ローン返済と老後資金

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<材料>

・住宅ローン

・老後資金

<Point>

1リタイアの時期を超えてローンを組んだら、短く返すことを忘れない

2ローン返済を退職金に頼りすぎない

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マイホームを取得する年齢は人それぞれですが、一次取得なら40歳前後がボリューム層でしょうか。このタイミングで多くの人が、住宅ローンを組みます。

一般的な住宅ローンの借入期間は、最長で35年です。例えば、3,000万円を2%で借りたとします(元利均等返済ボーナス併用なし)。これをリタイアまでの25年間で借りた場合、毎月返済額は127,156円です。でも、10年延ばして35年とすると99,378円です。ずいぶん違います。そのため、「とりあえず35年を選択して、毎月の返済負担を軽くしておこう」と考える人は少なくありません。

■リタイア後もローン返済?!

例えば、40歳でローンを組んだとします。そうすると、返し終わるころには75歳です。「75歳まで返済を続けられるかな」と、少し不安になりますが、こう考えることにします。「きっと退職金でなんとかなる」。でも、なんとかなるでしょうか。

ここで、老後の生活費のデータを見てみましょう。グラフは、総務省の家計調査報告による「高齢夫婦無職世帯の家計収支(平成27年)」です。高齢夫婦無職世帯とは、夫65歳以上、妻60 歳以上の夫婦のみの無職世帯をいいます。

◇高齢夫婦無職世帯の家計収支
高齢夫婦無職世帯の家計収支

内容を確認すると、高齢夫婦無職世帯の家計は、毎月の収入が約21万円なのに対して、支出は27万円にのぼることがわかります。その差額6万円については、貯蓄などからの取り崩して賄っていると考えられます。

これを1年分にすると72万円です。30年分にすると2,000万円を超します。どうやらリタイアのときには、ある程度まとまったお金をもっておいたほうが良さそうだと思い至ります。退職金をローン返済にまわしてしまって大丈夫でしょうか。

■「長く借りたら短く返す」を忘れない

住宅ローンは、「長く組んで短く返す」のが理想だといわれます。そのため、「長く組む」人は多くいます。その一方で、返済が始まると、「短く返す」ことを忘れてしまったりします。

リタイアになってから、「短く返す」はずだったことを思い出したのでは手遅れになりかねません。少なくとも、ローンを組む前に、リタイアのときのローン残高を確認。そのうえで、繰上げ返済を考えたり、退職金をどの程度頼っていいものかを検討したり。具体的な計画を立てておくようにしたいものです。

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執筆者

久谷真理子 ファイナンシャル・プランナー

大学卒業後、都市銀行において融資業務に従事。FPとして独立後は、ライフプランから見た住宅ローンや相続・不動産に関する相談業務および、実行支援業務を行っている。また、各種セミナー講師をつとめるほか、雑誌やWebサイト等で情報発信している。

久谷真理子

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ローン返済と教育費

住宅ローンの返済は、20年~35年と長期にわたるものです。だから、勢いで乗り切るなんて、そんなことはできません。

安心な返済計画を立てるためには、家計の「ローン返済能力」がどのように変化するかに着目します。そのために欠かせないのは、住宅以外の資金使途についても、考慮に入れることです。

今回は、教育費をとりあげます。なぜかというと、ローン返済がスタートして5年から10年経つころに、「教育費の負担が増えて、毎月の返済が苦しくなった」と訴える家計が少なくないと聞くからです。

まずは、表をご覧ください。これは、学齢ごとのおおよその教育費を載せたものです。

表の数字を見ると、教育費の負担は、幼稚園から小学校、中学校、高等学校、大学と、多少のデコボコはあるものの、あまり減ることはありません。また、高等学校までは、自らがすすんで行う、例えばパソコンや参考書購入といった補助学習費をはじめ、お稽古ごとなどの学校外活動費なども含んだ数字であるのに対して、大学に関してはそういったものは含まない数字。どうやら、子どもの成長とともに、家計の「ローン返済能力」は低下するとも言えそうです。

教育費は、その進路が公立か私立かによっても、大きく変わることがわかります。公立に通っている子が、中学や高校から、あるいは大学から、私立に進むケースも少なくないでしょう。
参考までに、幼稚園から大学まですべて公立であれば、その負担はおよそ800万円。19年間の合計額とはいえ、大変な金額です。しかし、これがすべて私立(大学は文系とする)になると、その負担は2,000万円を超えるまでに跳ね上がります。この差を考慮せずに、ローンのプランニングを行うことができるでしょうか。

家計の「ローン返済能力」は、刻々と変化します。お金の使いみちは、住宅だけではありません。「その他にどういった資金を必要とするか」「長期にわたって返済を継続することができるかどうか」といったことを、ひとつひとつ確認しながら、プランニングを行うようにしましょう。

家計にやさしいローンの作り方:繰上げ返済

住宅ローンの借入れは、長期にわたることが多いもの。そのため、10年後や15年後も、「今と」同じようにローンを払えるかなんて、正直わからないものです。だからできるだけ、先々の負担を軽くしておきたいと思います。

まだローンを借りる前なら、借入れを2本に分けるなどで、家計が厳しくなるときに備えるのも一案です。
家計にやさしいローンの作り方:2本立てローン

すでにローンを借りているなら、「繰上げ返済」で、先々の負担を軽くしておくのはどうでしょう。地道なガンバリが、家計の大きな助けになります。

例えば、10年後に家計が厳しくなることが予想されるとします。3,000万円を35年ローンで借りたとすると、毎月の返済額は87,796円(表を参照)。でもこのままでは、10年経っても、毎月の返済負担は同じです。

そこで繰上げ返済を利用して、毎月の返済額を減らすことを考えます。そのためには、「返済額軽減型」を選択します。期間を変えずに、毎月の返済額を少なくする方法です。

返済額軽減型を利用して、1年後から毎年30万円ずつ繰上げをします。そうすると、10年経つころには、毎月の負担を78,000弱に抑えることができます。毎月1万円ほど楽になります。もう少し頑張って、毎年の繰上げ額を50万円にすると、更に7千円の負担減に成功です。10年後の毎月返済額は71,000円弱になります。いずれも支払利息の節約にもなります。

繰上げ返済を行うためには、相応の原資はもちろん、貯めたお金を繰上げ返済にまわすという強い意志が必要です。注意点もあります。まず、繰上げ返済にはコストがかかるケースがあること。加えて、他の資金需要とのバランスにも注意がいります。お金の使い道は、住宅だけではないからです。

家計にやさしいローンの作り方:2本立てローン

家計には、余裕のあるときも、厳しいときもあります。住宅ローンを組むときは、「それがいつなのか?」を知っておきたいと思います。

オススメしたいのは、「ライフイベント表」を作ってみることです。「いつ、どんなライフイベントがあって、どの程度のお金がかかるか」を整理することができます。表1はスペースの関係で3年分ですが、ローンを組む期間にあわせて作ってみてください。家計のコレカラをイメージするのに役立ちます。

さてこれを、住宅ローンのプランニングに生かします。例えば、「10年たったら、教育費の負担で家計が厳しくなりそう」というのであれば、「そのタイミングで、住宅ローン返済を軽くすることはできないか」に、頭をひねるのです。

住宅ローンで3,000万円を借りるつもりで、表2のようなプランを立てたとします。でもこれでは、家計が厳しくなる10年後に、毎月の返済額を減らすことはできません。

※元利均等返済、ボーナス併用なしの場合

そこで表3のように、借り入れを2本に分けることにします。表2のプランにくらべ、当初10年間の返済負担は増えますが、11年目以降はその負担を減らしておくことができます。加えて500万円分について、借入期間が短くなったこと、適用金利が下がったことの効果で、総返済額も90万円ほど節約できます。

借入れを分けるときは、借入額の割合やその返済期間などを調整して、無理ない返済額を探してください。どうしても落としどころが見つからないときは、借入れが多すぎることを疑いましょう。また、借り入れを分けるとコストが余計にかかることもあります。確認してください。

※元利均等返済、ボーナス併用なしの場合

プランニングのコツは、将来の家計を予測し、そのときどきの余裕に合う返済額を設定しておくことです。家計が厳しくなるタイミングで、返済負担まで増えないようにしておきたいものです。

マイナス金利で殺到!住宅ローンの借り換え検討中の人が考慮すべき点

マイナス金利の導入で、一気に注目を浴びているのが、お金を借りる「ローン」です。

というのも、超低金利の中、さらに金利が下がり、お金が借りやすくなったからです。住宅ローンの借り換えの申し込みが殺到するというのもうなずけます。借り換えには、それなりの手間とコストはかかりますが、それを差し引いても、低金利でローンを組みなおしたほうが、トータルの返済額が減額できるので、殺到しているといえるでしょう。

ところで、本当に借り換えでローンは減額できるのでしょうか?そこで、今回は、住宅ローンの借り換え検討中の人が、考慮すべきポイントを考えてみます。

変動金利で0.5%、10年固定で0.8%まで下がっている
最新の住宅ローンをみると、変動金利では、0.5%まで下がってきています。とくにじぶん銀行やイオン銀行など、ネット銀行の下げ率が高いです。5年前の水準と比較すると、1%以上下がっていることになります。住宅ローンの1%の違いは、かなり大きいです。トータルの返済金額からすると、数百万円の違いになります。仮に3000万円のローンであれば、300万円以上の返済額を減らすことができるのは大きなメリットです。

借り換えで、「長期固定型」に変更
借り換えには、これまでのローンを一括返済して、さらに別の金融機関(原則、同じ金融機関で借り換えができないため)でローンを組み直す必要があります。借り換えの手数料もかかります。数十万円の新たなコストを払っても借り換えのメリカットがあるかどうかの見極めの目安は、残高1000万円以上、期間10年以上、金利差1%といわれます。そして、これまで変動型や、3年・5年といった短期固定型で借りていたローンを、「長期固定型」に変更することをおすすめします。当面はマイナス金利が続くとは思われますが、金利は将来かならず上がるからです。そうなった場合、返済額がまた増加することになります。しかし、借り換えのタイミングで長期固定に変更してしまえば、それは最後まで低金利のママでトータルの返済額が増額することはありません。

転職などで年収が下がった場合は要注意!
転職などの理由で年収が大幅にダウンした場合、新しいローンの審査が通らない場合があります。諦めるのは早いです。そんなときのオクの手は、現在借りている銀行と金利交渉してみましょう。ダメ元で粘り強く交渉すれば、必ず道は開けます。

マイナス金利は、お金を借りる側から考えると、長期間にわたり低金利でお金が借りられる、まさに「マジックアワー(魔法の時間)」のようなものともいえるのです。もうこんな「魔法の時間」は2度とこないかもしません。このときを利用して、ローンを積極的に借りましょう!ひいては、それが日本経済を動かすことになるのです。

※住宅ローン借り換えとマイナス金利について
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