未納でも逃げ切れる?税理士が解説「税金に時効はあるか」嘘と真実

6888.jpg

国民の三大義務のひとつとして、納税の義務があります。
しかし、税金そのものに時効というものは存在するのでしょうか?

■税金に時効はあるのか?

結論から言いますと税金にも時効はあります。
国税(所得税、法人税、消費税、相続税、贈与税など)の時効までの期間は4種類ありまして、該当する税目の申告期限の翌日から3年、5年、6年、7年となります。

ではどのような時に何年の期間が適用されるのでしょうか?

■適用される時効までの期間

(1)3年
期限内申告をしていた場合にこの期間が適用されます。
例えば、平成27年分の所得税の確定申告の場合、申告期限が平成28年3月15日になりますからそれまでに申告書を提出していれば、時効成立はその翌日から3年後の平成30年3月15日となります。

(2)5年
期限内申告をしていない場合に適用されます。
上記の例でいきますと平成32年3月15日になります。

(3)6年
平成16年以降の贈与税の場合です。
贈与税の申告期限も所得税と同じですので、上記の例ですと平成33年3月15日となります。

(4)7年
上記(1)~(3)の各区分についてそれぞれ脱税の意志があった場合は、一律7年となります。

■7年経過すれば無罪放免?時効の中断・停止は?

上記の各期間を見てみると、最長でも7年経過すれば脱税しても無罪放免になりそうです。
ところが、実際はそんなに甘くありません。その理由としていくつかあげられますので、以下で確認していきます。

(1)時効の中断
税務署が未納税額を把握できず、そのまま何も音沙汰なく時が経過してしまった場合に時効が成立となりますが、途中で催告状や督促状などが届いている場合、差押えがあった場合、一部の納税した場合などは時効が中断されます。

時効成立はこれらの措置があった翌日からの再カウントとなりますので、通常はそのまま時効成立とはなりません。

(2)時効の停止
本税を払ったものの延滞税がある場合です。この延滞税については時効が停止されていますので、何年経過しようが時効はやってきませんし、本人が死んでも相続対象となり相続人に引き継がれます。

(3)相続発生、不動産の購入
数ある税目のうち贈与税については、税務署がタイムリーに捕捉しにくい税金となります。そんな贈与ですが、あるきっかけで明るみに出てきます。
そのきっかけが、「相続の発生」や「不動産の購入」です。相続税の申告を行うと、比較的高い確率で税務調査が行われます。

たとえば10年前に夫から収入のない妻(相続人)に1000万円の資金移動あったとします。
この場合税務調査では、これが亡くなった夫の資産(名義預金)とされ相続税の課税対象とされます。これに対し妻が相続税の課税を避けたいがため、自分のお金だと主張するにしても、この資金移動を10年前の贈与であり時効が成立していると主張するとしても、贈与契約書の有無や家計の状況などから合理的に説明できない限り、どちらにしても認められる可能性は低いでしょう。

また、住宅ローンを利用せずに不動産を購入した場合は、資金の出所についての税務署からお尋ねがきます。
自己資金以外の場合は当然どこから調達したのかが争点となります。

こうして贈与時には税務署が分からないだろうと思って申告せずに置いておいたものがあぶり出されて、結果として相続税の課税対象になってくる場合があるのです。

■未納税の時効成立は簡単にはいかない

以上のように実際はいくつものハードルがあり、時効成立までには遠い道のりとなります。
未納税額に対しては以前ご案内した「税金を払わないとどうなるか?」にもありますように、本税の他に様々なペナルティが追加されます。

また、時効を理由に払わずに逃げ切ろうという意図的な行為は脱税となり犯罪となります。
この場合、逮捕され禁固刑や罰金刑などを課される可能性が生じます。

そもそも時効を充て込んで税額を浮かせようなどと考えるのではなく、特に贈与など住宅取得等資金や教育資金などをはじめさまざまな特例がありますので、それらの制度をうまく使って正しく申告した方が、結果的に税額が安く済むということになる場合が多いのではないでしょうか。

<未納の税金がありそう・・・とりあえず相談できそうな税理士を探してみる?>

<関連記事>

画像一覧

  • 税金に時効はあるのか?

執筆者

小山潤 税理士

青山学院大学卒業後、会計事務所、上場企業財務部の勤務を経ながら税理士資格を取得し、2010年4月に独立開業。法人、個人の申告業務や税務相談、相続対策、事業立ち上げ相談などのコンサルティング業務等を中心に業務を行う。最近では雑誌のコラムや書籍の執筆、セミナー講師などの業務も積極的に行うことで税務情報の発信にも努め、困った時の相談相手として最初に思い出してもらえる人を目指して取り組んでいる。

小山潤

関連記事

特集

関連記事

税金を払わないとどうなるか?

 みなさんご承知の通り、税金の支払いには期限があります。国民年金などまとめて払うと少し割引になったりするものもありますが、税金ではそういったオマケはありません。また、期限での支払は原則現金一括払いです。

 しかしながら、単に忘れていたり、資金繰り上どうしても期限までに払えないこともあるかもしれません。その場合、課税の公平性を保つため、きちんと申告・納税した人とは区別して一定のペナルティが課されます。以下でその内容を詳しく見ていきましょう。

1.ペナルティの種類とは
 本来支払うべき税金を本税、本税以外のペナルティを附帯税といいます。附帯税にはいくつか種類があり、納税できていない原因によって加算税、延滞税、利子税と種類が分けられています。

2.加算税
 加算税は税金を納付しなかった場合に課されるもので、下記の4種類あります。

 (1)過少申告加算税
  期限内に申告したものの、申告税額が少なかった場合です。ペナルティの金額は、追加納税額の10%。ただし、当初申告額もしくは50万円と比較して多い金額を超える部分は15%が追加で課税されます。

 (2)無申告加算税
  期限内に申告も納税もしていない場合。ペナルティは50万円までは15%、50万円超は20%追加で課税されます。ただし税務署から指摘される前に自首(申告と納税)した場合は、5%に軽減されます。

 (3)不納付加算税
  法人や個人事業主が源泉徴収した所得税が納税されなかった場合に課税され、ペナルティは本税の10%です。(2)同様、自主完納した場合は5%に軽減されます。

 (4)重加算税
  上記(1)~(3)いずれかの加算税が課される状態で、その原因が脱税など事実の隠蔽や仮装により申告した場合もしくは申告しなかった場合です。
 この場合は、(1)に代えて追加本税の35%、(2)に代えて納付すべき税額の40%、(3)の代わりに、納付すべき税額の35%がそれぞれ加算されます。

3.延滞税・利子税
 これらは共に本税に対する利息的な性質があるので混同されがちですが、明確に違いますので区別してください。
 延滞税は期限内申告をしたものの、納付期限までに納税できなかった場合や納めた税額に不足があった場合など完納できていない場合に課されるもので、納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて税率が決められています。

 一方、利子税は延滞税のような納税の遅れではなく、申告・納税期限の延長・延納の手続きをしてその許可があった場合、延納額に対して課されるものです。これは、延納することによって、納税者が納税資金の運用による利益の発生がないよう配慮したものです。

 以上のように期限までにきちんと納税できないと、かなり高く付いてしまいます。また、これらペナルティの通知や督促を受けても無視し続けていると財産の差し押さえということになってしまいます。ちなみに自己破産しても、税金は免責されませんのでご注意を!

住民税&確定申告に注意!「副業が会社にバレない方法は?」税理士が解説

会社員であっても副業をする人が増えています。それと同時に「副業を隠したい」と思う人も増えているようです。
今回はそのようなテーマについて、税理士である筆者がご紹介いたします。

■副業を隠したい理由は2つ

なぜ副業を隠したいと思うのでしょうか? 副業をバレないようにするという目的は、下記の2つあります。

  1. 副業の事実や、その種類、所得金額を会社にバレたくないというもの
  2. 副業による所得に課税されたくないという意味で、(税務署に)バレたくないというもの

会社に収入がバレるのが嫌だというのはわかりますが、就業規則で副業禁止となっていればそれ以前の問題で、懲戒処分など取り返しのつかないことになってしまいます。

一方で、税金を納めたくないから副業がバレたくないということは、
「急いでいるから赤信号で止まりたくないし、つかまっても違反切符を切られたくない」
というのと同じくらい、短絡的な主張です。
自分がパトカーのような特別な存在になるか、ルールそのものを変えない限り課税は免れません。

こうした問題をはらむテーマであるので、本稿では脱税や就業規則違反を助長したりお勧めするものではないことを前提に、以下の内容につきましても誤解のないようにしてください。

■副業が会社にバレる原因

2.の目的はそもそも脱税行為になりますのでここでは取り上げませんが、副業が勤務先にバレる大きな要因の1つとして「住民税の金額」があげられます。
通常、会社勤めですと税金が給与から源泉徴収されます。所得税は副業部分を含まない税額が控除されるのに対し、住民税は副業部分を含んだ金額になってしまうためです。

つまり、給与金額が同じなのに、副業収入の有無で住民税の金額が異なってしまうので、給与事務担当者がこれを見た時、「給与以外の収入がある!」と判明するのです。

■副業にまつわる勘違い実例とそのリスク

勘違いその1;20万円以下ならOK?
副業の収入金額が20万円以下であれば、「所得税」の確定申告は不要になります。
しかし「住民税」の申告は不要ではないので市区町村に対して申告しなければなりません。

たとえば「金額が少ないから住民税も申告しなくていい?」とおっしゃる方がいますが、これは脱税行為になりかえってバレやすくなることもあります。
特にアルバイト・パート代、原稿料や外交員報酬などは、支払側が税務署や市区町村に『どこの誰にいくら払ったか』を毎年報告しているので、もらった側で申告しないとすぐにわかってしまいます。

勘違いその2;現金で受け取ればOK?
こうお考えの方、甘いですよ。
上記の理由からもお分かりのように支払いの事実は記録されますので、手渡しだろうと振込だろうと決済手段は関係ありません。

■会社にバレない対策はないのか?

では、なんとかして勤務先にわからないようにする方法があるのでしょうか?
残念ながらバレるリスクをゼロにする方法はありませんが、低くすることはできます。

上述したように、住民税の金額から副業がバレてしまいますが、この原因である副業部分の住民税を切り離して自分で納める方法があります。
そのためには、給与所得(アルバイト代、パート代、給与)以外の所得という条件付きですが、確定申告の際に住民税の納付方法を『自分で納付する(普通徴収)』を選択します。

これにより、本業給与分の住民税はこれまで通り天引きで、副業分の住民税は納付書が送られてきますので、自分で納付することが可能になります。

アルバイトなどの給与所得の場合は、うまくいくかどうかちょっと難しくなりますが、副業の勤務先の会社が支払調書を市区町村に提出する際に、住民税の徴収方法を『普通徴収』と記載してもらうようお願いしてください。

しかし「これで安心・・・」と、いきたいところですがなかなかそうもいきません。
理由は、役所の担当者の処理ミスなどで普通徴収を選択していても特別徴収扱いになってしまうことがあります。
筆者の実務経験上、ひどい年は10件に1件くらいの割合でしょうか。このことから、不安な場合は申告書提出後に役所へ普通徴収になっているかの確認はしておいた方が良いと思います。

ミス以外にも、最近は多くの自治体で特別徴収推進をしていて、普通徴収を認めないところもあるようです。
また、特別徴収と普通徴収に分けてくれたとしても、自治体によっては、会社へ通知する住民税額の用紙に副業分の住民税も普通徴収分税額として記載してしまうところもあるので、この場合は窓口で個別に相談や交渉するなどもう一苦労する必要があります。

■会社にバレる可能性を減らす方法まとめ

以上のことからリスクを減らすための方法としてまとめますと、

  • 所得の申告はきちんと行うこと</li
  • お住まいの自治体が特別徴収推進自治体になっているかどうか確認しておくこと
  • 就業規則の確認をしておくこと
  • 給与所得以外で副収入を得られるようにすること
  • 確定申告提出後に市区町村に普通徴収になっているかの確認をすること

以上のようなことが最低限必要です。

またここで紹介した例の他にも、実は友達や会社の同僚からバレるという場合も多いようです。
いずれにしましても脱税や過少申告などの脱法行為や就業規則違反による罰則など、ペナルティを受けて本末転倒にならないようご自身で判断するようにしてください。

<副業収益をどう処理してよいか不安?相談相手の税理士さんだけでも見てみる?>

引かれる税金が多い気が…FPが解説「賞与の税金&手取り額」計算法

サラリーマンにとっての最大の楽しみ「夏のボーナス」の時期がやってきました。ただ実際に支給されると、支給額と手取り額の違いに驚いたことのある人が多いのではないでしょうか。

なぜそんなにも手取り額が少なくなるのでしょうか。

■ボーナスから差し引かれるものは何?

ボーナス(賞与)は給与と同じく税務上は給与所得なので税金がかかります。サラリーマンの場合、健康保険料(40歳以上の場合は介護保険料も含まれます)と厚生年金保険料、雇用保険料がかかり、所得税がかかります。住民税が差し引かれないことが毎月の給与と違う点です。

■所得税額ってどうやって決まるの?

社会保険料は賞与の支給額(額面)をベースに計算されますが、所得税は、前月の給与の金額を参考に決まります。正確には前月給与から社会保険料控除後の金額を使用し、次に扶養親族の人数を確認します。

この2つの情報を基に、国税庁が発行する「源泉徴収税額表」に記載されている『賞与に対する源泉徴収額の算出率の表』から税率を求めます。
つまり、賞与(額面)— 社会保険料 − 所得税 = 賞与支給額となるわけです。

■ボーナス50万円だと手取りはいくら?

ではここで例として、東京都在住35歳(扶養親族が配偶者、賞与50万円、前月支給の給与30万円)の場合で計算してみましょう。

・課税対象金額と税率
300,000円 − 14,940円(健康保険料)− 26,742円(厚生年金保険)− 1,200円(雇用保険)= 257,118円
課税対象額は『賞与に対する源泉徴収額の算出率の表』より、所得税率4.084%とわかります。

・賞与に対する所得税
健康保険24,900円、厚生年金保険44,570円、雇用保険2,000円となり、社会保険料の控除金額は71,470円となります。
(500,000円 − 71,470円)×4.084% = 17,501円(円未満は切り捨て)

・賞与手取り額
500,000円 −(71,470円 + 17,501円)= 411,029円となります。

以上計算すると、ボーナスの約20%は税金と社会保険料で持って行かれてしまうのです。

■ボーナスの手取り額を増やす方法

ここまで説明してきた通り、賞与の所得税の計算には、前月の給与金額が大きく関わってくるということがお分かりいただけたと思います。

ということは、前月の給与が残業などして多くなると、課税対象の金額が増えるので税率が高くなる可能性があります。つまり、前月給与の残業代を抑える、可能ならばノー残業とすれば、差し引かれる所得税の負担を減らすことができ、結果的にボーナスの手取り金額を増やすことができるのです。

現在は、サラリーマンでもできる節税の方法がいろいろと紹介されています。賢く活用していきたいものです。

引かれる税金が多い気が…FPが解説「賞与の税金&手取り額」計算法

サラリーマンにとっての最大の楽しみ「夏のボーナス」の時期がやってきました。ただ実際に支給されると、支給額と手取り額の違いに驚いたことのある人が多いのではないでしょうか。

なぜそんなにも手取り額が少なくなるのでしょうか。

■ボーナスから差し引かれるものは何?

ボーナス(賞与)は給与と同じく税務上は給与所得なので税金がかかります。サラリーマンの場合、健康保険料(40歳以上の場合は介護保険料も含まれます)と厚生年金保険料、雇用保険料がかかり、所得税がかかります。住民税が差し引かれないことが毎月の給与と違う点です。

■所得税額ってどうやって決まるの?

社会保険料は賞与の支給額(額面)をベースに計算されますが、所得税は、前月の給与の金額を参考に決まります。正確には前月給与から社会保険料控除後の金額を使用し、次に扶養親族の人数を確認します。

この2つの情報を基に、国税庁が発行する「源泉徴収税額表」に記載されている『賞与に対する源泉徴収額の算出率の表』から税率を求めます。
つまり、賞与(額面)— 社会保険料 − 所得税 = 賞与支給額となるわけです。

■ボーナス50万円だと手取りはいくら?

ではここで例として、東京都在住35歳(扶養親族が配偶者、賞与50万円、前月支給の給与30万円)の場合で計算してみましょう。

・課税対象金額と税率
300,000円 − 14,940円(健康保険料)− 26,742円(厚生年金保険)− 1,200円(雇用保険)= 257,118円
課税対象額は『賞与に対する源泉徴収額の算出率の表』より、所得税率4.084%とわかります。

・賞与に対する所得税
健康保険24,900円、厚生年金保険44,570円、雇用保険2,000円となり、社会保険料の控除金額は71,470円となります。
(500,000円 − 71,470円)×4.084% = 17,501円(円未満は切り捨て)

・賞与手取り額
500,000円 −(71,470円 + 17,501円)= 411,029円となります。

以上計算すると、ボーナスの約20%は税金と社会保険料で持って行かれてしまうのです。

■ボーナスの手取り額を増やす方法

ここまで説明してきた通り、賞与の所得税の計算には、前月の給与金額が大きく関わってくるということがお分かりいただけたと思います。

ということは、前月の給与が残業などして多くなると、課税対象の金額が増えるので税率が高くなる可能性があります。つまり、前月給与の残業代を抑える、可能ならばノー残業とすれば、差し引かれる所得税の負担を減らすことができ、結果的にボーナスの手取り金額を増やすことができるのです。

現在は、サラリーマンでもできる節税の方法がいろいろと紹介されています。賢く活用していきたいものです。

ランキング