えっ通信大手がテレビ局を買収⁉︎ 米史上最大規模の買収劇と未来予想図

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米通信大手の『AT&T』は、10月22日に米テレビ・映画番組制作大手の『タイム・ワーナー』の買収で合意したと発表しました。

ニュースでは、854億ドル(約8兆8000億円)とメディア業界の買収で史上最高規模。日本で一位・二位の時価総額を誇るトヨタ自動車が約20兆円、NTTドコモが約10兆円ですから、凄い規模の買収です。例えるなら、NTTグループがテレビ局を買収するようなものです。

この巨額買収の背景には、「通信と放送の垣根」がどんどんクラッシュして、魅力的なコンテンツを取り合っていることがあります。

大昔、映画・ドラマ・ライブ・スポーツは、劇場・スタジアムなどその場で見るものでした。そこに、テレビ放送という新しい見方が登場し、生で見られなくてもテレビで見るという楽しみ方ができるように変化。そして今、ネット配信することで、パソコンやスマートフォンで見ることができます。

AT&Tがタイム・ワーナーを買収、マネーゴーランド

■2015年はネット配信本格化時代の始まり

このネット配信が、本格的に始まったのは2015年から。『Netflix (ネットフリックス) 』などの、有料動画配信サービスの中身=コンテンツが充実しはじめて、加入者も増加。テレビ業界は地上波同士の争い、そして、ケーブルテレビ・衛星放送との争いを経験してきましたが、次の争いはネット放送です。

すでに、日本や米国では、地上波だけでなく、様々なCS・BS放送を見られるのは当たり前。そして、ネット放送が一部の先駆者・マニアだけに重宝されていた時代から、一般の視聴者があたり前に見る時代に来ています。

今回のAT&Tによるタイム・ワーナー買収も通信と放送の融合にのっとった買収です。AT&Tなどの通信業界は、通信速度や広範囲で繋がることをウリにする時代から、視聴できるコンテンツの中身で勝負する時代へと変化しました。

2012年に日本のソフトバンクが、米国の携帯会社スプリントを買収しました。この辺りまでは通信業界同士が、より大きくなるために買収が行われていたと言えます。ところが、2014年5月には、AT&Tは、衛星放送大手の『ディレクTV』を買収しています。タイム・ワーナーもその線に沿った動きです。

タイム・ワーナーは、CNNなどのニュース放送、さらに、ワーナー・ブラザーズという映画会社を持っています。ハリー・ポッター・バットマンなどの優れたコンテンツが目白押し。

■これからは日本も米国も通信を選ぶ決め手はコンテンツ

コンテンツの大事さは、ポケモンGO・ハローキティ・ディズニー映画のヒットなどでも証明済みですね。

さて、日本でもネット放送事業は、通信性能からコンテンツ勝負の時代に入っています。ソフトバンクは、『スポナビライブ』というネット放送を開始し、ソフトバンク携帯加入者は、月額500円で様々なスポーツの生放送を見ることができます。

AT&Tがタイム・ワーナーを買収、マネーゴーランド

そして、ここが大事なのですが、最新の映画・ドラマ・ライブやスポーツ放送の醍醐味は、なんといっても「リアルタイム感」です。プロ野球日本シリーズの広島対日本ハム戦をリアルタイムで放送するのと録画放送では雲泥の差があることをお分かり頂けると思います。

ということは、放送する側は、「一社だけの独占放映権」が欲しい。お金を出して他社に放送させなくする仕組み。独自コンテンツがネット放送の加入者数・視聴者数に繋がるわけですから当たり前の話ですよね。

今後、海外・日本を問わず、キラーコンテンツと呼ぶ「映画・音楽・スポーツ」の権利争奪戦がますます激しくなるでしょう。AT&Tとタイム・ワーナーと同じような買収劇は各国で起きそう。ディズニーや任天堂を買えれば・・・世界各地の会議室で夢と現実が語られているのではないでしょうか。

次回も宜しくお願い致します。

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執筆者

上村 和弘 (かみむらかずひろ)

アセットクラス&WEBコンサルティングLLC 代表CEO・ファウンダー 日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP会員、1級FP技能士 1990年 現三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社を皮切りに、証券リテール業務や企画調査、ファンド事業等に従事。1999年より、FX事業の新規立ち上げ後、複数社での金融ネット事業の立ち上げ、事業再構築・運営等の統括マネージメントを経て2011年独立。現在、金融情報サービス事業をコアに、投資教育系、システムツールのサポート業務を行う他、シンクタンク系企業、金融システムベンダー等の顧問等を兼務する。1968年生、宮崎県出身。

上村 和弘

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毎月数千円から数万円のお小遣いが欲しい…FXを一生の仕事にしたい…日本円だけでは不安だから外貨が欲しい…とFXに対するニーズは様々。共通しているのは儲けたい、勝ちたいという情熱。

これまでも大事だと紹介してきた損切りですが、今回は、少し踏み込んでお話します。

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■何よりも損切りが大事!

投資家の中には、「損切りしない」という信念を持っている人がいます。損切りせずに、いつか価格が戻れば、結果オーライですよね。実際、損切りをしないことで、成功した投資家がいることも事実。ところが、その反対に損切りをしなかった為に、含み損が大きくなりすぎて、我慢しきれずに退場していく投資家が多数います。

まず、「損切りしない信念」を貫き通す場合は、以下を守った投資をすること。

・レバレッジをできるだけ低くする!
・限りなく持ち続けられるだけの余裕を持つこと!

大幅な損失が出ても問題ない取引を守れる方は、損切りをしなくても概ね大丈夫。例えば、1ドル(約100円)や10ドルをFXで取引するだけなら、簡単に上の条件を満たせると思います。

もし、これを守れずに、いつか損切りを行うならば、最初からそのことを踏まえて売買を行うべきです。何回・何十回と勝ちトレードが続いても、たった一回の損失で全てを失うこともあるのがFXを含めた投資の掟。特にレバレッジを掛けて運用する金融商品は、想定以上に損益が膨らむ場合が有ることを考慮しておきましょう。

相場予測ばかりに頼るのではなく、損切りを上手に出来る方が勝てるようになる、ということを念頭においてトレードしていく事を推奨します。

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■具体的な損切り方法目安

1、直近の高値や安値をポイントとする!
チャートを見て、直近の高値や安値(*)を確認。そこを超えると、トレンドが続くと考えられるため、直近の高値・安値を超えたところで損切りをする方法。

2、利益と損失の割合を決めておく!
以前に勝率:利益と損失の関係で、利益2:損失1の割合をお勧めしました。
そのように、利益や損失の割合を常に一定にしておく方法です。
(関連記事:第52回「1勝9敗でも勝てるのがFX!」

3、投資額の1%~5%の損が出たら損切りする!
毎回計算をすると大変なので、ある程度の目安を事前に計算しておきます。20万円の投資金があれば、一回のトレードで許容できる損失は2,000円~1万円程度。そんなに少ないのと思われるかもしれませんね。生き残ったトレーダーが実践している、それは、とにかく損切りが重要だという事を理解されているからです。コツコツ負けて、大きく儲けるのがポイントです。

4、テクニカル上の節目サインを活用!
慣れてきたら、テクニカル分析上の節目サインで対応、移動平均線などの相場分析は、
損切りや利食い(利益確定)のポイントを決める役目を持っています。

FXで損切りを試してみれば、損切りがどんなに嫌か分かります。含み損が現実になるよりも、もう少し様子を見たいという心理的な抵抗感は強いですね。でも、損切りしない事で大きな損失、コツコツと貯めた利益をドカンと失うことになってしまいます。上手に負けることが、実は本当に大事なのです。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:高値・安値
一定期間の高い位置、安い位置を総称して高値・安値と呼びます。相場の重要なポイントとなるために大事。その年の高値や安値は「年初来高値」と呼ぶ他、過去における最高値や最安値は、市場の注目を集めます。価格が上昇して、過去の高値を抜いた時は「新高値」、安値を抜いた時を「新安値」といいます。

【上村和弘のFX基本講座】
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世界が激震した「英国EU離脱ニュース」から一週間! 我々国民の生活はどう変わるの?

「イギリス、EUから離脱!」このニュースが世界中を駆け巡ったとき、誰もが「離脱?まさか!」と衝撃を受けたのではないでしょうか。

6月23日(現地時間)に実施されたイギリスの国民投票により、欧州連合(EU)からの離脱を英国国民は選択しました。このことにより、欧州の戦後の政治・経済の枠組みが大きく変わっていくかもしれません。

ただし、現状では国民投票によりイギリス国民の意思が明確になっただけで、何がどう変わっていくのかはまだ不透明な状況です。国民投票の結果には、法的拘束力はなく、イギリスが本当にEUを離脱できるのかも分かりません。また、すぐさまEUとイギリスの行き来が制限さたり、貿易がストップするわけでもないのです。

イギリスは、今後数年かけて離脱の条件を交渉していく必要があります。EU脱退のプロセスとしては、イギリスがEUに離脱を「通告」し、その後2年間で「交渉」し、加盟国の「承認」が得られてようやく離脱となります。イギリスのキャメロン首相は即日辞意を表明し、10月までに次の首相にバトンを渡す意向を示しました。

しかし、EUとの難しい交渉を誰が窓口となって行うのか、イギリス国民の約半分が離脱に反対している中、議会内でも離脱派の意見を集約できるのかどうか、また他のEU加盟国の承認を得られるのかどうかなど、現状ではまったく先行きが分からない状況です。

■世界全体のグローバル化の流れが変わる?

ただ一つ言えることは、今回の投票結果は世の中の仕組みが変わる転換点になるかもしれないということです。

これまでの世界は、「国境を越えて、ヒト、モノ、カネのやりとりをしやすくしよう!」というグローバル化の推進により、「経済は成長し、みんなでハッピーになれる!」という考えが前提にありました。ヨーロッパでも国境の壁をなくして域内の移動を自由にしたことで発展し、EU加盟国は28か国にまで拡大しました。

ところが今回の国民投票により、グローバル化の流れは大きくつまずくことになります。これを受けて、欧州各国内に存在する国家の独自性を支持するEU離脱派が勢力を増し、内向きな思考に変わっていくかもしれません。

■気になる日本経済への影響は?

次に、私たちの生活への影響を見ていきます。メディアを通して不安を煽るような様々な情報が錯綜していますが、日本経済への影響は限定的だと考えられます。日本は米国やアジア諸国と比べると欧州経済との取引はそれほど大きくないからです。

資産運用している人にとっては、株価下落や円高の進行による運用資産の評価額下落の影響は避けられませんが、慌てる必要はありません。何かがすぐに大きく変わったわけではないのですから。

ただし、市場環境の不確実性が高まったことは間違いありません。今後イギリスとEUとの交渉の進み方によっては、株式相場が上がったり下がったりを繰り返す可能性があります。多くの投資家がリスクを避けようとすることで、今後も株安・円高が進みやすいことには留意が必要です。

今回の国民投票の結果によりイギリスが本当にEUから離脱できるのか、どのような体制になるのかはまったく先行きが見えない状況です。私たちの生活が今すぐに大きく変わるわけではありませんが、これからのイギリスとEUの交渉の行方には注目しておく必要があります。

JR東・西日本は上場後株価2倍!「JR九州IPO申込開始」やっぱり買い?

温泉・ふぐ・明太子・西郷どんと九州には観光資源がたっぷり。そこを生かしてJR九州は、乗務員が名所の説明をしてくれる特急列車があるなどサービス精神満点の鉄道会社。そして、ついに、「JR九州」の株式上場が決定!

上場日は2016年10月25日(火)。上場後の株式は自由に売買できますが、できるなら、IPO(新規上場)時に買いたい。その場合はブックビルディング(抽選)の申込期間「10/7(金)~10/14(金)」となります

■JR九州とはどんな会社

さて、JR九州です。言わずと知れた国鉄の民営化によって生まれた会社で、JRの中では4社目の上場会社になります。

JR九州は、九州という限られた土地を地盤としており、先に上場した「東日本・西日本・東海」に比べて、人口や路線距離で不利な面を抱えています。九州は全体的に車社会。福岡の中心地である博多を除けば、電車より車の方が便利。しかも、博多から佐世保・長崎に向かった先は海。南に下ると、熊本を通り過ぎると人口の少ない地域(南九州)が広がります。

JR九州上場、ブックビルディング、マネーゴーランド

うーん、なんだか他の会社に比べて不利なことばかり。しかし、JR九州は頑張ります。もはや彼らは鉄道会社というより、駅ビル・不動産・観光と多角化を成功させた一大企業グループ。JR九州が作成した中期経営計画(2016-18年)には、こう書いてあります。

「安全とサービスを基盤として、九州、日本、そしてアジアの元気をつくる企業グループ」
「総合的なまちづくり企業グループ」

そうです、、、鉄道という言葉は出てきません。

鉄道から街づくりへと進む方向性は、大手私鉄の阪急・東急・西武などが行ってきたことと同様。強みは何といっても、九州各地の主要駅を抑えていること。さらに、九州は地理的に、韓国・中国などアジアと近く、昨今のインバウンドブームが起きる前から、アジアからの旅行者の取り込みに熱心でした。博多の街・湯布院や黒川の温泉・阿蘇や桜島の雄大さは、日本・海外問わず人気です。

JR九州部門別の売上比率グラフ
JR九州上場、ブックビルディング、マネーゴーランド

鉄道部門の売上高は、全体の約半分(47%)。残りは不動産・駅ビル・外食や建設。その成果が実りつつあるために、今回の上場へと達したわけです。

■JR各社の上場後の株価について

各社ともに、アベノミクス以後に株式が大きく上昇しています。

●JR東日本は、1993年に上場し公募価格の38万円から人気を集めて初値が60万円。その後、株価の上昇等で、株式分割(100分割)を行うなど安定した値動きをしています。2016年9月28日時点の株価は9,071円(2倍以上の値上がり)!

●JR西日本は、1996年に上場、公募価格が35.7万円。初値は36万円とほぼ横ばい。その後は、順調に業績を伸ばし2016年9月28日時点の株価は6,335円(2倍近い値上がり)!

●JR東海は、1997年10月に上場。公募35.9万円に対して初値は38.3万円とこちらも横這い。2016年9月28日時点の株価は17,440円(約4倍の値上がり)!

■人気がでそうなJR九州のIPO

同じJR各社が上場後に値上がりしており、安定した配当を得られる可能性も高いことから、今回の上場も人気を集めそう。ただし、今回の公開株式数は1億6千万株と非常に株数が多い。そのため、品不足でIPO直後に急上昇していく可能性は薄いと思われます。

街づくり・元気作りというJR九州の社会的理念に賛成の上で、配当及び長期的利益を狙って参加するのがベストの買い方。

■JR九州の申込について

「IPOのスケジュールは以下の通り」
・仮条件提示:10月6日
・ブックビルディング:10月7~14日
・公開価格決定:10月17日
・購入申込期間:10月18~21日
・上場日:10月25日

JR九州の株を購入したい方は、ブックビルディング期間に証券会社から申し込みましょう。
九州(宮崎)出身の筆者は、既に野村証券さんに申し込み済み、当たるかなぁ。。。

今回は【上村和弘のFX基本講座】特別編としてJR九州上場についてお話ししました。次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

【上村和弘のFX基本講座】
全バックナンバーはこちらから
●第14回 米国の雇用統計はFXのフィーバーデー! 月に一度のビッグイベント!
●第26回 外国為替市場の1日、FXで儲けたいなら流れを知ろう!
●第35回 英国EU離脱でビジネスチャンス到来か⁉︎
●第38回 米国と世界の板挟み…イエレン議長の舵取りは?
●第41回 話題のヘリコプターマネーとその影響は?
●第45回 五輪終了後は…新興国BRICsは今後どうなる?
●第47回 過去4大会の相場を分析!東京五輪への動きは?

「米国の利上げ」って何?なぜ重要なの?【1万円で始める初心者FX】

お金を増やしたい…と思っているのに、“いざ投資”となると戸惑ってしまうのが大部分の方のはず。そんな投資未経験の方でも「始めてみようかな」と思ってもらえるような、初心者向けFXのQ&A講座です。

■Q1:そもそも利上げって?

■A:利上げは、中央銀行が金利を引き上げて、景気やインフレにブレーキをかける政策のこと。

お金の大元締めの役割をしているのが中央銀行で、ここが東京三菱UFJや、みずほといった民間の銀行にお金を貸しています。その元となる金利を引き上げるのが利上げ。すると、民間の銀行も個人や会社に貸し出すお金の金利を上げますから、企業の投資意欲・個人の消費意欲が弱くなり、景気も弱まります。

■なぜ、利上げをして景気を冷やすの?

分かり易く言うと、景気は放っておくと調子が良くなりすぎて、いきなり破裂することがあります。それが利上げの理由。いわゆるバブルと呼ぶ現象です。

バブルの原理はカンタン。不動産や株式が値上がりして儲かれば、次は、更に高い不動産を買う。儲かればさらにと・・・繰り返していけば雪だるま式に資産が膨らみ不動産を売買できます。企業も同じで、新製品・サービスを開発すれば、売れ行きが良くなり、会社が大きくなり・・・会社買収や新製品を出していくというサイクルができます。

問題は、いつまでも続かないこと。

さらに、自力で止めるのは難しい。個人の投資であれば、自分で「やーめた」と言えば止められます。でも、成長してサービスが増え・人が増えている会社が、儲かっているのに、もうこれ以上はいいと止められる経営者はいません。よっぽどワンマンなオーナー社長でないと社員・株主の猛反対に合いますしね。

そもそも利上げって? 【1万円で始める初心者FX】、マネーゴーランド

よって、過去の歴史を振り返れば、好景気 ⇒ バブル ⇒ 破裂を繰り返していながら、止められないのです。

えっ・・・政治家はどうなのかですか。彼らは、景気を弱くして、選挙民に恨まれるのが何よりも怖いので、好景気を止めようとはしません。選挙で一番大事なのは、今も昔も「メシのタネ」。景気(経済)が良い時の選挙は、与党有利が鉄則です。

■中央銀行の役目

そこで、登場するのが、インフレ・バブル退治を仕事にしている中央銀行。

企業もダメ、政治家もダメということで、登場するのが中央銀行。そのまま放置すると、いずれ破裂するバブルとインフレを止めるのが役割。景気が良くなれば、金利を上げて景気を冷やし、景気が悪くなれば、金利を上げて刺激する。この操作で、景気やインフレをコントロールするのがその役目。

彼らは、政府から独立し、国民の選挙もありませんから、専門家の立場から、たとえ、政府・国民の怒りを買おうと将来の災いを防ぐために、必要な施策を断固として行います。

まあ、実際は、政府や国民に配慮しながら、決めていくので、完全に独立しているとは言いづらいところ。米FRBのイエレンさん・日銀の黒田総裁ともに、説明責任がありますから、議会等で、頻繁に自分達の政策について説明させられています。

■米国の利上げってなぜそんなに重要?

では、たくさんの国がある中で、なぜ、米国の利上げがこんなに注目されるのかという質問にお答えします。

それは、米ドルが世界の共通通貨だから。経済面では、中国・ドイツ・日本などの成長で、米国の力は弱まっています。ところが、米国の力は下がったのに、米ドルの力は強まり、事実上の世界共通通貨の役割を果たしています。今の米国は、世界GDPの約23%を占めるだけ。ところが、世界経済の約50~60%は米ドルにリンクしています。

<米ドルとのリンクはこんな形>
・米ドルと自国通貨の為替変動を一致(ペッグ)
・米国と自国の金利を一致
・自国通貨ではなく、米ドルで貿易の決済
・国や企業の資産を米ドルで保有
・国や企業が米ドル建てで借金している

ということは、米国が利上げをすれば、自国の為替相場や金利を引き上げなければいけない国がたくさんあるということです。さらに、利上げで自国通貨安米ドル高になれば、米ドル建てで借りている借金は、何もしていないのに増えてしまいます。国によっては企業倒産や借金返済額増加で、経済が立ちいかなくなり、紛争・混乱が起きる場合もあります。

そもそも利上げって? 【1万円で始める初心者FX】、マネーゴーランド

このため、米国の利上げは、世界中に与える影響が大きく、FRB議長のイエレンさんは、金利の上げ下げという世界経済の鍵を握る最大のキーマンと言われているわけです。

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