米8月雇用統計は微妙…今後の動きは?【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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■9月第2週の見通し(2016/09/05)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「米8月雇用統計は微妙な数字」

先週は注目の米8月雇用統計が発表されドルは一時下落したものの、最終的にドル円は上昇に転じました。今後の米国金融政策を左右するとの見方から注目された米雇用統計は、微妙な結果となりました。

非農業部門雇用者数が20万人以上であれば9月利上げの可能性がかなり高まったことでしょう。反対に10万人を下回るようなら可能性は無くなったことでしょう。今回発表の15.1万人増という数字は微妙としか言えません。まだ、9月利上げの可能性は残るものの、どちら付かずの数字でした。

しかし、その分だけドルの上昇余地は残ったといえるかもしれません。

一方、NY株式市場は早期利上げ期待が後退したとの見方が強まり3指数ともに上昇しました。株価が上昇するというのはリスク選好が強まるという事で安全通貨としての円が売られました。FRBが9月に利上げを実施するかを予想するうえでは今後の米国経済指標やFOMCメンバーの発言などを見極める必要があります。

今週は米国8月ISM非製造業景況指数ベージュブックが発表されます。先週の米ISM製造業指数は予想を大きく下回りドルが全面安となりました。もし、今回も好不況の分かれ目となる50を下回るようなら早期利上げは難しいとの判断からドル売りが強まることでしょう。

一方、ベージュブックは国内や雇用など緩やかな景気回復見通しが示される可能性が高いとみられています。ベージュブックはFRBも政策を決定する上で注目していることから、結果次第では早期利上げ観測が高まりドル買いが強まることになるでしょう。

その他、今週は再び、ユーロ中央銀行ECB豪州中央銀行RBA、そしてカナダ中央銀行のBOCの政策決定会合が開かれます。ECBは既に3月の会合でマイナス金利を0.4%まで引き下げたことで当面追加利下げの可能性を否定しました。

一方、日銀は量、質、金利ともに未だ引き下げる余地が十分あります。そのため、ユーロを売って円を買う動きが先週から強まり始めています。もし、今回も追加緩和を見送るようならユーロ円の買いが強まりドル円の押し上げ要因となりそうです。

ドル円はブレグジット後に安値99円を付けたものの、その後ドル円は100円の底を固めて上昇が続いています。

今週のドル円は米利上げ期待からのドル買い継続の中で円安の流れが重なりあい105円を目指す展開を予想します。

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  • 米8月雇用統計は微妙な数字!【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

執筆者

岡安 盛男 (おかやすもりお)

レグザム・フォレックスLLC (http://fx-okayasu.com/)代表、為替アナリスト                                                 外資系銀行に20年間在籍、1999年より為替デイトレーダーとして独立後は、 自身のトレードスタイルを確立、実践的な為替投資の啓蒙活動の他、FXスクール講師やFX会社向けの情報提供サービス、投資家向け情報レポートを展開(http://www.gladv.co.jp/members/fx_bible/)。ラジオ日経「岡安盛男のFXトレンド」、日経CNBCの「朝エクスプレス」など出演中。執筆多数。

岡安 盛男

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「米利上げ期待と雇用統計」

先週末に行われたジャクソンホールでのイエレン議長講演で、ドルは全面高となりました。
週末のイエレン議長の講演を控え、先週は多くのFOMCメンバーがタカ派的な発言が相次ぎました。
ジャクソンホールの会合では毎回歴代のFRB議長が重要なメッセージを発する絶好の舞台になります。

市場ではイエレン議長が利上げに対して前向きな発言をするか注目が集まりました。しかし、大方は利上げに関して特に目立った言及はないという見方が多く、あまり期待は高まりませんでした。ところが、市場の予想と反しイエレン議長は「米国雇用市場が改善し、追加利上げの条件は整ってきた」と発言。これを受けドルは一斉に買われました。

その後「FRBの金融政策はデータ次第」との慎重な見方を示したことでドル円は100円直前まで反落。ところが、そのすぐ後にフィッシャー・セントルイス連銀総裁が「8月の雇用統計がFOMCの決定に影響を与える」「イエレン議長の発言は9月利上げの可能性と整合」の発言で早期利上げ期待から再びドルは全面高となりました。
ドル円は一気に101円台に乗せ101円後半まで上昇しほぼ高値圏で引けてきました。

これまで市場は夏休みという事もあり、おとなしい動きが続いただけにエネルギーが溜まっているように見えます。そのため、今週のドル円は週末の雇用統計発表まではこの流れを継いで底堅い動きが継続すると予想されます。

一方で、米国が追加利上げを実施することにより、中国や新興国から資金が流出するとの見方が強まり株式市場が急落するといった懸念もあります。
FRBが今後も利上継続の可能性を示したことで、今年1月に中国株式市場が混乱に陥り世界的金融市場のリスクが高まるという経緯がありました。
今回も同様のことが起きればリスク回避の円高が進み、ドル円は再び100円割れを試す状況に陥りかねません。

尤も、今回の状況は前回とは違い市場の混乱はないと考えます。イエレン議長など他のFRBメンバーも今後は緩やかな利上げが適切であると繰り返し発言しています。そのため、新興国からの資金が急速に流出する可能性は低いと考えられます。
今週の雇用統計の結果次第で9月利上げの可能性が一気に高まりドルは一段の上昇が見込めます。しかし、それ以降は利上げペースが遅れるとの見方からドルの上値も限定的とみます。
雇用統計がもし予想を下回り、ドル円が売られたとしても100円の壁を下に抜けるのは難しそうです。

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「米国経済指標の悪化でドル安円高リスク燻ぶる」

先週末のNY時間に発表された米国7月小売売上高や卸売物価指数が予想を大きく下回ったことでドルは全面安の展開となりました。
それまで102円台前半で底堅い動きが続いていたドル円もこの結果100円84銭まで下落。引けにかけて買い戻しが入り辛うじて101円台前半をキープしましたが、上値の重さを確認した格好となりました。

市場はこの経済指標の悪化からFRBによる年内利上げが難しくなったとの判断からドル売りに傾きました。しかし、NY株式市場は先週一週間を通してNYダウやS&Pは史上最高値を何度か更新するなど、堅調な地合いが続いています。また、一時1バレル40ドルを割り込んだ原油価格も44ドル台に上昇するなど、市場に安心感が広がりました。

先週末から日本勢はお盆休みに入ったトレーダーが多く見られました。世界的にみても既に夏休みに入ったところが多く、市場の流動性(取引額)は大分低下し始めています。そんな状況下でちょっとした材料が出ると市場は過剰に反応しやすくなるものです。
先週末のドル安もそのような状況下での動きとみることが出来ます。

しかし、ドル円に関しては常に円高リスクが燻ぶることから、投機筋にとってはドル売りを仕掛け安い地合いとみるでしょう。
ドル円の100円というレベルは心理的にも非常に重要になります。このレベルを下抜けしてしまうと当面円安には戻らず、95円付近まで一気に円高が進んでしまうのではという見方も多く聞かれます。市場はセンチメントによって同じ指標などでも全く異なる反応を示すようになります。
市場に悲観的な見方が広がっている時にはちょっとした悪材料でも大きく売られてしまいます。反対に、楽観的な見方が多い時には悪材料には殆ど反応せず、寧ろ買いを入れてくることも多く見られます。
先週の市場をみると株式市場や原油市場は堅調なだけに楽観的な見方の方が多いように見られます。

今週は先週末のNY市場の流れを継いでドル円は上値の重い展開で始まると予想され、週初ドル円は売られやすい状況で始まりそうです。しかし、このような薄商いのなかではどちらかに大きく動いたとしても、最終的に元のレベルに戻ってしまう事がよくあります。
今回も、特に市場が悲観的に偏っているわけではありません。一旦ドル円が下落したとしても100円台の底堅さが確認されれば、買い戻しが入る「往って来い相場」になりやすいものです。
一方的な見方に偏らないようにしたいものです。

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イエレンFRB議長発言と米GDP改定値に注目! 【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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「イエレンFRB議長発言と米GDP改定値に注目」

先週ドル円は心理的な壁とみられていた1ドル100円を割り込み99円55銭まで下落しました。夏休みの薄商いという事もありましたが、それだけドル安と同時に円高も進みやすい地合いにありました。

8月15日は日本の機関投資家などによる米国債の利払いや償還もあり纏まったドル売りが出ました。また、前週末に発表された米国小売売上やPPIが予想を大きく下回ったためにドルが急落した流れもありました。ちょうど日本がお盆休みで薄商いのなかでドル円の下落が続きました。

今週発表された米国7月CPIも予想を下回ったことでドル円は100円を下回り99円55銭まで下落。6月24日のブレグジットショックで付けた安値99円00銭に迫りました。

しかし、その直後にFOMCメンバーのロックハート・アトランタ連銀総裁が利上げに前向きな発言をしたことで買い戻されました。その後もFOMCの複数ンメンバーがそれぞれ異なる発言が相次ぎました。先週公表されたFOMC議事要旨でも複数のメンバーの意見の違いが明らかとなり、メンバー全員の意見が纏まらない中でFRBの利上げは難しいとの見方が広がりました。

今週は週末にジャクソンホールでイエレンFRB議長の発言に市場の注目が集まります。各メンバーが何を言おうが、やはり議長の発言の市場への影響は比較になりません。最終的なFRBのコンセンサスが利上げに前向きかどうかを判断する重要なイベントになります。

また、イエレン議長の発言に先立ち、この日は米国4-6月期GDP改定値が発表されます。先月発表されたGDP速報値は1.2%と予想を大きく下回ったことで利上げは難しいとの見方が広がりドルが全面安となりました。それだけに、今回のGDP改定値は市場の注目を集めます。

予想は1.1%と前回よりも低下していますが、これは既に市場は織り込んでいます。もし、今回も予想を下回るようならドル円は99円を割り込む可能性が高まります。反対に、前回の反動で予想を上回るようならドル買いのが進むでしょう。

ただ、その後のイエレン議長の講演内容を見るまではどちらにしても一方向に傾けにくく、どちらにも動きにくいでしょう。結局、GDPの結果とイエレン議長の発言内容を合せて今後のドルの方向性を見極めることになります。

市場は既に年内利上げは難しいとの見方が大勢になっています。もし、利上げに慎重な姿勢を示したとしても、ドル円は今年の最安値となる99円で一度は跳ね返されると予想しています。

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▼30秒でわかる!8月第4週、今週の為替市場の見通しはこちら!

為替変動の要因&ビギナーが見るべき項目は【上村和弘のFX基本講座】

この連載を読んでいけば、FXの経験が無い方もFXビギナーの方も一定のFXトレーダーになれる! 知っておくと便利な事やFX知識として重要な事、そしてお得な情報までを解説するシリーズ【上村和弘のFX基本講座】。

為替相場の変動要因、金利や株式、経済成長、有事(戦争・政治不安など)、市場介入、物価など、たくさんあります。それぞれが影響しあって上がったり下がったりしています。

最初から全ての要因を見ていくのは大変。そこで、短期と長期における為替相場の決定的な要因をお伝えしたいと思います。

■重要な変動要因は金利差と物価差の二つ!

ビギナーの方はこの二つをまず見るようにしてください。そして、「短期は金利」・「長期は物価」で為替相場が動くということを覚えておきましょう。

■短期の為替相場は金利差で動く!

短期の為替相場は、これまでも中央銀行の金融政策でご紹介してきたように、金利差で動きやすい傾向を持ちます。(関連記事:第18回「米ドル/円相場の割安度は?」第19回「FOMC利上げの内容と対策」)

短期の為替市場の法則:高金利通貨は買われて、低金利通貨は売られる。

単純な話で、高金利通貨で運用すれば、低金利通貨で運用するよりも有利。例えば、3%の金利を貰える通貨の方が、1%の金利しか貰えない通貨よりお得です。ですから、中央銀行が金融政策で金利を上昇や引き締め方向(*)にすると、その通貨は高くなりやすいというのがセオリー。

ここで、それなら、低金利通貨の日本円はどうなの? 金利が低いから円安になるのでは?と思いませんか。また、南アフリカやトルコのように、金利の高い国の通貨を買えば、何もしなくても儲かるの? と疑問を持った方もいるはず。
そうです。短期の動きは、金利の高い通貨が上がり、金利の低い通貨が下がるのに、長期の動きはその逆になります。

■長期の為替相場は物価差で動く!

長期の為替相場は物価差で動く、上村和弘のFX基本講座、マネーゴーランド

高金利通貨を買えば、金利と為替差益で大儲け。それが上手くいかないのは、長期的な為替相場は、両国の物価差で動き易いからです。そして、高金利=高物価なので、高金利通貨はいずれ下がるリスクを抱えています。

高金利は、実は高いインフレ率の裏返し。インフレは、通貨の価値が下がること。ちなみに、今の日本は逆にデフレ状態が長く続いており、通貨の価値が上昇し物の価値が下がる状態。

長期的な為替相場の動きとしては、高金利=高インフレの通貨は下落しやすく、低金利=低インフレの通貨は上昇しやすいということになります。

先日、お伝えしたブラジルレアルが長期的に下落したのも、低金利通貨の日本円が100円レベルで滞在して動いているのも、為替相場の基本的なセオリーなのです。大まかに理解頂けましたら幸いです。

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:金融政策の引き締め
インフレや景気の過熱・バブルを防ぐために、中央銀行が金利を上げたり、通貨供給量を抑えること。逆に金利を下げたり、通貨供給量を増やすことを金融緩和という。

【上村和弘のFX基本講座】
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●第34回 テクニカル分析はなぜ当たるの?
●第39回 FX注文の基本「成行・指値・逆指値」とは?
●第40回 FX注文の基本2「複合注文」で安定運用を!
●第43回 五輪開催中!ブラジル通貨レアルは今買い?
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