ファンダメンタルズ分析で大事なことは?【上村和弘のFX基本講座】

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この連載を読んでいけば、FXの経験が無い方もFXビギナーの方も一定のFXトレーダーになれる!知っておくと便利な事やFX知識として重要な事、そしてお得な情報までを解説するシリーズ【上村和弘のFX基本講座】。

「ファンダメンタルズ」とは経済の基礎的条件のことで、各国の経済状況を示す景気・雇用・物価などが該当します。各国は、経済指標と呼ぶ統計を定期的に発表しており、この統計を元にして、為替相場の将来を予測する方法が「ファンダメンタルズ分析」。特に数週間~数年にわたる中長期的なトレンドを予測するためには、このファンダメンタルズ分析が必須となります。

今回はファンダメンタルズ分析の基本として、大事な二点(「二国間の比較」と「今後どうなるか」)についてお伝えします。

■ファンダメンタルズはトレンド判断に有効な分析手法

中長期的な為替相場はファンダメンタルズに沿って動きます。トレードする時は、ファンダメンタルズ分析で中長期的なトレンドを判断し、実際に売買するタイミングはチャート等を使ったテクニカル分析第6回「FXを極める第一歩:相場予測はまずチャートから!」第20回「初心者に向いている分析方法は?」で決めるのが良い方法で、お互い補完しながら分析手法を使い分けます。

経済の基礎的条件って聞くと、なんだか難しくて逃げ出したくなりそうです。でも、最初から自分で全てを実行する必要はありません。野球や競馬、天気予報に解説や予想している人がいるように、FXも為替相場をはじめ金融市場の分析や予想をしているアナリストやストラテジスト等の専門家がたくさんいます。FX各社が配信しているニュースを読んでいれば、専門家のコメント内容に慣れていくのでコツコツ学ばれると良いでしょう。

■FXのファンダメンタルズ分析の基本は二国間の比較

代表的な通貨ペア(*)である米ドル/円は、米ドルと日本円の二つの通貨から成り立っています。つまり、米国だけ、もしくは日本だけを見ていてもダメで、両国を比較した上で強弱を比べることが大事です。FXでファンダメンタルズ分析を行う基本は二つの通貨(国)を比較すること。

日本の状況だけを見て、金利が低くて株価も安いから円安になる筈だと考えてはいけません。もし、米ドル/円の今後を予想するならば、米国と比較して日本が強いか弱いかを見る必要があるということになりますね。

ファンダメンタルズ分析で大事なこと! 【上村和弘のFX基本講座】、マネーゴーランド

二つの通貨を比較するクセが付けば、ファンダメンタルズ分析の第一歩をマスターしたことになります。

■ファンダメンタルズ分析はこれからどうなるか

二国間を比較する時に、現在どうなっているのかだけでなく、今後、どうなるのかを考えるのも重要です。

例えば、日本の政策金利は0.0%で、米国の政策金利が0.5%としましょうか。二国を比較すると、米国の金利が日本より0.5%高いということが分かりますね。少し先走って為替相場の変動要因をお話しすると金利が高い方がお金を預けると有利なので通貨は高くなります。それなら、米ドルを買えば誰でも儲かると思いませんか?

でも、そうは上手くいきません。

残念なことに、この状態だと、すでに米ドルを買いこんでいる人がほとんど。米ドルがさらに上がるためには、さらに、日本と比較して金利が上がることが必要です。

ファンダメンタルズ分析で大事なこと! 【上村和弘のFX基本講座】、マネーゴーランド

つまり、今後、金利が上がると予想された場合に、米ドルが上昇する可能性が高くなります。日本と米国の金利が広がるには、下記3つのパターンが考えられます。

1. 日本の金利がマイナス0.5%に下がる。
2. 米国の金利が1.00%上がる。
3. 日本の金利がマイナス0.25%に下がり米国の金利が0.75%に上がる。

金利に限らず、株式・景気・雇用・物価と全ての要因で、予想したい通貨ペアに関わる二国を比較する。比較する時は、現在だけでなく将来どうなるかを予想する。この考え方をくせにするのが、ファンダメンタルズ分析の基本ですので、その辺りを意識しながらニュース等を見て行くと良いですね。関連記事は第18回「米ドル/円相場の割安度は?これから円高・円安?」を参考に!
大まかに理解頂けましたか?

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:通貨ペア
FXで売買する通貨の組み合わせを通貨ペアといいます。米ドル/円、豪ドル/円、ユーロ/ドルといった組み合わせのこと。米ドルを買うと日本円を売るというように、左側の通貨を買うと右側の通貨を売ることになります。

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執筆者

上村 和弘 (かみむらかずひろ)

アセットクラス&WEBコンサルティングLLC 代表CEO・ファウンダー 日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP会員、1級FP技能士 1990年 現三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社を皮切りに、証券リテール業務や企画調査、ファンド事業等に従事。1999年より、FX事業の新規立ち上げ後、複数社での金融ネット事業の立ち上げ、事業再構築・運営等の統括マネージメントを経て2011年独立。現在、金融情報サービス事業をコアに、投資教育系、システムツールのサポート業務を行う他、シンクタンク系企業、金融システムベンダー等の顧問等を兼務する。1968年生、宮崎県出身。

上村 和弘

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FXは、朝・昼・夜と24時間いつでも取引できます。これは日中、取引しにくいサラリーマンにとって大きなメリットです。朝起きて仕事に行く前、帰宅して寝る前に取引している投資家もたくさんいます。そのような中、効率よく取引するには、様々な時間帯を理解した上で向き合う事が奨められます。以下、時間帯毎のポイントや流れなどを記載しましたので、覚えておかれると良いでしょう。

■メリハリをつけて取引しましょう!

一日中、取引できるFX。だからといって24時間取引していたら集中力が持ちません。メリハリをつけて取引する事が重要です。そのために、外国為替市場がどのように動いているか一日の流れを理解しておくこと。

外国為替市場は、日本や米国、欧州などで様々な金融機関・法人・投資家が電話やコンピュータを使って売買しています。そして世界各地には時差がありますよね。この時差を利用して24時間休むことなく、売買できる仕組みが出来上がっています。

「世界で取引される外国為替と取引開始時間」
世界で取引される外国為替と取引時間、マネーゴーランド

■基本となる4つの時間帯に分類してそれぞれの特徴を見ていきましょう。

「外国為替の取引時間」
世界で取引される外国為替と取引時間、マネーゴーランド

1、オセアニア時間(ウェリントン・シドニー市場):6:00頃~
外国為替市場は、東にある国の方が早い時間に始まります。聖徳太子が、「日出処の天子」と送った相手国は、日本から見て西にある中国(隋)でした。そして、日本よりも朝が早い国は、さらに東にある国、オーストラリアとニュージーランド。外国為替市場の一日は、オセアニアから始まります。

月曜日は、週末の休日に起きた経済イベントの結果を反映して始まります。そのため、週末の為替レートから大きく離れた価格で始まることもあります。

平日のオセアニア時間は、豪ドルやNZドル以外の通貨に関して、動きの少ない時間帯です。オーストラリア・ニュージーランドともに国の規模が小さいので、世界経済に与える影響は軽微で、また時差の点からも参加者が少なく落ち着いた動きとなります。米ドルや日本円中心で取引する方は、その後のアジア時間に向けてウォーミングアップの時間です。朝起きて前日のニューヨーク時間をチェックしてから取引を始めます。

2、アジア時間(東京・香港・シンガポール):9:00頃~
東京を含むアジア時間は、日本円の取引が多い時間帯。日本・中国の経済指標が発表されるため、日本・中国の株式市場の動きは為替相場に大きな影響を与えます。

日本の株式市場は9時からスタート、さらに、銀行取引の際の基準レートとなる仲値決めが10時(9時55分頃のレートを元に決定)にあり、午前中は、米ドル/円を中心に変動幅が大きくなる時間帯。
そして、東京時間の午後は、ちょっと一休み。特別な材料が出てこない限り、欧州が始まるまで動きが小さめとなりやすい時間帯です。

3、欧州・ロンドン時間:15:00頃~
ここからが大きく変動を始める外国為替のメインの時間。欧州時間は、欧州各国の実需・投機が集まる活発な時間帯です。夏時間は日本の15時頃(冬時間は16時頃)から、夜中に掛けて為替相場が動き始めます。サラリーマンのFX投資、メインの時間です。

大きな変動での利益を狙う場合は、ロンドン時間が狙い目です。ロンドン時間が始まると、アジア時間のトレードで作られたポジションを損切りさせる方向で仕掛けてくる取引参加者が出てきたり、(材料が多い事で、)それまでの動きから急激に反転したり、わずかな時間でも上下に価格が変動することがありますのでチャンスも膨らみます。

4、ニューヨーク時間:21:00頃~
欧州時間の後半と重なるニューヨーク時間は、米国系のファンドや機関投資家も参入し、米国の経済指標・米株式市場もスタートするクライマックス。

特に、米国の経済指標は、世界中の投資家が注目している重要指標。指標の結果次第で大きく動くので、いつ何の指標が発表されるか掴んでおかないと危なくて取引できません。

真夜中を過ぎて午前2時頃になると、一日の流れの中で終りを迎えはじめますが、遅い時間にあるイベントや経済指標の発表次第では荒れ模様のまま続くこともあります。

以上、外国為替市場の1日について触れてみました。時間帯によって、取引の癖なども出てきますので、大まかでも流れを把握すると良いでしょう。

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:経済指標とは?
各国の省庁や政府機関が発表する景気や雇用などの状況を数値化した統計。株式・為替といった金融市場の価格に影響を与えるため、統計数字や予想に注目が集まります。
雇用統計や新築住宅販売件数、消費者物価指数、GDPなどが重要指標とされています。

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●FXの基本
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初心者に向いている分析方法は?【上村和弘のFX基本講座】

この連載を読んでいけば、FXの経験が無い方もFXビギナーの方も一定のFXトレーダーになれる!知っておくと便利な事やFX知識として重要な事、そしてお得な情報までを解説するシリーズ【上村和弘のFX基本講座】。

■初心者に向いている分析方法は?

今回は分析方法について取り上げて見たいと思います。FXや株式投資、商品投資家の間で激しい議論が行われているテーマ、題してテクニカル分析VSファンダメンタルズ分析。その中でも初心者向きなのはどちらか?ということにフォーカスいたします。

大きく分けると為替相場の先行きを予想する方法は、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析の二つ。どちらも大事な予想法なのですが、初めてFXをスタートする方は、どちらから勉強すれば良いのでしょうか?テクニカルとファンダメンタルズのどちらが優れているかの比較だと結論は出ませんが、初心者がどちらから学べば良いかをFXの個人投資家に質問すれば、答えは偏ります。私の答えも同様に、テクニカル分析から始めよう!です。

なぜなら、銀行や証券会社に入って、はじめから相場の勉強を始めるなら、相場の勉強をする時間や情熱がたっぷりありますから、ファンダメンタルズ・テクニカル双方を勉強出来るでしょう。私が証券会社に入った時には、最初にファンダメンタルズ・テクニカルに掛かる内容を研修センターで約1ヶ月間、缶詰状態で朝から夜遅くまで学ぶ事となりました。

しかし、個人投資家にとって、何よりも貴重なのは時間です。仕事や子育て、趣味や習い事、、、時間には限りが有りますね。ファンダメンタルズ分析は、理解するのに時間がかかります。しかも初心者トレーダーにとって幾つかの欠点を持っているために、ファンダメンタルズ分析から始めると、失敗してFXや資産運用自体が嫌になって諦めるケースが多いと思います。

ファンダメンタルズ分析が初心者向きでない理由

それではなぜファンダメンタルズ分析が初心者向きではないのか理由を挙げてみます。

1.為替相場の変動要因が多い上、情報の鮮度の問題が出る!
⇒勉強・分析しなければいけない事が多岐にわたります。加えて、世界中で起こりえる事象に対しての情報収集に地理的な限界が生じ得ます。実際、「海外情報が入ってくるのが多少遅れる」、「なぜ動いているのか分からない」、「情報を把握する前にチャートが動いている」、という事は頻繁に起こります。
2.セオリー通りに為替相場が動かない!
⇒株価が上昇すれば通貨高というセオリーがあっても必ず、その通りに動くとは限らず、セオリーが間違っているのか他に原因があるのか分からなくなり混乱します。同じ情報でも解釈が変わってくる事がありますので、そのポイントを理解するのに時間を要します。
3.経済指標等の統計数字は多くの項目がある!
⇒前月比や前年比・季節調整など項目が多くて初心者は戸惑う事が多くなります。また、把握するのに時間が掛かります。その点、テクニカル分析はスッキリ、しかも株や225先物等にも利用出来ますので、知識を幅広に生かせます。
4.短期トレードに使い難く、リスク管理や経験が積めない!
⇒ファンダメンタルズ分析が役立つのは中長期トレードが基本。つまり、売買する回数が少なくなるため、初心者にとって大事なトレード経験が積み難くなります。またリスク管理に掛かる対応はテクニカル分析がメインとなります。
5.利益も大きいが損失も大きくなりがち!
⇒ファンダメンタルズ分析は中・長期トレード向きですから、狙う利益幅が大きくなりますので、逆に動いた時の損失も大きく発生し易くなります。天気予報と同じ、期間の長い予測は精度が落ち込みますので、リスクが相応に高まります。
6.毎日変化する市況の確認、状況判断が大変!
⇒ファンダメンタルズ分析の勉強が中途半端な状態だと、毎日のように変化する値動きと市況に対して動いた理由が分からなくなります。また現状が、どのような位置関係にあるかの判断が付きません。テクニカル分析は統計的、時系列的に、また心理学的に現状、将来を予測分析するため大変効果的です。

以上、6つの理由を上げましたが、ファンダメンタルズ分析も必要ですし、もちろんテクニカル分析にも欠点があります。初心者が短時間で学べる事&簡単に学べる、パフォーマンス向上(効果が出易い)という点でテクニカル分析に軍配を上げています。参考になりましたか?

本連載では、テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析についてバランス良く紹介していきますので、楽しみにしていてください。

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

【上村和弘のFX基本講座】バックナンバーもご覧ください!
●第1回 FXの基本
●第2回 FXって何?
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●第19回 直前、6月FOMC利上げの内容と対策!

直前、6月FOMC利上げの内容と対策!【上村和弘のFX基本講座】

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■6月FOMC利上げの内容と対策!

6月度のFOMCが間近に迫って参りました。米国が金利を引き上げるか否か、注目のマーケットとなっています。今回は短期的な為替動向に影響を与える重要な時期という事で、この辺りに触れてみたいと思います。

6月3日の夜に発表された5月雇用統計前までは、米国の6月~7月の利上げ確率が高く、米ドル/円相場は円安傾向でした。

●米ドル/円の8時間足チャート:DMMFX
米ドル/円の8時間足チャートの画像
※引用:DMMFX

現在の0.5%の米国政策金利が、0.75%or1.00%に引き上げることが実施されると、米ドルの預金に預けた場合に貰える利息が増えます。外貨預金での金利上昇に加え、ドル高・円安の期待も高まります。FXのスワップポイントで貰える金額も同じように増えます。ということは、投資すればたくさんお金が貰える米ドルへの投資が増えて通貨高へと動く可能性が高まるのです。

ちなみに、利上げは、米国の中央銀行であるFRBが金融政策会議を開いて決めます。その会議の名前が連邦公開市場委員会、FOMC(日本の金融政策決定会合に該当)です。次回会合は6月14・15日、次々回が7月26・27日。直近までは6月または7月に利上げ実施との予想で、米ドル/円は円安に動き111.44円まで上昇していました(5月安値から5.9円上昇)。ところが、6月3日の米雇用統計の数字が悪かったために、為替相場は一気に106.49円まで下落、6月利上げ説が、かなり後退となっています。

■FRBの役割と利上げの効果

米FRBの役割は、経済成長&雇用確保とインフレ安定が目的。そのために、金利を上げ下げして経済をコントロールします。経済的な利上げ・利下げ効果は以下のイメージ。

●利上げ=景気加熱やインフレ・資産バブルを抑える。
●利下げ=景気を刺激し、企業の投資意欲を向上させる。

米国経済が好調なのは良いことですが、ブレーキをかけないと、インフレや株・不動産のバブルが起きてしまい経済成長が長続きしない懸念も生じ得ます。金利を上げるのは、経済に対するブレーキ、これによって安定した経済成長を目指します。金融政策の舵取り役ですね。

さて、利上げ自体、幾つかのシナリオが考えられますね。

1.雇用統計は悪いが早期利上げ、6月か7月に実行⇒円安に動きやすい!
2.他の経済指標を見ながら利上げを秋ごろまで延期(9月以降に延期)⇒一旦、円高に動きやすい!
3.米景気は悪化しており年内利上げ不可能=2017年以降に延期⇒円高に動きやすい!

どのシナリオを取るかで、中期的にも円高・円安の予想が変わってきますね。

いずれ利上げされると考えるならば、貰えるスワップポイントも増えますし、円高に動いたところで、米ドルを買うのは良いチャンスかも知れません。長期投資の鉄則、突っ込んだところは一つのポイントになりますね(第9回)。今年後半、少しずつ買って行く事も検討されるかも知れません。

もっとも、逆に利上げ不可能と予想した場合には、しばらく円高に動くと考えられますから、短期的にドル売り主体に為替差益を狙う方法を検討してみるのも一法です(第15回第16回)。柔軟なトレード対応が望まれる局面ですね。間近に迫ったFOMC、注目して見ると良いでしょう。

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●第18回 米ドル/円相場の割安度は?これから円高・円安?

米ドル/円相場の割安度は?これから円高・円安?【上村和弘のFX基本講座】

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米ドル/円相場の割安度は?これから円高・円安?

米国の利上げ時期が近付いている事もあり、今回は米ドル/円相場の大きな流れについて触れておきたいと思います。

現在の米ドル/円相場が割安なのか割高なのかを判断するには経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)を分析する事が必要ですが、分かり易い判断材料としては、長期間に掛かるチャートを見ると参考になります。

以下、2003年8月からの月足のチャート(平均足)を表示してあります。

2003年8月からの月足のチャートの画像
※引用:DMMFXの月足チャート

米ドル/円は、2011年の10月31日に75.57円の安値を付けた後に上昇を開始して、2015年6月5日に125円85銭まで円安が進みました。この間、約50円も円安に動きました。FX投資家が資産を大幅に増やした時期ですね。この頃はキャピタルゲインとインカムゲイン、ダブルで成果が出た時期です(第9回参照)。

現在、米ドル/円相場は大体111円前後。2011年末からはじまった自民党安倍政権のアベノミクスによる円安トレンドは一段落して、揺り返しの円高トレンドの様相です。そこから少し切り返しているのが現状、せめぎ合いのタイミングです。ここから切り返しが確認、平均足の反転などが見られると、大チャンス到来です。 逆に反転出来ないまま夏場に突入すると、円高のトレンドが長引く恐れがありますね。もっとも、月足の平均足では変化の兆候は出ていませんので、円高地合いが怖いところですが…。

■現在の米ドル/円相場を取り巻く情勢

為替相場の変動要因は金利・景気・株価など。その中でも、大切なポイントを簡単に押さえておきましょう。

<日米の金利差>
金利の高い通貨は利息をたくさん貰えるために高くなりやすく、日本の金利が低いままで、米国の金利が上がれば、基本米ドル高要因となります。米国の政策金利は0.5%と日本・欧州より高い。

●政策金利推移グラフ
政策金利推移グラフの画像
※引用:外為どっとコム

米国は日本より経済が好調。サブプライムローンやリーマンショックの原因を作りながら、日本や欧州よりも早く経済回復しています。そのため、先進国の中でいち早く、2015年12月に利上げを行いました。そして、今夏に2回目の利上げタイミングを計っています。

2016年6月~9月のどこかで利上げする可能性が高く、世界中の投資家が米国FRBの動向に注目しています。

■日銀の追加金融緩和

一方、日本は一向に景気が上向かないまま、いまだにデフレに苦しんでいます。期待を背負って登場した日銀黒田総裁もインフレ目標の2%をいまだに達成できません。ついにマイナス金利を実施しましたが効果は弱く、更なる追加緩和を求められています。

<世界的な経済混乱>
世界同時株安・原油価格下落・難民問題など世界は大きな問題を抱えており、経済的にも不安定さが露呈していますね。ブラジル・中国・インドなど新興国は先進国以上に株価下落や通貨安・資金流出に苦しんでいる状況。

<通貨安競争>
米国経済は好調、しかし、世界のほとんどの国は、不景気やデフレで苦しんでいますね。その不景気やデフレ解決策の一つが自国通貨を安くすること。日本のアベノミクスも金融政策で通貨安=円安を起こして経済を良くすることが一つの柱でした。しかし、全ての国を通貨安にすることは不可能!

なぜなら、通貨を安くするということは他国の通貨が高くなること。日本円が安くなるということは米ドルやユーロ・韓国ウォンなどが日本円に対して高くなるということですね。円安の場合、米ドル高に動いていることがほとんど。つまり円安にしたければ、米ドル高が必要となるので、日本だけの都合で為替相場は決められませんね。以上、簡単に記載しておきました。

相場見通しや変動要因の分析については専門家に委ねるとして、重要なタイミングに差し掛かっているだけに、夏場にかけてのドル円相場を少し見ていくと良いかと思います。

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

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●第1回 FXの基本
●第2回 FXって何?
●第3回 FX投資家の実状
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●第7回 FXを極める第一歩:相場予測はまずチャートから!スマホ編
●第8回 平均足チャートで、これからの為替の動きを予想しよう!
●第9回 FXのスワップポイントで一石二鳥を狙う:長期投資に効果大
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