モメ事はなくても…意外と大変「ひとりっ子相続の問題点」解決策は?

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・ 相続手続き

<Point>

1ひとりっ子相続も手続きは必要

2相続以外にもやるべき手続きは意外とある

3生前からの親とのコミュニケーションが大切

4親側も財産一覧などを作成し、子の負担を軽減させてあげよう

ひとりっ子相続の場合、「争う人がいないのだから大丈夫」と思っている人も多いかもしれません。しかし、ひとりっ子だからこそ大変なこともあります。

まずは手続き面において、どのようなことが大変なのかをみていきましょう。

■ひとりっ子の相続手続きは意外と大変

ひとりっ子の場合、両親がともに亡くなった場合には、親の財産をすべて相続することになります。兄弟がいる場合には、法定相続人全員が集まり遺産分割協議を行い、相続配分を決め、遺産分割協議書を作成します。このときに争い事が起こることが多いのですが、ひとりっ子の場合には遺産分割協議は必要ありません。「だから気が楽」と思ったらとんでもありません。ひとりっ子だからこそ大変なこともあるのです。

では、ひとりっ子相続の場合は何が大変なのでしょうか? それは、手続きをすべて自分一人で行わなければならないということです。兄弟がいれば、相談しながら手分けして手続きを進めることもできますが、いなければ自分で行うしかありません。専門家などに頼むことも可能ですが、それなりの費用がかかります。よくわからないことを自分一人で調べながら実行していくということは、不安でもあり、負担でもあります。

■主な相続手続きとは

では、相続手続きにはどのようなものがあるのでしょうか? 主なものをみていきましょう。

まず、亡くなった親の出生から亡くなるまでの戸籍謄本一式を取り寄せます。他に相続人がいないか、つまり、本当にひとりっ子なのか、ということを戸籍謄本等で証明しなければいけないからです。

戸籍謄本は、まず被相続人の最後の本籍地の役場で取得します。婚姻、転籍、改製などにより新しい戸籍が編製されている場合には、ひとつひとつさかのぼって出生時から死亡時までの戸籍を調査していきます。そして、それらを持って金融機関や法務局などで相続手続きを行うことになります。

また、被相続人のすべての財産を洗い出す必要があります。金融資産、不動産、保険、さらに借金などがあればそれらもすべて調べていきます。不動産は評価額の算出が難しい場合もあるので、専門家の力を借りる必要があるかもしれません。

そして、課税遺産総額を算出し、相続税がかかる場合は、通常、相続開始から10ヶ月以内に現金で納付します。ひとりっ子相続の場合は控除額が少ないため、多額の相続税がかかることも考えられます。また、「小規模宅地等の特例」など、相続税の軽減措置を利用する場合は、相続税がかからなくても10ヵ月以内の申告が必要です。

■相続手続き以外にもやることはたくさんある

その他にも、被相続人が年金をもらっていたならば年金支給停止の手続きをしたり、生命保険に加入していたならば保険金の請求をしたり、所得税等の未払いなどがあれば支払の手続きをしたり、健康保険証を返還したりなど、相続以外にも様々な手続きがあります。

親の重要な書類はどこにあるのか、どのような財産があるのか、生命保険等に加入していたのかなどを全く把握していない場合には、それらを調べるだけでも一苦労です。これらの手続きはひとりっ子に限ったことではありませんが、ひとりっ子の場合は、一人であるがゆえに手続きもすべて一人で行わなければならず、負担が大きいということがいえるでしょう。

■生前から親とのコミュニケーションを密に

相続時の負担を減らすには、生前からの親とのコミュニケーションが大切です。できれば、重要書類の置き場所などは親と一緒に確認しておくとよいでしょう。親側も子に負担をかけたくないと思うなら、金融資産や不動産などの財産一覧を作成するなどの準備をしておきたいですね。エンディングノートなどを作成し、そこに必要なことをすべて記入しておく、というのも一つの方法です。

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  • モメ事はなくても…意外と大変「ひとりっ子相続の苦難」解決策は?

執筆者

工藤清美 ファイナンシャル・プランナー

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。 シンクタンク、出版社を経て、銀行に勤務。銀行では市場部門でリスク管理を担当。08年CFP®(FP上級資格)取得。 現在は独立系FPとして、相談業務、セミナー講師、執筆などを行う。個人相談ではリピーターも多く、資産運用や相続対策などについて、実行支援までを行う。2児の母。

工藤清美

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えっ600万円もの差!相続した空き家の売却時「税金を抑える秘策」

空き家問題が深刻化するなか、平成28年4月より、新たな制度が始まっています。一定条件の空き家を売却する際、税が軽減される制度です。どのような制度なのか、内容を詳しくみていきましょう。

■相続した空き家を売却するなら3年以内に

この特例は、相続した空き家を3年以内に売却した場合、その譲渡所得に対し3,000万円を特別に控除するという制度です。3,000万円までを控除するということは、3,000万円までは利益が出たとしても税金はかからない、ということになります。

原則、不動産を売却した場合の譲渡所得は以下のように計算されます。
不動産を売却した場合の譲渡所得、マネーゴーランド

相続した空き家を3年以内に売却した場合は、この特別控除の額が3,000万円になるということです。3年を超えてしまうとこの特例は使えなくなります。

■取得費不明の相続財産を売却すると、高額な税金がかかることも

相続で不動産を受け継いだ場合、注意したいのが取得費です。取得費は相続した時の時価ではなく、被相続人がその不動産を購入したときの取得時の価格のことです。代々受け継がれてきた不動産などは取得費がわからない、ということがよくあります。取得費が分からない場合は譲渡価額の5%として計算されてしまうため、譲渡所得が高額になる可能性があります。以下の例でみてみましょう。

例)父から相続した土地:譲渡価額5,000万円、祖父から受け継いでいるため取得費不明、譲渡費用150万円

【相続時から3年以内に売却した場合】
譲渡所得=5,000万円-(5,000万円×5%+150万円)-3,000万円=1,600万円
支払う税金=1,600万円×20.315%(※1)=325万400円
※1 売却が取得時(※2)から5年以上たっている場合、所得税15.315%、住民税5%
※2 相続の場合、取得時とは相続時ではなく、前代の取得の時期を引き継ぎます

【相続時から3年を超えて売却した場合】
譲渡所得=5,000万円-(5,000万円×5%+150万円)=4,600万円
支払う税金=4,600万円×20.315%=934万4900円

上記の例でみてみると、相続時から3年以内に売却した場合は325万400円ですが、3年を超えてしまうと、なんと934万4900円の税金を支払うことになります。その差額は609万4500円です。

このように、相続財産を売却する場合には、思わぬ高額な税金が課せられる場合があります。よって、以下にあげた適用要件に当てはまる場合で、将来的に売却を考えている相続財産がある場合は、3年以内の売却をお勧めいたします。

■空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用要件

「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」の適用要件は以下のとおりです。

・譲渡時期は相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日まで
・特例の適用期間:平成28年4月1日~平成31年12月31日
・対象家屋が相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていたもの
・対象家屋が相続開始直前において被相続人以外に居住をしていた者がいなかったもの
・昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除く)であること
・相続時から譲渡時までに、事業の用、貸付けの用、または居住の用に供されていたことがないこと
・譲渡価額が1億円以下
・家屋を譲渡する場合は、現行の耐震基準に適合するものであること

「強制解体&固定資産税4倍に⁉︎ 実家を空き家のままにしたらどうなる?」でもご紹介しているとおり、相続した実家を空き家にしたままだとデメリットばかりが増えていくようですね。

親との同居で相続税が安くなる?! 小規模宅地等の特例の威力!

7月1日、2015年分の路線価が発表になりました。

路線価は、道路に面する標準的な宅地1平方メートル当たりの評価額で、相続税や贈与税を算定するときの基準になるものです。報道によれば、大都市圏が引っぱる形で、地価全体に底入れ感が出ているといいます。

所有する財産の価値が上がるのはうれしいものです。でも、相続税のことを考えると気が重くなってしまうという人もいるでしょう。そこで知っておきたいのが、「小規模宅地等の特例」です。

小規模宅地等の特例は、相続などで取得した土地の評価額を、一定のルールの下に減額できる制度です。いくつかの条件をクリアする必要がありますが、例えば、同居している子どもが、親の土地(自宅の土地)を相続すると、330平方メートルを限度に、評価額を80%も減らすことができます。

ひとりっ子が、親の財産6,000万円(土地(160平方メートル)3,000万円、その他3,000万円)を相続するとき、基礎控除額は3,600万円です(3,000万円+600万円×1人=3,600万円)。これを超える2,400万円に対する相続税は310万円にもなって、なんだかもったいないと感じます(詳しくは、。相続のコラムを参照)

そこで、マイホームを買う計画をやめて、親との同居を考えることにします。その分のお金で、実家をリフォームするのもいいし、思い切って建て替えるのもいいかもしれません。いずれにしても、同居によって小規模宅地等の特例を適用できれば、3,000万円の土地の評価を80%も減らすことができます。その額は2,400万円にもなります(3,000万円×80%=2,400万円)。親の財産が減ると、相続税も減ります。このケースは基礎控除額である3,600万円におさまりますから、相続税はかからないことに(6,000万円-2,400万円=3,600万円)。同居で310万円もの節税に成功です。

土地の利用の仕方を変えることで、相続税の節税になることがあります。節税ありきではないかもしれませんが、検討する価値は充分にあるでしょう。また、その効果を確実に得るためには、相応のプランニングが欠かせません。あらかじめ税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
※税計算において、記載のない条件は考慮していません。

老後貧乏を回避!「おひとりさまの老後資金計画」基本4ステップ

「おひとりさま」という言葉が流行って久しいですが、改めて意味を確認すると「自分のキャリアを確立しながら、充実したプライベートを楽しんだり、住居や老後の準備を行なったり自立したライフプランを送る姿勢の人」のことをいうようです。

つまり「おひとりさま」になるには、自立したマネープランが不可欠。実際に筆者の事務所にも、そんな女性から将来のプランについて相談を受けることがあり、中でも、老後についての依頼は少なくありません。

そこで、おひとりさまの老後資金を準備するために何をすべきか、基本的な手順をみていきましょう。

■1:おひとりさまの老後の生活費を知る

総務省の調査によると、今、60歳以降のシングル女性の生活費は、平均で月額約15万円かかっているとか。これをもとに、90歳までの30年間の生活費を試算すると、5,400万円必要ということになります。この金額は旅行・趣味・交際費が含まれていますが、あくまで全体の平均なので、もし食事や趣味などにしっかりお金を掛けたい人は、その分上乗せして試算する必要があります。

■2:老後に向けての貯蓄目標を決める

老後資金は、まずは国からもらう年金を当てにしたいところですが、受取額は、働き方などの状況によって人それぞれ。たとえば、大学を卒業して60歳まで勤めたケースの場合では、これまでの平均年収が400万円の人なら、年金受給額の目安は月額13万円です。

自分がいくらもらえるかは、『日本年金機構ねんきんネット』(http://www.nenkin.go.jp/n_net/index.html)でシミュレーションできるので参考にするといいでしょう。

上記の例で、年金を65歳~90歳までの25年間受け取ったとしたら、総額は3,900万円。つまり、自分で準備する金額は、生活費5,400万円から年金を差し引いた、残り1,500万円が目標額になります。

■3:運用利回りは何%を目指すかを決める

60歳までに1,500万円貯めるなら、30歳の人は年50万円(月4.2万円程)、40歳なら年75万円(月6.3万円程)、50歳なら年150万円(月12.5万円)ずつ貯める必要があります。

これは利息が付かなかった場合の試算ですが、今は低金利なので、定期預金などで積立てた場合も、ほぼこれと変わらない積立額になります。実際は、老後資金以外の貯蓄も必要なので、そう考えると少しリスクを取って高い利回りが期待できる運用、すなわち資産運用を取り入れる考えが出てきます。

おひとりさまの老後プラン「はじめの一歩」、マネーゴーランド

■4:自分の考えにあった金融商品を選ぶ

定番は、“定期預金”や“財形貯蓄”で確実に積み立てる方法です。
ただ、前述のようにお金が増えない時代なので、資産運用を取り入れる考えも必要です。その場合、初心者でも始めやすい“投資信託”は一手。NISA(ニーサ)という利益や分配金などが非課税になる制度が活用できます。

また、来年1月から対象者が拡大される“確定拠出年金”も選択肢に。60歳までの払出し制限がありますが、NISAより更に税メリットが期待できます。

他には、個人年金保険なども選択肢ですね。(※個人年金保険は、マイナス金利の影響で取扱いを中止する保険会社が増えているので注意。)

今、おひとりさまでも、先々は結婚を選択するかもしれません。人生、先のことが分からないからこそ楽しいのかもしれません。が、いずれにしても必ず訪れる老後。充実した生活が送れるよう早めに準備をはじめましょう。

祖父母がくれたお小遣いに税金発生⁉︎ 贈与税がかかる典型的パターン4例

祖父母からもらうお金と言えば「おこづかい」。孫だけでなく、お稽古に塾にとお金がかかる親にとっても、ありがたいもの。でも、手放しで喜んではいられません。実は、思いもしなかった税金がかかるなんてことも…

おこづかいなら、税金はかからないと思っていませんか? 実際どうなのか見てみましょう。

■祖父母からもらったお金で税金がかかるのはどれ?

祖父母からもらったお金のうち、税金がかかるのはどれでしょうか?

(1)祖父母から1年間合計で200万円をおこづかいをもらった。
(2)「孫の教育費の足しに」、と祖父母から親の銀行口座へ200万円振り込んでもらった。
(3)病気がちな孫の治療代にと、祖父母から孫の銀行口座へ200万円振り込んでもらった。
(4)祖父母が亡くなり、200万円の現金を相続でもらった。

わかりましたか? 少しいじわるな質問を設定してしまいましたが、税金がかかるのは全部です。
(1)~(3)は贈与税、(4)は相続税がかかります。このように税金がかかる「贈与」や「相続」。まず今回は贈与についてみていきましょう。

■そもそも贈与とは何?税金がかからない贈与とは?

贈与は「あげます・もらいます」で成立するもの。この贈与に対してかかる税金が「贈与税」で、もらった人が税金を支払います。だからと言って、贈与なら何でも税金がかかるわけではありません。祖父母からもらったお金でも、税金がかからない場合があります。

税金がかからない贈与は、「祖父母など扶養義務者から、生活費や教育費に充てるためのお金で、通常必要と認められるもの」ですが、ポイントは「必要な都度、直接充てるためのお金」であること。つまり、生活費や教育費としてもらったけれども、実際は使わずに預金したり、株や不動産の購入資金に充てたりという場合は、贈与税がかかることになります。

この他税金がかからない贈与に、「教育資金贈与」や「住宅取得等資金贈与」などの特例制度があります。

■贈与税はどのくらいかかる? 

では、もしも贈与税がかかるとしたらどのくらいかを見てきましょう。贈与税は次のように計算します。
贈与税=(1年間すべての人からの贈与の合計-110万円)×税率

仮に、祖父と祖母からそれぞれ100万円ずつもらった場合、贈与税は(200万円-110万円)×10%=9万円となります。110万円は贈与税の基礎控除です。つまり、1年間でもらった贈与が110万円までなら、贈与税は0円になります。税率は、金額に応じて変わり10%〜55%です。

■「つもり贈与」にしない

贈与は、あげたい人に贈られるものですが、あげた「つもり」では贈与になりません。例えば、せっかく孫の預金口座にお金を振り込んでも、その通帳や印鑑を祖父母が管理しているような場合には、万一相続が起こった時に「名義預金」として祖父母の相続財産になりかねません。そうなると、相続税を多く支払うことになってしまいます。

贈与をするなら、きちんと贈与の証拠を残しておくことが必要。贈与税は税金の中でも高い税金です。特例制度も上手に使い、ついうっかりでムダな税金がかからないように気をつけましょう。

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