分配金がダウン…!分配型投資信託で今起こっている異変とは?

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・投信ニュース

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1毎月分配型の分配金額、減額相次ぐ

2運用状況が悪い時は、過去の利益の蓄積から分配金を回していた

3投資信託の品質維持のためには、分配金減額もやむなし

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「毎月決算型」と呼ばれる、投資家に毎月比較的高めの収益分配金(以下、分配金)を支払う投資信託に、異変が起こっています。

「比較的高めの」と表現した分配金額の引き下げが相次いでいるのです。理由は、最近の金融・経済環境で、思うように運用できなくなってきたため。投資環境が良かった頃と同じ水準の分配金額を支払うことが難しくなりました。

■分配金の基本は「運用の結果次第」

「毎月決算型」「毎月分配型」の分配金が高い間は、特にご年配の投資家から、「運用中に定期収入が得られる」と大人気。

それは投資対象の経済に成長期待が高まっていた時期です。新興国の株価は上がり、金利は高く、投資家の資金が新興国に集まるがゆえに為替も上昇していました。先進国の国債も、現在ほど低くはありませんでした。

しかし、世界情勢の変化で投資環境が悪くなり、一定の運用成果が得られなくなりました。

分配金は、「期中収益分配金」ともいいます。その決算期間中に得られた収益を投資家に分配するものです。毎月決算を行うということは、1ヵ月ごとに運用の結果を出すということ。決算で損失となった場合は、本来は、投資家に支払える分配金などないはずです。

しかし実際は、「毎月分配型」の1ヵ月の運用があまりよくなかった月でも、良かった月と同じ分配金を支払ってきました。1ヵ月間でマイナスになった月ですら、多くの投資信託が分配金を支払い続けてきました。

■なぜ、運用がうまくいかない場合も分配金を払えるのか?

投資信託は、運用の良しあしの波はある程度想定しています。結果の良かった月に収益の全部を投資家に分配してしまわず、運用財産の中にある程度資金をプールしておくのです。これを「分配余力」といいます。分配余力は、決算で公表されています。

毎月の決算が芳しくなくても、一定の分配余力があれば、それを取り崩して投資家に分配できます。しかし、相場が悪くなり分配余力が細ってきたため、毎月の分配金の額を見直し、減額する投資信託が増えてきたのです。

■投資信託の品質維持には必要な措置

毎月あてにしていた分配金収入が減って、がっかりしている投資家も少なくないでしょう。しかし分配余力が少なくなれば、その投資信託の運用の品質を保てなくなります。相場に応じた適切な分配金の減額は、投資信託の運用状態を良好に保ち、長く維持できるための措置と考えたら、むしろ喜ばしいことなのです。

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執筆者

石原敬子

CFP® 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 専修大学文学部人文学科心理学コース卒業後、証券会社で約13年の営業職勤務。その後2003年 1月にFP事務所を開業。「使うこと」に焦点を当てた個人相談、金融や資産運用を分かりやすく話すセミナーと書籍やコラムの執筆を行う。 http://www.keikoishihara-fp.jp/

石原敬子

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シニア層のおこづかい? 毎月決算型投資信託とは?

相変わらず、毎月決算型投資信託が60歳代、70歳代の間で絶大な人気を誇っているようです。

以前の記事「若年層は投信積立、シニアは毎月分配型 ~投信協会アンケートより~」でご紹介した「2015年(平成27年)投資信託に関するアンケート調査」(一般社団法人投資信託協会)では、60歳代、70歳代の投資信託保有者のうち、なんと約65%もの人が毎月決算型の投資信託を持っていることが分かりました。

一方、30歳代以下の投資信託保有者で、毎月決算型の投資信託を持つ人は約3割。年代の違いで利用者に差がある「毎月決算型投資信託」とは、どのようなものなのでしょうか?

投資信託は、定期的に運用状況を集計して公表します。資産残高、一定期間の損益、運用対象の金融商品や銘柄、運用資産のうちその期間に売買した証券や資産なども明らかにされます。この集計が「決算」です。

決算の期間は、あらかじめ投資信託ごとに決められています。その期間を1ヵ月としたものが「毎月決算型」。決算を行い運用利益が上がれば、利益の一部分が投資家に支払われます。これが「収益分配金(以下、分配金)」です。

しかし、毎月の決算期間では、運用資産が値下がりする場合もあります。本来、決算期間の利益が少なければ分配金額も少なくなるはず。運用がうまくいかない月は分配金0円でも当然です。

ところが、実務上は、以前からの利益の蓄積で、何とか過去の月と同程度の分配金を支払っています。この利益の蓄積を「分配余力」といいます。今後の分配金の支払いを左右する、重要な指標です。

このように、分配金を毎月支払っている現状では、「毎月決算型」を「毎月分配型」とも呼んでいます。

数年前は、投資金額に対し毎月の分配金の利回りが年8%程度で、高いものでは年10%を超えるような投資信託もありました。この時期ほどではありませんが、毎月の分配金を楽しみにしているのが、給与収入のない世代、つまりシニア層なのです。

反対に、現役で働く若年層は、投資収益よりも給与などが収入の柱です。わざわざ毎月決算型投資信託を買う必要はないわけです。

最後に、分配金に関しては十分に理解をしておきましょう。決算期間が毎月であれ年に1回であれ、分配金を投資家に支払うと、その分、基準価額(投資信託の値段)が下がります。基準価額の上昇は運用の利益であり、その利益を投資家に支払ったのですから。

つまり、毎月分配金型投資信託では、基準価額を押し下げる分配金の支払いも毎月なのです。

若年層は「投信積立」、シニアは「毎月分配型」を利用~投信協会アンケートより〜

「みんな、どんな運用をしているんですか?」相談などの現場で、よく質問されます。

一般社団法人投資信託協会から「2015年(平成27年)投資信託に関するアンケート調査」が公表されました。この結果では、年代別に特徴が浮かび上がります。私なりにまとめてみました。

(※調査対象:20歳以上の男女個人、2,700人中1,523人が回答し回答率56.4%、調査期間:2015年9月10日~9月29日)

【30歳代以下】投信積立の利用者多数、しかしイマイチ勉強不足。
【40歳代】投資に回すお金が少なく、関心が低い。解約したら預貯金か生活費へ。
【50歳代】老後がちらつき保有を継続、ボチボチ投資の勉強も。
【60歳代以上】知識を蓄え賢く運用、基準価額はマメにチェック。毎月分配金がお小遣い。

といった感じでしょうか。

年代別に目立ったのは、若年層ほど積立(累積投資)の利用が多く、シニア層ほど毎月分配型の利用が多かった点です。また、投資信託の特徴や用語の意味については、50歳代、60歳代が他の世代よりも理解していたようです。

若い世代が多く利用している投資信託の積立投資。しかし、このアンケート結果からは、積立投資の特徴や効果などについて理解不足のようでした。比較的収入が少ないから積立てで、というだけなのかもしれません。

シニア層に人気の毎月分配型の投資信託は、運用が順調であれば、毎月、投資家に収益分配金が支払われます。収益分配金の使い道について聞いたところ、30歳代以下~50歳代の各層では「特に使わない」という人が3割を超えました。この人たちは、わざわざ毎月分配型を選ぶ必要はなさそうです。投資効率が高い「無分配型」が良いでしょう。60歳代、70歳以上の半数近くが、分配金は自分のおこづかいにするそうです。

投資信託のように基準価額が上がったり下がったりする金融商品は、安い時に買いたいのが本音。しかし、タイミングを見て売買するのはプロでも難しいものです。そこでリスクを抑える方法として、毎月決まった日に、決まった金額で自動的に買い付ける方法があります。

これを「ドルコスト平均法」と呼びます。

しかし残念ながら、このアンケートを見る限り、ドルコスト平均法のメリットを理解して積立投資信託を買っている人は多くありません。少額から積立できるから利用している、というのが実情でしょうか。せっかくなので、どんな効果があるのか、次回は「ドルコスト平均法」を解説しましょう。

投資初心者が知りたい素朴な疑問!「株と投資信託」何が違うの?

投資と聞くと株式投資、FX、投資信託のイメージを持つ人が多いでしょう。株式投資とFXが違うのは、なんとなくわかる人も多いと思います。しかし、株式投資と投資信託と聞くと何が違うのだろうと思われる方が少なくないようです。

後に説明しますが、株式投資と投資信託は全くの別物です。この違いをはっきりと理解しておかないと、あなたは投資で思わぬ損をすることにもなりかねません。ですから、今回は株式投資と投資信託の違い、それを踏まえた上でおすすめの投資法を紹介します。

■株式投資と投資信託の違いって?

一言で言えば株式投資は株を自分で購入し、投資信託はお金をプロに渡し、プロが株や債券などを購入します。これだけ聞くと「投資信託の方が良いのでは?」と思われる方も多いでしょう。

しかし、投資信託には株式投資にはかからない様々な手数料があります。投資信託を解約するときにかかる「信託財産留保額」。報酬を支払う「信託報酬」などです。

さらに株式投資ではもらえる配当金や株主優待を受け取ることはできません。これらの配当金や株主優待は換金して資産としているようですが、投資信託を利用しているだけでは実感しにくいというのが本音ではないでしょうか。

■実際どっちがいいの?

先ほどの話を聞くと株式投資と投資信託のそれぞれメリット、デメリットは理解できたけれど、実際のところどっちがいいの?と思われる人も多いでしょう。この答えに関しては意見が分かれるところだと思いますが、筆者の考えとしては株式投資をおすすめします。

というのも、先ほどお話したように投資信託では全てプロに任せます。つまり、自分が経済状況や会社状況などを考える必要がないのです。これはプラスに捉えることもできませんが、投資において経済状況を考えていないのは致命的な状況を生み出しかねません。

投資信託が悪いわけではありませんが、どうしても運用が他人任せになりやすいのです。ですから、投資初心者は実際に株式投資を通して、どのような投資はリスクが高く、どのような投資は安全なのか見極める練習をするのが良いでしょう。

株式投資は怖い!と感じる人もいるかもしれませんが、まずは少額でスタートしてみてはいかがでしょうか。

株式投資で銘柄を選ぶ際にはIR活動もチェックしよう!

証券取引所に登録している“上場会社”の株は、誰でも買うことができます。投資家は、上場会社の業績や経営の状態などの情報を総合して、その会社の株を「買う」あるいは「売る」という判断をします。ですから、上場会社はこうした情報を公表しなければなりません。

■基本は「有価証券報告書」

情報提供の手段として最も基本となるのが“有価証券報告書”です。上場会社は年に1回、有価証券報告書を作成して財務省に提出することが義務づけられています。これには、事業内容、子会社・関連会社、株式の総数や大株主、設備の状況などとともに、利益や損失、会社の保有する資産の状況などの決算書が掲載されています。
有価証券報告書や決算書は、各上場会社のホームページなどで見ることができます。

有価証券報告書はページ数が多く専門的な内容であるのに対して、株主向けの“事業報告書”は、会社の業績や決算の内容などが図表などで簡潔にわかりやすく書かれています。事業報告書はその会社の株主に送られてきますが、各社のホームページに載っているので、株主でなくても見ることができます。

■IR情報をうまく利用しよう

有価証券報告書や事業報告書など制度として義務づけられた情報提供のほかに、会社が自主的に投資家に対してさまざまな情報を発信することをIR(アイアール)といいます。“I”は投資家(Investor)、“R”は関係(Relationship)を表します。

上場会社は、ホームページにあるいは<投資家のみなさまへ>などといった項目を設けて、投資家へ向けた社長のメッセージや、業績見通し・新商品情報など投資の判断につながるニュース、株主総会や決算発表のスケジュールなどを掲載しています。

さまざまな情報を提供して会社のことをよく知ってもらい、ファン株主を増やすことがIRの目的の一つです。ファン株主は株を長期にわたって保有してくれる傾向があります。長期安定株主が増えることは経営の安定につながるのです。

投資家や株主に対する情報提供が充実しているだけでなく、株主優待を設ける、株主総会のほかに決算説明会を開催する、株主向けの広報誌を発行する、株主を対象とした工場見学会を開催する、など、IRに熱心な会社は、株主を大切にする会社と考えられます。

株式投資で銘柄を選ぶときは、その会社のホームページを見て、どんな会社なのか、業績はどうかなどをチェックするとともに、どんなIR活動を行っているかも見てみるとよいでしょう。

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