米国GDP発表を控え底固い展開か?【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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■9月第5週の見通し(2016/09/26)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「産油国協議やFOMCメンバー発言、大統領候補討論会などイベント相次ぐ」

先週は注目の日米金融政策が行われ、ドル円は上下に振れるなど方向感の掴み難い状況が続きました。先週の日銀会合は総合的検証という事から大きく二つの骨子が示されました。

一つはイールドカーブコントロールで、もう一つはオーバーシュートコミットメント型というものです。
イールドカーブコントロールとは長短金利差を拡大させるもので、長期の10年債利回りをゼロ%程度で推移するようにコントロールしようというものです。しかし、もし長期金利が上昇すれば円高に繋がります。一方、これは銀行にとってはプラス材料となり株式市場は銀行株を中心に上昇。

もう一つのオーバーシュートコミットメントは2%物価目標に達しても緩和政策を継続するというもので、これは素直に円安に反応。結局ドル円は上下に振らされたものの方向性は見られませんでした。

その次の日に行われたFOMC会合では政策金利が据え置かれたことでドル円は100円10銭まで下落しました。ただ、据え置きは既に市場が織り込んでいたことや、株式市場がこの決定を好感し、最終的に買い戻しが入り101円台前半まで押し戻されました。

FOMCでは今後の利上げペースが前回から緩やかなものに下方修正されたことで今後のドルの上昇幅は限定的との見方が市場に広がりました。ただ、イエレンFRB議長はこのまま経済が堅調に推移するのであれば年内利上げの可能性を示したことで目先ドルの下落は抑えられるとみられます。

今週はその利上げの判断材料となる米国GDPやCPIといった重要な指標が発表されます。また、イエレン議長やフィッシャー副議長といったFRBメンバーの講演が相次ぎ、その発言にも注目が集まります。

更に、26日から28日にかけて主要産油国による原油減産協議が開催されます。先週末にはサウジアラビアが今回の協議では減産に至らないとの見通しを示したことで原油価格が下落しました。予想通り決裂となれば原油価格が下落しリスク回避の円高が進む可能性が高まるため注意が必要です。

ただ、先週はドル円が売られ過ぎた観もありその反動からのドル買いの動きも予想されます。100円の底堅さは先週も見られたことで今週は円高リスクを横目で見ながらドル円はやや底堅い動きを予想しています。

詳細は私のデイリー情報誌「岡安盛男の稼ぐFX攻略バイブル」で述べていますが、底堅い1週間となるか。今週のドル円予想レンジは103円~100円。

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▼30秒でわかる!8月第4週、今週の為替市場の見通しはこちら!

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執筆者

岡安 盛男 (おかやすもりお)

レグザム・フォレックスLLC (http://fx-okayasu.com/)代表、為替アナリスト                                                 外資系銀行に20年間在籍、1999年より為替デイトレーダーとして独立後は、 自身のトレードスタイルを確立、実践的な為替投資の啓蒙活動の他、FXスクール講師やFX会社向けの情報提供サービス、投資家向け情報レポートを展開(http://www.gladv.co.jp/members/fx_bible/)。ラジオ日経「岡安盛男のFXトレンド」、日経CNBCの「朝エクスプレス」など出演中。執筆多数。

岡安 盛男

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「日米金融政策の発表でドル円の方向性を探る」

先週のドル円は101円ミドルから103円ミドルの狭いレンジ内での、方向感の乏しい動きとなりました。

週初めはブレイナードFRB理事が従来と同様に利上げに慎重な姿勢を示したことでドル売りが先行して始まりました。しかし、その後NY市場では株式市場が大幅下落となり長期金利が一気に上昇するなど、利上げを意識した動きが強まりました。これを受けドルが全面高となったものの、同時に円高の動きも強まりドル円は103円前半で上値が抑えられました。

その後発表された米小売売上が予想を下回り5か月ぶりのマイナスとなったことで再び利上げ観測が後退しドルは下落。ドル円は101円75銭まで売り込まれました。
ところが週末発表された米8月消費者物価指数が予想を上回ったことで再度ドル買いが強まりドル円も102円ミドル付近まで上昇。FRBの利上げの思惑が交錯しドル円は狭いレンジでのもみ合いが続きました。

今週は注目のFOMC日銀会合が開かれ、ドルと円の方向性を見るうえで注目されます。
今回の日銀会合では総括的な検証が行われ、これまでのような市場を驚かせるようなやり方から市場との対話を重視するやり方に変えると思われます。それにより、市場に広がる日銀の金融政策に対する限界説を払しょくしようとするものです。

日銀はこれまでの2年間で2%の物価目標を掲げていましたが、それが難しい状況になったので期間を示すのを撤回すると思われます。それにより、市場の日銀に対する過剰な緩和期待を抑制しようという試みです。また、長短金利差縮小、いわゆるフラット化を解消するために超長期債の購入を控え短期債を中心に買いを入れようとするスティープ化を実施するとみられています。

また、マイナス金利の効果と副作用を比較し効果が上回ることを強調し、マイナス金利の深堀を更に進めることで円高を抑止しようとする考えです。
これによりドル円は上昇に向かう可能性がありますが、同時にFOMCでは利上げが据え置かれるようであれば、ドル売り圧力も同時に強まることになります。

今週は日本がシルバーウイークに入ることから、海外勢による仕掛け的な円買いも警戒されます。これらを考えると今週のドル円の上値は限定的とみることが出来ます。
ただし、1ドル100円の壁はこれまで何度か試しても反発していることから、下値も限られそうです。
今週のドル円予想レンジは104円ミドルから100円ミドル。

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早期利上げ期待からドル高と株安へ⁉【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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「早期利上げ期待からドル高と株安」

先週は多くのFOMCメンバーから早期利上げを促す発言が相次ぎドル円は上昇に転じました。

週初ドル円は103円台での底堅い動きで始まりました。前週末の米雇用統計は良いのか悪いのか判断に迷う結果となりました。しかし、3か月平均から見ると完全雇用に近いとの見方から年内利上げは確実と見られドル買いの動きが強まりました。

ところが、火曜日に発表された米ISM非製造業景況指数が予想を大きく下回ったことでドル円は一気に下落に転じました。前週に発表されたISM製造業景況指数も50を下回ったこともあり、米景気減速への懸念が広がったためです。これで9月の利上げはないとの見方からドル円は101円前半まで2円余り下落しました。

しかし、その後多くのFRBメンバーが早期利上げに前向きな姿勢を示したことで再び9月利上げ観測が浮上。特に、FOMCの投票権を持つハト派(利上げには慎重)として知られていたローゼングレン・ボストン連銀総裁も「緩やかな金融引き締めを正当化する妥当な根拠がある」と発言するなどタカ派的な見方に変わりました。

これまで9月利上げの可能性は低いとみていた市場も再びFRBが利上げに動くのではないかとの見方が広がりました。その結果、ドル円は週末103円台に乗せるなど底堅い動きが見られました。

一方、利上げは悪材料とみたNY株式市場はNYダウ、S&P、ナスダックの三指数ともに大幅下落。また、原油価格も下落したことでリスク回避の円買いが強まりドル円は102円ミドル付近まで押し戻されました。

今週もFRB幹部の講演や米小売売上や消費者物価指数が発表され、その結果次第では9月利上げの可能性が更に高まりそうです。

月曜日にはアトランタ連銀総裁やミネアポリス連銀総裁、そしてブレイナーFRB理事の講演が行われます。特に、ブレイナーFRB理事はFOMCの投票権を持つと同時にクリントン大統領候補と近い関係といわれており、次期財務相候補の一人でもあり注目を集めます。
元々ハト派として知られるだけにタカ派的な発言が出るようなら9月利上げ期待が更に高まりドル円は一段の上昇が期待できます。

しかし、利上げ期待はNY株式市場や中国、そして新興国金融市場に混乱を引き起こしかねません。そうなればリスク回避による円買いが進むことになります。

ただ、今回の利上げ以降は緩やかな引き締めとなるため、1月のような混乱は回避されるでしょう。今週もドル円は100円から105円のレンジの上限を試す動きが予想されます。

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米8月雇用統計は微妙…今後の動きは?【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「米8月雇用統計は微妙な数字」

先週は注目の米8月雇用統計が発表されドルは一時下落したものの、最終的にドル円は上昇に転じました。今後の米国金融政策を左右するとの見方から注目された米雇用統計は、微妙な結果となりました。

非農業部門雇用者数が20万人以上であれば9月利上げの可能性がかなり高まったことでしょう。反対に10万人を下回るようなら可能性は無くなったことでしょう。今回発表の15.1万人増という数字は微妙としか言えません。まだ、9月利上げの可能性は残るものの、どちら付かずの数字でした。

しかし、その分だけドルの上昇余地は残ったといえるかもしれません。

一方、NY株式市場は早期利上げ期待が後退したとの見方が強まり3指数ともに上昇しました。株価が上昇するというのはリスク選好が強まるという事で安全通貨としての円が売られました。FRBが9月に利上げを実施するかを予想するうえでは今後の米国経済指標やFOMCメンバーの発言などを見極める必要があります。

今週は米国8月ISM非製造業景況指数ベージュブックが発表されます。先週の米ISM製造業指数は予想を大きく下回りドルが全面安となりました。もし、今回も好不況の分かれ目となる50を下回るようなら早期利上げは難しいとの判断からドル売りが強まることでしょう。

一方、ベージュブックは国内や雇用など緩やかな景気回復見通しが示される可能性が高いとみられています。ベージュブックはFRBも政策を決定する上で注目していることから、結果次第では早期利上げ観測が高まりドル買いが強まることになるでしょう。

その他、今週は再び、ユーロ中央銀行ECB豪州中央銀行RBA、そしてカナダ中央銀行のBOCの政策決定会合が開かれます。ECBは既に3月の会合でマイナス金利を0.4%まで引き下げたことで当面追加利下げの可能性を否定しました。

一方、日銀は量、質、金利ともに未だ引き下げる余地が十分あります。そのため、ユーロを売って円を買う動きが先週から強まり始めています。もし、今回も追加緩和を見送るようならユーロ円の買いが強まりドル円の押し上げ要因となりそうです。

ドル円はブレグジット後に安値99円を付けたものの、その後ドル円は100円の底を固めて上昇が続いています。

今週のドル円は米利上げ期待からのドル買い継続の中で円安の流れが重なりあい105円を目指す展開を予想します。

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「米国の利上げ」って何?なぜ重要なの?【1万円で始める初心者FX】

お金を増やしたい…と思っているのに、“いざ投資”となると戸惑ってしまうのが大部分の方のはず。そんな投資未経験の方でも「始めてみようかな」と思ってもらえるような、初心者向けFXのQ&A講座です。

■Q1:そもそも利上げって?

■A:利上げは、中央銀行が金利を引き上げて、景気やインフレにブレーキをかける政策のこと。

お金の大元締めの役割をしているのが中央銀行で、ここが東京三菱UFJや、みずほといった民間の銀行にお金を貸しています。その元となる金利を引き上げるのが利上げ。すると、民間の銀行も個人や会社に貸し出すお金の金利を上げますから、企業の投資意欲・個人の消費意欲が弱くなり、景気も弱まります。

■なぜ、利上げをして景気を冷やすの?

分かり易く言うと、景気は放っておくと調子が良くなりすぎて、いきなり破裂することがあります。それが利上げの理由。いわゆるバブルと呼ぶ現象です。

バブルの原理はカンタン。不動産や株式が値上がりして儲かれば、次は、更に高い不動産を買う。儲かればさらにと・・・繰り返していけば雪だるま式に資産が膨らみ不動産を売買できます。企業も同じで、新製品・サービスを開発すれば、売れ行きが良くなり、会社が大きくなり・・・会社買収や新製品を出していくというサイクルができます。

問題は、いつまでも続かないこと。

さらに、自力で止めるのは難しい。個人の投資であれば、自分で「やーめた」と言えば止められます。でも、成長してサービスが増え・人が増えている会社が、儲かっているのに、もうこれ以上はいいと止められる経営者はいません。よっぽどワンマンなオーナー社長でないと社員・株主の猛反対に合いますしね。

そもそも利上げって? 【1万円で始める初心者FX】、マネーゴーランド

よって、過去の歴史を振り返れば、好景気 ⇒ バブル ⇒ 破裂を繰り返していながら、止められないのです。

えっ・・・政治家はどうなのかですか。彼らは、景気を弱くして、選挙民に恨まれるのが何よりも怖いので、好景気を止めようとはしません。選挙で一番大事なのは、今も昔も「メシのタネ」。景気(経済)が良い時の選挙は、与党有利が鉄則です。

■中央銀行の役目

そこで、登場するのが、インフレ・バブル退治を仕事にしている中央銀行。

企業もダメ、政治家もダメということで、登場するのが中央銀行。そのまま放置すると、いずれ破裂するバブルとインフレを止めるのが役割。景気が良くなれば、金利を上げて景気を冷やし、景気が悪くなれば、金利を上げて刺激する。この操作で、景気やインフレをコントロールするのがその役目。

彼らは、政府から独立し、国民の選挙もありませんから、専門家の立場から、たとえ、政府・国民の怒りを買おうと将来の災いを防ぐために、必要な施策を断固として行います。

まあ、実際は、政府や国民に配慮しながら、決めていくので、完全に独立しているとは言いづらいところ。米FRBのイエレンさん・日銀の黒田総裁ともに、説明責任がありますから、議会等で、頻繁に自分達の政策について説明させられています。

■米国の利上げってなぜそんなに重要?

では、たくさんの国がある中で、なぜ、米国の利上げがこんなに注目されるのかという質問にお答えします。

それは、米ドルが世界の共通通貨だから。経済面では、中国・ドイツ・日本などの成長で、米国の力は弱まっています。ところが、米国の力は下がったのに、米ドルの力は強まり、事実上の世界共通通貨の役割を果たしています。今の米国は、世界GDPの約23%を占めるだけ。ところが、世界経済の約50~60%は米ドルにリンクしています。

<米ドルとのリンクはこんな形>
・米ドルと自国通貨の為替変動を一致(ペッグ)
・米国と自国の金利を一致
・自国通貨ではなく、米ドルで貿易の決済
・国や企業の資産を米ドルで保有
・国や企業が米ドル建てで借金している

ということは、米国が利上げをすれば、自国の為替相場や金利を引き上げなければいけない国がたくさんあるということです。さらに、利上げで自国通貨安米ドル高になれば、米ドル建てで借りている借金は、何もしていないのに増えてしまいます。国によっては企業倒産や借金返済額増加で、経済が立ちいかなくなり、紛争・混乱が起きる場合もあります。

そもそも利上げって? 【1万円で始める初心者FX】、マネーゴーランド

このため、米国の利上げは、世界中に与える影響が大きく、FRB議長のイエレンさんは、金利の上げ下げという世界経済の鍵を握る最大のキーマンと言われているわけです。

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