諸費用ってこんなにかかるの?「マイホーム購入とお金」失敗例

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<材料>

・マイホーム取得のための諸費用

・手元に残すべきお金

<Point>

1諸費用は余裕をもって確保する

2手元に残すべきお金はしっかり確保する

Hさんは、うれしくてたまりません。住宅ローンの事前審査にパスしたからです。これで、夢だったマンション購入が、現実となりそうです。

■Hさんの資金計画

マイホームの資金計画をたてるにあたって、Hさんが意識したのは、「頭金」を1割は入れること。それから、「子どもたちの大学進学のための貯蓄」は取り崩さないこと。あとは、イザというときのために「予備費」を確保することです。これでカンペキだと思っています。

ところがHさん、手渡された契約準備のための書類を眺めるうち、自分の計画が甘かったと気付きます。「マイホームを買うときは、マイホームの代金以外にも、お金が必要になる」ことは知っていました。でもまさか、こんなにかかるなんて。

「もっとしっかり確認しておくべきだった」。

■マイホーム取得にかかる諸費用

マイホームを取得するときは、マイホームのお金以外にも、さまざまな費用がかかります。例えば、新築マンションを購入するHさんの場合、売買契約書やローン契約書に貼る「印紙代」をはじめ、表題登記や保存登記、移転登記、抵当権設定登記といった「不動産登記に要する費用」が必要です。所有期間に応じた「固定資産税・都市計画税の精算金」の負担も求められるし、火災保険料だってばかになりません。そのほか、修繕積立基金や管理準備金、ローン利用のための手数料や保証料といった費用もかかります。

問題なのは、これらの費用を合計すると、物件価格の4%にもなることです。引越しをすればその費用もかかるし、カーテン、できればソファーも新調したいのに。さてこれを、どうやって確保するか。

Hさんがまっさきに頼ったのは、「予備費」です。でもまさか、全部使ってしまうわけにはいきません。そこで次に頼ることにしたのは、「子どもたちの大学進学のための貯蓄」です。「ローン返済がはじまっても、貯蓄を続けるから」というHさんですが、大丈夫でしょうか。

こういった経緯で、手元に確保しておくべきお金を減らしてしまうケースは少なくありません。ところでHさんはまだ契約前。少し勇気のいることですが、いちど立ち止まって、考えてみることが大切でしょう。

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執筆者

久谷真理子 ファイナンシャル・プランナー

大学卒業後、都市銀行において融資業務に従事。FPとして独立後は、ライフプランから見た住宅ローンや相続・不動産に関する相談業務および、実行支援業務を行っている。また、各種セミナー講師をつとめるほか、雑誌やWebサイト等で情報発信している。

久谷真理子

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繰上げ返済は得することだけじゃない?「マイホーム購入とお金」失敗例

Dさんは少し前まで、「お金が貯まったら何よりもまず、繰上げ返済をする」と、心に決めていました。繰上げ返済をしたときに、20万円以上も「トク」をして、すごくうれしかったからです。

Dさんが繰上げ返済にあてたのは、約100万円です。100万円はすべて、元金の返済にまわります。元金が減ればその分、利息も減ります。これが20万円にもなったのです。

■繰上げ返済法の選び方

ここで、繰上げ返済について少し触れておきましょう。住宅ローンを借りると、借入れのときに約束した返済のほかに、借入額の一部や全部を、臨時で返済することができます。これを繰上げ返済といいます。

繰上げ返済の方法は、「期間を短くする」「返済額を軽くする」のいずれかです。期間短縮にあたって確認したいのは、毎月の返済にムリがないかどうかです。少し先まで見通して大丈夫そうであれば、期間を短くしてもいいでしょう。返済額を軽くする方法より、利息の軽減効果も期待できます。

毎月の返済負担を軽くすることを優先したいなら、返済額を軽減する方法を選びます。利息の軽減効果は小さくなるけれど、家計がまわらなくなっては元も子もないからです。

■Dさんの不安

繰上げ返済にあたってDさんが選んだのは、期間を短くする方法です。期間が6ヵ月短くなって、20万円トクをします。返済額を軽くする方法だと、毎月の返済が5,000円軽くなるけど、トクは10万円と半減です。

しかしここにきて、Dさんは少し不安を感じています。子どもの教育費がジワジワと家計を圧迫し始めているからです。教育費の負担が増えることはわかっていたのに、20万円と10万円を天秤にかけて、期間を短くする方法を選択してしまったのを悔やむことも。ローン返済が5,000円減っていたら、どんなに楽だったことか!

Dさんは今、「お金が貯まったら何よりもまず、繰上げ返済をする」というのは、やめにしようと思っています。家計簿とにらめっこの日々は体に悪い。教育費も心配です。

住宅ローンを借入れた後のメンテナンス法として、繰上げ返済は有効です。しかし時として、繰上げ返済をしないという選択も必要でしょう。そのときどきの家計にあった方法を選ぶようにしてください。

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家賃並みの返済だから買ったのに…「マイホーム購入とお金」失敗例

Aさんは38歳の会社員。近所の印刷会社で事務を手伝う妻と、幼稚園に通う子どもの3人家族です。今回は、Aさんのマンション購入時の資金計画をもとに、家賃並みの返済について考えます。

■Aさんの資金計画

かねてより、「子どもが小学生になるまでにはマイホームを買いたい」と思っていたAさんは、近所にマンションができるという情報をキャッチ。家族を連れて見学に行ったところ、妻も子も大はしゃぎです。

でも、希望の部屋には手が届きそうもない。そんなとき、親切な営業マンが「資金計画のお手伝い」をしてくれたといいます。

「毎月返済額9万8,104円」

手渡された資金計画表のうち、Aさんが注目したのは毎月の返済額です。家族のはしゃぐ様子にも心を動かされ、「毎月10万円程度の返済なら何とかなる」と購入を決断したといいます。

「何とかなる」の根拠は、今の家賃が10万2千円だからです。毎月のローン返済は9万8,104円ですから、今までどおり毎月2万円の貯蓄も続けられると思ったそうです。ところが…。

■Aさんの失敗

マンションの場合、管理に人の手を借りることになりますから、「管理費」がかかります。将来の修繕に備えて、「修繕積立金」の負担もあります。「固定資産税・都市計画税」だってそれなりにかかるでしょう。

Aさんの失敗は、これらのコストを軽く見ていたこと。知ってはいたものの、どの程度の負担があるかを、しっかり認識していなかったことです。

結果、続けるつもりだった貯蓄は、管理費・修繕積立金の支払いに消えてしまうことになりそう。このままでは心配です。少しでも貯蓄を続けられるよう、家計の見直しが必須です。

マイホーム取得すると、賃貸のときには不要だったコストがかかるようになります。購入を決める前にしっかり確認するようにしましょう。

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オトクなのは最初だけ?金利引下げの罠「マイホーム購入とお金」失敗例

Cさんは、マイホームの購入にあたり、「10年固定」を利用するつもり。基準となる金利は年3.00%ということですが、実際に負担するのは、年0.80%ですむといいます。

年0.80%なら、3,000万円を30年ローンにしても、毎月の返済額は93,760円です。年2.20%ものオマケがあるなんて、うれしい限りだと思っています。

もちろん、10年固定を利用するなら、10年経過後に、そのときの金利で、次の戦略を考えなくてはなりません。でもCさんは、こう思っています。「10年先のことはわからない。オマケが年2.20%もあるし、そのときになったら考えよう。」

■金利引き下げには2タイプ

10年固定をはじめ、一定期間の金利を固定する商品は、基準になる金利から一定幅を引き下げたうえで、貸し出されるのが一般的です。

ただし、金利の引き下げルールに、大きく分けて次の2つあることを知っておかなければなりません。
(1)全期間を通して引き下げ幅が一律のもの
(2)当初期間の引き下げ幅が特に大きいものです。

Cさんの選んだものが前者の(1)であれば、当初期間を経過した後も、金利の引き下げ幅が変わることはありません。年2.20%のオマケは、返済が終わるまで約束されます。もちろんCさんはそのつもりです。

■Cさんの失敗

でも、Cさんが選択したのは、(2)の当初期間の引き下げ幅が特に大きいタイプでした。だから、年2.20%のオマケは10年でおしまい。その後の引き下げ幅は、年1.40%に縮小です。

オマケが年0.80%も減ると知って、Cさんは大慌てです。その分は、10年過ぎた後、Cさんが負担する金利に跳ね返ります。店頭金利の動向も気になります。下手をしたら、オマケが減った分と、店頭金利が上がった分のダブルパンチです。借り入れの前にわかったのが、せめてもの救いです。

Cさんは、あらためて金利タイプについて検討中です。固定期間選択型を利用するときは、当初に負担する金利だけでなく、金利引き下げ幅の確認も忘れないこと。目先だけにとらわれないようにしましょう。

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毎月の返済額が安いカラクリは…?「マイホーム購入とお金」失敗例

Aさんは38歳の会社員。近所の会社を手伝う妻と、幼稚園に通う子どもの3人家族です。今回は、Aさんの資金計画をもとに、「金利タイプ」について考えみます。

■Aさんのローン

Aさんは、マンションを購入するにあたり、3,700万円の住宅ローンを組みます。3,700万円は大金ですが、毎月返済額をみて「これなら返せる」と、購入を決断したといいます。

Aさんの毎月返済額は、98,104円。「こんなに少なくて済むのは、金利が年0.625%と低いからですよ」と言われ、大喜びでした。但しそれも、「住宅ローンの金利には、変動タイプと固定タイプがある」と知るまでの話。

Aさんの金利は、変動タイプです。Aさんはビックリ。毎月返済額は、ずうっと98,104円のままだと思っていたのに…。

■Aさんの失敗

変動タイプは、年2回、金利の見直しを行います。但し、返済額の見直しは5年ごとなのが一般的。金利の変動に合わせて、返済額に占める元金と利息の割合を調整する仕組みです。

そのため、金利の見直しのたびに返済額が変わるわけではありませんが、金利が下がれば、支払利息は軽くなるし、金利が上がるとその負担は増えてしまいます。

固定タイプは、借入期間をとおして金利が決まっています。金利の見直しがないので、安心感はバツグンです。でも借入時の金利は、変動タイプに比べて高め。その分、毎月の返済額も高くなってしまいます。金利が動くにもかかわらず、変動タイプが人気なのはそのためでしょう。

Aさんの失敗のモトは、そもそも金利にタイプがあるなんて知らなかったこと。購入契約をする前に、もう少し情報収集をしておくべきでした。「このまま変動タイプでいくべきか」、Aさんは、悩み始めています。固定タイプにしたい気持ちはあるけれど、家計への影響が心配です。

金利タイプについて知らずに、住宅ローンの借入額を決めるのはキケンです。金利タイプを理解したうえで、自身の借入額を判断するようにしましょう。

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