配偶者控除見直しで主婦がピンチ!「パートVSフルタイム」どっちがお得?

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いよいよ社会保険の適用拡大が実施されました。また、平成29年度の税制改正の目玉として「配偶者控除の見直し」が議論されています。さらに国民年金第3号被保険者の見直し案も。そこで将来を見すえてどのように働くべきか考えてみましょう。

■配偶者控除の見直しとは?

配偶者控除とは、妻の収入が103万円以下の場合、夫の所得税(住民税)の計算をするときに38万円を所得から引くことができるというものです。当然、所得が38万円少なくなりますので、税金もそれだけ少なくなります。

このために今までパートの収入を年間103万円に抑えて、配偶者控除を受け、そして自分自身は所得税を支払わなくて済むというメリットを享受していました。その配偶者控除の103万円以下の年収条件を拡大することが今検討されているのです。

パートで働く人が税金を気にせずに、今より長く働けるように、年収103万円以下という条件を150万円程度に拡大するというのが政府の考えている内容です。その代りに控除の適用が受けられる夫の年収に、一定の上限を設けるようです。一時言われていた「配偶者控除」の廃止、「夫婦控除」の創設は見送られました。今後、具体的になっていきますので、ぜひ注意をしてください。

■パートをめぐる制度は今後も激動の予感

パートをめぐる制度は、今後もめまぐるしく変わっていくことが予想されます。つまり、今までのようなパートに対する優遇は、廃止されるか見直しをされて、パートで働くメリットがなくなっていくということです。

それでは正社員かというと、企業はなかなか正社員として雇用することを嫌がります。なぜなら、正社員として採用してしまうと本人自らが辞めると言わない限り、定年まで雇用しなければいけないからです。企業が解雇することは非常に難しいという現実があります。そのため、例えパートではなくフルタイムで働いたとしても契約社員という有期契約の社員として雇用されます。

■これから女性が考えるべき働き方は?

そこで今後は、103万円の壁や130万円の壁を気にせずに「自分のために」働いてほしいと思います。正社員が無理であれば、まずパートやフルタイムの有期契約社員として働き、その間に仕事のスキルを身に付け、自己啓発で知識を増やし、仕事に頑張り、社内で認められて正社員として採用してもらうというものです。

現在、国はパートや有期契約社員を正社員にした場合、企業に対して助成金を支給する制度を設けています。今後は中途採用の場合、初めから正社員ではなく、能力や人柄等を見定めて途中で正社員にするという流れが主流となってくるでしょう。

だから、仕事を探す時は、「正社員への登用あり」という企業に絞り、面接のときにしっかりと確認をすることをお勧めします。

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執筆者

菅田芳恵 社会保険労務士/ ファイナンシャル・プランナー

愛知大学卒業後、証券会社、銀行、生命保険会社、コンサルティング会社に勤務した後、49歳から2年間でCFPや社労士等7つの資格を取って独立開業。現在は13の資格を活かして、セミナーや研修講師、企業のコンサルティングを行っている。

菅田芳恵

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平成28年10月1日よりパートの厚生年金・健康保険の適用が拡大されます。しかし、同じ年収でも該当する方と該当しない方がいます。その違いは、ズバリ会社の規模。パートで働いている方、今一度この制度を確認してください。

■今までのおさらい

パートの場合、年収が130万円未満であれば夫の扶養でいられて健康保険料、国民年金保険料(第3号となる)は、1円も払う必要はありませんでした。ところが、今年10月1日からは、130万円未満でも夫の扶養から外れて保険料を支払わなくてはいけなくなるかもしれないのです。

■厚生年金・健康保険加入の新基準

パートの厚生年金・健康保険の加入基準は、正社員の労働時間と労働日数の4分の3以上であれば、年収の金額に関係なく加入しなければなりません。新しい制度では、この4分の3基準を満たさない場合でも、次の要件をすべて満たす場合には加入することになります。

(1)1週間の所定労働時間が20時間以上であること
(2)同一の事務所に継続して1年以上使用されることが見込まれること
(3)賃金の月額が88,000円以上(年収で106万円以上)であること
(4)学生でないこと
(5)厚生年金保険の被保険者の合計が常時500人を超える事業所に使用されていること(簡単に言えば、勤め先の会社の従業員数が500人以上であること)

■年収106万円の新しい壁

厚生年金・健康保険の加入基準が上記のように変わりますが、ここで重要なのは(3)です。所得税を払いたくないと103万円の壁を守っている人は、何ら問題はありません。問題なのは、夫の扶養から外れてしまう130万円の壁を守っている人。

年末に時間調整をして130万円を超えないように頑張っていても106万円を超えた時点で夫の扶養からはずれてしまいます。今まで1円もかからなかった厚生年金と健康保険の保険料が少なくても約1万円はかかってくるでしょう。

■注意したい会社の規模

実は年収106万円以上に重要なポイントは、(5)の「会社の従業員数が500人以上かどうか」です。日本は中小企業が多いので、実は該当する会社はそれほど多くありませんが、その中には多くのパートを雇用している会社が多いのも事実です。

特にスーパーやファストフード店、チェーン展開している飲食店等は、該当するパートが多いので問題になっています。(企業にとってはそれだけ社会保険料の負担が増えるので利益が減少してしまう)

雇用されている会社の従業員数がわからない人は、会社に確認をしてください。今年は該当しなくても、来年再来年は該当するかもしれません。また「うちの会社は小さいので大丈夫」ではありません。今年は大手の会社だけが該当しますが、これが順次100人以上の会社、そしてすべての会社に拡大していくことは、必須です。

103万円以上働いている場合は、今後の自分の働き方を考えるよい機会だと思います。

もう主婦じゃ生きていけない!「配偶者控除の撤廃」現状と問題点

政府は、2017年1月から、専業主婦やパート主婦世帯を優遇する「配偶者控除」の廃止を検討することを表明し、見直しについての議論がメディアで飛び交っています。

配偶者控除の見直しの狙いは、女性が就労時間を意識せずに働きやすい環境を作り、子育て世帯女性の社会進出を後押しすることです。

ただ一方では、配偶者控除が廃止・縮小されることで税負担が増える世帯が出てくる可能性があり慎重に議論することが求められています。ここでは配偶者控除の現状と問題点について解説していきます。

■配偶者控除が適用される「103万円の壁」

これまで主婦が働く際には、配偶者控除が受けられる「年収103万円以下」にすることを意識していました。どういこうことかというと、妻の年収が103万円以下であれば、夫の課税所得から配偶者控除38万円(住民税では課税所得から33万円)を差し引くことができ、夫の所得税・住民税の負担が軽くなります。つまり、103万円以下であれば、税金の負担が増えずに世帯年収が増えるということ。

よって配偶者控除の適用を受けるためには、パートタイマーで働く主婦は、年収103万円を超えないように働く時間を調整してきました。これがいわゆる「103万円の壁」です。

しかし2017年1月から配偶者控除が廃止されることで、夫の所得税・住民税の負担が増え、世帯の手取り額が減ることになります。

■2016年10月からは「106万円の壁」が新たに出現

また、パートタイマー主婦の新たな壁となる「106万円の壁」が出てきます。現状は、年収130万円を超えると社会保険の加入となり、年金や健康保険の保険料の負担が出てくる為、年収130万円以下に就労時間を調整するパートタイマーの主婦は多くいます。

これが2016年10月からパートタイマーなどの短時間労働者へのセーフティネットを目的に、厚生年金適用の基準が拡大されることになります。

(1)所定労働時間週20時間以上
(2)月額賃金が88,000円以上(おおむね年収106万円以上)
(3)学生ではない
(4)勤務期間1年以上
(5)従業員500人を超える企業

これら(1)〜(5)の基準をすべて満たすと厚生年金に加入することになります。厚生年金に加入するようになると、保険料が天引きされるため、これまでと同じ年収で比較した場合、手取り額が少なくなります。

ただし、手取りが減るというデメリットだけではなく、主婦が社会保険に加入することで、将来の年金に厚生年金が上乗せされる、健康保険に傷病手当金、出産手当金などがあり保障が充実される等のメリットがあります。

■新しい制度の新設案「夫婦控除」

配偶者控除の廃止の代わりに「夫婦控除」の新設が検討されています。夫婦控除は配偶者の収入や共働き、夫婦どちらか一方だけ働くなどに関わらず、夫婦であれば一定の控除が受けられる制度になる案です。ただし、今まで扶養範囲内で配偶者控除を受けていた世帯にとっては増税となり、手取り額が減る世帯が大きく増えるでしょう。

女性活躍推進法もあり、女性の働き方を考えることは、来年からはさらに大きなテーマとなっていくでしょう。専業主婦やパート主婦には大きな意識改革が求められています。今回のニュースは、お金を稼ぐという視点もそうですが、自分にとって働くとは何かを、考え直す良いきっかけとなりそうですね。

控除額は35%も…⁉︎「ボーナスの給与明細」見落としてはいけない項目

ボーナスシーズンに突入しています。いくらもらえるのか、使い道はどうしようかと嬉しい悩みを持つ人や、ほとんどローンの返済にまわってしまうと嘆く人などさまざまです。

でも、待ち遠しいことに違いはないはず。今回はそんなボーナスの明細について、各項目内容を具体的に説明します。

■支給額の確認も忘れずに

ほとんどの企業では、ボーナス明細の支給欄は「ボーナス」や「賞与」または「業績給」と一行書かれただけのものですが、金額だけを見るのではなく、毎月の給与支給額に対してどれぐらいの比率のボーナスが支給されているのか把握します。また、決められた倍率や、歩合であればそれに合致しているかも確認しなければいけません。

■控除額の根拠

一方、控除される項目と料率は以下となり、総支給額に料率を掛けたものが控除額となります。
・健康保険料   4.985%(新潟県)~5.165%(佐賀県)※1
・厚生年金保険料 8.914% ※2
・介護保険料   0.790% ※3
・雇用保険料   0.400% ※4
・所得税     0~45.945%

扶養親族数と前月の社会保険料等控除後の給与の額による
『賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表より(国税庁発行)』
※1 協会けんぽの場合。都道府県によって料率が変わる 
健康保険組合の場合は、組合ごとに料率は違う
※1・2 平成28年3月分からの料率 最高限度額あり
※3 40歳以上65歳未満の方
※4 一般の業種の場合

いかがでしょうか? 150万円までの支給額なら控除額はおよそ20%~35%となります。「引かれる税金が多い気が…FPが解説“賞与の税金&手取り額”計算法」でも詳しく説明していますが、大きな額ですよね。けれども、これらの社会保障制度によって、会社員はけがや病気による死亡や収入の減少、老後の年金、離職したときの生活保障など、もしものときには大変守られているのです。

そして何より大切なのは、それぞれ控除されている額は、支給額に対してどれくらいになるのかを把握しておくことです。それを知ることによってコスト意識が付き、節税への意識も高まってくるのです。

■控除欄に違う項目があればそれは貯蓄のサイン

もしも、社会保障制度のほかに控除項目があれば、それは貯蓄のサインです。ぜひ活用しましょう。例えば、「社内預金」「財形貯蓄」「持株出資金」などの項目があれば、企業独自の制度として導入されているものです。それぞれの制度についての説明を受け、自分に最もメリットの大きいものを使って貯蓄をします。

給与明細は項目が多く見る気がしないものですが、ボーナス明細は比較的見やすいので、この機会にそれぞれの項目と金額について勉強し、明細を紐解くことにぜひ慣れてほしいです。またボーナスをどう使うかについては「FPがプロの視点で指摘!“ボーナスの本当に賢い使い方”2つの例」をぜひ参考にしてみてくださいね。

社会保険適用10月より拡大!パート主婦「103万vs130万」見直し

奥様がパートで働く場合、103万円の壁と130万円の壁が大きく立ちはだかっています。さらに今年の10月からは、106万円の壁も出現。これらの壁と働き方について考えてみましょう。

■103万円の壁とは?

収入が103万円(月額では約86,000円)の壁を超えた場合は、所得税がかかってきます。ただし、住民税は100万円を超えるとかかってきますので、税金を1円でも払いたくなければ、100万円以下にしなくてはいけません。さらに103万円を超えるとご主人の年末調整の時に「配偶者控除」が使えなくなりますので、ご主人の税金が高くなります。

しかし、その代わりに「配偶者特別控除」が使えますので、一気に税金が高くなるわけではありません。「配偶者特別控除」の控除額は、配偶者の収入によって、つまり奥様のパートの働き方によって変化し、ご主人の年収が高いほど税負担は重くなります。

ということは、ご主人の年収が少なければ、それほど税金が急に高くなることはありません。だから、あえて103万円の壁に固執しなくても130万円まではご主人と自分自身の税金を足してもそれほど税負担は増えるわけではないのです。

■130万円の壁とは?

130万円の壁は、かなり大きな壁で、多くのパートがこの壁を超えないように死守しています。この壁を越えてしまうと、ご主人の扶養から外れてしまい、社会保険料を自分で払わなければいけなくなるからです。会社員の妻の場合は、健康保険の扶養家族ということで、健康保険料と国民年金保険料が免除されています。特に国民年金保険料は第3号となって、保険料を払わなくても支払っているものとしてカウントされるという大きな優遇が施されています。

これが自営業の妻の場合は同じパート収入でも国民年金第1号として毎月約1.5万円の国民年金保険料を支払わなければなりません。今、この違いが国会で問題になっていて、近いうちに第3号はなくなるかもしれません。

■壁のために働き方を変えることは、自分自身のためにはNG?

103万円と130万円の壁を気にして、働き方を変える人が多いのが現状です。「12月になるとパート社員が、仕事に出てこなくなって困る」と嘆いている社長さんを筆者はたくさん知っています。

103万円の壁は自分で払う税金だけなのでそれほど多くありませんが、130万の壁は税金以外に健康保険料と国民年金保険料の支払いがあります。これを考えたら躊躇するのは当然かもしれません。

しかし、「もっと働けるのに働かない」という選択は、自分自身のためにはどうなのでしょうか? 目先のことだけに惑わされるのではなく、自分の将来を考えて働いてほしいと思います。

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