新しいテーマ探しの動き?! 【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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■7月第2週の見通し(2016/07/04)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「米国雇用統計に注目集まる」

先週はブレグジット(英国のEU離脱)による混乱の余波が世界的な金利低下をもたらすと同時に株価全体を押し上げました。
予想外のブレグジットにより今後英国だけではなく、欧州や米国経済にまで影響を及ぼす可能性が高まりました。

先週はBOE(英国中央銀行)のカーニー総裁が夏にかけて追加緩和の可能性を示唆したことでポンドは急落しました。ブレグジットによる今後英国経済への影響を憂慮したものと思われます。

また、ECB(欧州中央銀行)も債券購入ルール緩和を検討するとの一部の報道でユーロも売りが強まりました。その後ECBはこの報道を否定したものの、何らかの追加緩和措置を行う可能性が高いと市場は考えています。

この流れを継いで、日銀の追加緩和期待が高まりました。今回の混乱で米国FRBも年内利上げは難しいとの見方も広がるなど、世界的な金利低下傾向がみられました。

これを受け、米国長期債利回りは一時過去最低の1.37%台に低下。日本やドイツの長期金利も軒並み低下しました。また、同時に金価格もリスク回避の動きを意識され大きく買われるなど、リスク回避による安全資産への資金の逃避が目立ちました。

一方で、株式市場はこの金利低下を好感し大きく上昇。NYダウは1万8千ドル近くまで上昇するなど、こちらはリスク選好の動きになるなど株式と債券市場ではリスクへの見方に温度差が感じられます。ブレグジットショックは残るものの、寧ろ結果がはっきりしたことで市場の不透明感はある程度払しょくされたことも事実です。一方、世界経済にどう影響するかは不確定要素として今後も残ります。

市場全体を見ると、一先ずブレグジットによる混乱は落ち着き始めており、市場は次のテーマを探り始めようとしているように見えます。

今週は米国雇用統計が週末に発表されます。前月は雇用者数が予想を大きく下回ったことで米国の利上げ期待が一気に後退。ドル売りに反応しただけに、今回の結果に市場の注目が集まります。前月は悪天候やストライキといった特殊要因が多かったことから今回はその反動で予想を上回るのではといった見方もあります。

もし、予想を大きく上回るようならFRBの利上げ観測が再び浮上するかもしれません。今は悲観的な見方が先行しているだけに、この結果次第では市場のセンチメントが一転する可能性もあります。お金はいつまでも安全なところに居座ることはありません。いずれリターンの高い商品や金利を求めて動き始めることになります。今回の米雇用統計が、そのきっかけとなるか、皆さんも注目してみましょう。

【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、来週も宜しくお願い致します。

▼30秒でわかる!7月第2週、今週の為替市場の見通し

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執筆者

岡安 盛男 (おかやすもりお)

レグザム・フォレックスLLC (http://fx-okayasu.com/)代表、為替アナリスト                                                 外資系銀行に20年間在籍、1999年より為替デイトレーダーとして独立後は、 自身のトレードスタイルを確立、実践的な為替投資の啓蒙活動の他、FXスクール講師やFX会社向けの情報提供サービス、投資家向け情報レポートを展開(http://www.gladv.co.jp/members/fx_bible/)。ラジオ日経「岡安盛男のFXトレンド」、日経CNBCの「朝エクスプレス」など出演中。執筆多数。

岡安 盛男

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大相場はリスクとチャンス~【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

■6月第5週の見通し(2016/06/27)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「大相場はリスクとチャンス」

先週は英国国民投票によりEUからの離脱が決定しました。市場は直前まで残留するとみていただけに、この結果はショッキングなものとなりました。ポンドは1.5ドルから1.32ドルまで下落し、ドル円も106円80銭から99円まで8円近く下落しました。東京市場でこれだけの動きがあるのは非常に珍しいことでした。元々東京市場はポンドやユーロの流動性(取引量)が低いことから、値動きが通常よりも過剰に動き過ぎたように思えます。この投票結果が欧米市場であれば、もう少し値幅は小さかったのかもしれません。

東京市場では円絡みの取引が多いことからポンド円やユーロ円なども激しく取引されたようです。結果的にポンド円は160円から133円まで下落。短時間で27円下落したのはリーマンショック以来かもしれません。歴史に残る動きといってもよいでしょう。この結果、為替市場だけではなく株式や債券、その他のすべての市場に激震が走りました。

英国がEUから離脱するという事は、英国だけではなくユーロや米国、そして日本にとっても今後不確定要素が高まることになります。特に、ユーロ各国では英国をモデルとして離脱する国が相次ぐ可能性が高まることになります。そうなるとユーロそのものの存亡危機に繋がりかねません。

また、世界経済や金融市場が不安定になれば米国の利上げ観測が後退しドル売の下落を引き起こす危険もあります、そうなれば、円高が進み日経株価を更に押し下げることにもなります。ただ、今の時点では余りに不確定要素が多く、次の展開を予想するのは極めて困難です。

マネーは最も臆病であり、そのような時は安全な資産に逃避しようとします。今回も同様で、安全な金や主要国の国債、そして円やドルなどに資金が一気に流れ込みました。しかし、マネーは臆病と同時に欲も大きく、市場が落ち着きを取り戻した時には再びリスクを求めて動き出すものです。それまでは亀の様に首を甲羅の中に引っ込めて成り行きを見守ることになるでしょう。

今週は先週の乱高下の後だけに、最初は様子を見てくる可能性もあります。しかし、これだけの激しい動きで市場はかなり傷ついていることから、損失を取り戻そうとする荒っぽい動きが続くと予想されます。相場が大きく動くときというのはリスクでもありますが、チャンスでもあります。滅多にないこの大相場で皆さんチャンスをものにしてください。

【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、来週も宜しくお願い致します。

▼30秒でわかる!6月第5週、今週の為替市場の見通し

【速報】ドル円下落は必至か⁉︎ 英国EU離脱で世界&日本経済はどうなる?

■特別レポート(2016/06/24)
為替アナリストの岡安盛男です。本日、英国のEUからの離脱の賛否を問う国民投票が行われ、即日開票されました。

その結果は、離脱の票が過半数を上回るサプライズが起きました。そこで、今後の為替市場に与える影響など、緊急レポートをお届けします。

■衝撃・世界が震撼、不確実性のリスク増大!

世界が固唾を飲んで注目した英国EU離脱を問う国民投票の結果は離脱という衝撃的なものとなりました。

開票直前まで出口調査などは残留支持が優勢との見方が圧倒的に多く、ポンドやユーロ、そしてドル円も東京市場の早朝には大きく買われました。ところが、徐々に投票結果が発表される毎に離脱派が優勢に傾き始めると市場の雰囲気は一変。

離脱がほぼ決定した瞬間ポンドは1.5の高値から1.32前半まで1800ポイント下落。ドル円は108円ミドルから100円をあっさり抜けて99円付近まで下落しました。その後は買い戻しが入り、ドル円は102円台に押し戻されましたが、依然として上値の重い展開が続いています。

■英国EU離脱に伴う世界経済への影響

英国がEU離脱を決定したことは今後の為替や株式市場、そして米国金融政策にも大きな影響を与えることになると考えられます。

先ず、英国は今後最低2年をかけてEUと離脱協議が始まります。この中で英国が有利な条件で貿易協定が結べるかが今後の焦点になりそうです。

何故なら、今後フランスやイタリア、オランダなどの他の27EU加盟国でも国民投票実施のドミノ現象が起きかねないからです。EU離脱はそれこそ欧州のEU懐疑政党のモデルケースになるという事です。

従って今後はポンド以上にユーロの下落リスクが高まる可能性があると考えられます。このような不確実性の高まりが市場の不安感を拡大することになり、それが経済にも影響を及ぼしかねません。

■英国EU離脱に伴う日本経済への影響は?

この決定を受け日経平均株価は大きく下落しドル円も下落するなど、今後の日本経済成長の足かせになる公算大です。

また、今回の離脱決定は米国金融政策にも影響を及ぼす可能性が高いと思われます。世界的な不確実性の高まりは経済や金融市場への影響が懸念され、米国利上げのタイミングが更に後退すると考えられます。そうなると、ドル上昇圧力は低下しドル円の下押し材料にもなりかねません。

一方、日銀はドル円の下落が止まらないようなら追加緩和を実施することで円高阻止を狙うと考えられます。しかし、前回の会合でマイナス金利を導入した際には最終的に円高を加速する結果となりました。追加緩和の効果には疑問が残る中での実施は寧ろ逆効果になりかねません。最終的に円高を止めるには当局のドル買い円売り介入頼みとなります。

しかし、こちらも米国などの反対もあり一時的な効果があっても中長期での円高阻止に効果があるかは疑問が残ります。

結果的に、今回の英国EU離脱決定により、今後もドル円の下落リスクは燻ぶることになりそうです。厳しい時代の幕開けです。

中学生でもわかる「やさしいFX解説」【上村和弘のFX基本講座】

この連載を読んでいけば、FXの経験が無い方もFXビギナーの方も一定のFXトレーダーになれる!知っておくと便利な事やFX知識として重要な事、そしてお得な情報までを解説するシリーズ【上村和弘のFX基本講座】。

先日「FXって何?」と中学生の息子に聞かれて、少し悩みました。とりあえず、子供にも理解出来るように簡単に説明したところ、何とか分かってくれたようでホッとしました。結構本質をついてきますし、分からないことは素直に「分からない」と言われてしまうので、説明するのって難しいですね。

今回は、そのような経験を踏まえて、ビギナーの方がFXをイメージ、理解できるようにQ&A方式で説明します。第2回「FXって何?」 でFXの特徴等を記載していますが、合わせて読んで頂けると良いかと思います。

■FXって何?

息子:お父さんの仕事、FXって何?

筆者:外国為替の取引の事で、パソコンやスマートフォンを使って売買するんだよ。
テレビでアメリカのお金(米ドル)とか見た事ない? ああいったお金の交換をする取引だよ。FXは「Foreign Exchange」、英語の略語。

息子:ニュースで見た事あるけど…外国為替ってどういうこと?

筆者:お金にはたくさんの種類が有るのは分かるかな? 日本は日本円、米国は米ドルと、ヨーロッパの方はユーロというお金があって、それぞれが違うお金を使っているんだよ。外国に行けば、その国のお金しか使えないという事が分かるかな? ここにある一万円は、アメリカに行くと、そこのお店では使えなくて、だから米国のお金である米ドルに交換しなければならない。それを外国為替と言うんだよ。

息子:両替ってことだね、すると得したり、損したりしないの? 儲かりそうだけど?

筆者:日本のお金と外国のお金を交換する時には、交換するための価格=レートがあって、常に動いている。このスマートフォンを見てごらん。
これが、米ドル/円の現在の値段だよ。

FXについて親子の会話! お父さんの仕事は? 【上村和弘のFX基本講座】、マネーゴーランド
※引用:DMMFX

売値(Bid)は104.538円、買値(Ask)は104.541円。これが買ったり、売ったりするときの価格、差が有るのは手数料だね。(*)

この為替レートは常に変化しているので、そこに損とか得とかの動きが出てくるね。
パパは上がるか・下がるかを予想して、その動きを書く事(為替の情報執筆)を仕事としているんだよ。それに上がると思えば買い、下がると思えば売る事で利益を上げようとしているんだよ。予想が当ったら儲かり、外れたら損という仕組みだね…こういう取引がFX。

FXについて親子の会話! お父さんの仕事は? 【上村和弘のFX基本講座】、マネーゴーランド

■FX=為替レートが上がるか下がるかを予想する取引

息子:ふーん、どうやって予想するの?

筆者:難しい事はさておき、買い方と売り方のどちらが強いかを考えるのが基本だね。過去の動きなどを見て、買いたい人と売りたい人のバランス、どちらに勢いがあるかを予想するんだよ。運動会の綱引きゲームだと思えばいいよ。綱引きチームのメンバーの体格や経験、テクニック、グランドの状態、天候、今までの戦績等を見て判断出来るよね。

息子:FXって誰でもできるの?

筆者:FXを扱う会社に口座開設してお金を振り込めばできるよ。お金を損することもあるから、20歳以上で働いている人、貯金のある人に限定している会社が多いけどね。ただ、貯金のある大学生で、FXで儲けようとする人もいるよ。

息子:どれ位のお金があればできるの

筆者:SBIFXトレードというFXの会社だと、1ドル通貨=約100円単位で取引できるよ。
それこそ数百円でFXに参加出来るね。

息子:大体分かった、何か面白そうだね。儲けられそうだし。
イメージがわくから夏に海外に旅行しよう!

筆者:たしかにイメージがわくけど、まずは覚える事をやってからだね、英語の勉強とか、数学の勉強とか、旅行先で何も分からないじゃ意味無いよね。それにお金も貯めないとね。
多くのFX会社は、最低取引単位を1,000通貨単位(=約10万円)に設定しているので、FXは10万円全額を預けなくてもいい取引なんだけど、最低5万円位はあった方が良いね。
まずは勉強、コツコツ貯金もしようね。

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:BID(売値)とASK(買値)
為替レートは、売値と買値の二つを同時に表示するのが通例。左側の安い方が売値で、右側の高い方が買値。この売値をBIDと呼び、買値をASKと呼びます。
買いたい場合は買値で買い、売りたい場合は売値で売ることになります。

【上村和弘のFX基本講座】
全バックナンバーはこちらから
●FXの基本
●FXって何?
●FXを極める第一歩:相場予測はまずチャートから!
●FXを極める第一歩:相場予測はまずチャートから!スマホ編
●平均足チャートで、これからの為替の動きを予想しよう!
●ボーナス時期目前!お得なFX新規口座開設キャンペーンをチェック!
●キャンペーン商品で生活?!
●米ドル/円相場の割安度は?これから円高・円安?

英国国民投票は市場の分水嶺~【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

■6月第4週の見通し(2016/06/20)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「英国国民投票は市場の分水嶺」

先週はドル円が強いサポート(下値を支える)レベルとみられていた105円を割り込み103円55銭まで下落しました。円高になった原因はやはり英国のEU離脱を問う国民投票を控え市場に不安感が広がっていたことです。不安定な市場の中で先週は日米金融政策会合が開かれました。

米国FOMC会合では予想通り利上げを見送りましたが、先行きの米経済に対し慎重な見方が示されました。また、イエレンFRB議長は英国国民投票や米労働市場への懸念を示しました。また、特定の利上げ時期に言及しなかったことから米国利上げペースが、これまでより緩やかになるとの見方が市場に広がりました。金利の引き上げ回数が少なくなるという事は、ドルの上昇幅も狭まるという事を表すものです。

一方、日銀は予想通り追加緩和を見送りましたが、この発表を機にドル円は一気に下落に転じました。これまでのドル円は日米金融政策の違いで上昇していましたが、その政策も節目に近づいたとの見方からドル円が売られたと考えられます。特に、英国のEU離脱という不安感が漂う中で安全通貨のドル円は買われやすい地合いにあったこともドル円の下落を促したと言えるでしょう。

今週は23日(木)にいよいよ英国の国民投票が実施されます。この国民投票は英国だけの問題ではなく、欧州や米国、そして日本にとっても大きな影響を与えます。英国がEUから離脱することになればEU内でも離脱をしようとする国が増えると考えられます。そうなればユーロの結束にひびが入り、ユーロ崩壊にもつながりかねません

そうなれば、世界の経済や金融市場にも影響を及ぼし米国の利上げ観測も後退。世界的なリスクの高まりから安全通貨の円が買われるという動きが予想されます。

そういった懸念からドル円は100円を割り込む可能性があります。一方、円高が一気に進むようなら日銀がドル買い円売り介入に入ると思われます。そうなればドル円は上下に大きく振れることになるでしょう。反対に、もしEU残留となればポンドやユーロが上昇し同時に安全通貨の円売りが進みドル円は一気110円方向に上昇するでしょう。

そういう観点からみると、今回の英国国民投票は市場の分水嶺になると考えられます。

先週は英国で残留キャンペーン中に労働党議員が射殺されるという痛ましい事件が起きました。英国内では同情票による残留支持者が増えるとの見方もあります。しかし、こればかりは蓋を開けてみないとわかりません。

皆さんの生活にも影響するこの国民投票を是非注目してください。【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、来週も宜しくお願い致します。

▼30秒でわかる!6月第4週の今週の為替市場の見通し

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