衆議院解散で「株価&ドル円」はどう動く?高リスクで危険な予想は?

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今秋以降、年末年始にかけての衆議院解散話が出ています。もし、選挙が行われれば、株価や米ドル/円にどのような影響を与えるのでしょうか。。。

■政治の混乱は売り

まず、基本として言えるのは、「政治が混乱すると株や通貨は売り」というセオリー。
政治が混乱している状態は、何も決まらない・決めたことが覆される状況のことで、今の日本のように、与党が強固な基盤を築いている場合、政治は安定していると言います。

<政治が混乱している状態>
・与野党の議席が伯仲
・多くの政党を連立してようやく政権与党を担う
・大統領と議会で所属政党が違う

このような状態だと、決まった事もすぐにひっくり返り、政策が何も進みません。

■重要な議題が有るかないか?

もう一つは、政治公約や経済上の重要な案件が有るかどうかが影響します。ビジネスや株価に優位な政策だと株価は上昇、逆にビジネスや株価に厳しい政策を推進する側が勝つと株価は下がります。

アベノミクスが始まるきっかけとなった2012年11月の選挙では、野党だった自民党が「アベノミクス」「日銀の金融緩和実現」「列島強靭化政策」と経済に関する内容を政権運営の目玉に掲げて選挙に圧勝しました。

2012年11月の選挙結果:自民党の大勝利で政権交代
2012年11月の選挙結果:自民党の大勝利で政権交代、マネーゴーランド
経済を頑張ることを公約に掲げた自民党が勝利したため、その後の公約実現を期待し、株価は上昇・為替相場は円安に動きました。

では、状況を見てみましょう

前回の衆院解散総選挙は、2014年11月21日に解散、12月14日に実施。475議席の中で、自民党が291議席・公明党が35議席と与党が326議席の圧勝。民主党(民進党)が73議席、維新の党が41議席、共産党が21議席という結果でした。

この時の論点は、消費税増税10%をどうするかという問題・2年間のアベノミクスを評価するか否かというものでした。結果は自民党の快勝。もし、今回も年末年始に選挙が行われるとしたら、論点はあまり変わりません。

■自民党の現状

与党側は、安倍政権の運営に問題はなく、支持基盤は安定しており、政権内での権力闘争もありません。そこで自民党にとって大切な課題は以下の通り。

●憲法の改正問題:衆参両院で2/3を取ることで、憲法改正に一歩進める:国民投票がありますから、実際はなかなか難しい。
●消費税増税延期に対して国民の判断を仰ぐ:民進党は蓮舫代表に野田幹事長で消費税増税賛成派ともとられる姿勢を打ち出しており、増税問題で民進党を叩くチャンス。
●五輪と豊洲市場問題:政権与党側にとっては、ちょっと分が悪い五輪問題。ただ、何としても成功に終わらせたいので選挙を行って、国民の信を仰ぐのはいいかもしれません。

■最大野党の民進党の現状

●繰り返される党首交代:蓮舫代表の話題性と新鮮さ。デメリットは二重国籍問題。
●政党の状態:連敗続きで、政党としての政策運営が見えてこない。
●攻めるより守り:様々な勢力が合流しリーダー不在のせいか、野党だからこそできる大胆な提言を行う余力がありません。普通なら、政権担当側が、苦渋の決断や国民に痛みを強いる改革を実行して、野党が攻めるというシナリオが成り立つところが、野党側にその芽が見えません。

他に選挙の争点になりそうな案件は、TPP・安全保障・原発など。

日本は欧州や米国と違い、移民問題が強い論点になりません。地続きの国がなく、潜在的な移民人口を抱える中国からの移民も少ない状況ですからね。

そう考えると、今、選挙が行われると、引き続き、自民党の安定多数の公算が高く、株価や為替に強い影響を与える可能性が低いものと推測されます。選挙までに大きなスキャンダルや論点が出てきて、与野党拮抗、与党大敗になると株価や為替相場に大きな影響を与えます。

しかし、政治にできることは限られています。株価や通貨に大きな影響を与えるのは中央銀行の方。その意味では、日銀への対応が論点になる選挙は経済的に要注意。

怖いのは、与党が大勝しすぎること。こうなると、憲法改正問題の具体化、一部議員が調子に乗っての権力争いが起きかねません。今の自民党は、勝ちすぎることが最大のリスクです。

次回も宜しくお願い致します。

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  • 議院解散で「株価&ドル円」はどう動く?高リスクで危険な予想は?

執筆者

上村 和弘 (かみむらかずひろ)

アセットクラス&WEBコンサルティングLLC 代表CEO・ファウンダー 日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP会員、1級FP技能士 1990年 現三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社を皮切りに、証券リテール業務や企画調査、ファンド事業等に従事。1999年より、FX事業の新規立ち上げ後、複数社での金融ネット事業の立ち上げ、事業再構築・運営等の統括マネージメントを経て2011年独立。現在、金融情報サービス事業をコアに、投資教育系、システムツールのサポート業務を行う他、シンクタンク系企業、金融システムベンダー等の顧問等を兼務する。1968年生、宮崎県出身。

上村 和弘

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米国が利上げをすれば、世界経済に価格変動ショックが起きる可能性が高くなるため、この秋の動きは注目です。
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■米国の利上げは、世界経済を揺るがす

その理由はなんといっても米国の利上げ。米国が金融政策を変更して、利上げ方向に動くたびに、世界経済の不安定さも高まり、急激な変動リスクに見舞われることを繰り返しています。

現在、米国の中央銀行(=FRB)は、利上げを市場に織り込ませて、大きなショックが起きないように必死に動いています。FOMC(=日本の金融政策決定会合に該当)での利上げを9月22日に行うか、それとも11月3日・12月15日に行うか分かりませんが、2016年中に行う可能性が高くなっていますので注意が必要です。

過去に米国が利上げを行うたびに世界経済は激震に見舞われている状態。

●豪ドル/円と日経平均株価の動き

豪ドル/円と日経平均株価の動き、マネーゴーランド
(赤線は豪ドル/円、オレンジ線は日経平均株価)※引用:GMOクリック証券

米国の金融政策が動けば、世界経済は大きなダメージを受けてしまいます。特に、自国通貨が弱く、米ドルへの依存が強い新興国にとっては深刻。そのため、新興国に資源を売る立場の豪ドルも下がる傾向にあるため、新興国ショックの象徴として、見ていただきたい通貨です。チャート上に示した主な変動局面は以下の3つ。

・バーナンキショック(*):2013年5月22日にバーナンキFRB議長が量的緩和の縮小を示した。
・米国量的緩和終了:2014年10月29日のFOMCで資産買入額をゼロにした。
・米国利上げ:2015年12月16日のFOMCで0.25%に利上げ。

■米国の利上げが世界経済に暴落ショックをもたらす理由

グローバル経済は、資本=お金の移動が自由になっているため、米国の利上げは、世界経済に大きな影響を与えてしまいます。

1、米国債の金利が上がれば、運用面での魅力が増して、新興国から米国に資金が移動してしまい、新興国の資金が足りなくなる。
2、米国が金利を上げて、米ドル高に動けば、新興国がドル建てで借りている借金が増える。
3、米ドルにリンクした通貨制度を採用している国は、米国の利上げに合わせて利上げしな
いと資金が逃げ出すため、自国の経済状況にかかわらず、利上げしなければならず、
景気が冷え込むリスクがある。

先日、実施されたジャクソンホールのイエレンFRB議長の講演で、雇用と物価についてFRBは自信を深め、GDPこそ弱いものの、今のレベルで、雇用と物価の目標達成に問題はないとの話をしています。

さらに、フィッシャーFRB副議長もインタビューに応えて、年内利上げに整合性ありと発言しており、データ次第ながら、年内の利上げ確率は相当に高まってきています。

米雇用統計やGDP、インフレ率のデータ、そして米大統領選挙と不確定要素はまだあります。その中で、利上げがいつになるのか予想するのも面白いですね。
そして、利上げ後に起きる可能性の高い世界経済へのショックを考えると、この秋はFXにチャレンジする好機かも知れません!

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:バーナンキショック
米国の量的緩和を縮小させることを、当時の米FRB議長のバーナンキ氏が示唆したことで、世界的に金融市場が混乱したこと。量的緩和により、新興国に流れ込んでいたお金が止まると予想され、新興国の通貨や株式が大きく下落しました。

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FXの相場を星占いで予測する方法があることをご存知でしょうか。12宮の星座の位置関係が、地球上の動き、そして人々の行動に大きな影響を与える。聞いているとなかなか面白そうですよね。

FXに限らず、マーケット=金融市場の動きを星占いで予想する方法は昔からマジメに研究されています。為替相場・株価・商品市場の動きを占星術(*)で予測できれば、大金持ちになれるとの思惑でしょうか?!

これは、タイムマシンや透明人間並に人気のあるテーマです。そして、占星術を金融に活かす金融占星術という相場予測手法は、プロトレーダーの一部に愛されている手法。

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■FXと占星術

宇宙にある星座や太陽系の惑星たちの動きや位置が為替相場に関係あるの? と思って当たり前ですよね。でも、これ意外に当たる時があるのです。

太陽や月の動きや満ち欠けが、多少なりとも人間の行動に影響しているというのは、世間話でも良く出てきます。満月の時に交通事故が多いというのも統計的に証明された事例もあります。
ならば、天体や星座の動きが人の行動や相場に影響してもおかしくありません。

■占星術を少しだけ紹介

牡羊座は火を表し、おうし座は地を表す。すなわち、火を表す牡羊座が特定の位置にくると、火の力が強まり、地球では、熱波や猛暑が起きやすい。金融占星術では、このような考え方を元に相場を予測します。

もう一つお伝えすると、水星の逆行という見方があります。水星が地球の近くを通過している状態で、地球と水星の間に太陽が入らず、水星の影響を強く受けます。この水星逆行時は、情報・コミュニケーションに不具合が起きて、様々な乱れが生じます。為替相場もその影響を受けて、乱高下しやすく、テクニカル分析が当たらなくなる時期。
(関連記事:第34回「テクニカル分析はなぜ当たるの?」

「2016年の水星逆行は残り二回」
・2016年8月30日の21:49~9月21日
・2016年12月19日の19:59~2017年1月7日
この期間にトレードする時は、注意した方が良いかもしれません。

現在、金融占星術で最も有名な方は、米国のレイモンド・A・メリマン氏。彼は、金融占星術とサイクル理論で株式や為替相場を予測しており、証券会社や商品先物市場で活躍し、相場の世界で生き残っています。米国大統領選挙も占星術で予測するスゴイ人。

星占いはオカルトだから信じないというのもありでしょう。しかし、どんなに研究しても100%当てることはできない相場予測。金融占星術に興味を持てば、恋愛運や仕事運も上向いていくかも!

男性の皆様は、金融占星術を少しでもかじっておけば、女性との共通話題が出来るかもしれませんよ。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:西洋占星術
西洋占星術は、アラビア・欧州で発達した占いの手法、天体がどの位置にあるのかをホロスコープに描き出して、その解釈を占う方法。オカルト扱いされることも多いが、現代占星術を真剣に研究している方も多い。

【上村和弘のFX基本講座】
全バックナンバーはこちらから
●第2回 FXって何?
●第4回 FX会社はどうやって儲けるのか?
●第16回 円高リスクを防ぐ。FXでヘッジしましょう!
●第17回 レバレッジの上限規制、利益率向上ならハイレバレッジ!
●第20回 初心者に向いている分析方法は?
●第32回 ファンダメンタルズ分析で大事なことは?
●第39回 FX注文の基本「成行・指値・逆指値」とは?
●第40回 FX注文の基本2「複合注文」で安定運用を!
●第44回 儲けたいならトレンドを味方につけよう!
●第45回 五輪終了後は…新興国BRICsは今後どうなる?

今さら聞けない…アベノミクスって何?【上村和弘のFX基本講座】

この連載を読んでいけば、FXの経験が無い方もFXビギナーの方も一定のFXトレーダーになれる! 知っておくと便利な事やFX知識として重要な事、そしてお得な情報までを解説するシリーズ【上村和弘のFX基本講座】。

アベノミクスは、第二次安倍政権において政権運営の主要テーマを「経済」とし、それまで日本を覆っていたデフレスパイラル(*)から抜け出し富を増やすことを目的とした政策のこと。FXを始めるなら知っておきたい言葉です。

■アベノミクスの基本政策は「三本の矢」

政策の柱として、戦国大名の毛利元就が三人の息子を諭した故事から「三本の矢」を宣言!

1、大胆な金融政策:お金をたくさん世の中に流通させる
2、機動的な財政政策:国の予算で事業を行う
3、民間投資を喚起する成長戦略:規制を緩めてビジネスをしやすくする

この3つの政策を同時に行うことで、デフレを退治し、経済成長を実現させようというのが安倍晋三首相とそのブレーンが考えた「安倍政権の経済政策=アベノミクス」。

アベノミクスの基本、上村和弘のFX基本講座、マネーゴーランド

アベノミクスの詳細を見る前に実施前の日本の現状がどうだったか分析してみます。

・デフレスパイラルで、消費・賃金は落ち込み景気悪化
・為替は円高に進み企業業績は悪化して株価は下落
・東日本大震災の影響は甚大で、原発事故により世界中から日本は大丈夫かと心配
・少子高齢化で労働人口の減少と社会保障の増加が長期的な問題

このままでは、消費が落ち込み経済力が下がり、日本の未来は暗いのではというムード。高齢化が進むと年金・医療費・介護費の支払いが増えていきます。つまり、税収・社会保障費の収入が減る中で、社会保障費はどんどん増えてゆき、国の財政が破綻するのではという危機感がありました。

このように、アベノミクス前は重苦しい雰囲気が日本を覆っていました。そこに颯爽と登場したアベノミクス。日銀に対してインフレ目標を飲ませてデフレ退治。列島強靭化政策で震災復興&財政政策をPRして選挙に勝利。ムードを一変させて、2013年から本格スタート。
実際、自民党勝利の風が吹き始めてからは、株価上昇・為替は円安と早くもムードは変化。

そして、第一の矢は、黒田日銀総裁が2013年4月4日にはじめた異次元緩和。2年で2%のインフレ目標を達成するために、国債を市場から買い入れて、長期金利を引き下げる政策。これに財政政策&成長戦略を加えることで、経済成長を目指すというシナリオ。

■アベノミクスによるデフレ退治&景気回復シナリオ

1 2%インフレ目標と資金供給量を増やす。
2 実質金利低下
3 株価上昇・円安進行
4 財政政策で企業の仕事が増える
5 規制緩和でビジネスが活発化する
6 消費増加・輸出増加
7 企業の売上や利益が増える
8 設備投資が増える
9 企業の売上や投資が増えれば、ますます好循環が起きてくる
10 雇用が増えて、人々の給料(賃金)も上がる
11 物価が上昇する
12 2%のインフレ目標達成、景気も回復!

この流れで12番まで実現できた時には、日本経済が抱えた大きな問題が解決できるはず。三本の矢は以下の目的を達成できる予定でした。

・緩やかなインフレ達成で、人々の消費意欲が増し景気が良くなる!
・規制緩和で新たな産業が生まれ、企業業績向上・雇用増・給料増が達成!
・政府の税収が増える上に、社会保障を少々減らしても人々は耐えられるようになる!

しかし、道半ばの今、残念ながらここまで上手く「アベノミクス」は進んでいません。続きは近日中に!

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:デフレスパイラル。
物価が下がるデフレ状態では、企業の売上が下がり、賃金も下がります。すると、ますます消費が減るために、さらに売上・賃金が下がっていくという負の連鎖が続きます。そのため、このデフレの連鎖をデフレスパイラルと呼びます。

【上村和弘のFX基本講座】
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●第4回 FX会社はどうやって儲けるのか?
●第5回 FXはぶっつけ本番で始めると損しやすい
●第17回 レバレッジの上限規制、利益率向上ならハイレバレッジ!
●第18回 米ドル/円相場の割安度は?これから円高・円安?
●第22回 投資リスクの低減!分散投資ならFXがいい理由
●第26回 外国為替市場の1日、FXで儲けたいなら流れを知ろう!
●第33回 儲けたいならテクニカル分析を学べ!
●第41回 話題のヘリコプターマネーとその影響は?
●第42回 日銀の量的・質的緩和にカラータイマー点灯中!

トランプショックで金相場大荒れ!「新大統領と金の値段」今後の予想は…

11月8日に起きたトランプショック。メディアや世論調査に反してトランプ候補が勝ったことで、市場はパニックに陥り、金(ゴールド)に投資家達が集まり、値段は急上昇。金は資産のラストリゾートと言われる通り、パニック時に買われる資産。

ところが、パニックは一夜で静まり、株高・円安へと動いたために、金も値下がりしています。あれ・・・トランプショックって何だったの?

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トランプパニックと金の値段、マネーゴーランド
※引用:GMOクリック証券

一時的に上昇した金はすぐに値下がり、その代りに金利と株価が上昇しています。今後の金はどのように動くのでしょうか。まず、状況を見てみましょう。

■メディアの報道に偏り!

まず、マスコミや市場の大統領選挙予想にバイアス(偏り)があったということ。実際は、思った以上に、クリントン候補の人気が低く、トランプ候補の人気が高かった。これは、来年に控える欧州各国の選挙で、問題になる点ですから、記憶しておくこと。

■トランプ氏は経済に強い!

次に、トランプ候補の経済政策は、財政出動と減税・規制緩和で米国の雇用を回復させるということが柱になっており、「インフレ・高金利・株高に動きやすい政策」いうこと。このビジネス有利というトランプの政策が全く、マスコミや市場に検討されていなかったことが挙げられます。

それゆえに、当選直後は、皆がパニックになり、資産を処分して金に逃げましたが、落ち着いてみると、「待てよ、トランプって・・・元はビジネスマンで経済に強いのでは」という視点が浮上してきました。

■トランプパニックが瞬間的だった理由

次に具体的な事を見ていきましょう。
ポリティカル・コレクトネス:差別や偏見のない正しい言葉や行動を行うという考え方。反面、本音を言えない・理想主義で現実に即していないという欠点を持ちます。
この考え方が、メディアや世論調査でのトランプ反対に繋がった理由の一つ。暴言&本音のトランプはポリティカル・コレクトネスを推進するリベラル派から嫌がられます。そして、メディアの多くはリベラル派です。

トランプさんの方が経済に強い:トランプさんは、元々は不動産業のビジネスマン。プロレスのWWEばりの派手なパフォーマンスと暴言に気を取られがちですが、ビジネスや経済に対する理解はクリントン候補より上。実地で叩き上げたビジネス感覚を持っている方です。

財政出動:ここ数年、日米欧の中央銀行は、必死に金融緩和(低金利・通貨供給)で経済を支えてきました。しかし、なかなかデフレ退治と景気回復に繋がりません。そこで、もう一つの手である政府の財政出動なのですが、財政支出を増やせば赤字になり、将来に災いをもたらすとして反対多数で手つかず。その点、今回の選挙で、大統領と議会が揃って共和党になったために、財政支出の障害が一つなくなりました。

規制緩和でビジネスにプラス:もう一つの大切な点が規制緩和を行うと発言していること。先進国で、新たにビジネスを起こすには、様々な規制をクリアしなければいけません。そこを壊せば、新規開業・競争が起きて、ビジネスにプラスです。

結果的に、トランプ大統領で、経済成長を達成できるかもと、市場は色めき立っています。デフレや超低金利の時代をトランプさんがぶっ壊してくれる可能性があるということです。ただし、これまた、行き過ぎると副作用が怖いところ。

トランプパニックと金の値段、マネーゴーランド

■対立による政治・軍事危機

ここまでは、トランプさんのプラス面をご紹介してきましたが・・・やっぱりマイナス面も気になりますよね。
ここは、今までも話されてきた通り。米国が保護貿易に舵を切れば、新興国は、米国という最大の市場を失い路頭に迷うことになります。人種・主義・宗教などの違いが差別そして対立へと激化して紛争や戦争が起きやすくなるかも知れません。
また、トランプさんの財政出動&規制緩和の経済政策が失敗して、米国の財政悪化&金利急騰による経済悪化になるかもしれません。

これらの事を考えると、金への影響度合いとしては、下げる懸念が出てきそうです。
今後、経済成長やインフレが進み、金利が上がっていけば、(米10年債金利は2%超え)投資家達は、債券や金を売り、株や事業への投資を行うでしょう。金利を生まない金は、金利上昇局面で下がるリスクがあります。向かい風のイメージが出易い投資先になったかも知れません。

世界が安定したまま、経済成長の方に向かえば金は安くなります。しかし、世界で対立や不安定さが増して、株や不動産にリスクが生じれば、金に注目が集まり値段は上がっていくでしょう。さあ、これから、金利と金の動きに注目です。

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