「REIT」と「REITファンド」は別物! その違いとは?

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1REITは不動産を投資対象にする上場投資信託

2REITファンドはREITを投資対象にする投資信託

3不動産への分散投資がREIT、REITへの分散投資がREITファンド

4個人が縁遠い地域への不動産投資はREITファンドを活用

※純資産残高トップのグローバルREITファンドを5年前(2011年5月)に購入し、5年分の収益分配金と2016年5月24日現在の基準価額を元に算出した収益(税引き前)

投資信託には、「REITファンド」という種類があります。「○○REITファンド」「●●REITオープン」が、それです。さまざまな資産に分散投資をしたい場合、株式以外の有力候補として、目にする機会も多いでしょう。

この「REITファンド」は、上場しているREIT(Real Estate Investment Trust=不動産投資信託)と似て非なる金融商品です。今回は、その違いをお伝えします。

■「REITファンド」と「REIT」の違い

庶民でも不動産投資ができる! 「REIT」とは?』の通り、REITは不動産に分散投資をする投資信託で、証券取引所に上場しています。東京証券取引所つまり「Japan」に上場している「J-REIT」や、海外の市場に上場するREITがあります。

では、「REITファンド」とはどのような金融商品なのでしょう? REITと何が違うのでしょうか。

「REITファンド」は、投資家から集めた資金で、複数のREITに分散投資をする投資信託です。複数の不動産を買い集めて1まとめの運用資産となったREIT。国内外に数多く存在するREITのうち、投資信託会社が運用方針に合うものを選び、いわば「REITをパック詰めにしたファンド」となったものが、「REITファンド」なのです。

「REITファンド」には、日本の「J-REIT」だけに投資する「J-REITファンド」や海外のREITを集めた「グローバルREIT」、地域を絞った「米国REIT」「アジアREIT」などがあります。

■「REITファンド」は複数のJ-REITに投資できる

東証上場の「J-REIT」だけでも50銘柄以上。数万円で1つ「J-REITファンド」を買えば、複数のJ-REITに投資できます。J-REITが複数の不動産に投資しているうえ、「J-REITファンド」がJ-REITを複数組み合わせており、さらなる分散投資になります。

一般に、個人の資金では不動産を買い集めて投資対象先を分散させるのは難しいですが、「REITファンド」なら、少額で分散投資ができ、リスクを抑えられます。

■個人が縁遠い地域への不動産投資が可能

また、地球の裏側で土地の値段が上がりそうだからその地域の不動産に投資をしたい場合でも、個人投資家がその地域に出向いて現状を調べるのは至難の業。「グローバルREIT」は現地の情報収集や物件の評価・分析などを専門家が行います。個人投資家は、運用管理費用(信託報酬)を負担し、投資しやすい仕組みにコストを支払います。

「REITファンド」は銀行や証券会社の窓口で、投資信託として取り扱っています。

■図版
REITファンド

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執筆者

石原敬子

CFP® 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 専修大学文学部人文学科心理学コース卒業後、証券会社で約13年の営業職勤務。その後2003年 1月にFP事務所を開業。「使うこと」に焦点を当てた個人相談、金融や資産運用を分かりやすく話すセミナーと書籍やコラムの執筆を行う。 http://www.keikoishihara-fp.jp/

石原敬子

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REITはマイナス金利政策と相性バツグン

マイナス金利政策の下で資産運用を考えた時、有利な運用方法として名が挙がる「REIT(Real Estate Investment Trust=不動産投資信託)」。

なぜ、日本銀行のマイナス金利とREITの相性が良いのでしょうか?『庶民でも不動産投資ができる! 「REIT」とは?』で紹介したREITのメリット(魅力)とデメリット(リスク)を踏まえて考えてみましょう。

デメリット「(4)金利の上昇に弱い」の反対が、現在。すなわち、低金利がメリットとなっています。その理由は……?

当面の使い道がないお金があったとします。金利がある程度高ければ、わざわざリスクをとらなくても、そのお金が預貯金や債券に向かうのは自然です。

しかし、環境はマイナス金利。預貯金や債券には魅力のかけらもありません。そこで分配金利回りの高いREITに関心が集まります。なぜREITの分配金利回りが高いのか? それは『庶民でも不動産投資ができる! 「REIT」とは?』を参照してください。

REITは価格が変動するので、投資元本が割れることもあります。しかし、当面使う予定のない資金でゆったりと投資できるなら、REITを持ち続けて定期的な分配金受け取り目的で投資したいと考えます。

このように、高い分配金利回りが魅力のREITにお金が集まると、次の展開が待っています。『投資信託が「上場している」って、どういうこと?』の通り、REITは証券取引所に上場しています。いわばオークション商品。多くの人が「いいね」「欲しい」と思えば価値が上がります。

早い時期に安い値段でREITを買っていた人は、値上がり益も期待できるのです。

ただし、REIT価格の上昇後に買う場合、すでに購入代金が高くなっています。同じ分配金額なら、値上がり後の購入では分配金利回りが低くなるので要注意です。

さらに、マイナス金利がREITの追い風になっている理由がもう1つ。

『庶民でも不動産投資ができる! 「REIT」とは?』では、REITの運用資金は、投資家のお金以外に金融機関からも資金を借りていると説明しました。マイナス金利政策の下では借入金利が低く、REIT運用上の必要経費が抑えられるため、投資家に還元する金額が増えます。

マイナス金利で、金融商品として相対的に魅力が高まるという側面と、運用上の経費削減という側面の2点から、REITはマイナス金利政策と相性バツグンと言われるのです。

庶民でも不動産投資ができる! 「REIT」とは?

日本銀行のマイナス金利政策が続く中、「REIT」が注目を集めています。

「REIT(Real Estate Investment Trust=不動産投資信託)」は投資信託の一種。ファンドの資金で不動産を購入し、賃料などの収益を投資家で分け合う投資信託です。『投資信託が「上場している」って、どういうこと?』の通り、仕組みが投資信託で売買の方法は上場株と同じという金融商品です。

東京証券取引所に上場するREITは「Japan」の頭文字をつけて「J-REIT」といいます。「J-REIT」は50銘柄以上あり、それぞれ保有している不動産に特色があります。投資家は「運営する会社はどういう投資法人か」「どんな不動産を保有しているか」「配当利回りがどれぐらいか」などを参考に投資をしています。

アベノミクス政策によって企業の業績は元気を取り戻しましたが、最近はやや陰りも。一方、オフィスの賃料上昇や低い空室率などの状況から、不動産投資にはまだ期待があると見ている投資家がREITに集まっているようです。

REITのメリット(魅力)とデメリット(リスク)をまとめました。

メリットの「(4)上場株式に比べ、配当利回りが高い」を説明しましょう。REITの不動産は、オフィスやテナント、住居などとして賃貸しています。入居者から受け取る賃料はREITの収益です。

法人としてのREITは、保有する不動産の賃料などの収益から必要経費を引いた残額が利益。その利益の90%超を投資家に分配すれば、法人税が免除されることになっています。

デメリットの「(4)金利の上昇に弱い」も説明しましょう。REITの運用資金は、投資家の購入資金以外に金融機関からも資金を借りています。したがって、保有不動産の賃料から借入金の利息を支払います。借入金利が高くなれば必要経費も増えます。

すると「必要経費を引いた残額」は減り、投資利回りが低下します。投資利回りの低下を嫌う投資家は、市場でREITを売却し、REIT価格の下落につながるのです。

REITを購入する場合は、運用する不動産の物件数、テナント等の入居率、物件の所在地などをチェックしましょう。なお、資金を集めてREITの証券を発行する機関を「不動産投資法人」といいます。不動産投資法人の財務内容なども重要なチェックポイントです。

投資信託が「上場している」って、どういうこと?

投資信託の勉強をすると、「ETF」「REIT」という名前を目にすることと思います。また、日本銀行の金融政策に関するニュースにも出てきます。

「ETF」や「REIT」は投資信託の一種。これ以外の投資信託は「“普通の”投資信託」または「“一般的な”投資信託」と呼ばれます。では「ETF」「REIT」は、“普通”と何が違うのでしょうか?

それは「上場」です。投資信託が、証券取引所に上場しているのです。

「ETF」は「Exchange Traded Funds」の略で、「上場投資信託」と言います。「REIT」は「Real Estate Investment Trust」の略で、「不動産投資信託」と呼ばれています。

この2種の特徴は、図表の通り。何に投資をするかが違うだけで、どちらも投資信託で、どちらも証券取引所に上場しています。

では、投資信託が「上場している」とは、どういうことなのでしょうか?

「場」に「上がる」と書いて「上場」。証券取引の「場」に上がっていることを意味します。株式の上場は、株式会社の価値がオークションにかけられています。株式という証券は、株式会社に出資した証拠。同様に、投資信託証券は「大勢で集めたお金」への出資の証拠として発行される証券です(紙の形の証券ではなく、電子的に管理されています)。

上場株式会社の価値は証券取引所でオークションにかけられ、投資家が「いいね!」と思えば株価が上がります。投資家が「ダメ」と思えば株価は下がります。投資信託の上場証券もそれと同じ。

投資信託は資産価値のあるものを集めて運用します。株式や債券、不動産などのパックです。運用対象の株式や債券、不動産などは、それ自体に価値があります。これらの評価額を合計したものが、その投資信託の純資産です。純資産の価値、純資産総額は毎日、上下します。

ETFやREITのような上場投信は、純資産総額の価値変動があるうえ、投資家からの人気によっても価格が変動します。

「上場投信Aファンド」が投資家から「いいね!」と思われればAファンドの純資産額より取引価格は値上がりし、「ダメ」と思われれば値下がりします。そのため、たとえばTOPIX型ETFでも運用会社が違ういくつかのETFが上場していますが、それぞれその時の人気度によって、証券取引所の取引価格が若干異なるのです。

証券取引所において、上場投信は株式と同じ扱いです。仕組みは投資信託、取引方法は上場株式と同じ。それが上場投信の特徴です。

シニア層のおこづかい? 毎月決算型投資信託とは?

相変わらず、毎月決算型投資信託が60歳代、70歳代の間で絶大な人気を誇っているようです。

以前の記事「若年層は投信積立、シニアは毎月分配型 ~投信協会アンケートより~」でご紹介した「2015年(平成27年)投資信託に関するアンケート調査」(一般社団法人投資信託協会)では、60歳代、70歳代の投資信託保有者のうち、なんと約65%もの人が毎月決算型の投資信託を持っていることが分かりました。

一方、30歳代以下の投資信託保有者で、毎月決算型の投資信託を持つ人は約3割。年代の違いで利用者に差がある「毎月決算型投資信託」とは、どのようなものなのでしょうか?

投資信託は、定期的に運用状況を集計して公表します。資産残高、一定期間の損益、運用対象の金融商品や銘柄、運用資産のうちその期間に売買した証券や資産なども明らかにされます。この集計が「決算」です。

決算の期間は、あらかじめ投資信託ごとに決められています。その期間を1ヵ月としたものが「毎月決算型」。決算を行い運用利益が上がれば、利益の一部分が投資家に支払われます。これが「収益分配金(以下、分配金)」です。

しかし、毎月の決算期間では、運用資産が値下がりする場合もあります。本来、決算期間の利益が少なければ分配金額も少なくなるはず。運用がうまくいかない月は分配金0円でも当然です。

ところが、実務上は、以前からの利益の蓄積で、何とか過去の月と同程度の分配金を支払っています。この利益の蓄積を「分配余力」といいます。今後の分配金の支払いを左右する、重要な指標です。

このように、分配金を毎月支払っている現状では、「毎月決算型」を「毎月分配型」とも呼んでいます。

数年前は、投資金額に対し毎月の分配金の利回りが年8%程度で、高いものでは年10%を超えるような投資信託もありました。この時期ほどではありませんが、毎月の分配金を楽しみにしているのが、給与収入のない世代、つまりシニア層なのです。

反対に、現役で働く若年層は、投資収益よりも給与などが収入の柱です。わざわざ毎月決算型投資信託を買う必要はないわけです。

最後に、分配金に関しては十分に理解をしておきましょう。決算期間が毎月であれ年に1回であれ、分配金を投資家に支払うと、その分、基準価額(投資信託の値段)が下がります。基準価額の上昇は運用の利益であり、その利益を投資家に支払ったのですから。

つまり、毎月分配金型投資信託では、基準価額を押し下げる分配金の支払いも毎月なのです。

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