繰上げ返済は得することだけじゃない?「マイホーム購入とお金」失敗例

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<材料>

・住宅ローン

・繰上げ返済

<Point>

1繰上げ返済は「期間短縮」「返済額軽減」のうち、家計に合うものを選択

2繰上げ返済しないことも家計管理のひとつの方法

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Dさんは少し前まで、「お金が貯まったら何よりもまず、繰上げ返済をする」と、心に決めていました。繰上げ返済をしたときに、20万円以上も「トク」をして、すごくうれしかったからです。

Dさんが繰上げ返済にあてたのは、約100万円です。100万円はすべて、元金の返済にまわります。元金が減ればその分、利息も減ります。これが20万円にもなったのです。

■繰上げ返済法の選び方

ここで、繰上げ返済について少し触れておきましょう。住宅ローンを借りると、借入れのときに約束した返済のほかに、借入額の一部や全部を、臨時で返済することができます。これを繰上げ返済といいます。

繰上げ返済の方法は、「期間を短くする」「返済額を軽くする」のいずれかです。期間短縮にあたって確認したいのは、毎月の返済にムリがないかどうかです。少し先まで見通して大丈夫そうであれば、期間を短くしてもいいでしょう。返済額を軽くする方法より、利息の軽減効果も期待できます。

毎月の返済負担を軽くすることを優先したいなら、返済額を軽減する方法を選びます。利息の軽減効果は小さくなるけれど、家計がまわらなくなっては元も子もないからです。

■Dさんの不安

繰上げ返済にあたってDさんが選んだのは、期間を短くする方法です。期間が6ヵ月短くなって、20万円トクをします。返済額を軽くする方法だと、毎月の返済が5,000円軽くなるけど、トクは10万円と半減です。

しかしここにきて、Dさんは少し不安を感じています。子どもの教育費がジワジワと家計を圧迫し始めているからです。教育費の負担が増えることはわかっていたのに、20万円と10万円を天秤にかけて、期間を短くする方法を選択してしまったのを悔やむことも。ローン返済が5,000円減っていたら、どんなに楽だったことか!

Dさんは今、「お金が貯まったら何よりもまず、繰上げ返済をする」というのは、やめにしようと思っています。家計簿とにらめっこの日々は体に悪い。教育費も心配です。

住宅ローンを借入れた後のメンテナンス法として、繰上げ返済は有効です。しかし時として、繰上げ返済をしないという選択も必要でしょう。そのときどきの家計にあった方法を選ぶようにしてください。

<「マイホーム購入とお金」失敗例>
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  • 繰上げ返済で家計がまわらない?「マイホーム購入とお金」失敗例

執筆者

久谷真理子 ファイナンシャル・プランナー

大学卒業後、都市銀行において融資業務に従事。FPとして独立後は、ライフプランから見た住宅ローンや相続・不動産に関する相談業務および、実行支援業務を行っている。また、各種セミナー講師をつとめるほか、雑誌やWebサイト等で情報発信している。

久谷真理子

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家計にやさしいローンの作り方:繰上げ返済

住宅ローンの借入れは、長期にわたることが多いもの。そのため、10年後や15年後も、「今と」同じようにローンを払えるかなんて、正直わからないものです。だからできるだけ、先々の負担を軽くしておきたいと思います。

まだローンを借りる前なら、借入れを2本に分けるなどで、家計が厳しくなるときに備えるのも一案です。
家計にやさしいローンの作り方:2本立てローン

すでにローンを借りているなら、「繰上げ返済」で、先々の負担を軽くしておくのはどうでしょう。地道なガンバリが、家計の大きな助けになります。

例えば、10年後に家計が厳しくなることが予想されるとします。3,000万円を35年ローンで借りたとすると、毎月の返済額は87,796円(表を参照)。でもこのままでは、10年経っても、毎月の返済負担は同じです。

そこで繰上げ返済を利用して、毎月の返済額を減らすことを考えます。そのためには、「返済額軽減型」を選択します。期間を変えずに、毎月の返済額を少なくする方法です。

返済額軽減型を利用して、1年後から毎年30万円ずつ繰上げをします。そうすると、10年経つころには、毎月の負担を78,000弱に抑えることができます。毎月1万円ほど楽になります。もう少し頑張って、毎年の繰上げ額を50万円にすると、更に7千円の負担減に成功です。10年後の毎月返済額は71,000円弱になります。いずれも支払利息の節約にもなります。

繰上げ返済を行うためには、相応の原資はもちろん、貯めたお金を繰上げ返済にまわすという強い意志が必要です。注意点もあります。まず、繰上げ返済にはコストがかかるケースがあること。加えて、他の資金需要とのバランスにも注意がいります。お金の使い道は、住宅だけではないからです。

12月の繰上げ返済に注意?! 繰上げ返済とローン減税

12月はボーナスシーズンです。
テレビでも「ボーナスが出たら何に使いたい?」という特集を見かけました。

インタビューを受けた多くの人が、「子どもの教育に使うつもり」「老後のために貯蓄したい」などと答える中、「住宅ローンの繰上げ返済をしたい」という回答も。

住宅ローンを利用中なら、「早く返してしまいたい」「利息の負担を少しでも減らしたい」と考えるのは自然なことでしょう。但し、住宅ローン減税を受けている最中の人は、繰上げ返済のタイミングに気を付けてください。

住宅ローンの繰上げ返済とは、毎月返済やボーナス返済とは別に、臨時の返済を行うことです。約束より前倒しで返済することになりますから、利息の負担を軽くすることができ
るのはもちろん、返済期間を短縮したり、毎月の返済額を軽くしたりといった効果も期待できます。

住宅ローン減税は、住宅ローンの年末残高を基に計算した金額を、各年分の所得税などから10年間にわたって控除する制度です。適用を受けることができれば、10年にわたって税金の負担を軽くすることができます。
繰上げ返済の効果を考えると、12月のボーナスが出たら、すぐにでも繰上げ返済を実行に移したいところ。タイミングが早ければその分だけ、利息の負担を軽くすることができる
からです。

しかし住宅ローン減税は、住宅ローンの年末残高を基に計算されます。繰上げ返済で年末の残高を減らすことは、住宅ローン減税の額を減らしてしまうことにつながりそう。住宅
ローン減税の効果を考えれば、年末に繰上げ返済をするくらいなら、年明けに行ったほうがよさそうだと思い当たります。

こういったケースでは、「ボーナスが出たらとにかく繰上げ返済!」と慌てず、繰上げ返
済が住宅ローン減税に与える影響について、個々の事情に照らしながら検討することをお勧めします。ほか、年末調整など減税のための手続きへの配慮もいります。税制には細かいルールがあります。後悔しないためにも、事前に税理士などのアドバイスを受けておくと安心です。

住宅ローン金利8月も過去最低!ローン見直し時の必須チェック項目は?

10年固定金利選択型の金利が0.350%(2016年8月時点)という銀行も出てきているなど、7月に引き続き住宅ローンの金利が過去最低水準を更新したというニュースが流れる中、住宅ローンの見直しを考えている方は多いのではないでしょうか?

でも見直しは金利の高低だけを考えればよいわけではありません。では、どのようなポイントで見直しをしたらよいのでしょうか?

■金利以外に確認したいポイント3つ

住宅ローンの見直しというと、何%の金利になり、いくらの見直し効果があるのか?という金利差による金額的な効果に意識が行きがちです。もちろん見直しによって毎月の支払額や総支払額が減ることは、家計にとって重要です。

しかし、住宅ローンの見直しにあたっては、金利が何%か?だけではなく、
(1)金利タイプ
(2)返済期間
(3)団体信用保険
という3つのポイントは見直しを検討したいところです。

■マイナス金利で超低金利の今は金利タイプの見直しを検討するタイミング

住宅ローンには「全期間固定金利型」「変動金利型」「固定金利期間選択型」と大きく3つのタイプがありますが、現在の金利タイプはどのような考えで選択をしていますか? 住宅購入時は、何かとバタつくため金融機関等の勧める金利タイプを選択している方も多いのではないでしょうか。35年の全期間固定金利型が1%以下の金利になっている金融機関もある中、今は金利タイプの見直しを検討するにもよい機会です。

特に今後、教育資金の負担が重くなるご家庭は、ライフプランを確認した上で、ご家庭にあった金利タイプへの変更を検討したいところ。例えば、ご家庭によっては10年固定金利選択型の固定金利期間が終了して金利が変動するタイミングとお子さんの教育資金のピークが重なっているケースがあります。先々の金利動向は誰にも分かりませんので、今のうちに金利の変動がないタイプへ変更するのもひとつの選択。

現在の金利水準では全期間固定金利型に借り換えをしたとしても、金額的なメリットも出る可能性があります。

■返済期間も見直すことでより有利な金利で借り換え

住宅ローンの完済予定が、もし75歳完済など定年退職後もローンの支払が残っているような場合は、月の支払額を下げられる借り換えのタイミングで返済期間を短くするということも検討してみてはいかがでしょうか。

例えば、下記の表のように返済期間を32年から30年のような区切りで短くすることで、より低い有利な金利で借り換えが可能になる場合もあります。

また住宅ローン過去最低を更新! ローンの見直しチェック項目、マネーゴーランド
※残高3000万円・金利は2016年8月の全期間固定金利型にて計算。※諸経費は別途必要。

■団体信用保険の保障は適切かどうか

昨今は、3大疾病、8大疾病、介護など特約による保障のバリエーションが広がってきているため、団体信用保険も住宅ローンの見直しに併せて確認したいポイントです。病気に備える特約は、加入できる年齢の制限がありますので、生活習慣病等のリスクが高まる40代の方は特に検討したいところです。

いかがでしょうか? 過去最低の金利水準になっている現在は、住宅ローンの見直しをする好機といえます。ぜひご自身の住宅ローンを確認してみてくださいね。

金利だけに目を奪われ…問題勃発!「マイホーム購入とお金」失敗例

マイホームを購入することになったBさんは、同僚から勧められた『フラット35』を利用するつもりです。

『フラット35』は、最長35年の固定金利のローン。借入れのときに、毎月の返済額が確定する安心感があります。

■Bさんの資金計画

Bさんは、いろいろな金融機関のホームページを見るうち、「フラット35の金利は、商品によって異なる」ことに気付きます。例えばある金融機関では、2つの金利を提示。年0.90%と年1.10%です。

参考までに、『フラット35』の平成28年8月における金利の範囲は、年0.900%~年1.570%です(返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下の場合)。

金利は低いほうがいい。Bさんが選んだのは、年0.90%のほうです。

3,000万円を35年ローンで借りるとして、毎月の返済は83,294円(元利均等返済ボーナス併用なし)。その後、マイホーム購入の話はトントン拍子で進みます。でも、問題発生です。
手数料が、462,000円にもなるというのです。

Bさんが利用を予定している商品の手数料は、融資額の1.54%(税込)でした。3,000万円を借りると、462,000円です。これを初期費用として負担しなければなりません。

■Bさんの失敗

Bさんの失敗は、「フラット35の手数料も、商品で差がつく」ことに気付かなかったこと。定額で32,400円(税込)とするものもあれば、定率で2.16%とする商品まで、その程度はさまざまです。

自己資金が心もとないBさんは、初期費用の負担をおさえたい。そこで年1.10%の商品を選ぶことを考えます。そうすると、手数料を32,400円に抑えることに成功します。でも、月々の負担は増えます。3,000円ほど増えて、86,091円です。

参考までに、「総返済額+手数料額」の比較をしてみましょう。金利が低い方(手数料は高い)は、約3,545万円、金利が高い方(手数料は低い)は約3,620万円です。比べると、やっぱり金利が低いほうがオトクと見えます。でも、繰上げ返済をするかもしれないし、途中で売ってしまうかもしれないと考えると、悩ましいですね。

こういったタイプの商品は、『フラット35』だけではありません。住宅ローンを選ぶときは、金利だけでなく手数料もしっかりチェック。初期費用をおさえるのがいいのか、月々をおさえるのがいいのか。自分に向いているのはどちらなのか。しっかり検討するようにしてください。

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