日米金融政策発表で連休中のドル円の方向性は?【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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■9月第4週の見通し(2016/09/19)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「日米金融政策の発表でドル円の方向性を探る」

先週のドル円は101円ミドルから103円ミドルの狭いレンジ内での、方向感の乏しい動きとなりました。

週初めはブレイナードFRB理事が従来と同様に利上げに慎重な姿勢を示したことでドル売りが先行して始まりました。しかし、その後NY市場では株式市場が大幅下落となり長期金利が一気に上昇するなど、利上げを意識した動きが強まりました。これを受けドルが全面高となったものの、同時に円高の動きも強まりドル円は103円前半で上値が抑えられました。

その後発表された米小売売上が予想を下回り5か月ぶりのマイナスとなったことで再び利上げ観測が後退しドルは下落。ドル円は101円75銭まで売り込まれました。
ところが週末発表された米8月消費者物価指数が予想を上回ったことで再度ドル買いが強まりドル円も102円ミドル付近まで上昇。FRBの利上げの思惑が交錯しドル円は狭いレンジでのもみ合いが続きました。

今週は注目のFOMC日銀会合が開かれ、ドルと円の方向性を見るうえで注目されます。
今回の日銀会合では総括的な検証が行われ、これまでのような市場を驚かせるようなやり方から市場との対話を重視するやり方に変えると思われます。それにより、市場に広がる日銀の金融政策に対する限界説を払しょくしようとするものです。

日銀はこれまでの2年間で2%の物価目標を掲げていましたが、それが難しい状況になったので期間を示すのを撤回すると思われます。それにより、市場の日銀に対する過剰な緩和期待を抑制しようという試みです。また、長短金利差縮小、いわゆるフラット化を解消するために超長期債の購入を控え短期債を中心に買いを入れようとするスティープ化を実施するとみられています。

また、マイナス金利の効果と副作用を比較し効果が上回ることを強調し、マイナス金利の深堀を更に進めることで円高を抑止しようとする考えです。
これによりドル円は上昇に向かう可能性がありますが、同時にFOMCでは利上げが据え置かれるようであれば、ドル売り圧力も同時に強まることになります。

今週は日本がシルバーウイークに入ることから、海外勢による仕掛け的な円買いも警戒されます。これらを考えると今週のドル円の上値は限定的とみることが出来ます。
ただし、1ドル100円の壁はこれまで何度か試しても反発していることから、下値も限られそうです。
今週のドル円予想レンジは104円ミドルから100円ミドル。

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  • 日米金融政策発表で連休中のドル円の方向性は?【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

執筆者

岡安 盛男 (おかやすもりお)

レグザム・フォレックスLLC (http://fx-okayasu.com/)代表、為替アナリスト                                                 外資系銀行に20年間在籍、1999年より為替デイトレーダーとして独立後は、 自身のトレードスタイルを確立、実践的な為替投資の啓蒙活動の他、FXスクール講師やFX会社向けの情報提供サービス、投資家向け情報レポートを展開(http://www.gladv.co.jp/members/fx_bible/)。ラジオ日経「岡安盛男のFXトレンド」、日経CNBCの「朝エクスプレス」など出演中。執筆多数。

岡安 盛男

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「早期利上げ期待からドル高と株安」

先週は多くのFOMCメンバーから早期利上げを促す発言が相次ぎドル円は上昇に転じました。

週初ドル円は103円台での底堅い動きで始まりました。前週末の米雇用統計は良いのか悪いのか判断に迷う結果となりました。しかし、3か月平均から見ると完全雇用に近いとの見方から年内利上げは確実と見られドル買いの動きが強まりました。

ところが、火曜日に発表された米ISM非製造業景況指数が予想を大きく下回ったことでドル円は一気に下落に転じました。前週に発表されたISM製造業景況指数も50を下回ったこともあり、米景気減速への懸念が広がったためです。これで9月の利上げはないとの見方からドル円は101円前半まで2円余り下落しました。

しかし、その後多くのFRBメンバーが早期利上げに前向きな姿勢を示したことで再び9月利上げ観測が浮上。特に、FOMCの投票権を持つハト派(利上げには慎重)として知られていたローゼングレン・ボストン連銀総裁も「緩やかな金融引き締めを正当化する妥当な根拠がある」と発言するなどタカ派的な見方に変わりました。

これまで9月利上げの可能性は低いとみていた市場も再びFRBが利上げに動くのではないかとの見方が広がりました。その結果、ドル円は週末103円台に乗せるなど底堅い動きが見られました。

一方、利上げは悪材料とみたNY株式市場はNYダウ、S&P、ナスダックの三指数ともに大幅下落。また、原油価格も下落したことでリスク回避の円買いが強まりドル円は102円ミドル付近まで押し戻されました。

今週もFRB幹部の講演や米小売売上や消費者物価指数が発表され、その結果次第では9月利上げの可能性が更に高まりそうです。

月曜日にはアトランタ連銀総裁やミネアポリス連銀総裁、そしてブレイナーFRB理事の講演が行われます。特に、ブレイナーFRB理事はFOMCの投票権を持つと同時にクリントン大統領候補と近い関係といわれており、次期財務相候補の一人でもあり注目を集めます。
元々ハト派として知られるだけにタカ派的な発言が出るようなら9月利上げ期待が更に高まりドル円は一段の上昇が期待できます。

しかし、利上げ期待はNY株式市場や中国、そして新興国金融市場に混乱を引き起こしかねません。そうなればリスク回避による円買いが進むことになります。

ただ、今回の利上げ以降は緩やかな引き締めとなるため、1月のような混乱は回避されるでしょう。今週もドル円は100円から105円のレンジの上限を試す動きが予想されます。

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▼30秒でわかる!8月第4週、今週の為替市場の見通しはこちら!

米8月雇用統計は微妙…今後の動きは?【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

■9月第2週の見通し(2016/09/05)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「米8月雇用統計は微妙な数字」

先週は注目の米8月雇用統計が発表されドルは一時下落したものの、最終的にドル円は上昇に転じました。今後の米国金融政策を左右するとの見方から注目された米雇用統計は、微妙な結果となりました。

非農業部門雇用者数が20万人以上であれば9月利上げの可能性がかなり高まったことでしょう。反対に10万人を下回るようなら可能性は無くなったことでしょう。今回発表の15.1万人増という数字は微妙としか言えません。まだ、9月利上げの可能性は残るものの、どちら付かずの数字でした。

しかし、その分だけドルの上昇余地は残ったといえるかもしれません。

一方、NY株式市場は早期利上げ期待が後退したとの見方が強まり3指数ともに上昇しました。株価が上昇するというのはリスク選好が強まるという事で安全通貨としての円が売られました。FRBが9月に利上げを実施するかを予想するうえでは今後の米国経済指標やFOMCメンバーの発言などを見極める必要があります。

今週は米国8月ISM非製造業景況指数ベージュブックが発表されます。先週の米ISM製造業指数は予想を大きく下回りドルが全面安となりました。もし、今回も好不況の分かれ目となる50を下回るようなら早期利上げは難しいとの判断からドル売りが強まることでしょう。

一方、ベージュブックは国内や雇用など緩やかな景気回復見通しが示される可能性が高いとみられています。ベージュブックはFRBも政策を決定する上で注目していることから、結果次第では早期利上げ観測が高まりドル買いが強まることになるでしょう。

その他、今週は再び、ユーロ中央銀行ECB豪州中央銀行RBA、そしてカナダ中央銀行のBOCの政策決定会合が開かれます。ECBは既に3月の会合でマイナス金利を0.4%まで引き下げたことで当面追加利下げの可能性を否定しました。

一方、日銀は量、質、金利ともに未だ引き下げる余地が十分あります。そのため、ユーロを売って円を買う動きが先週から強まり始めています。もし、今回も追加緩和を見送るようならユーロ円の買いが強まりドル円の押し上げ要因となりそうです。

ドル円はブレグジット後に安値99円を付けたものの、その後ドル円は100円の底を固めて上昇が続いています。

今週のドル円は米利上げ期待からのドル買い継続の中で円安の流れが重なりあい105円を目指す展開を予想します。

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FX勝利に必須!移動平均線をマスターしよう【上村和弘のFX基本講座】

この連載を読んでいけば、FXの経験が無い方もFXビギナーの方も一定のFXトレーダーになれる! 知っておくと便利な事やFX知識として重要な事、そしてお得な情報までを解説するシリーズ【上村和弘のFX基本講座】。

チャート上に描いて為替相場の方向性を分析するテクニカル分析ツールは、多くの種類があります。パソコンもインターネットもなかった時代は、なんとチャートを手で書いていました。手書きですから分足なんて書いていられませんし、複雑なテクニカル分析は使わず、シンプルなツールで予想や分析を行っていました。

今は、FX会社の取引システムを使えば、瞬時に複雑なテクニカル分析を使えます。しかし、難しいテクニカル分析を使えば、勝率が上がる訳ではありません。何しろ、勝つ人がいれば負ける人もいる相場の世界、全員が勝つというのは不可能ですからね。

■最も基本的なテクニカル分析ツールの移動平均線

特にビギナーの方は、シンプルで分かりやすいテクニカル分析ツールを使う方が有利です。移動平均線は、他のテクニカル分析の基本となる上に、利用者が多いツールですから、FXで勝ちたい人は、移動平均線からマスターしていきましょう。(関連記事:第33回「儲けたいならテクニカル分析を学べ!」第34回「テクニカル分析はなぜ当たるの?」

「シンプルなツールを使う有効性」
・売買判断をしやすい:売買サインが明確でなく、曖昧な売買判断でトレードすると疲れる!
・大勢の人が利用しており、ニュース等でも取り上げられている他、実際の目安として機能しやすい!
・どのFX会社のツールにも用意してあり、継続して利用できる!
・他のテクニカル分析ツールと組み合わせて利用できる!

■移動平均線の持つ意味

移動平均線は、一定期間の価格を平均した値を繋いだ線です。ということは、移動平均線は、トレーダー達の平均売買コストと見る事が出来ます。

つまり、移動平均線より価格が高い場合は、買い方に含み益・売り方に含み損が生じている状態。含み益が含み損に転じた時など、買い手と売り手のバランスが崩れやすい時を示してくれます。このことを念頭において移動平均線を見るようにしていきましょう。

■移動平均線の傾き

チャートに移動平均線を引くと、相場のトレンドを判断しやすくなります。通常のチャート=ローソク足の四本値だけ見ると、上がったり下がったりの動きが激しく、相場のトレンドが上向きなのか下向きなのか分かり難い。移動平均線を利用すれば、イレギュラーな上昇や下落に惑わされなくなります。

■移動平均線のクロス

さて、お待ちかねの売買時の判断、売買サインです。移動平均線を参考にトレードする際に基本となるサインは、短期の移動平均線と中・長期線のクロス。クロスしなかった場合は、逆方向に動き易くなります。

米ドル/円日足チャート、マネーゴーランド
※引用:DMM.com証券

■売買シグナル付近の攻防

価格が移動平均線を抜くところ・クロスするところは、トレーダー達の損益が含み損から含み益に変わるところです。そのため、売買が活発になり、一気に上昇することもあれば、一時的なダマシ(*)で反転することもあります

テクニカル分析の全ての売買シグナルに言えることは、サインは100%的中するものではありません。その為、100%を求めるより、どこまで上がりそうか・下がる場合にはどこまで下がるかのシナリオを考える方に注力しましょう。

移動平均線を応用した売買手法は次回に!

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:ダマシ
売買のサインが出たものの、その動きとは逆方向に変化する状態を指します。こういったダマシも投資においては出てきますので、少額取引や分散投資等の安全性に配慮したトレードが望まれます。

【上村和弘のFX基本講座】
全バックナンバーはこちらから
●第6回 FXを極める第一歩:相場予測はまずチャートから!
●第7回 FXを極める第一歩:相場予測はまずチャートから!スマホ編
●第8回 平均足チャートで、これからの為替の動きを予想しよう!
●第20回 初心者に向いている分析方法は?
●第32回 ファンダメンタルズ分析で大事なことは?
●第33回 儲けたいならテクニカル分析を学べ!
●第34回 テクニカル分析はなぜ当たるの?
●第49回 為替変動の要因&ビギナーが見るべき項目は

1勝9敗でも勝てるのがFX!【上村和弘のFX基本講座】

この連載を読んでいけば、FXの経験が無い方もFXビギナーの方も一定のFXトレーダーになれる! 知っておくと便利な事やFX知識として重要な事、そしてお得な情報までを解説するシリーズ【上村和弘のFX基本講座】。

FXは、勝率と損益の関係がとても大事。トレードスタイルとして勝率重視もしくは利益重視のどちらの方向を目指すかを決めた方が、トータルで利益を出しやすくなります。

1勝9敗でも勝てるのがFX!【上村和弘のFX基本講座】、マネーゴーランド

■FXの1勝は、スポーツの1勝と少し話が違います!

まず、スポーツの1勝から考えていきましょう。野球の試合は、2対1で勝っても10対0で勝っても同じ1勝です。接戦も大差勝ちも1勝の重みは全く同等ですから、とにかく1点以上の差をつけて勝つことが大事。もし、大差をつけて勝っても、甲子園やプロ野球の優勝戦線においてほとんど意味がありません。

ところが、FXは、同じ1勝でもトレードごとに価値がまったく違います。10銭の利益を得た勝ちと1円の利益を得た勝ちでは、同じ勝利でも利益に10倍の違いがあります。しかも、同じ利益幅だったとしても取引額を変えれば、最終的な利益は変わってくるのです。

FXの利益計算は、【(売値-買値(損益幅))×取引額】ですから、損益幅と取引額が変われば、得られる利益は違ってきますよね。
(関連記事:第15回「上下の動きにチャンスあり」

■勝率は1勝9敗でも5勝5敗でもOK!

そうなると、FXで全勝を狙いに行く必要がないことも分かってきます。実は勝率を上げるだけならば簡単。損切りを一切しなければ全勝することもできます。ただし、その場合、為替相場がポジションと逆方向に動いて、戻ってこなければ大損して退場するしかなくなります。そのため、損切りしない事を前提にした取引は現実的ではありません。

つまり、FXで利益を出すためには、「勝率とリスク・リターンの関係」をどの程度にするか方針を立てることから始まるのです。

勝率の高い低いで2つのパターンを作ってみました。

A:高い勝率=ポジションの損切りを遅めに、利食いを早めに行う。
B:低い勝率=ポジションの損切りを早めに、利食いを遅めに行う。

表にするとこんな感じ。
FXで全勝を狙いに行く必要、マネーゴーランド

高い勝率を目指すには、損切りを出来るだけしないために、利益小幅で損失大のパターン。低勝率はその逆で、利益を大きく損失を小さくすることを狙います。

FXビギナーの方が行う取引は、自然に高い勝率を目指すAパターンになりがち。人間心理として、どうしても利食いは早めに損切りは遅めになりやすいためです、さらに、勝率まで低くなれば負けあるのみ。コツコツ稼いでいきなりドカン(*)と大負けするのが良くある失敗パターン。

■ビギナーは利益を伸ばす方向を目指そう!

最終的に勝率を高くして生き残っているトレーダーがいることも事実。しかし、ビギナーの方は、自分自身のメンタルトレーニングのためにも、まずBパターンを目指しましょう。
10円ずつ9回負けても、1回100円勝てば儲かりますね。

えっ、「損切り早めで利食い遅め」なんて、簡単にできるよと思ったあなた。実際にやってみてください。利益が少しでも出ると、もう、心はドキドキワクワク、決済して利益を確保したくてたまらなくなりますから。逆に損失が増えていくと、もう少し戻ってから決済しようと、損切りが中々できません。

FXを取引すると、自分自身の心の弱さを嫌という程に思い知らされます!

デモトレードもしくは少額取引で売買経験を積むことで、ちょうど良い勝率バランスを身に付けられます。また、上手に負ける事に慣れましょう!
次回は、より具体的な利益と損失のバランスをご紹介いたします。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:コツコツドカン
投資において、何回も売買して積み上げた利益をたった1回の負けで全て無くしてしまうこと。時には、利益どころか投資資金のほとんどを失ってしまうケースもあります。これを防ぐには、必ず損切りを設定することが一番良い方法です。

【上村和弘のFX基本講座】
全バックナンバーはこちらから
●第4回 FX会社はどうやって儲けるのか?
●第5回 FXはぶっつけ本番で始めると損しやすい
●第14回 米国の雇用統計はFXのフィーバーデー! 月に一度のビッグイベント!
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