元証券会社社員が指摘!危険なセールストークと本気の投資信託とは

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・投信ニュース

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12016年上半期、「新しい投資信託」が半減

2「乗り換えて損を取り戻しましょう」裏返せば「手数料を頂きます」

3乗り換え販売ビジネスに、金融庁のメス

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「投資信託は長期投資で」と言われます。けれど現実はギャップが大きく、日本の投資信託の多くが短期売買されてきました。

しかし、ようやく本気で長期投資の風が吹いてきたようです。2016年7月29日付の日本経済新聞朝刊によると、2016年上半期に新しく設定された公募追加型株式投資信託の金額が、前年同期より半減した(日興リサーチセンター調べ)というのです。

■「新しい商品が出ました」のセールストークが横行

筆者は1990年から2002年まで、証券会社に勤務していました。バブル崩壊とともに投資信託も転落、お客様にはひたすら頭を下げるばかり。値下がりした投資信託を解約し新しく設定される投資信託を買って頂く、「乗り換え販売」が横行していました。

「新しい商品が出ました。値下がりした投資信託を解約して、新しい投資信託で損を取り戻しましょう」

しかし証券不祥事を経てコンプライアンスは厳しくなり、相応の理由がなければ投資信託の乗り換えはできなくなりました。証券会社は、お客様の資産を売買するビジネスから資産管理をメインに舵を切ったのです(そのため、「ラップ口座」なる別のビジネスモデルが誕生します)。

一方で、それまで投資信託を販売できなかった銀行で、投資信託の取り扱いがスタート。預金とローンでは商売にならない低金利の中、銀行の窓口で「新しい商品が出ました」のトークが聞かれるようになりました。

■購入時の手数料は販売会社の儲け

投資信託の多くは「購入時手数料」がかかります。投資元本の0%~3%程度で、証券会社や銀行などの販売会社に支払います。投資信託を買えば、その都度です。売買を繰り返すより、一度購入した投資信託を長く持ち続けた方が、相対的に購入時手数料は割安です。

投資信託の販売会社は、顧客の乗り換えが頻繁であるほど、同じ投資元本で何度も手数料を頂けます。そこに金融庁のメスが入りました。

■2012年から金融庁による投信制度改革が始まる

制度改革では、投資信託の乗り換え時に説明を徹底すること、顧客が説明を理解できるよう資料を分かりやすくすること、顧客の利益を最重視すること、などが定められました。

2016年上半期に「新しい投資信託」が半減したのは、その成果とも見られています。今度こそ、金融機関の姿勢は正されるでしょうか。

「新しい」が選ぶ理由なのではなく、「品質の良さ(つまり運用が上手)」が投資信託を選ぶ理由であるのは、言うまでもありません。

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執筆者

石原敬子

CFP® 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 専修大学文学部人文学科心理学コース卒業後、証券会社で約13年の営業職勤務。その後2003年 1月にFP事務所を開業。「使うこと」に焦点を当てた個人相談、金融や資産運用を分かりやすく話すセミナーと書籍やコラムの執筆を行う。 http://www.keikoishihara-fp.jp/

石原敬子

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■A:投資といっても様々な種類があり、それぞれ違いがあります。

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みなさんも中古の家や空き地に、「この家(土地)売ります」という看板が何カ月も立っているのを見たことがあるかと思います。不動産は、扱う金額が大きい上に、それぞれがオリジナルのオーダーメイド商品です。立地・間取り・設備など一つとして同じ商品がありません。そのため、売買が成立しにくい特徴があり、一般の人は手を出しにくい投資商品ですね。

そして、ピラミッドの下方、FX・株式・預金などは、売買がしやすいように、一定の規格が定められた投資商品です。そのため、FX・株式・預金などは、どこの会社で取引しても、ほぼ同じ商品内容を持っています。そのため売買しやすい・少額で取引できるという特徴を持ちます。

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主な投資について、投資対象・元本保証・運用方法の3つで表を作ってみました。
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投資信託や銀行預金は、お金を預ければ、あとは金融機関の専門家たちに任せて運用してもらうことになります。ここがFX・外貨預金・株式との大きな違い。

また、銀行預金が他の金融商品と違うのは、預けたお金が減ることはない元本保証ということ。FX・外貨預金・株式などの金融商品には、元本保証はありません。つまり、儲かることもあれば、預けたお金が減ることもありえるということ。

■自分に向いた投資を選ぶには?

「1円たりとも損したくない」という方は銀行預金。「お金を増やしたいけど、時間も知識もない」という方は投資信託。「銀行預金ではほとんどお金が増えない。積極的に投資をしてみたい」という方は、株式・FXが向いている金融商品です。

本連載では、FXを中心にこれからも投資に役立つ内容をお届けします。

参考
●リスクが怖い…初心者の疑問に答えます【1万円で始める初心者FX】
●FXって何…初心者の疑問に答えます【1万円で始める初心者FX】

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分配金がダウン…!分配型投資信託で今起こっている異変とは?

「毎月決算型」と呼ばれる、投資家に毎月比較的高めの収益分配金(以下、分配金)を支払う投資信託に、異変が起こっています。

「比較的高めの」と表現した分配金額の引き下げが相次いでいるのです。理由は、最近の金融・経済環境で、思うように運用できなくなってきたため。投資環境が良かった頃と同じ水準の分配金額を支払うことが難しくなりました。

■分配金の基本は「運用の結果次第」

「毎月決算型」「毎月分配型」の分配金が高い間は、特にご年配の投資家から、「運用中に定期収入が得られる」と大人気。

それは投資対象の経済に成長期待が高まっていた時期です。新興国の株価は上がり、金利は高く、投資家の資金が新興国に集まるがゆえに為替も上昇していました。先進国の国債も、現在ほど低くはありませんでした。

しかし、世界情勢の変化で投資環境が悪くなり、一定の運用成果が得られなくなりました。

分配金は、「期中収益分配金」ともいいます。その決算期間中に得られた収益を投資家に分配するものです。毎月決算を行うということは、1ヵ月ごとに運用の結果を出すということ。決算で損失となった場合は、本来は、投資家に支払える分配金などないはずです。

しかし実際は、「毎月分配型」の1ヵ月の運用があまりよくなかった月でも、良かった月と同じ分配金を支払ってきました。1ヵ月間でマイナスになった月ですら、多くの投資信託が分配金を支払い続けてきました。

■なぜ、運用がうまくいかない場合も分配金を払えるのか?

投資信託は、運用の良しあしの波はある程度想定しています。結果の良かった月に収益の全部を投資家に分配してしまわず、運用財産の中にある程度資金をプールしておくのです。これを「分配余力」といいます。分配余力は、決算で公表されています。

毎月の決算が芳しくなくても、一定の分配余力があれば、それを取り崩して投資家に分配できます。しかし、相場が悪くなり分配余力が細ってきたため、毎月の分配金の額を見直し、減額する投資信託が増えてきたのです。

■投資信託の品質維持には必要な措置

毎月あてにしていた分配金収入が減って、がっかりしている投資家も少なくないでしょう。しかし分配余力が少なくなれば、その投資信託の運用の品質を保てなくなります。相場に応じた適切な分配金の減額は、投資信託の運用状態を良好に保ち、長く維持できるための措置と考えたら、むしろ喜ばしいことなのです。

株式投資で銘柄を選ぶ際にはIR活動もチェックしよう!

証券取引所に登録している“上場会社”の株は、誰でも買うことができます。投資家は、上場会社の業績や経営の状態などの情報を総合して、その会社の株を「買う」あるいは「売る」という判断をします。ですから、上場会社はこうした情報を公表しなければなりません。

■基本は「有価証券報告書」

情報提供の手段として最も基本となるのが“有価証券報告書”です。上場会社は年に1回、有価証券報告書を作成して財務省に提出することが義務づけられています。これには、事業内容、子会社・関連会社、株式の総数や大株主、設備の状況などとともに、利益や損失、会社の保有する資産の状況などの決算書が掲載されています。
有価証券報告書や決算書は、各上場会社のホームページなどで見ることができます。

有価証券報告書はページ数が多く専門的な内容であるのに対して、株主向けの“事業報告書”は、会社の業績や決算の内容などが図表などで簡潔にわかりやすく書かれています。事業報告書はその会社の株主に送られてきますが、各社のホームページに載っているので、株主でなくても見ることができます。

■IR情報をうまく利用しよう

有価証券報告書や事業報告書など制度として義務づけられた情報提供のほかに、会社が自主的に投資家に対してさまざまな情報を発信することをIR(アイアール)といいます。“I”は投資家(Investor)、“R”は関係(Relationship)を表します。

上場会社は、ホームページにあるいは<投資家のみなさまへ>などといった項目を設けて、投資家へ向けた社長のメッセージや、業績見通し・新商品情報など投資の判断につながるニュース、株主総会や決算発表のスケジュールなどを掲載しています。

さまざまな情報を提供して会社のことをよく知ってもらい、ファン株主を増やすことがIRの目的の一つです。ファン株主は株を長期にわたって保有してくれる傾向があります。長期安定株主が増えることは経営の安定につながるのです。

投資家や株主に対する情報提供が充実しているだけでなく、株主優待を設ける、株主総会のほかに決算説明会を開催する、株主向けの広報誌を発行する、株主を対象とした工場見学会を開催する、など、IRに熱心な会社は、株主を大切にする会社と考えられます。

株式投資で銘柄を選ぶときは、その会社のホームページを見て、どんな会社なのか、業績はどうかなどをチェックするとともに、どんなIR活動を行っているかも見てみるとよいでしょう。

「REIT」と「REITファンド」は別物! その違いとは?

投資信託には、「REITファンド」という種類があります。「○○REITファンド」「●●REITオープン」が、それです。さまざまな資産に分散投資をしたい場合、株式以外の有力候補として、目にする機会も多いでしょう。

この「REITファンド」は、上場しているREIT(Real Estate Investment Trust=不動産投資信託)と似て非なる金融商品です。今回は、その違いをお伝えします。

■「REITファンド」と「REIT」の違い

庶民でも不動産投資ができる! 「REIT」とは?』の通り、REITは不動産に分散投資をする投資信託で、証券取引所に上場しています。東京証券取引所つまり「Japan」に上場している「J-REIT」や、海外の市場に上場するREITがあります。

では、「REITファンド」とはどのような金融商品なのでしょう? REITと何が違うのでしょうか。

「REITファンド」は、投資家から集めた資金で、複数のREITに分散投資をする投資信託です。複数の不動産を買い集めて1まとめの運用資産となったREIT。国内外に数多く存在するREITのうち、投資信託会社が運用方針に合うものを選び、いわば「REITをパック詰めにしたファンド」となったものが、「REITファンド」なのです。

「REITファンド」には、日本の「J-REIT」だけに投資する「J-REITファンド」や海外のREITを集めた「グローバルREIT」、地域を絞った「米国REIT」「アジアREIT」などがあります。

■「REITファンド」は複数のJ-REITに投資できる

東証上場の「J-REIT」だけでも50銘柄以上。数万円で1つ「J-REITファンド」を買えば、複数のJ-REITに投資できます。J-REITが複数の不動産に投資しているうえ、「J-REITファンド」がJ-REITを複数組み合わせており、さらなる分散投資になります。

一般に、個人の資金では不動産を買い集めて投資対象先を分散させるのは難しいですが、「REITファンド」なら、少額で分散投資ができ、リスクを抑えられます。

■個人が縁遠い地域への不動産投資が可能

また、地球の裏側で土地の値段が上がりそうだからその地域の不動産に投資をしたい場合でも、個人投資家がその地域に出向いて現状を調べるのは至難の業。「グローバルREIT」は現地の情報収集や物件の評価・分析などを専門家が行います。個人投資家は、運用管理費用(信託報酬)を負担し、投資しやすい仕組みにコストを支払います。

「REITファンド」は銀行や証券会社の窓口で、投資信託として取り扱っています。

■図版
REITファンド

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