大相場はリスクとチャンス~【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

6348.jpg

■6月第5週の見通し(2016/06/27)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「大相場はリスクとチャンス」

先週は英国国民投票によりEUからの離脱が決定しました。市場は直前まで残留するとみていただけに、この結果はショッキングなものとなりました。ポンドは1.5ドルから1.32ドルまで下落し、ドル円も106円80銭から99円まで8円近く下落しました。東京市場でこれだけの動きがあるのは非常に珍しいことでした。元々東京市場はポンドやユーロの流動性(取引量)が低いことから、値動きが通常よりも過剰に動き過ぎたように思えます。この投票結果が欧米市場であれば、もう少し値幅は小さかったのかもしれません。

東京市場では円絡みの取引が多いことからポンド円やユーロ円なども激しく取引されたようです。結果的にポンド円は160円から133円まで下落。短時間で27円下落したのはリーマンショック以来かもしれません。歴史に残る動きといってもよいでしょう。この結果、為替市場だけではなく株式や債券、その他のすべての市場に激震が走りました。

英国がEUから離脱するという事は、英国だけではなくユーロや米国、そして日本にとっても今後不確定要素が高まることになります。特に、ユーロ各国では英国をモデルとして離脱する国が相次ぐ可能性が高まることになります。そうなるとユーロそのものの存亡危機に繋がりかねません。

また、世界経済や金融市場が不安定になれば米国の利上げ観測が後退しドル売の下落を引き起こす危険もあります、そうなれば、円高が進み日経株価を更に押し下げることにもなります。ただ、今の時点では余りに不確定要素が多く、次の展開を予想するのは極めて困難です。

マネーは最も臆病であり、そのような時は安全な資産に逃避しようとします。今回も同様で、安全な金や主要国の国債、そして円やドルなどに資金が一気に流れ込みました。しかし、マネーは臆病と同時に欲も大きく、市場が落ち着きを取り戻した時には再びリスクを求めて動き出すものです。それまでは亀の様に首を甲羅の中に引っ込めて成り行きを見守ることになるでしょう。

今週は先週の乱高下の後だけに、最初は様子を見てくる可能性もあります。しかし、これだけの激しい動きで市場はかなり傷ついていることから、損失を取り戻そうとする荒っぽい動きが続くと予想されます。相場が大きく動くときというのはリスクでもありますが、チャンスでもあります。滅多にないこの大相場で皆さんチャンスをものにしてください。

【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、来週も宜しくお願い致します。

▼30秒でわかる!6月第5週、今週の為替市場の見通し

<関連記事>

画像一覧

  • 大相場はリスクとチャンス~【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

執筆者

岡安 盛男 (おかやすもりお)

レグザム・フォレックスLLC (http://fx-okayasu.com/)代表、為替アナリスト                                                 外資系銀行に20年間在籍、1999年より為替デイトレーダーとして独立後は、 自身のトレードスタイルを確立、実践的な為替投資の啓蒙活動の他、FXスクール講師やFX会社向けの情報提供サービス、投資家向け情報レポートを展開(http://www.gladv.co.jp/members/fx_bible/)。ラジオ日経「岡安盛男のFXトレンド」、日経CNBCの「朝エクスプレス」など出演中。執筆多数。

岡安 盛男

関連記事

特集

関連記事

【速報】ドル円下落は必至か⁉︎ 英国EU離脱で世界&日本経済はどうなる?

■特別レポート(2016/06/24)
為替アナリストの岡安盛男です。本日、英国のEUからの離脱の賛否を問う国民投票が行われ、即日開票されました。

その結果は、離脱の票が過半数を上回るサプライズが起きました。そこで、今後の為替市場に与える影響など、緊急レポートをお届けします。

■衝撃・世界が震撼、不確実性のリスク増大!

世界が固唾を飲んで注目した英国EU離脱を問う国民投票の結果は離脱という衝撃的なものとなりました。

開票直前まで出口調査などは残留支持が優勢との見方が圧倒的に多く、ポンドやユーロ、そしてドル円も東京市場の早朝には大きく買われました。ところが、徐々に投票結果が発表される毎に離脱派が優勢に傾き始めると市場の雰囲気は一変。

離脱がほぼ決定した瞬間ポンドは1.5の高値から1.32前半まで1800ポイント下落。ドル円は108円ミドルから100円をあっさり抜けて99円付近まで下落しました。その後は買い戻しが入り、ドル円は102円台に押し戻されましたが、依然として上値の重い展開が続いています。

■英国EU離脱に伴う世界経済への影響

英国がEU離脱を決定したことは今後の為替や株式市場、そして米国金融政策にも大きな影響を与えることになると考えられます。

先ず、英国は今後最低2年をかけてEUと離脱協議が始まります。この中で英国が有利な条件で貿易協定が結べるかが今後の焦点になりそうです。

何故なら、今後フランスやイタリア、オランダなどの他の27EU加盟国でも国民投票実施のドミノ現象が起きかねないからです。EU離脱はそれこそ欧州のEU懐疑政党のモデルケースになるという事です。

従って今後はポンド以上にユーロの下落リスクが高まる可能性があると考えられます。このような不確実性の高まりが市場の不安感を拡大することになり、それが経済にも影響を及ぼしかねません。

■英国EU離脱に伴う日本経済への影響は?

この決定を受け日経平均株価は大きく下落しドル円も下落するなど、今後の日本経済成長の足かせになる公算大です。

また、今回の離脱決定は米国金融政策にも影響を及ぼす可能性が高いと思われます。世界的な不確実性の高まりは経済や金融市場への影響が懸念され、米国利上げのタイミングが更に後退すると考えられます。そうなると、ドル上昇圧力は低下しドル円の下押し材料にもなりかねません。

一方、日銀はドル円の下落が止まらないようなら追加緩和を実施することで円高阻止を狙うと考えられます。しかし、前回の会合でマイナス金利を導入した際には最終的に円高を加速する結果となりました。追加緩和の効果には疑問が残る中での実施は寧ろ逆効果になりかねません。最終的に円高を止めるには当局のドル買い円売り介入頼みとなります。

しかし、こちらも米国などの反対もあり一時的な効果があっても中長期での円高阻止に効果があるかは疑問が残ります。

結果的に、今回の英国EU離脱決定により、今後もドル円の下落リスクは燻ぶることになりそうです。厳しい時代の幕開けです。

英国国民投票は市場の分水嶺~【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

■6月第4週の見通し(2016/06/20)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「英国国民投票は市場の分水嶺」

先週はドル円が強いサポート(下値を支える)レベルとみられていた105円を割り込み103円55銭まで下落しました。円高になった原因はやはり英国のEU離脱を問う国民投票を控え市場に不安感が広がっていたことです。不安定な市場の中で先週は日米金融政策会合が開かれました。

米国FOMC会合では予想通り利上げを見送りましたが、先行きの米経済に対し慎重な見方が示されました。また、イエレンFRB議長は英国国民投票や米労働市場への懸念を示しました。また、特定の利上げ時期に言及しなかったことから米国利上げペースが、これまでより緩やかになるとの見方が市場に広がりました。金利の引き上げ回数が少なくなるという事は、ドルの上昇幅も狭まるという事を表すものです。

一方、日銀は予想通り追加緩和を見送りましたが、この発表を機にドル円は一気に下落に転じました。これまでのドル円は日米金融政策の違いで上昇していましたが、その政策も節目に近づいたとの見方からドル円が売られたと考えられます。特に、英国のEU離脱という不安感が漂う中で安全通貨のドル円は買われやすい地合いにあったこともドル円の下落を促したと言えるでしょう。

今週は23日(木)にいよいよ英国の国民投票が実施されます。この国民投票は英国だけの問題ではなく、欧州や米国、そして日本にとっても大きな影響を与えます。英国がEUから離脱することになればEU内でも離脱をしようとする国が増えると考えられます。そうなればユーロの結束にひびが入り、ユーロ崩壊にもつながりかねません

そうなれば、世界の経済や金融市場にも影響を及ぼし米国の利上げ観測も後退。世界的なリスクの高まりから安全通貨の円が買われるという動きが予想されます。

そういった懸念からドル円は100円を割り込む可能性があります。一方、円高が一気に進むようなら日銀がドル買い円売り介入に入ると思われます。そうなればドル円は上下に大きく振れることになるでしょう。反対に、もしEU残留となればポンドやユーロが上昇し同時に安全通貨の円売りが進みドル円は一気110円方向に上昇するでしょう。

そういう観点からみると、今回の英国国民投票は市場の分水嶺になると考えられます。

先週は英国で残留キャンペーン中に労働党議員が射殺されるという痛ましい事件が起きました。英国内では同情票による残留支持者が増えるとの見方もあります。しかし、こればかりは蓋を開けてみないとわかりません。

皆さんの生活にも影響するこの国民投票を是非注目してください。【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、来週も宜しくお願い致します。

▼30秒でわかる!6月第4週の今週の為替市場の見通し

日米金融政策会合~【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

■6月第3週の見通し(2016/06/13)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「日米金融政策会合」

今週は日米の中央銀行が政策金利を発表する重要な週になります。

為替レートに最も影響を及ぼすのがその国の金融政策です。金融政策とはその国の金利を上げるか下げるか、或はそのまま据え置くかの三つの決断しかありません。市場はその金融政策を前もって予想しながら為替のポジションを作ったり、解消したりすることで相場が大きく動きます。

今週は市場が最も注目する米国FOMC会合日銀政策会合が一日違いで開かれます。

今回のFOMC会合では現行の金利が据え置かれると予想されます。市場はそれをほぼ織り込んでいますので、この結果が発表されても為替への影響はないでしょう。市場の注目は、その後のイエレンFRB議長の記者会見に集まりそうです。議長は先週の講演で雇用に関しては懸念を示していましたが、米国経済に対しては強気の見方を示していました。それは、いずれ利上げに動きたいというメッセージと受け止めることが出来ます。

今回も同様に早期利上げの可能性が示されるようならドル買いに反応するとみてよいでしょう。一方、日銀政策会合では追加緩和の可能性が残ります。通常追加緩和をするとその国の通貨は売られやすくなります。それは金利などが低下し、投資としての魅力がなくなり他より投資妙味のある通貨に乗り換えようとするためです。

しかし、前回の日銀会合でマイナス金利を導入したことで円はその後円高に動いてしまったという経緯があります。また、マイナス金利を導入したことで銀行の国債離れが進んでしまいました。そのため、日銀が今回マイナス金利幅を拡大するのは難しいと市場は見ています。その他には国債やETFの買い入れ額を拡大するという手もありますが、その効果は限定的とみられます。

要するに、今回追加緩和を実施しても円高を止めるには不十分という事です。これらを考えると、米利上げ期待のドル高の可能性と同時に円高に向かう両方の可能性があるという事になります。

このイベントが終われば少し円高リスクは後退するとみますが、来週末にはいよいよ英国のEU離脱を問う国民投票が実施されます。これはポンドだけではなくユーロや円にとっても非常に大きな影響を与えることになります。その懸念が払しょくされるまではドル円の下落リスクを常に抱えることになります。

先週のドル円は106円~108円のレンジでのもみ合いが続きました。英国国民投票が終わるまで、市場は慎重にならざるを得ません。今週も特に予想外のことが起きなければ、このレンジ内で収まるとみています。

【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、来週も宜しくお願い致します。

▼30秒でわかる!6月第3週の今週の為替市場の見通し

投資リスクの低減No.2 時間の分散! 【上村和弘のFX基本講座】

この連載を読んでいけば、FXの経験が無い方もFXビギナーの方も一定のFXトレーダーになれる!知っておくと便利な事やFX知識として重要な事、そしてお得な情報までを解説するシリーズ【上村和弘のFX基本講座】。

さて、分散投資について前回説明しましたが、もう一つ大事なことをお伝えします。トレードテクニックとしての分散投資、大まかにでも理解頂けると役立つかと思います。

■時間分散のテクニック

投資のセオリーとして、いきなり全額を買うよりも回数を分けて購入することでリスクを抑える手法があります。それでは、具体例を見ていきましょう。

先々、円安になると考えて、米ドル/円の買いポジション(*)を1万ドル持ちたい場合。

同じモノを買うならば、安値を買った方が有利。安く買って高く売るのが利益を得る基本です。いきなり、1万ドル全額を買うと思わぬ高値で買ってしまうかもしれません。かといって、安値を待っているといつまでも買えないケースもでてきますから、いつ売買するかを決めるのは大変ですね。

為替相場は、上がったり下がったり波のように繰り返しながら、価格が変動していきます。このイメージは、値動きのチャートを見ると良く分かりますね。

●ユーロ/円の日足チャート

投資リスクの低減、時間の分散! 上村和弘のFX基本講座
(引用:DMMFX)

思い切って買ったところが安値だと嬉しいのですが、いつもそんなに上手くいくとは限りません。出来るだけ、安い値段で買うための方法は二つ。
1.高値、安値を見極められるよう分析すること予測力
2.必要な額を一回で買うのではなく複数回に分散して買うこと分散投資

安値(=底値)や高値(=天井)を見極めることが出来れば、もちろん一番良い事ですが、天井・底値を完全に予想することはプロのトレーダーでも出来ません。そこで、分散して買うことが推奨されます。分けて買う事は誰にでも出来ますよね。

■分散投資の具体的な方法

下記の図は、2016年5月31日から6月13日の米ドル/円の値動きグラフです。

投資リスクの低減、時間の分散! 上村和弘のFX基本講座

上記図のように、5月31日に1万ドルを買っていたら、110円台で買うことになっていましたね。一方で、毎日1,000ドルずつ購入していたらどうなっていたかを計算してみましょう。

★5月31日の終値価格:110.726円
★1日1,000ドルずつ購入した場合の平均価格:107.77円

約3円の価格差がありますね! まとめて購入するよりも、かなり安値で買うことができました。まとめて一回で購入するよりも、分散して購入すると価格が平均化されるため、極端な高値や安値で購入するケースが減り、概ね良いレートで保有する事が可能です。

1回で購入すると、上手く行けば一番の安値で購入できる場合もありますが、確率的にはかなり低く、逆に悪い値位置で購入する事が多々出てきます。そういったリスクを軽減できるのが分散投資になります。

FXで必要なのはコツコツとヒットを稼ぐアベレージヒッターのやり方、ホームランか三振かのブンブン丸は、リスクが大きくて使いにくいバッターです。

以上、前回の「投資先の分散」に続き、時間分散の内容を記しました。株式や225先物等を含めて変動する金融商品には大変有効な手法ですので、イメージとして覚えておかれると良いでしょう。次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:「ポジション」とは?
FXなどの金融取引での持ち高の状況を指します。新規取引が約定した後のことをポジションと言い、また、ポジションを持っている状況は、為替相場の変動で損益が生じます。
買いで新規注文が成立すると、買い(=ロング)ポジション、
売りで新規注文が成立すると、売り(=ショート)ポジションと言います。

【上村和弘のFX基本講座】バックナンバーもご覧ください!
●FXの基本
●FXって何?
●FX会社はどうやって儲けるのか?
●FXはぶっつけ本番で始めると損しやすい
●ボーナス時期目前!お得なFX新規口座開設キャンペーンをチェック!
●キャンペーン商品で生活?!
●米ドル/円相場の割安度は?これから円高・円安?
●手数料80%カット!夏休みに活用したい外貨両替

ランキング