ローン返済と教育費

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・住宅ローン

・教育費

<Point>

1住宅ローンのプランニングを行うときは、家計の「ローン返済能力」の変化に着目

2家計の「ローン返済能力」を推し量るときは、その他の資金需要に着目

住宅ローンの返済は、20年~35年と長期にわたるものです。だから、勢いで乗り切るなんて、そんなことはできません。

安心な返済計画を立てるためには、家計の「ローン返済能力」がどのように変化するかに着目します。そのために欠かせないのは、住宅以外の資金使途についても、考慮に入れることです。

今回は、教育費をとりあげます。なぜかというと、ローン返済がスタートして5年から10年経つころに、「教育費の負担が増えて、毎月の返済が苦しくなった」と訴える家計が少なくないと聞くからです。

まずは、表をご覧ください。これは、学齢ごとのおおよその教育費を載せたものです。

表の数字を見ると、教育費の負担は、幼稚園から小学校、中学校、高等学校、大学と、多少のデコボコはあるものの、あまり減ることはありません。また、高等学校までは、自らがすすんで行う、例えばパソコンや参考書購入といった補助学習費をはじめ、お稽古ごとなどの学校外活動費なども含んだ数字であるのに対して、大学に関してはそういったものは含まない数字。どうやら、子どもの成長とともに、家計の「ローン返済能力」は低下するとも言えそうです。

教育費は、その進路が公立か私立かによっても、大きく変わることがわかります。公立に通っている子が、中学や高校から、あるいは大学から、私立に進むケースも少なくないでしょう。
参考までに、幼稚園から大学まですべて公立であれば、その負担はおよそ800万円。19年間の合計額とはいえ、大変な金額です。しかし、これがすべて私立(大学は文系とする)になると、その負担は2,000万円を超えるまでに跳ね上がります。この差を考慮せずに、ローンのプランニングを行うことができるでしょうか。

家計の「ローン返済能力」は、刻々と変化します。お金の使いみちは、住宅だけではありません。「その他にどういった資金を必要とするか」「長期にわたって返済を継続することができるかどうか」といったことを、ひとつひとつ確認しながら、プランニングを行うようにしましょう。

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執筆者

久谷真理子 ファイナンシャル・プランナー

大学卒業後、都市銀行において融資業務に従事。FPとして独立後は、ライフプランから見た住宅ローンや相続・不動産に関する相談業務および、実行支援業務を行っている。また、各種セミナー講師をつとめるほか、雑誌やWebサイト等で情報発信している。

久谷真理子

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家計にやさしいローンの作り方:繰上げ返済

住宅ローンの借入れは、長期にわたることが多いもの。そのため、10年後や15年後も、「今と」同じようにローンを払えるかなんて、正直わからないものです。だからできるだけ、先々の負担を軽くしておきたいと思います。

まだローンを借りる前なら、借入れを2本に分けるなどで、家計が厳しくなるときに備えるのも一案です。
家計にやさしいローンの作り方:2本立てローン

すでにローンを借りているなら、「繰上げ返済」で、先々の負担を軽くしておくのはどうでしょう。地道なガンバリが、家計の大きな助けになります。

例えば、10年後に家計が厳しくなることが予想されるとします。3,000万円を35年ローンで借りたとすると、毎月の返済額は87,796円(表を参照)。でもこのままでは、10年経っても、毎月の返済負担は同じです。

そこで繰上げ返済を利用して、毎月の返済額を減らすことを考えます。そのためには、「返済額軽減型」を選択します。期間を変えずに、毎月の返済額を少なくする方法です。

返済額軽減型を利用して、1年後から毎年30万円ずつ繰上げをします。そうすると、10年経つころには、毎月の負担を78,000弱に抑えることができます。毎月1万円ほど楽になります。もう少し頑張って、毎年の繰上げ額を50万円にすると、更に7千円の負担減に成功です。10年後の毎月返済額は71,000円弱になります。いずれも支払利息の節約にもなります。

繰上げ返済を行うためには、相応の原資はもちろん、貯めたお金を繰上げ返済にまわすという強い意志が必要です。注意点もあります。まず、繰上げ返済にはコストがかかるケースがあること。加えて、他の資金需要とのバランスにも注意がいります。お金の使い道は、住宅だけではないからです。

家計にやさしいローンの作り方:2本立てローン

家計には、余裕のあるときも、厳しいときもあります。住宅ローンを組むときは、「それがいつなのか?」を知っておきたいと思います。

オススメしたいのは、「ライフイベント表」を作ってみることです。「いつ、どんなライフイベントがあって、どの程度のお金がかかるか」を整理することができます。表1はスペースの関係で3年分ですが、ローンを組む期間にあわせて作ってみてください。家計のコレカラをイメージするのに役立ちます。

さてこれを、住宅ローンのプランニングに生かします。例えば、「10年たったら、教育費の負担で家計が厳しくなりそう」というのであれば、「そのタイミングで、住宅ローン返済を軽くすることはできないか」に、頭をひねるのです。

住宅ローンで3,000万円を借りるつもりで、表2のようなプランを立てたとします。でもこれでは、家計が厳しくなる10年後に、毎月の返済額を減らすことはできません。

※元利均等返済、ボーナス併用なしの場合

そこで表3のように、借り入れを2本に分けることにします。表2のプランにくらべ、当初10年間の返済負担は増えますが、11年目以降はその負担を減らしておくことができます。加えて500万円分について、借入期間が短くなったこと、適用金利が下がったことの効果で、総返済額も90万円ほど節約できます。

借入れを分けるときは、借入額の割合やその返済期間などを調整して、無理ない返済額を探してください。どうしても落としどころが見つからないときは、借入れが多すぎることを疑いましょう。また、借り入れを分けるとコストが余計にかかることもあります。確認してください。

※元利均等返済、ボーナス併用なしの場合

プランニングのコツは、将来の家計を予測し、そのときどきの余裕に合う返済額を設定しておくことです。家計が厳しくなるタイミングで、返済負担まで増えないようにしておきたいものです。

自分にもしものことがあった場合、住宅ローンはどうなる?

消費税増税前に住宅を購入したい!という方も多いと思いますが、
いざ住宅ローン組んでみると、この先何十年も返済し続けられるか少し不安になったりもしますよね。

そこで今回は、万一死亡したり重い病気になったりした場合のローンの補償についてご説明します。

まず、民間の金融機関でローンを組む場合、契約者が亡くなった場合に残りのローン(残債)が一括返済される「団体信用生命保険(団信)」に加入します。これは強制加入で、健康状態等で保険に加入できない場合は、ローン自体が組めないことになります。保険料は金利に含まれていますので、追加でとられることはありません(住宅金融支援機構が提供する「フラット35」は、任意で「機構団信」をつけるかどうかを決め、保険料は別途支払います)。

つまり、団信付きの住宅ローンを組んでいれば、契約者が亡くなった場合の返済の心配は無用ということになります。ファイナンシャル・プランナーなどでは将来の収支を予測するキャッシュフロー表を作ってシミュレーションしますが、おかしな話、契約者が元気な場合より、亡くなってローンが完済されたほうが、表面上家計が楽になるケースもあるようです。

問題なのは、重い病気やけがで返済が困難になった場合です。一般の団信では、死亡と高度障害状態を除いて、保険金は支払われないからです。
そこで、最近注目を浴びているのが、がんなど一定の病気になって返済ができなくなった時に備える「疾病補償付き住宅ローン」です。

補償内容は金融機関により様々ですが、がんや脳卒中、急性心筋梗塞の3大疾病を補償するタイプと、これらに高血圧症や糖尿病なども加えて7~8種類の重病に備えるタイプが主流。対象の病気となって所定の状態が一定期間続くと、保険金で残債を一括返済してくれたり、毎月のローン返済額を補償してくれたりするのが一般的です。

多額の負債を背負う身としては非常に心強い商品ですが、当然そのぶんのコストがかかります。元々の金利に上乗せされる形の商品などがありますが、たとえば2000万円を35年で借り、金利が1.5%の場合、0.3%の金利上乗せで、完済までの支払い総額は約125万円増えます。この額で「安心を買う」のだということを認識したうえで、検討しましょう。

もうひとつの注意点は、途中解約の可否です。こうした補償は、順調に返済が進んで残債が減れば必要性が薄まります。借入当初の残高の大きいうちは保険に加入し、将来貯蓄が増えたり、専業主婦の奥さんが働けるようになるなど事情が変わったら解約するといった柔軟な使い方ができるタイプの方がおすすめといえます。

万が一の為に備えておきたいものですが、ご自身のケースではいくら上乗せされるのか、また途中解約は出来るのかなど、しっかりと見比べた上で「住宅」と「安心」を購入しましょう。

マイナス金利を活かせ! 週末、住宅ローンの借り換えに急ごう!!

日本銀行のマイナス金利政策の影響で、住宅ローンの借り換えが急増しています。

日経新聞によれば、主要8行の借り換え申込み件数は約2万8000件で、なんと前年同月比2.5倍に膨らんだとか!
私の周囲には銀行勤務の人がたくさんいるのですが、ローンセンターへの相談者が殺到しているということです。

そこで改めて、借り換えについて解説を。

借り換えとは、文字通り、現在の住宅ローンを新しく借り直すこと。
日本では、一部のモーゲージバンク(住宅ローンを専門に扱う金融機関)を除いて、原則的に同じ金融機関では借り換えできないため、別の金融機関で取引することになります。

現在、各行の住宅ローンの金利は過去最低を更新していて、全期間固定のフラット35で1.25%~(返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下の場合)、10年固定金利型では1%割れどころか0.5%台のところもあります。住宅ローン控除で借入残高の1%戻ってくることを考えると、当面は支払っている金利より、軽減される税金のほうが多い「事実上のマイナス金利」とも言える状況です。
変動型で借りている人は、世の中の金利が下がるのに連れて、自分のローン金利も低下しているので、借り換えの必要は感じないかもしれません。
でも、変動型や3年・5年といった短期固定型のローンこそ、今のうちに長期固定型へ変更することをおススメします。当面はマイナス金利が続くでしょうが、いつかは必ず金利は上昇に転じます。そうなれば、変動型のローン金利も上昇し、返済負担が増すことになるのです。

現在の金利水準は、おそらく皆さんの一生で最も低い水準。通常ではありえない低金利のまま数十年間お金を借り続けられることは、ある意味 「お宝」 ともいえます。借り換えを検討しない手はありません。

ただし、借り換えには、今のローンを一括返済するための手数料や、新しくローンを借り入れるための様々な費用が、数十万円かかります。それだけのコストを負担しても借り換えメリットが出るかどうかの目安は、残高1000万円以上、期間10年以上、金利差1%と言われます。ただし、最近は保証料がかからないローンなどもあり、残高が少なかったり、金利差が小さくても借り換えメリットが出る場合もあります。まずは金融機関のHPなどでシミュレーションするか、銀行の住宅ローンセンターに出かけてみましょう。

もうひとつ、年収が大幅に下がったり転職したばかりだと、新たな融資の審査が通らないかもしれないことには要注意。
その場合は、今借りている金融機関で、他行の条件をほのめかしつつ、金利交渉してみましょう。 ダメでもともと。成功しなくても損することはありませんから、面倒がらずにチャレンジすることをおススメします。

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