189,000円も差が出る!FPが指摘「終身保険の正しい選び方」

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<材料>

・終身保険

<Point>

1保険料の差は付加保険料の差であることを理解する

2加入前には保険会社の財務健全性も確認しよう

※30歳男性が終身保険の保険金額:200万円、払込方法:月払、払込期間:60歳でオリックス生命の『RISE』とマニュライフ生命の『こだわり終身保険v2(低解約返戻金型)』に加入した場合の30年間の保険料の差

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死亡保障が一生涯続く終身保険。ずっと保険料が変わらず貯蓄性があることが特徴です。人が亡くなる時期は誰にもわからないため、葬儀費用の準備に適した保険です。

生命保険文化センターが行った『生命保険に関する全国実態調査(平成27年度)』によると、平成22~27年に加入した契約は「終身保険」が35.4%と最も多く、次いで「医療保険」 24.4%、「定期保険」となっています。生命保険の中で最も新規加入率が高い終身保険はどのように選べばよいのでしょうか?

■保険会社で保険料に差があるのはなぜ?

契約者が保険会社に支払う終身保険の保険料は、将来の死亡保険金や解約返戻金などの支払いに備えて保険会社が積み立てる「純保険料」と保険会社が保険事業を営む上で必要な費用に使われる「付加保険料」によって構成されています。

純保険料は、過去の統計をもとに、性別・年齢別の死亡者数を予測し、将来の保険金などの支払いにあてる必要額を計算して決まります。また、保険会社は集めた保険料を運用しているので、保険金の支払いが発生するまでにどのくらいの運用利益率を見込めるかなども考慮し計算されています(予想される運用利率の分だけ保険料は割り引かれます)。

付加保険料は、生命保険会社の人件費、契約に関する諸費用、事務所の運営費など保険会社を運営するうえで必要となる様々な経費をもとに計算されています。

各保険会社が予測する死亡者数や運用利率には大きな差はありません。よって、保険料の差は主に付加保険料部分から生じているということができます。

■終身保険の保険料を比較してみよう

各保険会社の終身保険で、保険料にどのくらいの差があるのか確認してみましょう(表1)。保険金額は、日本消費者協会『第10回葬儀についてのアンケート調査』の葬儀費用の総額が全国平均で約189万円であることから、200万円とします。
終身保険の保険料比較、マネーゴーランド

表1は、保険金額が200万円で設定できる保険会社に限りがあるなどの理由から記載していない会社もありますが、ここからわかることは、保険料のうちの純保険料に差がないと考えると、毎月払う保険料の差は約500円、30年間ではおよそ189,000円になるということです。

終身保険は契約者が亡くなった時に死亡保険金として契約時に設定した保険額が支払われる、とてもシンプルな商品です。解約することがないならば、節約面で考えると保険料が安い方がお得ということになります。

■加入前に保険会社の財務健全性を確認しよう

保険料が安い商品に加入はしたいけれど聞き慣れない保険会社は倒産リスクが心配、という人もいるでしょう。そんなときは、生命保険会社の経営状態を判断する指標の1つとして“ソルベンシーマージン比率”を確認しましょう。

ソルベンシーマージン比率とは、大災害など通常の予測を超えて発生するリスクに対応する支払余力がどれだけあるかを判断するための行政監督上の指標のひとつです。

ソルベンシーマージン比率は、数字が大きいほど支払余力も大きいと判断され、200%を下回ると、金融庁が業務などの改善命令を発動します。表1の各保険会社のソルベンシーマージン比率はいずれも200%を上回っています(表2)。

ソルベンシーマージン比率、マネーゴーランド

保険会社の経営の健全性は格付け・企業規模・成長性等、ほかの財務指標とあわせて総合的に判断する必要がありますが、ひとまずは安心できるでしょう。終身保険は長期にわたり契約を継続する商品です。行政のソルベンシーマージン比率の指導ラインは200%ですが、500%以上の保険会社を選ぶとよいでしょう。

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  • 189,000円も差が出る!FPが指摘「終身保険の正しい選び方」

執筆者

中山弘恵

ファイナンシャル・プランナー/住宅ローンアドバイザー/介護相続コンサルタント 関西学院大学卒業後、損害保険会社勤務中にCFP®(ファイナンシャルプランナー上級資格)を取得、その後、都市銀行での資産運用アドバイス・住宅ローン審査業務を経て、現職へ。現在は、相談業務を中心に講師、執筆業務に従事。「安心しながら気軽に話せる相談相手」「わかりやすいセミナー」として定評がある。エフピースマイル代表 http://www.fpsmile.com/

中山弘恵

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掛け捨てじゃない!三大疾病に備える貯蓄性保険

日本人の死亡原因の約5割を占める三大疾病(がん(悪性新生物)、心疾患、脳血管疾患)(※)ですが、20代・30代の死因順位をみても5位までにその3つが入っています(表1)。(※脳血管疾患のうち脳卒中だけ、心疾患のうち急性心筋梗塞だけを指す場合もあります)

日本人の死因順位

死因順位1位のがん治療による経済的負担を心配して「がん保険」の加入を検討している人は多いでしょう。がん保険は基本的に掛け捨てのため、がんにならなければ保険料は1円も戻ってきません。そのことをもったいないと感じ加入を迷っている人も多いでしょう。

がんの保障は得たいけれど保険料を掛け捨てにしたくない、がん以外の三大疾病にも一時金を備えたい、そう考える人には、貯蓄型の特定疾病保障終身保険(保険会社によっては三大疾病保障終身保険)の加入が検討に値します。

特定疾病保障終身保険(三大疾病保障終身保険)とは、がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中のいずれかになった場合に、「特定疾病保険金(三大疾病保険金)」が受け取れる貯蓄型保険です。また、三大疾病にならなくても、死亡・高度障害状態になった場合に「死亡保険金」または「高度障害保険金」を受け取ることができます。

加入後の早い段階で解約をすると返り率が低いので注意が必要ですが、保険料の払込が終了した後は、解約せずに据え置くことで、返り率は上がっていきます(グラフ1、表2)。

掛け捨てじゃない!三大疾病に備える貯蓄性保険_グラフ1

掛け捨てじゃない!三大疾病に備える貯蓄性保険_表2

では、特定疾病保障終身保険は、がん保険や終身保険(死亡すると死亡保険金が受け取れる貯蓄型保険)と比較すると、保険料や解約返戻金はお得なのでしょうか。
特定疾病保障終身保険は、他の2つの保険に比べ最も保険料が高く、終身保険よりも解約返戻金が低く設定されているのが一般的です(表3)。その理由は、特定疾病になってもならなくても保険金が受け取れる貯蓄型保険だからです。

掛け捨てじゃない!三大疾病に備える貯蓄性保険_表3

また、特定疾病保障終身保険は、三大疾病のいずれかになると特定疾病保険金が支払われると前述しましたが、支払要件が厳しいことに気を付けなければいけません。支払要件は一般的には以下の通りになります。保険会社によって異なることもあります。最近では、支払要件を緩和する商品を発売する保険会社も出てきましたが、その分、保険料も高くなっています。

・がん
被保険者が責任開始期以後の保険期間中に初めて悪性新生物に罹患し、医師による病理組織学的所見により診断確定されたとき。 ただし、責任開始期の属する日から90日以内に乳房の悪性新生物に罹患し医師により診断確定されたときは対象外(上皮内がん、皮膚がんは対象外。ただし、皮膚の悪性黒色腫は対象)。

・急性心筋梗塞
責任開始期以後の保険期間中に急性心筋梗塞を発病し、その疾病により初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断されたとき。

・脳卒中
責任開始期以後の保険期間中に脳卒中を発病し、その疾病により初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、言語障害、運動失調、麻痺などの他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師によって診断されたとき。

※生命保険文化センターのホームページより

三大疾病は日本人の死亡原因の約5割を占める病気です。治療費が掛かり、仕事に支障が出る可能性もあります。そこでまとまった一時金が受取れると安心して治療に専念できます。

がん以外の急性心筋梗塞・脳卒中の保障が受けたい場合や掛け捨てのがん保険ではもったいないと思う場合には、特定疾病保障終身保険の加入を選択肢に加えると良いでしょう。ただし、特定疾病保障終身保険は保険金の支払要件が厳しいので、加入を検討するときは、この保険の特徴をしっかりと確認してください。

税金が一番安く済む保険契約の仕方とは?

4月は新年度から進学や新社会人となり新生活を迎える人が多い時期です。

その準備に何かと費用がかさんでしまうこともあるかと思います。特に受験料や入学金など教育費は瞬間的に負担が重いものや、退職後、収入がなくなってからの継続的な生活資金であったりとすぐには準備が難しい出費があります。
 こうした出費に備えて『生命保険』利用するという方法があります。商品を選ぶ際にはもらえる保険金や支払う保険料に目が行きがちです。しかし、契約の仕方によっては税金の種類や負担金額が変わってきますので、この部分の理解も含めての検討が必要です。

1.保険契約に関する登場人物をおさえましょう
 保険契約には、下記の三者が登場します。
・「契約者」=保険契約をした人、保険料を負担する人
・「被保険者」=保険の対象となっている人
・「保険金受取人」=保険金を受取る人

2.契約のパターンをおさえましょう
上記の三者がそれぞれ誰になるか?で税金の種類や負担が変わります。以下死亡保険金について具体的に表で見ていきましょう。

1は「契約者=被保険者」つまり、夫が自分に死亡保険を掛け亡くなった場合です。この場合受取人に対して相続税が課税されます。しかし実際は、非課税枠が相続人1人につき500万円あります(*1)ので、このパターンの税負担が一番軽くなることが多いです。
2は夫が保険料を支払って、保険金も自分が受取る「契約者=受取人」のパターンです。この場合は一時所得(*2)として所得税の課税対象になります。
3は「契約者≠被保険者≠受取人」と3者すべてが異なるパターンです。この場合は、保険金が110万円を超えると(*3)受取人に対し贈与税が課税されます。

では、死亡保険金ではなく、老後資金のための個人年金保険や教育費のための学資保険の場合はどうでしょう。基本的に両者とも「契約者=受取人」ですから所得税(一時所得)の課税対象のパターンになります。ただ、年金保険は、公的年金のように分割してもらうと一時所得ではなく雑所得となりますし、学資保険も受取人を子供にしてしまうと贈与税対象となり税額が変わってきます。

以上のように、必要保障額で契約したつもりが税負担を考慮しないと、必要な金額が手元に残らないという事態になってしまいますので気を付けましょう。

*1;相続人が保険金を受取った場合。そうでない場合、非課税枠はありません。
*2;(保険金-保険料)が50万円までは非課税。超えた部分の1/2が課税対象。
*3;他にも贈与がある場合は、同年中に受けたすべての贈与と合算して判定になります。

おひとりさまの老後資金計画「個人年金は終身にするべき?」

将来シングルで過ごそう(過ごすかもしれない)と考えている方からの相談で多いのは、老後のこと。既婚者より早いうちから介護や老後資金の準備を始める人が多いようです。

一方で「貯蓄が底をつくのは困るけど、全部使って最期をむかえたい。」という意見も。資産形成を考える時、FPである筆者としては、早いうちからコツコツと投資を取り入れることを提案したいのですが、投資への考え方は人それぞれ。

また、ある程度資産ができたとしても、いくつまで生きるか分からないのに貯金がだんだん減っていくのは心細くもなります。そんな時は、個人年金保険の受取を終身で契約するのもひとつの方法です。

■シングルの生活費はいくらかかる?

では、シングルの生活費がいくら掛かるのか考えてみましょう。

総務省家計調査(平成27年度)によると60才以上のシングルの生活費は、月額15万6000円程。一方、65歳からもらう公的年金は、定年までの平均年収が約400万円の会社員なら月13万円くらいが目安で、この場合、生活費は毎月2万4000円(年間約31万円)足りないことになります。

そこで、不足分を終身で受け取れる個人年金保険で補てんすれば、とりあえず生活は成り立ち、現役時代に築いた貯蓄は、元気なうちは趣味やレジャーに、その後は病院代や介護費用に充てることもできます。

■毎月保険料をいくら払うべき?

保険料は、たとえば65才以降に年間30万円をもらいたいとき、35歳男性なら月16,734円、女性は20,562円程(A社の例)。

ただ、終身年金の場合、一定年齢まで受け取らないと元が取れず損をします。下表によると、男女とも65才時の平均余命くらいまで生きればトントンということです。

A社の10年保障期間付終身年金※
年金額30万円、払込期間65才、受取開始65才の場合
A社の10年保障期間付終身年金
※途中で死亡しても10年分は必ず給付されるタイプの終身年金のこと

できれば払った以上の年金を受け取りたいところですが、”資産を残さなくていい人が、長生きをしてもお金の心配をせずに暮らすため”という観点からは、損得はあまり気にしなくていいでしょう。

今は、予定利率が低いので長期で契約するのは悩ましいですが、何も準備をしないこともまたリスク。色んな考え方を取り入れながら、自分にあった老後対策をしましょう。

終身タイプと定期タイプの医療保険、どちらを選択する?

「◎◎の医療保険、入院1日あたり5千円、1回の手術5万円」と同じ商品で、同じ内容でも、保険料が随分違うというケースがあります。

これは、“終身タイプ”と“定期タイプ”の違いです。終身タイプは生きている限り保障が続き、加入時の保険料は最後まで変わりません。一方、定期タイプは10年毎に自動更新していき、保険料は更新時にアップしていきます。同じ年齢・性別で比べると、保険料が安いのは定期タイプ。では、どちらを選択するといいのでしょうか?

30歳の男性がA社の医療保険に加入するケースで、2つのタイプの保険料を80歳まで比べてみました(グラフ1)。終身タイプはずっと変わらず横一直線。定期タイプは、階段式に上がっていき、50代で終身タイプを超えます(保険料水準が今と変わらない前提)。さらに、80歳までの50年分の保険料を比べると、終身タイプの方が約43万円も少ない見込みです。同じ商品にずっと加入し続けるなら、最初は高くても終身タイプに加入する方が、結果的に支払う保険料は少ないと言えます。

では、定期タイプが完全に負けているかといえば、そうではありません。同じケースで、ある年齢までに保険料をいくら払うことになるかという累計額で比べると、67歳くらいまでは定期タイプの方が安いことがわかります(グラフ2)。

もしもあなたが、「貯蓄がない今のうちは保険に頼りたいけど、お金が貯まったら保険はいらない」と考えるなら、定期タイプに加入して、65歳くらいまでに解約する方が合理的。また、最近は医療技術が進んだことや国の方針などから、入院期間が短くなっています。このような状況にマッチした、新しいタイプの医療保険が今後発売される可能性もあります。そのタイミングで、新しい保険に入り直そうと考えるなら、今は安い定期タイプに加入しておく方が賢明と言えるでしょう。ただし、同じ保険会社であっても、新しい保険に加入する場合は、健康状態を問われますから、健康でなければ入れない点は注意が必要です。

今の時点で、一生涯持ち続ける保険を選ぶなら終身タイプ。40代までに見直すか、または将来は不要と考えるなら、定期タイプを選択するといいでしょう。がん保険でも同じことが言えます。

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