示しました。しかし、市場はクリスマス休暇を控えドル買いの動きは限定的となりました。

クロス円も全般にポジション調整による利食い売りなどが散見され、上値が抑えられました。しかし、これまで急速に進んだドル高や円安などを見ると小幅調整に留まりました。
これは、市場全体のポジションがそれ程偏っていないことを示すものと考えられます。

今週月曜日の海外市場のほとんどが休場。火曜日もNY以外の主要な市場は休場となるため、本格的に相場が動き出すのは水曜以降になると予想されます。昨年はFRBが9年はぶりに利上げを実施し、その後中国株価の下落から金融不安が拡大。ドル円も120円付近から下落に転じました。
FRBは先週利上げを実施。来年の利上げ見通しも昨年と同様に引き上げました。
市場には今年も中国や新興国などを中心に金融不安が再び起きるのではといった警戒感が燻ぶります。

これまでも、急速なドル上昇への警戒感が寧ろドルロングポジションを持ちにくくした経緯があり、その状況は現在も続いているという事になります。

今週も米国景気指標や住宅関連指標が発表されます。これらの指標が先週と同様に米国経済の強さを示すようなら休暇明けの海外勢によるドル買いが再開する可能性が高まりそうです。そうなればドル円は120円の大台乗せも十分視野に入ります。

今週は来年の相場を占う上で重要な週でもあり注目しましょう。年末年始の市場スケジュールや、チェックしておくべき主要イベント等は年末年始「日本・海外の株式市場」休日&経済指標イベント まとめで確認しておきましょう。

今週のドル円予想レンジは121円50銭から116円50銭とみています。

年末年始「日本・海外の株式市場」休日&経済指標イベント まとめ

2016年も終わりが近づき、新しき2017年を迎えようとしていますね。何かと忙しい師走の時期、今年は、株式も為替相場も大きく動いていますから、気を抜くことができません。落ち着いて年末年始の証券取引所及び為替市場のスケジュールを確認しておきましょう。

まず、年末にかけてのお休みですが、日本の天皇誕生日=23日とクリスマス=25日、そして、年末年始が休日となりますので、ご注意ください。

また、特に、為替市場は、クリスマス前後は流動性が低くなって、思わぬ上下動が起きることもあるので、取引量を減らす・ストップロス・指値を活用するなどで対応しましょう。

■年末年始の日本・海外の株式市場の休日まとめ

●12月23日(金):天皇誕生日=日本の株式市場はお休み
●12月26日(月):クリスマスの振替休日=米国をはじめ多くの株式市場はお休み
為替市場は東京市場のみで、海外市場の翌朝まで取引停止の会社がほとんど
●12月30日(金):大納会=日本の株式市場は大納会で年内の取引を終了
●1月1日(日):元日
●1月2日(月):元日の振替休日=世界的に金融市場はお休み
        為替市場は一部開場
●1月3日(火):海外の株式・為替市場の実質スタート
●1月4日(水):大発会=日本の株式市場が始まる日。

今年は、大みそか・元日が土日にあたりますね。投資の英気を養って大発会から頑張りましょう。

■大発会と大納会

日本の証券取引所で行われる締めとスタートのイベント。大納会は、年末の最終取引日。大発会は、年始の初日に開催されます。年末年始の風物詩として、ニュースで報道されることから、株式に興味がなくても言葉だけは知っている方は多いはず。

今年の大納会は、女子レスリングで五輪四連覇の偉業を成し遂げた伊調馨さんがゲストで登場。年始の大発会は、晴れ着姿の女性が多数参加することで有名。

実は、この大納会&大発会に、一般の方が参加することもできます。残念ながら、今年のお申込みは締め切られてしまいましたので、参加したい方は、来年の大納会そして、再来年の大発会をお待ちください。今年の申込み期間は、11月29日~12月11日、定員は、大納会60名・大発会約100名(応募者多数の場合は抽選)。

年末年始の主な経済指標・イベントスケジュール、マネーゴーランド

年末年始のお休みを確認したら、今度は、年末年始の政治・経済イベントのスケジュールを確認しておくこと。日本は年末年始を大事にしますが、欧米のキリスト教圏はクリスマスこそ大事。そのため、元日が終わったら、金融市場はすぐにスタートします。

■年末年始の主な経済指標・イベントスケジュール

12月20日(火):日銀金融政策決定会合、政策金利発表
1月6日(金):米雇用統計
1月6日(金):米上下両院で大統領選出
1月17~20日:世界経済フォーラム(ダボス会議)
1月19日(木):ECB(欧州中央銀行)、政策金利発表
1月20日(金):米国大統領就任式
1月30日(月):日銀金融政策決定会合、政策金利発表
1月31~2月1日:米FOMC

2017年は、米国のトランプ大統領が本格始動します。日本のアベノミクスのように、長期間、株式は上昇し続けるのか?それとも失速してしまうのか・・・2017年の金融市場は、荒れ模様の予感がいたします。

次回も宜しくお願い致します。

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ドル円上昇第二幕か!? 【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

■12月第2週の見通し(2016/12/12)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「ドル円上昇第二幕」
先週は週初にイタリア国民投票の結果が否決となったことでユーロが下落し、同時にリスク回避の円高も強まりました。しかし、結果はほぼ予想通りという事もありその後は買い戻されるなど大きな混乱は回避されました。ただ、米国長期金利は前週に引き続き一服感が漂う中でドル円の上値も抑えられました。

しかし、米ISM非製造業景況指数やその他の米経済指標は好調な結果を示すなど米経済への期待からNY株式市場は連日史上最高値を更新。また、原油価格も週末のOPECと非加盟国との減産協議への期待から上昇。株高原油高によるリスク選好の動きから円安の動きが強まると、ドル円は114円を挟んでの底堅い動きが続きました。

先週最も注目を集めたのはECB理事会では来年3月に期限の来るQE(量的緩和)を12月まで延長。同時にこれまで毎月800億ユーロを600億ユーロに縮小することも決定しました。市場はQEの規模縮小は緩和政策の終了に向かって動き出す、いわゆるテーパリングに入ったとの見方から発表後ユーロドルは上昇しました。しかし、ドラギ総裁はテーパリングについては議論していないことを明らかにしました。また、期間延長は緩和政策の継続とみてユーロは下落に転じました。

緩和政策の継続と受け止められ市場には安心感が広がり、NY株式市場は三指数ともに上昇。NYダウは史上最高値を連日更新するなどリスクオンの動きにより円売りが強まりました。
また、それまで停滞を続けた米国長期金利も上昇に転じドルは全面高となりドル円は114円ミドル付近まで押し上げられました。

欧州の長期金利も米国金利の上昇に攣られて上昇する中で、日本の10年債利回りは依然として0%近いレベルで抑えられています。結果的に日米だけではなく欧州との金利差が拡大することで円売りの動きが今後も強まるとみてよいでしょう。また、先週はソフトバンクが米国に500億ドルの投資を行う事を決定したこともドル円の下支えとなりそうです。

今週は今年最後のビッグイベントとなるFOMC会合が開かれます。既に今回の会合では利上げが織り込まれており市場の注目は来年の利上げペースに移ります。FOMCメンバーがこれまでよりも早いペースでの金利上昇を予想する可能性が高く、ドル円の上昇は更に加速することになりそうです。

ドル円上昇の第二幕が始まりとみる事も出来そうです。

今週のドル円予想レンジは117円50銭から113円50銭とみています。

ドル高調整の動きは継続か!? 【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

■12月第1週の見通し(2016/12/5)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「ドル高調整の動き継続」
先週はOPEC石油輸出国機構が8年ぶりの減産で合意したことから原油価格が上昇。市場は今回も合意に至らないのではといった観測が広がっていただけにサプライズの結果となりました。

この結果を受けリスク選好の動きが強まりドル円は114円80銭まで上昇しました。米長期金利も2.45%に上昇するなどドル高の流れが加速しました。しかし、NY株式市場は金利や原油価格の上昇に対して一部警戒感が広がり始めました。NYダウの上昇に対しナスダックやS&Pは売りで反応するなど各市場がまちまちの動きとなりました。

週末には注目の米国11月雇用統計の発表を控え東京市場でドル円は113円ミドルまで押し戻されました。欧州市場でもユーロやポンドなどに対してもドル売りが強まるなど、これまでの調整とみられる動きがみられました。

そして、発表された米国雇用統計は雇用者数が17.8万人と予想の18万人を若干下回りましたが、失業率は9年ぶりの水準となる4.6%まで低下しました。これを受け市場は売りと買いが交錯したものの、最終的にドル円は上値の重い展開で終了。

12月に入り米国大統領選後続いたドル高円安の流れにも変化が見え始めました。
先週のドルインデックスを見ると前週から低下するなど、ドル高に一服感が広がります。
一方、好調な米国経済指標や原油価格の上昇でリスクオンによる円安の流れが強まったことがドル円の下支えとなりました。

米国長期金利とドル円はこれまで連動する形で上昇してきましたが、ドル高ではなく円安が主流の動きが続いたことになります。

今週は週明けからイタリア改憲を巡る国民投票の結果が明らかとなります。もし否決となればレンツィ首相は退陣。イタリア大手銀行の一部の再建に支障が出て金融市場の混乱を招きかねません。そうなればリスクオフの円高が強まりドル円の下落が一段と強まる可能性があります。ただ、ECB中央銀行は結果次第でイタリア国債を買い支える姿勢を示していることから大きな混乱は回避されると思われます。

今年はブレグジットから始まり米国大統領選挙、そして今回のOPEC総会など、ことごとく予想が外れています。まさかの出来事が多く起こりましたが、GDPやその他の米国経済の拡大が見られます。更に、トランプ次期大統領の掲げる政策により、米国が世界のけん引役としても期待が高まります。市場のセンチメントは楽観的に傾いていることら、ドル高円安の流れは今後も継続するとみています。
今週のドル円予想レンジは112円50銭から115円50銭とみています。

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