米国雇用統計の結果を受けドル円は底堅い動きに! 【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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■8月第2週の見通し(2016/08/08)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「米国雇用統計の結果を受けドル円は底堅い動きに」

先週末に発表された米国7月雇用統計は予想を大きく上回る好結果となりました。
注目の非農業部門雇用者数は前月から25.5万人増となり、予想された18万人増を大きく上回りました。また、6月と5月分も上方修正されたことでドルは発表後全面高となりました。発表前には101円付近でもみ合いが続いていたドル円は101円ミドルまで50銭近く上昇。この結果にしては上昇幅が思ったよりも小幅という感じでしたが、その後も買いが強まり102円台に乗せてきました。それはNY株式市場が予想外に上昇したためです。市場はFRBが再び年内に利上げを実施するのではといった観測が浮上。それは株式市場にとってはネガティブ材料として捉えられるものです。しかし、予想に反して株価がしっかりとしていたことからリスク選好の動きがドル円を押し上げることになりました。

ドル円は米国GDPの悪化や、日銀金融政策の限界説もあり円高リスクが燻ぶる中で、100円割れを相当意識していました。今回の雇用統計が少しでも予想を下回るようなら再度100円割れを試す展開が十分考えられる状況でした。
結果は米国GDPの悪化による懸念さえも吹き飛ばすようなインパクトのあるものでした。

先週はBOEの政策会合も開かれ、予想以上の大胆な追加緩和が実施されました。来年は英国とEUとの離脱交渉が始まることから、経済見通しは大きく下方修正されました。だからこそ、BOEは先手を取って大胆な緩和政策を打ち出したと考えられます。これを受け、欧米株式市場は上昇しました。ブレグジットによる将来的な懸念は後退したことや、米国経済の力強さが示されるなど、市場には安心感が戻り始めました。

今週は特に目立った材料はありませんが、この流れを継いでドル円は底堅い動きが予想されます。ただ、今週あたりから世界的に夏休みに入るところが多くなりそうです。
特に、今月最も注目された米雇用統計というビッグイベントが終了したことで、休みに入る為替担当者が増えそうです。市場参加者が少なくなると通常為替市場は夏枯れ状態となり動きが鈍くなります。ところが、このような相場の時ほどいきなり大きく動きだすこともあります。これまで8月というのはどちらかといえばドル円は売られることが多く見られました。
先週の動きをみると一先ず100円割れを回避したことで今年の夏は円安に振れる可能性もあります。
油断大敵と言いますが、皆さんもご自分のポジションには十分注意してください。

【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、来週も宜しくお願い致します。

▼30秒でわかる!8月第2週、今週の為替市場の見通しはこちら!

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  • 米国雇用統計の結果を受けドル円は底堅い動きに! 【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

執筆者

岡安 盛男 (おかやすもりお)

レグザム・フォレックスLLC (http://fx-okayasu.com/)代表、為替アナリスト                                                 外資系銀行に20年間在籍、1999年より為替デイトレーダーとして独立後は、 自身のトレードスタイルを確立、実践的な為替投資の啓蒙活動の他、FXスクール講師やFX会社向けの情報提供サービス、投資家向け情報レポートを展開(http://www.gladv.co.jp/members/fx_bible/)。ラジオ日経「岡安盛男のFXトレンド」、日経CNBCの「朝エクスプレス」など出演中。執筆多数。

岡安 盛男

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■8月第1週の見通し(2016/08/01)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「ドル円の下落リスク燻ぶる」

先週は日米金融政策が行われ、結果的にドル円は下落して終わりました。

米国FOMC会合では前回懸念された英国のEU離脱による混乱は回避されたことで「景気見通しの短期的なリスクは後退」と言明。5月に大きく落ち込んだ労働市場も6月に大きく回復。「労働市場は強く、経済は緩やかなペースで拡大」としました。「FF金利は今後の経済見通し次第」ということで、今後の経済指標次第では年内利上げの可能性を残すなどタカ派的な内容となりました。

しかし、市場は依然として年内利上げは難しいとの見方を払しょくするまでには至りませんでした。米国長期金利の利回りは史上最低まで低下し、ドルも上値の重い展開となりました。これまで史上最高値を更新していたNY株式市場もここにきてやや息切れし始めました。

一方、日銀金融政策決定会合では追加緩和が実施されました。発表後ドル円は大きく上下し、結果的に下落しました。市場が期待した程の追加緩和ではなかったためです。市場は少なくとも量的緩和の拡大とマイナス金利の深堀をすると予想していましたが、これらは据え置かれました。

尤もETFの買い入れ額を3.3兆円から6兆円に拡大したことで大幅に下落していた株式市場は反発して終わりました。ドル円は失望売りが出て上値の重い展開となりましたが、一先ず103円台後半で落ち着いた動きが続きました。

しかし、その日のNY市場で発表された米国4-6月期GDPが1.2%と予想の2.5%を大きく下回ったことで今度はドルが全面安となり、ドル円は102円付近まで下落。そのままNY市場を引けてきました。

堅調な米国経済が世界経済のけん引役になるとの見方も、これで後退するなど市場には不安感が残ります。

ドル安と円高の両方の動きが強まるなど、今週のドル円は下値リスクが燻ぶる中で、100円を意識した動きになりそうです。

今週は注目の米国7月雇用統計が週末に発表されます。市場は非農業部門雇用者数が18万人の増加となり、失業率が4.8%に改善されると見込んでいます。予想通りの結果となれば再び米国の年内利上げ期待が高まり、ドル円も反発することになるでしょう。

先週のドル円相場は流動性の低下により非常に荒っぽい動きが目立ちました。今週のドル円は100円を割り込むのか、或は米国経済頼みによるドル買いが強まり110円を目指す展開になるのか神経質な展開が続きそうです。

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▼30秒でわかる!8月第1週、今週の為替市場の見通し

地政学的リスクは短期で終了? 【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

■7月第4週の見通し(2016/07/18)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「地政学的リスクは短期で終了?」

先週は市場に漂う三つの不安が払しょくされ、リスク回避の動きが後退しドル円は大きく上昇に転じました。

一つ目は参院選で与党が圧勝したことです。過半数を獲得した安倍政権は大規模景気対策を打ち出すとの姿勢を示したことで株式市場が上昇。リスクオンの動きが高まり安全通貨の円も売られました。

また、バーナンキ元FRB議長が来日し、日銀の黒田総裁や安倍首相と会見。会見ではヘリコプターマネーを議論したのではといった憶測が広がりました。ヘリコプターマネーとは、ヘリコプターから市中にお金をばらまくように、政府と日銀がマネーサプライを大幅に増やす景気対策のことです。
市場は日本銀行が7月の政策決定会合でヘリコプターマネーに踏み切るとの見方からドル円は上昇しました。

ブレグジットで混乱する英国では次期首相指名が予想外に早く決まったことで、政治的な不安が後退。市場には安心感が広がりました。米国でも6月雇用統計が予想外の好調な結果となったことで労働市場への懸念が後退。連日NY株式市場は史上最高値を更新するなど、リスク選好の動きが続いています。

ドル円は一時106円30銭近くまで上昇。ユーロ円やポンド円、豪ドル円といったクロス円も全面高となりました。

しかし、金曜日の東京市場では三連休を控えポジション調整的な円の買い戻しの動き(ドル円は下落)が小幅ながら強まりました。

NY市場では再びドル円の買いが先行して始まりましたが、引けにかけ一気に円が上昇(ドル円は下落)しました。トルコで軍が国を掌握したとのショッキングな報道が流れた他、その前日には南仏でテロが起きたことや、中国の南シナ海情勢なども重なり地政学的リスクが一気に高まった為です。

安全通貨の円やドルが再び買われるなど、市場には不安感が広がり先週末は終わりました。

今週も週明け東京市場ではリスク回避によりドル円は上値の重い展開で始まるとみられます。しかし、地政学的リスクというのは長期化することはほとんどなく、短期で収束すると予想されます。

ブレグジット問題も一服感したかと思った矢先に今度はトルコのクーデター。次々と問題が起きて円安と円高が繰り返される目まぐるしい相場展開が続いています。損切りや利食いは早めに入れておくことがこのような相場では必要です。

申年は騒がしい年になると言いますが、本当に今年は何が起きるか分かりません。資金管理は徹底してください。

【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、来週も宜しくお願い致します。

▼30秒でわかる!7月第4週、今週の為替市場の見通し

夏休みは円安になる⁉︎ 為替と旅行の関係性とは【上村和弘のFX基本講座】

この連載を読んでいけば、FXの経験が無い方もFXビギナーの方も一定のFXトレーダーになれる!知っておくと便利な事やFX知識として重要な事、そしてお得な情報までを解説するシリーズ【上村和弘のFX基本講座】。

去年は為替相場が円安で、中国人を中心に外国人観光客が日本で爆買いする姿が目立ちましたね。一転、今年は年初から円高が進んでいますから、日本から海外旅行に行くとお得です。

米ドル/円日足チャート
為替と旅行の関係性!、マネーゴーランド
※引用:DMMFX

上の米ドル/円チャートをご覧ください。昨年(2015年)の6月に125.85円だった米ドル/円は、2016年に入ると円高が進み100円割れまで下落しました。

■円安は爆買いが有利で、円高は海外旅行が有利。

日本への観光客は円安が有利、日本からの海外旅行は円高が有利です。

例示)日本円から米ドルに両替してみると…
話を単純にするために、為替手数料無し、去年は1ドル=120円、今年は1ドル=100円で計算。

去年は1万ドルを持っていれば120万円に両替できたのに、現在は同じ1万ドルが100万円にしかなりません。20円分も米ドルの価値が下がったために、海外からの旅行者は財布の紐を締めることになり、日本の小売業は売上が減りそうです。

逆に、日本から海外旅行に行くのは有利。去年、100万円を持って行っても米ドルに両替すると約8,333ドルにしか交換できません。現在は、100万円持っていれば1万ドルに両替できますから、ホテル・食事・買い物とワンランクグレードアップできそう。

為替が円高・円安かどうかで、観光客の来日数や使う金額は変わってきます。海外旅行に行くなら少しでも為替相場が有利な時を狙うのはどこの国の人も同じ。20円分も割安・割高だと旅先で使える金額がまったく違います。このまま円高が進むと今年の爆買いはかなり減りそうですね。

■米ドル/円相場、夏場の動向!

今年、日本に住んでいる方は、海外旅行に行くチャンス!
ところで、ボーナス後&海外旅行の影響でドルの両替が増えて、ドル高・円安に変化するのか過去数年の動きを確認してみました。

よく言われているのは、7月はドル高・円安、8月はその反動もあってドル安・円高という動き、8月の米国債の利払い等を含めて、本邦の輸出企業等から円買いの動きが出易いとの見方があるためですが、その他アノマリー(*)な事象も聞かれます。
(関連記事:第28回「FXは1ヶ月でどれ位儲けられるの?」

「米ドル/円相場の7月・8月の変動状況、アノマリー」
米ドル/円相場の7月・8月の変動状況、アノマリー、マネーゴーランド

2006年~2015年の直近10年間の7・8月は、
7月は、円高が6回・円安が4回と円高の方が多くなっています。8月は、円高5回・円安5回と同数。

結果としては、直前のトレンド(傾向)に影響を受けているようで、月毎の方向性は確認出来ませんでした。

■夏休みは市場が閑散期

7月・8月は、日本が夏休みとなるように海外も夏休み。日本以上に外国人投資家は夏休みをたっぷりと取りますから、為替相場の取引量=流動性が減ります。
政治もお休みモードで、大きなイベントも減りますから、その分、各国の株価の動きと連動性が高まりがちなために、株価には注意が必要です。

夏場は、大きく売買を仕掛ける投資家も減り、値動き自体が小さくなりやすい時期。秋からの本格相場到来に向けて英気を養うのにちょうどいいかも知れません。夏の間に、少額トレードで、腕を磨いておくと、秋の大相場に準備ができた状態で挑めます。

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:アノマリー
明確な理由は確認できないが、一定の法則があるように感じられる現象のこと。理論的に説明が出来ないが同等の事が起こる経験則的な事象を指す。
実際に利用する場合、過去データを検証して有効性を確かめてからが無難。

【上村和弘のFX基本講座】
全バックナンバーはこちらから

●第10回 数十%の利回りも可能!外貨預金より有利なFXのスワップポイント!
●第11回 ボーナス時期目前!お得なFX新規口座開設キャンペーンをチェック!
●第13回 キャンペーン商品で生活?!
●第14回 米国の雇用統計はFXのフィーバーデー! 月に一度のビッグイベント!
●第16回 円高リスクを防ぐ。FXでヘッジしましょう!
●第18回 米ドル/円相場の割安度は?これから円高・円安?
●第26回 外国為替市場の1日、FXで儲けたいなら流れを知ろう!
●第31回 米雇用統計公表!FXは金利に注目

英国EU離脱でビジネスチャンス到来か⁉︎【上村和弘のFX基本講座】

この連載を読んでいけば、FXの経験が無い方もFXビギナーの方も一定のFXトレーダーになれる! 知っておくと便利な事やFX知識として重要な事、そしてお得な情報までを解説するシリーズ【上村和弘のFX基本講座】。

英国のEU離脱派勝利は世界に衝撃を与えましたね。FXでおなじみの通貨英ポンドは大幅下落・日本円は円高に動くなど為替相場も乱高下。ところが、英国の株価指数(FTSE100)は国民投票前以上の水準に上昇するなど激しい動きとなっています。

■統一の時代から分離の時代へと変化

私達は今、歴史的なターニングポイントにいます。これから、英国とEU間で激しい競争がはじまり、各地で 過度な統一・統合が崩れ始めて、分離・独立の時代に向かう兆し になっていくと感じます。そうなると、為替相場の重要性が増してきます。

英国EU離脱、ビジネスチャンスの可能性?!上村和弘のFX基本講座、マネーゴーランド

■英国のEU離脱

英国は、EUに離脱を通知することから交渉はスタート。 リスボン条約(*)第50条 に従い、欧州理事会に通知して、英国とEUの間で離脱に向けての交渉が始まります。交渉期間は2年間、もし、合意に至らなければ、自動脱退もしくは双方合意の上で協議を延長します。
2年で合意できるのかそれとも長引くのか現時点ではまったく分かりません。

そして、英国はEU離脱後にEUや加盟国との間で、様々な協定を結ばなければいけません。これがまた複雑。しかし、「THE・交渉人の英国」、EU各国の利害関係を突いて、上手に立ち回るのではないでしょうか。結果的に英国有利の協定が次々にできてしまい、EU離脱によって英国大勝利とのシナリオになってもおかしくありません。

「英国がビジネス拠点として有利な点」
・世界の国際言語である英語が母語!
・ビジネス的なインフラが整っている!
・大英帝国時代から続く、企業グループを保有!
・米国と欧州の架け橋になりえる!
・英国はEUから大量に輸入しているため、輸入がなくなるとEUも困る!

■EU離脱でビジネスチャンスが増える?

EUを離脱すれば、過剰と言われるEUの規制に従う必要もありません。税金や規制に関して、ブリュッセルの官僚たちから英国自身に権利を取り戻すことになります。
早くもオズボーン英財務相は、法人税の15%引き下げを提案。現在、英国の法人税率は20%、2017年4月に19%、2020年4月に17%とへと引き下げられるスケジュールは発表済み。

これから、英国とEUの間で、ビジネス拠点の争奪戦が起きるはず。英国から離脱する企業も出てくれば、逆にチャンスと見て英国に拠点を移す企業も出てくるでしょう。

EUによる過剰な規制は、制度に対応できる余裕を持つ大企業有利になりがちで、規制が強くなるとビジネスのイノベーションに必要なアニマルスピリットも生まれません。経済成長に必要なのは規制緩和。アベノミクスの三本の矢の一つも成長戦略で、規制緩和が重要なキーを握っています。

そして、勝敗の大きな判断材料としては、英ポンドの為替相場を見ておきましょう。英国のEU離脱ショックで大きく下がった英ポンドはこれからどう動くでしょうか。

2015年6月高値195.88円から128.72円まで67円超も下がっている英ポンド安は、輸出有利になりますから、いずれ切り返す時が来るでしょう。もちろん、EU離脱までの交渉期間はビジネス的な混乱が出てくるでしょう。EU自体、ドイツ・フランス・英国の三本柱から一本抜けてドイツの力が増してくるとの見方が有力。

英ポンド/円の月足チャート
英国EU離脱、ビジネスチャンスの可能性?!上村和弘のFX基本講座、マネーゴーランド
※引用:GMOクリック証券

やや落ち着きを取り戻しつつある英国、引き続き注目して行きましょう。

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:リスボン条約
EUの統治における基本的な条約で2009年12月に発効。従来のEU条約・EC条約を改正する内容で、この条約が発効したことで、1993年11月に構築したEUの機構・制度を見直すことができ、EUの基本機構が整備されたと言えます。

【上村和弘のFX基本講座】
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