トランプ米大統領が誕生したら…「為替大荒れ&日本への影響」予測

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アメリカ大統領選挙は、ヒラリー候補とトランプ候補の討論会を終え、あとは11月8日の本選挙投票日を迎えるのみとなりました。

ヒラリー氏優勢との報道が多いですが、もしもトランプ候補の大逆転劇が繰り広げられたら、市場は暴落すると噂されています。

■トランプ大統領誕生で為替相場にショックが走る!

もし、トランプ候補が大統領に当選すればどうなるでしょうか?
おそらく、最終的な投票結果が出るまで、クリントン候補が優勢な状況は変わらないと思います。そこで、もし、トランプ氏当選になれば、サプライズで瞬間的に金融市場は反応する筈。それは、今年の6月23日に英国のEU離脱派が勝った国民投票と似た内容。

トランプ大統領誕生による混乱を怖がって、短期的な売りが大量に生じて、全体として、株安やドル高・円高・スイスフラン高を引き起こすことになるでしょう。米ドル/円ベースでは、円高に動く可能性が高い。そして、後世に「トランプショックの日」と名付けられると思います。

■長期的なトランプ大統領の影響は?

さて、本当に大事なのは、トランプ大統領誕生による長期的な影響です。戦争や移民差別というフレーズを思い浮かべる方もいるかと思います。しかし、アメリカはどこと戦争するのでしょうか。ちなみに小さい国や組織とは今も戦争中ですからね。

ロシアのプーチン大統領は、トランプ候補を現実的な話が分かる人と歓迎しています。中国に対しては厳しい姿勢ながら、ここで、戦争・紛争が起きるとすれば、米国側よりも中国側の要因の方が大きく、クリントン候補でもあまり変わらないと思います。

日本に対して防衛に関する負担を求めるのも、当たり前の話。これまでは、水面下で政治家・官僚だけで交渉していた話を堂々と発言しているだけにすぎません。

では、何も変わらないと安心していいのでしょうか。

■元俳優のレーガン氏に似ているのが心配

心配なのが、共和党政権・大衆受けという点で、共通するレーガン元大統領。すでにお金持ちのトランプ候補が、さらに求めるのは、名誉や人々からの尊敬の念。虚栄心の強そうな性格はもちろん心配のタネ。議会も共和党が握っていることから、民主党政権よりも政策を実行しやすい環境にあるという事実を忘れてはいけません。

トランプ候補が当選するとしたら、他国よりも米国を優先して欲しいという米国人の声であり、中長期的に、思い切った政策を実行してくる可能性があります。

考えられるのは…
・米ドルの大幅切り下げ⇒ 米ドルを安くして、米国経済を良くする。緩やかではなく突発的にやるかもしれません。
・世界共通通貨の米ドルを利用した経済制裁の発動⇒ 中小国との関係が悪化する可能性。
・米国のインフラ整備に巨額の財政支出⇒ 景気を良くして、ドル安に動く効果もあります。デメリットは財政赤字。
・環境やビジネスに関する規制撤廃⇒ ビジネスを優先して環境に関する様々な規制を撤廃。そして、様々な規制撤廃でグローバル企業に戦いを挑む可能性も残っています。

結論として、為替・株式市場は、上下に荒れる可能性が高くなります。メディアの悲観論程、心配する必要はありませんが、いきなり市場を動かす政策が出てくるリスクがあるでしょう。

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執筆者

上村 和弘 (かみむらかずひろ)

アセットクラス&WEBコンサルティングLLC 代表CEO・ファウンダー 日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP会員、1級FP技能士 1990年 現三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社を皮切りに、証券リテール業務や企画調査、ファンド事業等に従事。1999年より、FX事業の新規立ち上げ後、複数社での金融ネット事業の立ち上げ、事業再構築・運営等の統括マネージメントを経て2011年独立。現在、金融情報サービス事業をコアに、投資教育系、システムツールのサポート業務を行う他、シンクタンク系企業、金融システムベンダー等の顧問等を兼務する。1968年生、宮崎県出身。

上村 和弘

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トランプ候補の暴言で株価暴落⁉︎ 「米大統領選挙と為替」考察レポート

米大統領選挙(*)は、いよいよクライマックス。クリントン候補とトランプ候補が互角の争いを繰り広げています。これから、11月8日の本選挙投票日に向けて盛り上がること必至。

その中で、トランプショック・市場が暴落という噂が飛び交っていることをご存じの方は多いと思います。

クリントン候補が当選した場合は、為替相場や株式相場への影響は少ないでしょう。民主党の現職オバマ路線を継続しますし、共和党が大勢を占める議会との対立もあり、大きな変化をもたらしにくい大統領になりそう。変化がないということが人気のない理由という皮肉な現状。

■トランプ大統領で市場がパニック?

一方、トランプ候補が当選した場合、世界中で戦争が起きる・株価暴落するなどというパニック系のニュースが出ています。でもちょっと待ってください。トランプショックや過激な発言は、トランプ候補に反対する米メディアが過剰に騒ぎ立てた面があるから、割り引いて考える必要があります。

メディアの言いなりでは、投資の世界で生き残ることができません。ここは冷静にトランプ候補を見ておきましょう。

和迫る米大統領選挙!トランプ大統領が誕生すれば、株式・為替は暴落する?、マネーゴーランド

■トランプ候補は暴言で注目を集めるだけ!

まず、トランプ氏は、頭が良く大衆に受ける発言を良く分かっています。代表的な例は、「麻薬や犯罪を持ち込む不法移民を止めるためにメキシコ国境に壁を作り、メキシコにその費用を払わせる」という発言でしょう。

ところが、実際に、メキシコのペニャニエト大統領と会談した時、メキシコ側は壁の費用を負担しないと伝えたのに対して、トランプ氏は、費用については話さなかったと説明。これ、どちらがウソをついていると思いますか?

ウソつきは、明らかにトランプ氏の方。つまり、トランプ氏は、過激発言を実行する気はないということ。過激な発言はするけれど、相手に合わせて柔軟に引っ込めることをしてくるでしょう。もともと、彼は政治家ではなく、不動産を中心にしたビジネスマンにしてエンターテイナー。信念を持っている政治家よりも柔らかい頭を持っていても不思議ではありません。

<*用語解説ワンポイントレッスン>
本日のワード:米大統領選挙
四年間に一度、実施される米国の大統領を決める選挙。世界最大の大国であるアメリカのトップを決める選挙だけに、世界中の関心を集める。11月8日が今回の選挙における投票日で、就任式は2017年1月20日。

消費税8%分丸儲け!金密輸入が急増「日本が狙われる理由」とは

金のお話しの中でも、ちょっとドキドキするのが「金の密輸」という怪しげな響き。

映画『007』のジェームズ・ボンドも金密輸業者と対決したことがありますね。第3作『007 ゴールドフィンガー』は、金マニアで密輸から金製造まで何でもありの悪役ゴールドフィンガー氏が、米国の金貯蔵庫を襲うというお話でした。

■近年日本への金密輸が増えている

さて、本題に戻ると、外国から日本に金を密輸しようとして税関で摘発されるというニュースは、金額が大きい時に報道されることも。実は2014年から急激にその件数が増えています。
財務省の発表によると、金密輸事件は2014年の7月から2015年の6月までの1年間で、何と177件もの金密輸が摘発されており、前年同期の8件から約22倍も急激に増加しているのです。

なぜ、急に金の密輸が増えたのでしょうか?

その答えは・・・消費税です。2014年の4月から消費税は5%から8%へと引き上げられました。このことが、空前の金密輸ブームを呼ぶことになるとは、怪しい世界は、儲け話の匂いに敏感ですね。

■消費税の増税で金の密輸が増える理由

金自体の価格は、世界中でほとんど同じ、違うのは税金や購入時の制限があるかどうか。インド人は金が大好き。国民が金を購入しすぎて、国の貿易収支が赤字になってしまい、金の輸入や購入に制限をかけた事例もあります。

日本国内で金を売買すると消費税がかかります。ところが、国によって、金購入時に必要な税金はまちまち。金密輸のメッカである香港は、金を購入する時の税金はなし。韓国は、購入時に税金がかかるものの、輸出する際にその税金を還付してもらえる制度があります。そのため、両国が密輸業者に人気。

ということは、海外で税金のかからない金を購入して、日本に密輸。日本だと消費税上乗せの価格で買い取ってくれるので、税金の8%分が利益になります。

1g:4500円で1kgの金を密輸すれば、金の代金は450万円となり、8%の消費税は36万円。10kgの密輸に成功すれば10倍の360万円になります。

金は腐る心配もありませんし、珍獣のように生死も問いません。人間の身体に隠したり、機械・パソコンに隠したりと様々な方法での密輸が盛んになっており、税関は目を光らせています。

年間100件以上も摘発されている【金の密輸というビジネス!】、マネーゴーランド

■金密輸のリスク

上手くいけば、かなり儲かりそうな金の密輸ビジネス。リスクはないのでしょうか。

なんといっても犯罪であるという事実は大きい。正式な手続きでは、海外で1kgを超える金を購入した場合は、事前に税関での申告が必要で、この時に消費税を支払わなければいけません。立派な犯罪行為ですから、実施してはいけません。この金密輸ビジネスは非合法組織がかかわることが多く、密輸を実行してくれる人を募集していることがあります。くれぐれも関わらないでくださいね。

さて、その他のリスクとしては、価格の下落リスクがあります。海外で購入する場合は、米ドルや現地通貨で支払うでしょうし、金自体の下落リスク通貨の下落リスクの二つが生じます。消費税5%の時に少なかった金密輸が、8%になると急増したのもそこが理由でしょう。5%の利益だと、価格変動リスクを考えると割に合わない。ところが8%だと、少々の変動で損するリスクを入れても採算に合うということでしょう。金密輸業者もリスクとリターンをちゃんと計算しているものと推測されます。

下落すれば損失ですが、現地で金を購入した後に、値上がりすれば、その分も利益に上乗せされますからね。

次回も金について触れて行きます。お楽しみに!

英国EU離脱で為替に熱視線!初心者でもわかる「為替と外貨のいろは」

英国のEU離脱を受けてドルが一時100円を切り、大きなニュースとなりましたね。円定期と比べて金利も魅力的なので、為替が大きく動くときには外貨運用に注目が集まるようです。

ただ、リスクもあり初心者には難しいと思う人もいるでしょう。そんな方のために、知っておきたい為替と外貨の仕組みを紹介します。

■利益が出るのは円高?円安?

外貨運用の基本は、円高で購入し円安で解約すると利益が出る仕組みです。ニュース等でよく耳にする円高・円安。これは通貨の人気投票のことで、円を持つ方がよいと判断する人が多ければ他の通貨より価値が高い=円高となり、逆に円よりも他の通貨を持つ方がよいと判断する人が多ければ、円の価値が下がる=円安となります。

1ドルが105円であった場合を例に考えてみると、
・1ドルが103円になった場合、105円出さないと買えなかったものが103円で買えるようになるので、円の価値が上がった=円高となります。
・1ドルが107円になった場合、105円出せば買えたものが107円出さなければ買えないことになるので、円の価値が下がった=円安となります。

■為替手数料もチェックしよう

外貨預金を利用する場合、ある通貨を別の通貨に換えるときにかかる手数料が為替手数料です。この手数料は購入するときだけでなく、売却する場合にもかかる費用なので注意が必要です。

たとえば、1ドル105円のときに購入して、107円になったときに売ろうとした場合で、大手都市銀行のドル円の為替手数料1円と想定したときを考えてみましょう。

購入時:
105円 + 為替手数料1円=106円と、1ドル106円でドルを購入することになります。

売却時:
107円 - 為替手数料1円=106円と、1ドル106円でドルを売却することになります。

つまり、自分の中では1ドル105円に買い、1ドル107円に売り「2円円安になった分利益が出た!」と思っていても、実際は上記の通りの取引なので、利益が出ないことがわかりますよね。

金融機関や通貨によって為替手数料に差がありますが、ボーナス時期に購入時の手数料が無料になるキャンペーンや、はじめから比較的安く設定している場合もあります。運用で利益を得るには、費用をできるだけ抑えることが大切。為替手数料は大事なチェックポイントと覚えておきましょう。

■海外旅行の準備には外貨預金がお勧め

外貨の商品にはいくつか種類があるので選ぶのが難しく感じるかもしれませんね。その場合は利用目的や預けられる期間によって選択しましょう。

例えば、海外旅行の予定があれば、円高のときに銀行で外貨預金を購入しておき、旅行のときに現地で外国通貨をそのまま使えると便利ですよね。どの通貨にするかですが、ニュースで為替の動きが把握しやすい、米ドルから始めてみてもいいかもしれません。

ただし、外貨預金については、金融機関が破たんした場合に元本1000万円とその利息までが保護されるという預金保険制度の対象外という隠れたリスクも。外貨に限らず、商品選びの際にはどんなリスクがあるのかをしっかり把握しておくことも必要です。

初めてのことにトライするのは勇気がいるもの。ですが、金利が低い円預金に預けておくだけでは一向に増えてはくれません。今が円高のチャンスと捉えているなら、まずは少額からでも始めてみてはどうでしょうか。

プラチナでできる資産運用!金にはない魅力&特徴は?

金銀と並び称される存在がプラチナ。日本人は、ゴールドの煌めきは華やかすぎるために、プラチナの清楚な輝きを好みます。結婚指輪に使われるのもプラチナが多くなっています。

■プラチナは面白い貴金属!

プラチナは、金と同様に、輝きの美しさ・溶けない・壊れない等と多くのメリットを持つ金属。ただ、大きな欠点を一つ持っているために、近代になるまで利用されずに厄介者扱いされていました。

プラチナの欠点は硬すぎること。プラチナを切る・曲げるといった加工をするには、特殊な工具が必要で、普通の鉄やステンレスでは、工具の方がすぐにダメになります。溶かすこともできないため、漁で漁具をダメにする害魚のような存在だったのです。

現代は昔と違い、プラチナの加工技術も確立して、様々な用途に使われています。一般的には、指輪や宝飾品、そして金と同じように資産としての使い方をイメージされると思います。ところが、プラチナが最も多く利用されている分野は、装飾品関係ではありません。

一番、利用されているのが、自動車の排気ガスをきれいにする触媒。排気ガスに含まれる有害な物質を二酸化炭素や窒素といった害の少ない物に変化させる装置にプラチナが使われているのです。プラチナ需要全体の約40%がこの自動車用触媒、続いて宝飾用が約30%。

金以上に面白いプラチナ、マネーゴーランド

■プラチナの需給と変動要因

この需給面から、プラチナの値段は、自動車の販売台数に左右されます。世界的に景気が良くて、自動車がどんどん売れる時期は、プラチナの需要も増えて価値が上がります。逆に景気が悪くなり、自動車の売れ行きが下がるとプラチナ価格も下がります。金のように資産としての要素が少ないために、金利よりも景気の影響に敏感なのがプラチナの特徴。

さらに、もう一つ、面白いのが、プラチナのある場所。金や銀は世界中に散らばっており、日本・中国・米国・豪州・ロシアと様々なところから掘り出されています。しかし、プラチナは、極端に偏っており、たった二つの国が供給の約8割を占めています。

その二か国は、南アフリカとロシア!

なかでも、南アフリカの生産量はなんと約7割を占めるほど。神様が宝箱をひっくりかえしたかのように、なぜか南アフリカだけ金・プラチナ・ダイヤモンドといった貴重な宝物がバラ撒かれているのです。

金以上に面白いプラチナ、マネーゴーランド

■南アフリカとロシアの不安定さがプラチナの供給を揺るがす

南アフリカ・ロシアの両国ともに、安定した供給を約束する国とは言い難い。ロシアはかつて、プラチナの供給を制限・ストップすることで、西側諸国に政治的なプレッシャーをかけていたことがあります。今は天然ガスで同じようなことをしていますね。「プラチナや天然ガスが欲しければ、俺の言うことを聞け」という政策に使われて、価格が急上昇した事例も。

そして、南アフリカ。昔はアパルトヘイト政策やそれに伴う政治的混乱のあった国。今でも政治・経済的には安定したとは言いにくい状態が続いています。プラチナ・金ともに、鉱山から掘り出す作業は環境も悪く危険です。そのため、鉱山労働者たちは賃上げを求めてしばしばストライキを起こします。ストライキが長引くとプラチナの生産が出来なくなりますから、プラチナ価格は上昇します。

そして、困ったことに、米や麦のような農産物と違い、別の場所で作るということができませんから、何とかストライキを収めないと供給不足が長引くと価格が高騰してしまうのです。

ちなみに触媒としてのプラチナの代替は同じ白金系金属のパラジウム。こいつも困ったことに、南アフリカとロシアの二か国が生産のほとんどを占めています。

プラチナの事を知ると、ゴールドとはまた違った性質を持つことが分かってきますね。財産・通貨としてのゴールドに対して、工業製品のプラチナと捉えておきましょう。

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