トランプが劇的勝利!政策から紐解く「世界情勢&日本への影響」どうなる?

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米大統領選挙は、現地時間11月8日の当日どころか開票が始まってしばらくすると、クリントン氏有利の前評判を覆して、トランプ氏大逆転勝利。

速報がトランプ氏有利に傾くにつれて、為替相場は円高、株式市場は下落と、EU離脱を問う6月23日の英国国民投票と同じ流れが、今回も起きました。

■トランプ大統領の誕生で起きること

トランプ大統領誕生で、米国はどのような道を歩むのでしょうか。まず、彼が掲げている政策を見ていきましょう。マスコミの言うことを鵜呑みにしないで自ら確かめてください。

トランプ氏の主張は、移民反対・所得税の単純化や減税(実はお金持ち有利)・TPP反対・オバマケア反対などが中心。行き過ぎたグローバル化や環境規制に反対し、保護貿易主義・環境協定からの脱退などを訴えてきました。ここの方向転換がこれまでとの違い。TPP実現はどうなることやら、、、。

■トランプ氏の主張する政策一覧

大逆転!トランプ大統領誕生の情勢、マネーゴーランド

いかがでしょう。これ、日本の貿易黒字のせいで、米国が苦しんだ1980年代からのバブル時代に米国が取っていた政策に似ています。外交は、仮想敵国をソ連にして圧力をかけた共和党のレーガン&ブッシュ氏が大統領だった時期。

この時は、経済面で日本に対して、牛肉・オレンジ・自動車と様々な圧力がかかりました。今は、日本よりも中国が米国の雇用を奪っているという意識が強い点が当時との違い。つまり、米国の圧力を最も受けるのは、日本よりも中国です。懸念点として、中国にかなり厳しいことになるのではと予想。ここは、経済面・軍事面の双方で、隣国として非常に心配。

次に大事なのは、大きく流れが変わるグローバル化の点。これまでのグローバル経済推進・環境重視の流れから、保護貿易・規制緩和型へと米国は大きく舵を切ることになりました。議会でも共和党が上下両院を握る可能性が高く、そうなると大統領の政策実行力も上がります。

あまり、日本では、話題になっていませんが、「環境・安全・健康などの規制」によって、迷惑をこうむっている人・企業が多数あることは大事な点。特に都市ではなく、郊外の自営業者や中小企業・土地を所有する人達が「過剰な規制」によって、様々な問題を抱えています。

■トランプ大統領によって世界で起きるであろうこと!

●世界の警察
強い米国を取り戻し、軍事力増強の意向から、オバマ大統領が放棄した「世界の警察」の役割を強めるのではないかと考えます。もっとも米国一国ではなく、他国を巻き込んでいく方向で、力を発揮するでしょう。IS国打倒をはじめとした過激派勢力との対立・中国への圧力強化などが起きえるシナリオ。兵士ではなく兵器とサイバー部隊・後方支援部隊を出せば、米経済にはプラス。

●米ドル/円相場への政治的圧力
トランプ氏の発言・主張を見ていると、他国の通貨安誘導を強くけん制していること、米国内の製造業を大事にすることが経済面での柱。性格的にもパフォーマンス好きで強い発言を好むことから、日本に対しても強い態度で臨むはず。そのため、米国はドル安に誘導する可能性が高い分、日本はトランプ政権が続く間は、円高圧力が起きやすいでしょう。

●中長期的な株式市場
トランプ氏は何をするか分からないとの考えから、一時的にリスクオフで株安に動く公算大。実際、11月9日の日経平均株価は、919円84銭の大幅安。しかし、政策自体を見ると、株式市場に優しい政策が目白押し。トランプショックが収まった後に、インフラ整備への支出・規制緩和が実行されれば、株式市場が回復する可能性があります。ただし、米企業との競争に敗れた場合、為替の円高とあわせて日本株は下がるリスクあり。

もっとも、株価については、FRB・ECB・日銀の利上げや緩和終了の影響も大きいことをお忘れなく。

■トランプリスクのシナリオも見ておきましょう。

1、保護貿易から戦争へと・・・
トランプ氏の主張する保護貿易が、戦争を引き起こす可能性があることは、第一次・第二次の世界大戦が起きたことからも分かる通り。トランプ反対派はここへの懸念が大。トランプ大統領の誕生で、各国の競争・格差が広がり、最後は武力に物を言わせることになれば最大のリスク。

2、威圧的な性格が敵を作る
エキセントリックで威圧的なトランプ大統領。各国の首脳や国民を怒らせることで余計な敵を作る可能性あり。これもまた、世界中で争いのタネをまき散らして、戦争や訴訟が増えるリスクがあります。また、金融市場にとっては、余計な発言を繰り返して波乱の原因になると思います。

勝利演説では、ヒラリー・クリントン氏を称え、米国を癒し団結させると話したトランプ氏。米国を再生させる偉大な大統領となることを願います。

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執筆者

上村 和弘 (かみむらかずひろ)

アセットクラス&WEBコンサルティングLLC 代表CEO・ファウンダー 日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP会員、1級FP技能士 1990年 現三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社を皮切りに、証券リテール業務や企画調査、ファンド事業等に従事。1999年より、FX事業の新規立ち上げ後、複数社での金融ネット事業の立ち上げ、事業再構築・運営等の統括マネージメントを経て2011年独立。現在、金融情報サービス事業をコアに、投資教育系、システムツールのサポート業務を行う他、シンクタンク系企業、金融システムベンダー等の顧問等を兼務する。1968年生、宮崎県出身。

上村 和弘

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■11月第1週の見通し(2016/11/7)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「大統領選挙の結果次第」

先週はFOMCや日銀会合、BOEやRBAといった各国中銀の政策金利が発表されました。また、米国利上げを占ううえで重要な米国雇用統計が発表されるなどビッグイベントが集中。しかし、市場の注目は米大統領選挙にくぎ付けとなり他の材料に対する反応薄となりました。

前週末にクリントン候補の私用メール問題が再燃して始まった東京市場では落ち着きを取り戻し、ドル円は105円台で始まりました。しかし、その後世論調査でトランプ氏がクリントン氏を1ポイントリードしたとの結果が報道され市場のセンチメントは一変。リスク可否の動きが強まり安全通貨である円やスイスフランに資金が流れ込み、ドル円は一時102円ミドル付近まで下落しました。

日銀会合では物価目標の達成時期を2017年度中から2018年度頃へ延期したことで市場は追加緩和も当面据え置かれるとの見方が広がりました。しかし、既に市場は織り込んでいたことから円高には反応しませんでした。

FOMC会合では予想通り金利は据え置かれました。声明文では特定の利上げ時期に関して言及はなかったものの、12月利上げ観測を後押しする内容と受け止められました。しかし、大統領選への警戒感からドル買いには繋がりませんでした。

週末に発表された米雇用統計は非農業部門の雇用者数が予想を下回ったものの、8月と9月分が上方修正されたことでトータルから見ると予想を上回るものでした。また、平均時給が+2.8%と7年ぶりの高水準となったことからドルは全円高となりドル円も上昇する場面も見られました。しかし、トランプショックが影響し上値も限定的。結局103円付近でNY市場を引けるなど上値の重い展開が続いています。

今週はその注目の大統領選挙が8日行われます。結果は9日の東京市場で明らかになるとみられ、相場が大きく乱高下することは間違いないでしょう。結果はクリントン氏が若干優勢とみられますが、かなり拮抗していることから蓋を開けるまで予断を許しません。もしトランプ氏が当選となればドル円は100円を割り込む可能性が非常に高いとみられます。一方、クリントン氏が当選すればドル円は反発し105円を上抜き107円台も視野に入ります。

大統領選が終われば不透明感も払しょくされ、いずれFRBの金融政策に市場の注目が戻ることになるでしょう。そうなればリスクオンの円安と米利上げ期待のドル買いが再び強まるとみています。

トランプ米大統領が誕生したら…「為替大荒れ&日本への影響」予測

アメリカ大統領選挙は、ヒラリー候補とトランプ候補の討論会を終え、あとは11月8日の本選挙投票日を迎えるのみとなりました。

ヒラリー氏優勢との報道が多いですが、もしもトランプ候補の大逆転劇が繰り広げられたら、市場は暴落すると噂されています。

■トランプ大統領誕生で為替相場にショックが走る!

もし、トランプ候補が大統領に当選すればどうなるでしょうか?
おそらく、最終的な投票結果が出るまで、クリントン候補が優勢な状況は変わらないと思います。そこで、もし、トランプ氏当選になれば、サプライズで瞬間的に金融市場は反応する筈。それは、今年の6月23日に英国のEU離脱派が勝った国民投票と似た内容。

トランプ大統領誕生による混乱を怖がって、短期的な売りが大量に生じて、全体として、株安やドル高・円高・スイスフラン高を引き起こすことになるでしょう。米ドル/円ベースでは、円高に動く可能性が高い。そして、後世に「トランプショックの日」と名付けられると思います。

■長期的なトランプ大統領の影響は?

さて、本当に大事なのは、トランプ大統領誕生による長期的な影響です。戦争や移民差別というフレーズを思い浮かべる方もいるかと思います。しかし、アメリカはどこと戦争するのでしょうか。ちなみに小さい国や組織とは今も戦争中ですからね。

ロシアのプーチン大統領は、トランプ候補を現実的な話が分かる人と歓迎しています。中国に対しては厳しい姿勢ながら、ここで、戦争・紛争が起きるとすれば、米国側よりも中国側の要因の方が大きく、クリントン候補でもあまり変わらないと思います。

日本に対して防衛に関する負担を求めるのも、当たり前の話。これまでは、水面下で政治家・官僚だけで交渉していた話を堂々と発言しているだけにすぎません。

では、何も変わらないと安心していいのでしょうか。

■元俳優のレーガン氏に似ているのが心配

心配なのが、共和党政権・大衆受けという点で、共通するレーガン元大統領。すでにお金持ちのトランプ候補が、さらに求めるのは、名誉や人々からの尊敬の念。虚栄心の強そうな性格はもちろん心配のタネ。議会も共和党が握っていることから、民主党政権よりも政策を実行しやすい環境にあるという事実を忘れてはいけません。

トランプ候補が当選するとしたら、他国よりも米国を優先して欲しいという米国人の声であり、中長期的に、思い切った政策を実行してくる可能性があります。

考えられるのは…
・米ドルの大幅切り下げ⇒ 米ドルを安くして、米国経済を良くする。緩やかではなく突発的にやるかもしれません。
・世界共通通貨の米ドルを利用した経済制裁の発動⇒ 中小国との関係が悪化する可能性。
・米国のインフラ整備に巨額の財政支出⇒ 景気を良くして、ドル安に動く効果もあります。デメリットは財政赤字。
・環境やビジネスに関する規制撤廃⇒ ビジネスを優先して環境に関する様々な規制を撤廃。そして、様々な規制撤廃でグローバル企業に戦いを挑む可能性も残っています。

結論として、為替・株式市場は、上下に荒れる可能性が高くなります。メディアの悲観論程、心配する必要はありませんが、いきなり市場を動かす政策が出てくるリスクがあるでしょう。

米大統領選が終盤!「ヒラリーVSトランプ」選挙資金で勝つのはどっち?

いよいよ11月に迫ったアメリカ大統領選挙。民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏の一騎打ちの闘いが繰り広げられてきましたが、それも終盤戦となりました。

日本では考えられないほどスケールの大きな選挙ですので、当然、そのための資金も莫大な金額になりそうですね。それでは一体、両陣営の選挙資金はどれほどなのでしょうか。また、それぞれが大統領になった場合の日本への影響についても、まとめてみました。

■ヒラリー候補とトランプ候補の選挙資金は?

連邦選挙委員会の報告書に記載された選挙資金は、5月末時点で、ヒラリー候補が4200万ドル(約43億8000万円)、それに対し、トランプ候補は130万ドル(約1億3500万円)となったと日本でも報じられています。その差はなんと、約32倍。

また、ヒラリー候補の政治資金団体『スーパーPAC(政治活動委員会)』はこれ以外に、数十億円もの資金を集めているとか。PACとは、献金を無制限に集め、候補者から独立して選挙広告を行える組織のこと。

ヒラリー候補の場合、PACへの大口資金提供者が何人もいますが、対するトランプ候補は5月には自腹で200万ドル(約2億円)をまかなっています。

不動産王・実業家としては有名なトランプ候補ですが、自己資金を多く拠出し、選挙資金集めとしてはヒラリー候補に大きく水をあけられる形となってしまいました。選挙資金は、選挙に少なからず影響を及ぼすと考えられているため、本選挙にどのような結果をもたらすのか注目を集めています。

■米大統領選が及ぼす日本へのメリット&デメリット

国内でも、連日のように報道されている大統領選挙の動向。それだけ、日本に与える影響が大きいことを物語っていますが、それでは、それぞれの候補が大統領になった時、日本へはどういったメリットやデメリットがあるのでしょうか。

過激な発言を繰り返し、最近では、過去の問題が明るみになり、身内からも批判されるほどの要注意人物となったトランプ氏。彼が大統領になった場合、日本にとってはさほど大きなメリットがないばかりか、安全保障上、日本に新たな負担が求められるなど、不利益を被る可能性があると言われています。

一方、ヒラリー候補はどうでしょうか。実は、ヒラリー候補が大統領になったとしても、日本にとってのメリットはあまり見込めないとされています。今や世界第2位の経済大国となった中国寄りの政策が進めば、日本はその影に隠れて、相対的な地位が下がることも予想できます。

また、両候補ともに、日本に対しては、「反TPP・反円安」の発言をしており、日本の株価低迷など、経済へ与える影響が懸念されているところでもあります。

近ごろでは、討論会で反論できないなど、トランプ氏の苦戦が報じられていますが、本選挙ではどのような結果になるのでしょうか。11月8日の投開票まで、見守りたいですね。

トランプ候補の暴言で株価暴落⁉︎ 「米大統領選挙と為替」考察レポート

米大統領選挙(*)は、いよいよクライマックス。クリントン候補とトランプ候補が互角の争いを繰り広げています。これから、11月8日の本選挙投票日に向けて盛り上がること必至。

その中で、トランプショック・市場が暴落という噂が飛び交っていることをご存じの方は多いと思います。

クリントン候補が当選した場合は、為替相場や株式相場への影響は少ないでしょう。民主党の現職オバマ路線を継続しますし、共和党が大勢を占める議会との対立もあり、大きな変化をもたらしにくい大統領になりそう。変化がないということが人気のない理由という皮肉な現状。

■トランプ大統領で市場がパニック?

一方、トランプ候補が当選した場合、世界中で戦争が起きる・株価暴落するなどというパニック系のニュースが出ています。でもちょっと待ってください。トランプショックや過激な発言は、トランプ候補に反対する米メディアが過剰に騒ぎ立てた面があるから、割り引いて考える必要があります。

メディアの言いなりでは、投資の世界で生き残ることができません。ここは冷静にトランプ候補を見ておきましょう。

和迫る米大統領選挙!トランプ大統領が誕生すれば、株式・為替は暴落する?、マネーゴーランド

■トランプ候補は暴言で注目を集めるだけ!

まず、トランプ氏は、頭が良く大衆に受ける発言を良く分かっています。代表的な例は、「麻薬や犯罪を持ち込む不法移民を止めるためにメキシコ国境に壁を作り、メキシコにその費用を払わせる」という発言でしょう。

ところが、実際に、メキシコのペニャニエト大統領と会談した時、メキシコ側は壁の費用を負担しないと伝えたのに対して、トランプ氏は、費用については話さなかったと説明。これ、どちらがウソをついていると思いますか?

ウソつきは、明らかにトランプ氏の方。つまり、トランプ氏は、過激発言を実行する気はないということ。過激な発言はするけれど、相手に合わせて柔軟に引っ込めることをしてくるでしょう。もともと、彼は政治家ではなく、不動産を中心にしたビジネスマンにしてエンターテイナー。信念を持っている政治家よりも柔らかい頭を持っていても不思議ではありません。

<*用語解説ワンポイントレッスン>
本日のワード:米大統領選挙
四年間に一度、実施される米国の大統領を決める選挙。世界最大の大国であるアメリカのトップを決める選挙だけに、世界中の関心を集める。11月8日が今回の選挙における投票日で、就任式は2017年1月20日。

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