ドル円113円台まで上昇!今週の動きは?【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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■11月第4週の見通し(2016/11/28)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「イベントリスクでドル高修正の動きも」
先週は日本と米国の祝日を挟み流動性が低下する中でドル高も一服感が漂うなか、ドル円は先週までの上昇を引き継ぎ114円近くまで上昇しました。

先週はフィッシャーFRB副議長やダドリーNY連銀総裁が早期利上げに前向きな姿勢を示しましたが市場の反応はあまり見られませんでした。既に市場は12月の利上げをほぼ織り込んでいて、注目は来年の利上げペースに移ってしまっています。

米国長期金利は先週一時2.4%台に乗せてきました。このレベルは昨年12月のFOMCで利上げを行う前のレベルになります。因みにその時のドル円のレベルは122円付近で推移していました。その時の日本の長期金利は0.2%台で、今の1%付近よりも高いレベルで推移していました。今の日米金利差は当時よりも拡大していることになります。金利差だけを考えるとドル円は122円よりもより高いレベルにいてもおかしくはないという事になります。

トランプ次期大統領が掲げる減税や輸入関税の引き上げ、そして移民制限といった政策はインフレを一気に高めるものです。米長期金利の上昇はそれを見越したものと考えられます。そうなると、来年の米国利上げ回数は1回から2回といったペースではなく更なる追加利上げの可能性があります。

一方、日銀は長期金利を0%付近で抑えようとしているわけですから金利差は更に拡大することになります。そうなると、ドル円の上昇トレンドは今後も継続するとみることが出来ます。

しかし、トランプ次期大統領は日本が円安で輸出を伸ばしていると考えており、ドル高円安が続けば圧力をかける可能性もあります。しかし、長期金利の上昇を止めることは難しく、口先だけでドルの上昇を抑えるのは難しくなりそうです。

今週は30日にOPEC総会が開かれ、減産合意がされないようなら原油価格が下落しリスクオフの円高に振れる可能性があります。反対に合意に至ればリスクオンの円安と同時にカナダドルや豪ドルなどの資源国通貨も追い風となります。

4日にはイタリア国民投票が行われます。こちらもレンチ首相が敗れることがあればユーロ売りに繋がり、リスクオフの円買いに反応する可能性もあります。

そして、週末には注目の米雇用統計が発表され、前月から雇用者数が改善されると予想されます。織り込み済みではあるものの12月利上げはほぼ確定という事になり一時的にドル買いが進むと予想されます。

今週は重要イベントが多いことから一時的に荒っぽい値動きが予想されますが、最終的にドル買いの流れは変わらないとみています。

詳細は私のデイリー情報誌「岡安盛男の稼ぐFX攻略バイブル」で述べていますが、不安定な1週間を経て、年末上昇の期待が続く見通し。今週のドル円予想レンジは112円~115.50円。

【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、来週も宜しくお願い致します。

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執筆者

岡安 盛男 (おかやすもりお)

レグザム・フォレックスLLC (http://fx-okayasu.com/)代表、為替アナリスト                                                 外資系銀行に20年間在籍、1999年より為替デイトレーダーとして独立後は、 自身のトレードスタイルを確立、実践的な為替投資の啓蒙活動の他、FXスクール講師やFX会社向けの情報提供サービス、投資家向け情報レポートを展開(http://www.gladv.co.jp/members/fx_bible/)。ラジオ日経「岡安盛男のFXトレンド」、日経CNBCの「朝エクスプレス」など出演中。執筆多数。

岡安 盛男

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■11月第3週の見通し(2016/11/21)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「常識が通じない相場展開へ」

トランプ氏が次期大統領に決定したことで市場に大きな変革が起きました。世界中で驚きの声が聴かれましたが、それ以上に驚いたのがドル高と円安、そして世界同時株高になったことです。大統領選前にこの動きを予想できた人は殆どいなかったでしょう。寧ろトランプ氏が当選すればドルや株式市場は暴落するとの見方が大半でした。

トランプ氏は100日で大規模インフラ投資(10年で1兆ドル)や大型減税(法人税を現行の35%から15%へ)、輸入関税の引き上げや移民流入抑制などを挙げています。インフラ投資で新たな病院や学校建設への期待から既に銅などのコモディティー価格が上昇しています。また、輸入関税をかけることで輸入物価が上昇しインフレが進むことになります。更に、移民流入制限で国内の高い労働コストが企業の負担になり、それも物価上昇に繋がるものです。

これらが米長期債利回りの上昇に繋がり、結果的にドルが全面高となりドル円は110円を上抜けて111円近くまで上昇して引けてきました。米国長期金利が上昇したことを受け欧州や日本の長期金利も引きずられて上昇。日本の10年債利回りはマイナスからプラスに転じました。

日銀は金利を0%以下に抑えようと、債券市場では初の指値オペを実施しました。指値オペとはある一定のレベルで無制限に買いを入れるもので、金利の上昇を抑制することが出来ます。結果的に、円の金利が低下したことで日米金利差拡大からドル円の買いに繋がりました。

一方、金利上昇は株価にとってはこれまでネガティブ要因とされていたものが、世界的に株価が上昇。これまでの株価と為替の関係にも変化が見られました。

この動きは今週も継続されると予想されます。ただ、今週は日本の勤労感謝や米国の感謝祭など祝日を挟むために市場の流動性が低下。これまで上昇が続いたドル円の調整売りが強まるとの見方もあります。しかし、今回の相場の動きはこれまでの常識的な見方が通じなくなっています

今年の6月24日のブレグジットも含め、これだけ市場の予想が外れるという事は、これらの動きは偶然のものではなく、必然的に起きたと考えた方が良いかもしれません。
市場は依然としてドルの下落リスクに対する警戒感が根強く、ドルの買い遅れが目立ちます。

常識的には急速に上昇したドルの反動が入る可能性が高いとみるでしょう。しかし、常識が通じないとすれば今週も更にドル円は上昇する可能性が高いとみることが出来ます。
次のドル円の上値目途は115円付近とみています。

トランプが劇的勝利!政策から紐解く「世界情勢&日本への影響」どうなる?

米大統領選挙は、現地時間11月8日の当日どころか開票が始まってしばらくすると、クリントン氏有利の前評判を覆して、トランプ氏大逆転勝利。

速報がトランプ氏有利に傾くにつれて、為替相場は円高、株式市場は下落と、EU離脱を問う6月23日の英国国民投票と同じ流れが、今回も起きました。

■トランプ大統領の誕生で起きること

トランプ大統領誕生で、米国はどのような道を歩むのでしょうか。まず、彼が掲げている政策を見ていきましょう。マスコミの言うことを鵜呑みにしないで自ら確かめてください。

トランプ氏の主張は、移民反対・所得税の単純化や減税(実はお金持ち有利)・TPP反対・オバマケア反対などが中心。行き過ぎたグローバル化や環境規制に反対し、保護貿易主義・環境協定からの脱退などを訴えてきました。ここの方向転換がこれまでとの違い。TPP実現はどうなることやら、、、。

■トランプ氏の主張する政策一覧

大逆転!トランプ大統領誕生の情勢、マネーゴーランド

いかがでしょう。これ、日本の貿易黒字のせいで、米国が苦しんだ1980年代からのバブル時代に米国が取っていた政策に似ています。外交は、仮想敵国をソ連にして圧力をかけた共和党のレーガン&ブッシュ氏が大統領だった時期。

この時は、経済面で日本に対して、牛肉・オレンジ・自動車と様々な圧力がかかりました。今は、日本よりも中国が米国の雇用を奪っているという意識が強い点が当時との違い。つまり、米国の圧力を最も受けるのは、日本よりも中国です。懸念点として、中国にかなり厳しいことになるのではと予想。ここは、経済面・軍事面の双方で、隣国として非常に心配。

次に大事なのは、大きく流れが変わるグローバル化の点。これまでのグローバル経済推進・環境重視の流れから、保護貿易・規制緩和型へと米国は大きく舵を切ることになりました。議会でも共和党が上下両院を握る可能性が高く、そうなると大統領の政策実行力も上がります。

あまり、日本では、話題になっていませんが、「環境・安全・健康などの規制」によって、迷惑をこうむっている人・企業が多数あることは大事な点。特に都市ではなく、郊外の自営業者や中小企業・土地を所有する人達が「過剰な規制」によって、様々な問題を抱えています。

■トランプ大統領によって世界で起きるであろうこと!

●世界の警察
強い米国を取り戻し、軍事力増強の意向から、オバマ大統領が放棄した「世界の警察」の役割を強めるのではないかと考えます。もっとも米国一国ではなく、他国を巻き込んでいく方向で、力を発揮するでしょう。IS国打倒をはじめとした過激派勢力との対立・中国への圧力強化などが起きえるシナリオ。兵士ではなく兵器とサイバー部隊・後方支援部隊を出せば、米経済にはプラス。

●米ドル/円相場への政治的圧力
トランプ氏の発言・主張を見ていると、他国の通貨安誘導を強くけん制していること、米国内の製造業を大事にすることが経済面での柱。性格的にもパフォーマンス好きで強い発言を好むことから、日本に対しても強い態度で臨むはず。そのため、米国はドル安に誘導する可能性が高い分、日本はトランプ政権が続く間は、円高圧力が起きやすいでしょう。

●中長期的な株式市場
トランプ氏は何をするか分からないとの考えから、一時的にリスクオフで株安に動く公算大。実際、11月9日の日経平均株価は、919円84銭の大幅安。しかし、政策自体を見ると、株式市場に優しい政策が目白押し。トランプショックが収まった後に、インフラ整備への支出・規制緩和が実行されれば、株式市場が回復する可能性があります。ただし、米企業との競争に敗れた場合、為替の円高とあわせて日本株は下がるリスクあり。

もっとも、株価については、FRB・ECB・日銀の利上げや緩和終了の影響も大きいことをお忘れなく。

■トランプリスクのシナリオも見ておきましょう。

1、保護貿易から戦争へと・・・
トランプ氏の主張する保護貿易が、戦争を引き起こす可能性があることは、第一次・第二次の世界大戦が起きたことからも分かる通り。トランプ反対派はここへの懸念が大。トランプ大統領の誕生で、各国の競争・格差が広がり、最後は武力に物を言わせることになれば最大のリスク。

2、威圧的な性格が敵を作る
エキセントリックで威圧的なトランプ大統領。各国の首脳や国民を怒らせることで余計な敵を作る可能性あり。これもまた、世界中で争いのタネをまき散らして、戦争や訴訟が増えるリスクがあります。また、金融市場にとっては、余計な発言を繰り返して波乱の原因になると思います。

勝利演説では、ヒラリー・クリントン氏を称え、米国を癒し団結させると話したトランプ氏。米国を再生させる偉大な大統領となることを願います。

大統領選トランプ氏勝利で相場激変!【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

■11月第2週の見通し(2016/11/14)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「大統領選トランプ氏勝利で相場激変」
先週行われた米国大統領選は予想に反してトランプ氏が勝利し市場は波乱含みの展開となりました。

投票前の世論調査ではクリント氏優勢と報道されていたことから、東京市場ではドル円が買われ105円ミドルまで上昇。しかし、結果が徐々に明らかになるにつれトランプ氏優勢との見方が強まりドル円は101円20銭付近まで下落。結果的にトランプ氏勝利が決定したところでドル買い戻しに変化し、ドル円は105円ミドルまで上昇。欧米の株式市場は軒並み上昇。投票前からトランプ氏が当選すればドル円は100円割れ必至で株式市場も暴落するといった見方が大半でした。しかし、結果は全く反対の動きになりました。

トランプ氏の政策は10年間で1兆ドルのインフラ投資、法人税を35%から15%に引き下げる事。また、海外に逃避した2兆ドルの資金を呼び込ませるために10%まで減税。個人の減税なども合わせると財政赤字が大幅に拡大することになります。また、輸入制限や移民流入抑制などを掲げています。もし、輸入制限を行えば輸入価格が上昇。移民制限で企業は国内の高い賃金を支払う事になり物価上昇が進むことになります。結果的に景気回復が進むと同時にインフレが高まり金利が急速に上昇すると予想されます。それを見越し既に米国長期金利は上昇しドルも全面高となっています。

米国議会は上院と下院共に共和党が過半数を確保しています。そのような状況下でトランプ氏が来年1月に大統領就任後、実際にこれらの政策を打ち出したとすれば高い確率で法案は通通過することになります。
トランプ氏はこれらを100日で断行すると言及していることから、金利も来年は予想以上に上昇しドル高が更に進むと思われます。

ただ、今の市場はトランプ氏のプラス面の政策だけに焦点が集まっています。いずれ熱気が冷めたところで、それらの副作用などマイナス面に焦点が移るようならドル売り・円買いの動きが強まる可能性もあり予断は許せません。

さて、今週のドル円ですがFRBのフィッシャー副議長は大統領選挙が終わり、株価が上昇したことで利上げに前向きな姿勢を示しました。
今週も多くのFOMCメンバーの発言が予定されています。それぞれが利上げに前向きな姿勢が示されると予想されます。そうなれば、今週もドル高・円安の流れが継続するとみられます。
ただ、急速に上昇が進んだだけに、調整のドル売りには注意が必要です。

どうなる大統領選とドル円⁉【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

■11月第1週の見通し(2016/11/7)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「大統領選挙の結果次第」

先週はFOMCや日銀会合、BOEやRBAといった各国中銀の政策金利が発表されました。また、米国利上げを占ううえで重要な米国雇用統計が発表されるなどビッグイベントが集中。しかし、市場の注目は米大統領選挙にくぎ付けとなり他の材料に対する反応薄となりました。

前週末にクリントン候補の私用メール問題が再燃して始まった東京市場では落ち着きを取り戻し、ドル円は105円台で始まりました。しかし、その後世論調査でトランプ氏がクリントン氏を1ポイントリードしたとの結果が報道され市場のセンチメントは一変。リスク可否の動きが強まり安全通貨である円やスイスフランに資金が流れ込み、ドル円は一時102円ミドル付近まで下落しました。

日銀会合では物価目標の達成時期を2017年度中から2018年度頃へ延期したことで市場は追加緩和も当面据え置かれるとの見方が広がりました。しかし、既に市場は織り込んでいたことから円高には反応しませんでした。

FOMC会合では予想通り金利は据え置かれました。声明文では特定の利上げ時期に関して言及はなかったものの、12月利上げ観測を後押しする内容と受け止められました。しかし、大統領選への警戒感からドル買いには繋がりませんでした。

週末に発表された米雇用統計は非農業部門の雇用者数が予想を下回ったものの、8月と9月分が上方修正されたことでトータルから見ると予想を上回るものでした。また、平均時給が+2.8%と7年ぶりの高水準となったことからドルは全円高となりドル円も上昇する場面も見られました。しかし、トランプショックが影響し上値も限定的。結局103円付近でNY市場を引けるなど上値の重い展開が続いています。

今週はその注目の大統領選挙が8日行われます。結果は9日の東京市場で明らかになるとみられ、相場が大きく乱高下することは間違いないでしょう。結果はクリントン氏が若干優勢とみられますが、かなり拮抗していることから蓋を開けるまで予断を許しません。もしトランプ氏が当選となればドル円は100円を割り込む可能性が非常に高いとみられます。一方、クリントン氏が当選すればドル円は反発し105円を上抜き107円台も視野に入ります。

大統領選が終われば不透明感も払しょくされ、いずれFRBの金融政策に市場の注目が戻ることになるでしょう。そうなればリスクオンの円安と米利上げ期待のドル買いが再び強まるとみています。

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