注目の米国雇用統計は一定の数値に【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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■7月第3週の見通し(2016/07/11)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「米国雇用統計は一定の数値」

先週末に発表された米国6月雇用統計の結果は予想以上の雇用者増となりました。しかし、ドル円は100円を瞬間割り込むなど、上値の重い展開が続いています。

先週発表された米国非農業部門雇用者数は28万人増と、予想の17万人を大きく上回りました。前月は予想を大きく下回ったことで市場ではネガティブサプライズとなりましたが、今回はポジティブサプライズとなるなど、予想は一体どうなっているのかと言いたくなりますね。

この結果を受けドル円は一時101円30銭まで買われましたが、一転して99円99銭まで下落しました。それは、前月の分が1万1千人しか上方修正されなかったためでした。直近3か月平均が14.7万人と低下したことを嫌気したものです。また、失業率が4.9%と予想の4.8%を上回ったことも売り材料となりました。しかし、平均時給は前月から2.6%上昇するなど、全般に見ると雇用市場への不安は一先ず払しょくされたと考えられる内容です。

「米景気の底堅さと欧州不安との綱引き」

前月の雇用統計結果からFRBの年内利上げ観測が後退しましたが、これで再び利上げ期待が高まる可能性が出てきたと言えそうです。ただ、英国のEU離脱問題や欧州景気減速懸念、が燻ぶる中で、年内利上げはかなり難しい状況といえます。それは、ドルの上値が重いという事にもなります。

これだけの雇用統計の好結果を受けてもドル円が下落したという事は、そのような事情があったと考えられます。マーケットはどうしても100円を割らせたかったのでしょう。ブレグジットでドル円は東京市場で99円まで下落したことで、再度そのレベルを見に行こうとするのがマーケットの習性です。

しかし、今回も100円の壁は完全に崩れませんでした。100円を割り込むと日銀による介入警戒感が高まったのでしょう。結局100円ミドルに反発して引けてきました。
今週は複数のFRB幹部メンバーの講演などがあり、ブレグジット後の国内外の景気に対してどのような発言をするか注目が集まります。

ブレグジットによる欧州や英国の景気減速懸念に対して、米国の景気期待の高まりが市場のセンチメントを変えることが出来るか、綱引きが始まります。

今週は日本の参院選挙の結果も明らかになります。もし、自民公明与党が勝利すればアベノミクスへの期待が再び高まり日経株価も上昇するとみられます。そうなればリスクオン(リスク選好)による円安が進む可能性があります。100円は近くて遠い壁になりそうですね。

【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、来週も宜しくお願い致します。

▼30秒でわかる!7月第3週、今週の為替市場の見通し

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  • 注目の米国雇用統計は一定の数値に【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

執筆者

岡安 盛男 (おかやすもりお)

レグザム・フォレックスLLC (http://fx-okayasu.com/)代表、為替アナリスト                                                 外資系銀行に20年間在籍、1999年より為替デイトレーダーとして独立後は、 自身のトレードスタイルを確立、実践的な為替投資の啓蒙活動の他、FXスクール講師やFX会社向けの情報提供サービス、投資家向け情報レポートを展開(http://www.gladv.co.jp/members/fx_bible/)。ラジオ日経「岡安盛男のFXトレンド」、日経CNBCの「朝エクスプレス」など出演中。執筆多数。

岡安 盛男

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■7月8日、米雇用統計に注目

7月8日(金)に公表される米雇用統計は今後のFXにとって非常に注目度が高まっています。5月の雇用統計が3.8万人と異常に低く、6月の数字も悪い場合、いよいよ米経済の悪化は本物という見方が出てきます ⇒ 7月の米国利上げが見送られる公算となります(第19回「直前、6月FOMC利上げの内容と対策!」)

「米雇用統計の推移」
米雇用統計の推移、マネーゴーランド

さて、米雇用統計を直前に控え、影響を与える金利について触れておきたいと思います。米ドル/円は、日本と米国の金利差で変動しますし、米国の雇用統計が大事なのも、最終的に金利に関係してくるから大事なのです。

■金利で為替相場が動く

金利が為替を動かすという関係は、為替相場を予想する上で最も大切。金利から為替相場を考えると、なぜ、円高や円安に動いたのかその理由が分かるようになります。

その流れをカンタンに解説しましょう。為替相場の変動要因はたくさんありますがエース格は金利です。
米国の雇用統計が良い ⇒ 米国の景気が良い ⇒ 金利が上昇 ⇒ 米ドルが買われる!
というのがパターン。逆に言うと米国の雇用統計が良くても金利が上昇しなければ、米ドルは上昇し難いということ(もしくは一時的な上昇で終える)。

そして、米ドル/円相場を予測するには、米国と日本の金利が今後どうなるかを予測することです。その金利をコントロールする司令塔が中央銀行。そう、米国のFRB日本の日銀中央銀行が金利を決める役割を持っている為、FRBや日銀の要人発言や政策に注目が集まるのです。

中央銀行が決める金利を「政策金利」と呼び、政策を「金融政策」と呼びます。今まで、日米の金利を決める政策、金融政策には違いがありました。

★日米の金融政策:基本路線
 米国=景気が良く、インフレ懸念があるため、金利を上げる方向
 日本=景気が悪く、デフレ懸念が強く、金利を下げる方向

米国の金融政策が変化するかもしれません。英国のEU離脱問題で世界経済への危機感が浮上している中、米国の雇用統計が悪いと、少なくとも当面の間、金利を上げる余裕が無くなります。

■2年物と10年物の国債金利

中央銀行が決める金利と合わせて見て欲しい金利があります。それが、国債(*)の金利。中でも2年物と10年物の国債金利に注目してください。セオリーは、国債金利が上昇すると通貨も上昇、逆に国債金利が下落すると通貨も下落します。安全性の高い国債の動きは、株式や通貨に影響を与えます。

次に、二国間の金利を比較すること。米国の金利が上昇し、日本の金利も同じ幅だけ上昇すればどうなるでしょうか、その場合、金利差に変化はなく、米ドル/円は概ね横ばいの動きとなります。

日米の国債金利差は、比較チャートで見るとすぐに分かって便利です。

日米の国債金利差、マネーゴーランド
※引用:GMOクリック証券

今度の雇用統計では、国債金利の動きにも注意してみると、一歩進んだトレーダーになれます。日本はマイナス金利という未曽有の世界に突入していますが、米国の金利も下がっているため(2年債0.59%:2016年7月1日)、意識して見ていくと良いですね。

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:国債
国が発行する債券。国家が元本や利払いを保証しているために安全性の高い債券、発行時に償還(返金)期限と利率が決まっており、発行から償還までの期限は様々。10年満期の国債を長期国債。1年未満を短期国債、その間を中期国債と呼ぶことが多い。

【上村和弘のFX基本講座】
全バックナンバーはこちらから

●第14回 米国の雇用統計はFXのフィーバーデー! 月に一度のビッグイベント!
●第16回 円高リスクを防ぐ。FXでヘッジしましょう!
●第18回 米ドル/円相場の割安度は?これから円高・円安?
●第19回 直前、6月FOMC利上げの内容と対策!
●第24回 FXなら積み立て投資がいい!ドルコスト平均法による長期投資を
●第26回 外国為替市場の1日、FXで儲けたいなら流れを知ろう!
●第29回 英国EU離脱は変動チャンス⁉︎ ショートの活用テク

投資家が注目する「毎月第一金曜」って何? 【森川あきこの気長にゆったりFX】

今日は七夕ですね! 七夕だからといって特に何かするわけではないですが、毎年この時期になると近所のスーパーに飾られる笹の葉にかけられた短冊を見ています。かわいらしいものやまじめなものやほほえましいお願いまで…短冊も色とりどりできれいですよね♪

■毎月第1金曜日はアメリカ雇用統計発表の日!

カレンダーを見ると、今月は七夕だとか海の日があるという風にイベントを確認することができますよね。そのような感じで投資家のための重要なイベントが載っている経済カレンダーと呼ばれるものがあります。経済カレンダーにはたくさんのイベントが載っていますが、中でも最も注目される指標が、毎月第1金曜日に発表されるアメリカの雇用統計(非農業部門雇用者数)です。

世界経済に大きな影響を与えるニュースが起きると市場もそれにともなって反応して動きます。最近何かと話題になっているイギリスEU離脱問題などはテレビでもよく取り上げられていますが、あまり派手に報道されるわけでなくても毎週第1金曜日のアメリカ雇用統計の発表の前後は相場が活発に動きます。

経済カレンダー、マネーゴーランド

■なぜ、アメリカの雇用統計が重要なのか?

なんといっても世界最大のGDPを誇る経済大国アメリカ。そのGDPの内訳のなかで7割を占めるのが個人消費によるものです。そのため、雇用者数や失業者の変化が直接、アメリカ経済の景気につながっていきます。

また、アメリカは世界各国とさまざまな貿易を行っているのでアメリカの経済が他国に与える影響もとても大きく、FXではこの指標の発表前後にはドルに直接かかわらない通貨ペアも反応します。例えば、USD/JPYだけでなく、EUR/JPY、AUD/JPYも反応したりします。

■ポイントは予想を上回るか下回るか

では、数値が発表されるとどのように動くのでしょうか。前月よりも今月の方が雇用統計の数値が良くなっていた → 景気も良くなっている → ドルが上昇 → ドル高・円安 →ドル円なら買い! という予想を立てたとします。実は、これは決して間違った予想ではないのですが必ずしもドル高円安の流れにはなりません。

なぜかというと、注目される部分が前月よりも良くなったかではなくて、経済カレンダーに載っている事前の予想よりも高いか、低いかによってどちらの方向に動くのか決まる傾向があります。つまり、前月よりも雇用が良くなっても予想より数値が下回れば円高になる可能性があるのです。

明日の雇用統計の予想は17.5万人。結果はどうなるのでしょう?

現在は、基本的には円高の流れだと考えておりますが雇用統計の結果次第では別の動きがあるかもしれないので、雇用統計前までドル円の売りのポジションを入れて様子を見てみます。黄色のラインを越えて下がれば引き続き円高になると予想してみます!

結果は次回にお伝えしますね。結構自信のある局面、大きく儲けられるかなぁ…。

経済カレンダー、マネーゴーランド

では次回もお楽しみに~。

新しいテーマ探しの動き?! 【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

■7月第2週の見通し(2016/07/04)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「米国雇用統計に注目集まる」

先週はブレグジット(英国のEU離脱)による混乱の余波が世界的な金利低下をもたらすと同時に株価全体を押し上げました。
予想外のブレグジットにより今後英国だけではなく、欧州や米国経済にまで影響を及ぼす可能性が高まりました。

先週はBOE(英国中央銀行)のカーニー総裁が夏にかけて追加緩和の可能性を示唆したことでポンドは急落しました。ブレグジットによる今後英国経済への影響を憂慮したものと思われます。

また、ECB(欧州中央銀行)も債券購入ルール緩和を検討するとの一部の報道でユーロも売りが強まりました。その後ECBはこの報道を否定したものの、何らかの追加緩和措置を行う可能性が高いと市場は考えています。

この流れを継いで、日銀の追加緩和期待が高まりました。今回の混乱で米国FRBも年内利上げは難しいとの見方も広がるなど、世界的な金利低下傾向がみられました。

これを受け、米国長期債利回りは一時過去最低の1.37%台に低下。日本やドイツの長期金利も軒並み低下しました。また、同時に金価格もリスク回避の動きを意識され大きく買われるなど、リスク回避による安全資産への資金の逃避が目立ちました。

一方で、株式市場はこの金利低下を好感し大きく上昇。NYダウは1万8千ドル近くまで上昇するなど、こちらはリスク選好の動きになるなど株式と債券市場ではリスクへの見方に温度差が感じられます。ブレグジットショックは残るものの、寧ろ結果がはっきりしたことで市場の不透明感はある程度払しょくされたことも事実です。一方、世界経済にどう影響するかは不確定要素として今後も残ります。

市場全体を見ると、一先ずブレグジットによる混乱は落ち着き始めており、市場は次のテーマを探り始めようとしているように見えます。

今週は米国雇用統計が週末に発表されます。前月は雇用者数が予想を大きく下回ったことで米国の利上げ期待が一気に後退。ドル売りに反応しただけに、今回の結果に市場の注目が集まります。前月は悪天候やストライキといった特殊要因が多かったことから今回はその反動で予想を上回るのではといった見方もあります。

もし、予想を大きく上回るようならFRBの利上げ観測が再び浮上するかもしれません。今は悲観的な見方が先行しているだけに、この結果次第では市場のセンチメントが一転する可能性もあります。お金はいつまでも安全なところに居座ることはありません。いずれリターンの高い商品や金利を求めて動き始めることになります。今回の米雇用統計が、そのきっかけとなるか、皆さんも注目してみましょう。

【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、来週も宜しくお願い致します。

▼30秒でわかる!7月第2週、今週の為替市場の見通し

米国の雇用統計はFXのフィーバーデー! 月に一度のビッグイベント!【上村和弘のFX基本講座】

FXの経験の無い方も、FXビギナーの方もこの連載を読んでいけば、一定のFXトレーダーになれる、知っておくと便利な事、知識として大切な事、お得な事まで解説するシリーズ【上村和弘のFX基本講座】。

FXで一番盛り上がるイベントは、毎月第一金曜日開催の米国雇用統計です。世界一の経済大国、米国の景気・雇用が良いか悪いかは、あらゆる国に影響を与えます。まさに米国がくしゃみをすると、他国が風邪を引くくらい。その米国経済の良し悪しを判断するための重要な経済指標が雇用統計です。間近に迫った雇用統計、今回取り上げて見たいと思います。

■米雇用統計発表日時:毎月第一金曜日の21:30

今回は、6月3日(金)の夜になります!まず、前回の雇用統計(5月6日)をチャートで振り返ってみましょう。

米ドル/円の4時間足チャート・平均足の動き
米ドル/円の4時間足チャート・平均足の動きの画像
※引用:DMMFX

赤枠で囲ったところが、前回の雇用統計。前回は、幾つかある雇用統計の数字の中で、非農業部門雇用者数が予想より悪かったために、米ドル/円は円高に動きました。発表前は、106.80円前後でしたが、直後に106円半ばまで下落。その後は、平均時給(前月比)が予想通り0.3%と強かったこともあり、円安トレンドに戻っています。雇用統計は変化点、発表後から相場動向に傾向が出ますので注目視されます。平均足の見方は第8回で述べていますが、セオリー通りの動きが観測されていますね。2円以上の利幅、大きく儲けられた状況です。

■米雇用統計を見るポイント

1.予想と結果の差を見る
雇用統計前には、市場予想が出てきます。この市場予想と実際に発表される数字の差が大事。予想より悪ければ円高に、良ければ円安に動きやすい傾向となります。
2.非農業部門雇用者数が影響大
雇用統計は幾つかの統計が発表されます。中でも大事なのが非農業部門雇用者数、
そして、失業率・平均時給・労働参加率なども注目されています。

■なぜ、雇用統計が重要なのか?

為替相場に大きな変動をもたらす雇用統計。その理由をカンタンに言うと、米国の中央銀行であるFRBが雇用統計の数字で、金融政策=金利の上げ・下げの判断材料にしているから。お金は金利が大好きで、金利の高くなる通貨の方に流れていきます。そして、金利を決める役割を担うのが中央銀行であり、米国だとFRBがその役目を負います。

米国経済の調子が良く好景気になれば、インフレやバブルになる恐れがあるため、金利を上げて景気を冷やします(金融引き締め)。逆に不景気だと、金利を下げて景気回復を狙います(金融緩和)。その景気判断の基準となるのが経済指標であり、注目度の高いのが雇用統計なのです。

景気が良いと企業は働く人を増やします=雇用増。不景気だと雇用を減らしますね。日本と違い米国は、景気によって雇用をすぐに調整しますから、より重要性が高いというわけです。6月の雇用統計は、数字が良ければ、6月や7月の利上げ可能性が強まるため、注目しましょう。今回の雇用統計についての勉強は、これくらいにしておきます。

この雇用統計日、FX各社がセミナーやイベントの形で解説などを行ってくれています。
以下に雇用統計特別企画をご紹介しますので、気になる方は視聴ください。

■岡三オンライン証券
開催予定:6月3日(金)21時~
岡三オンライン証券のセミナー画像
http://www.okasan-online.co.jp/seminar/usa/

■外為どっとコムの米雇用統計全員集合!
開催予定:6月3日(金)21時~
外為どっとコムのセミナー画像
http://www.gaitame.com/gaitame/tokuban/disclaimer.html

さあ、米国雇用統計イベント、いかがでしょうか。次回は、FXの様々な収益チャンスについて触れて行きます。宜しくお願い致します。次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

【上村和弘のFX基本講座】バックナンバーもご覧ください!
●第1回 FXの基本
●第2回 FXって何?
●第3回 FX投資家の実状
●第4回 FX会社はどうやって儲けるのか?
●第5回 FXはぶっつけ本番で始めると損しやすい
●第6回 FXを極める第一歩:相場予測はまずチャートから!
●第7回 FXを極める第一歩:相場予測はまずチャートから!スマホ編
●第8回 平均足チャートで、これからの為替の動きを予想しよう!
●第9回 FXのスワップポイントで一石二鳥を狙う:長期投資に効果大
●第10回 数十%の利回りも可能!外貨預金より有利なFXのスワップポイント!
●第11回 ボーナス時期目前!お得なFX新規口座開設キャンペーンをチェック!
●第12回 情報の氾濫・無料セミナーでFXを学ぶ!
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