サプライズの雇用統計でドル円の下落リスク再開~【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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■6月第2週の見通し(2016/06/06)

サプライズの雇用統計でドル円の下落リスク再開

先週末に発表された米5月雇用統計は予想を大きく下回りドルは全面安となりました。

先週は週初こそドル円は底堅い動きで始まったものの、その後アベノミクスへの期待後退で円高が進みやすい地合いとなりました。そんな状況の中で米5月雇用統計が週末に発表され、その結果を受けドル円は一気に2円余り下落しました。

雇用統計には二つの注目ポイントがあります。一つは非農業部門雇用者数の増減です。市場は前月から16万人増加すると予想されていたものが、結果は3万8千人となりました。実はこの数字にはヘライゾンという米国大手通信会社がストライキで3万5千人の雇用が一時的にマイナスとなり、それが含まれるものでした。それだけではなく、今回の数字には悪天候による就業不能となった人も含まれましたが余りに少ないもので市場のサプライズとなりました。

一方、もう一つの注目ポイントである失業率4.7%と前月の5.0%から0.3%改善しました。この結果はドルにとってはプラス材料であるものの、市場は雇用者数の予想外の減少に圧倒され、反応しませんでした。

この雇用統計の結果により、FRBの6月利上げの可能性は殆どなくなったと言ってよいでしょう。ドル円にとって米国利上げが唯一底を押し上げる要因となっていたことから、今回の結果は他の通貨以上に失望売りが強まりました。

今週月曜日はイエレンFRB議長の講演があり、今回の雇用統計の結果をどう受け止めているのか注目が集まります。今回の結果が一時的なもので、次回の雇用統計を見極める必要があるといった見方を示す可能性もあります。そうなれば、次回の雇用統計の結果をみるまでは利上げ期待が残り、ドル円の下押し圧力も和らぐことになるでしょう。

ただ、これだけ雇用統計の予想を下回ったことで市場には利上げに懐疑的な見方が広がってしまいました。また、先週は日銀審議委員が追加緩和に否定的な発言をしたこともドル円の下落を加速する要因となりました。これらを考えると今週のドル円は上値の重い展開が予想されます

4月末のゴールデンウイーク前に付けた安値105円50銭付近を再度試す展開が予想さますが、その前に当局からの口先介入などが予想されます。それでもドル円の下落が止まらない時には実際に介入が入るしかありません。

今週は実際に介入が入るかどうか、当局の本気度を試す展開になるかもしれませんね。

来週も【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、宜しくお願い致します。

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執筆者

岡安 盛男 (おかやすもりお)

レグザム・フォレックスLLC (http://fx-okayasu.com/)代表、為替アナリスト                                                 外資系銀行に20年間在籍、1999年より為替デイトレーダーとして独立後は、 自身のトレードスタイルを確立、実践的な為替投資の啓蒙活動の他、FXスクール講師やFX会社向けの情報提供サービス、投資家向け情報レポートを展開(http://www.gladv.co.jp/members/fx_bible/)。ラジオ日経「岡安盛男のFXトレンド」、日経CNBCの「朝エクスプレス」など出演中。執筆多数。

岡安 盛男

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■6月第1週の見通し(2016/05/30)
米国雇用統計に注目集まる
先週は日本でサミットが開かれましたが、為替市場への影響はあまり見られませんでした。今回のサミットでは新たな危機回避へ各国が財政政策や構造改革を進めることで合意しました。懸念された日本への円高阻止に対するけん制的な文言は含まれませんでした。今後、ドル円が大きく下落するような時には日本がドル円の買い介入をしても、クレームが出ないと解釈することもできます。米国は貿易取引を有利にするために自国の通貨を介入で安くしてはいけないと発言しましたが、宣言文には記述されませんでした。

一先ず円高リスクが後退したことで、マーケット参加者は米国早期利上げに注目し始めています。

先週末のNY時間にはFRBのトップであるイエレン議長が「今後数か月での利上げが適切となる可能性がある」と発言しました。これまで議長は利上げに慎重な発言を繰り返していただけに、市場は米国の利上げ時期が近いという見方に傾き始めています。

利上げをするという事は資金がその通貨に集まるので、ドルが今後上昇することになります。しかし、マーケットはまだドル買いに慎重です。それは、米国長期金利がそれ程上昇していないことからも伺えます。

一方、利上げするという事は株式市場にとってはネガティブ材料となり、株価下落に繋がります。ところが、先週のNY株式市場は寧ろ上昇して引けてきました。利上げをするにはその景気が回復しないとできません。市場はこの利上げを米国景気回復のサインとみた可能性もあります。

株式市場が下落すればリスクが高まるという見方から、安全な通貨である円が買われるというメカニズムがあります。しかし、株価が下がらないという事になれば円は買われず、ドル高の流れが出来ることになります。先週のドル円は110円台に乗せて引けるなど、利上げ期待のドル買いが先行して終わりました。

今週末には市場が最も注目する米国雇用統計が発表され、その結果が予想を上回るものならいよいよ6月か7月の利上げが現実味を帯びてきます。

ドル円は110円台の後半からは実需(輸出など)の売りが並んでくるとみられますが、ドル高の勢いが強まれば111円台乗せも視野に入ります。原油価格は当面の目標1バレル50ドルを付けたことや、英国のEU残留支持がリードしギリシャへの追加融資も決まったことで、FRBの利上げ準備は着実に整い始めているようにみえます。内外での利上げムードを引き寄せている様相です。

来週も【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、宜しくお願い致します。

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■5月第4週の見通し(2016/05/23)
米利上げ期待とG7サミット
先週は米国の利上げ期待が高まりドルは全面高となりました。また、今週末に開かれる伊勢志摩サミットに向けた政策期待が円売りを促しました。結果的に先週のドル円は110円台に乗せ、そのまま底堅い動きが継続して引けてきました。

ドル円が急に買われたのは先週公開されたFOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨(前回のFOMCで話し合われた内容)で「大半のメンバーは経済が正当化されるならば6月利上げは正当化される」との判断が示された為です。予想以上にタカ派的(利上げに積極派)な内容であったため、市場は米国の早期利上げ期待が高まりました。G7財務相会合やサミットを控え、既に政策期待からドル円は底堅い動きを見せていたところでのことでした。

これを受け、ドル円は大台替わりの110円台に乗せるなど、一頃の円高懸念はどこかに消えてしまったようです

今週はそのドル高・円安の流れを更に加速することが出来るか試される週になりそうです。市場は既に26~27日のG7サミットに向けて、政策期待による円売りを大分織り込んできています。サミットというビッグイベントが終了すれば、一時的に巻き戻しが入りドル円が売られる可能性もあるので要注意です。

しかし、今の市場の注目は何といっても米国金融政策です。

先週は複数のFRBメンバーが6月利上げの可能性を示す発言が相次ぎました。そのFRBイエレン議長が今週末に講演を行います。イエレン議長はこれまで原油安や新興国問題を理由にハト派的(利上げには慎重派)な発言を繰り返してきました。

しかし、ここにきて原油価格は1バレル50ドル近くまで上昇し、年末にかけてもこの原油高が続くと予想されます。また、中国や新興国市場は今のところ落ち着いた動きを見せるなど、昨年末からの動揺は見られません。

いきなり利上げを実施すれば市場は混乱してしまいます。それを抑えるには、早期利上げの動きを市場が織り込むようにすることが必要です。イエレン議長がタカ派発言に変わり始めるようなら、本格的に利上げムードが高まりそうです。

それらを合せて考えると、今週もドル円の底堅い動きは続くとみることができます

G7サミットが日本で開かれるというのは、8年前の洞爺湖サミット以来となります。米、英、独、伊、仏、加、そして日本の7か国首脳が集まり、世界の問題解決に向けた話し合いがされるビッグイベントで、我々一人一人の生活にも結びつくものです。為替の話は別にしても、みなさん注目してみましょう。

来週も「岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場」・・・よろしくお願いします。

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「110円?105円?」~【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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■5月第3週の見通し(2016/05/16)
「110円?105円?」
先週は麻生財務相が「当然介入の用意がある」と発言したこともあり、ドル円に買い安心感が広がりました。

先週のドル円は107円付近から上昇が始まり109円台に乗せるなど、底堅く推移。ゴールデンウイーク中に105円55銭の安値からみると4円近く上昇したことになります。この上昇の背景には極端にドル円を売り過ぎた反動もありますが、それと同時にドル自体の上昇という動きも加わりました。それは複数のFRBメンバーが相次ぎタカ派的(利上げに前向き)な発言が相次いだためでした。

市場は米国の金融政策を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)への早期利上げ期待が高まり始めたことがドル買いを促す要因となったと思われます。また、先週末に発表された米国4月小売売上高が予想を大きく上回ったこともドルを押し上げました。

今週は米国の4月消費者物価指数が発表されますが、この数字も前月から改善されると予想されます。もし、予想以上の数字となれば米国の早期利上げへの期待からドルを更に押し上げる展開も予想されます

ただ、利上げ期待が高まればNYや中国などの新興国の株式市場に混乱を与えることになり、リスク回避による円高が進むことになるもろ刃の剣でもあります。もし、混乱が回避されるようなら円安ドル高が進むことになり、先週の高値109円ミドルを上抜き110円を試す展開が予想されます

反対に、中国や新興国金融市場の混乱を招くようなことがあれば、円高が再燃し、今年最安値となる105円を試す展開も予想されます。

また、今週末にはG7財務相会合が日本の仙台で開かれます。この会議では介入の決定権を持つ麻生財務相が出席します。少なからず市場は円高を抑える何らかの内容が盛り込まれるのではといった期待がありました。

ところがルー米国財務長官が、今回のG7では競争的な通貨の切り下げ回避をあらためて確認すると先週末に発表。介入に対しけん制する姿勢が示されました。これにより、G7への円高阻止への期が消え去ったと言ってよいかもしれません。

ドル買い介入や日銀のマイナス金利も円高を食い止められないとなれば、唯一残る手段としては米国利上げ期待だけになります。日本全体から考えると円安が好ましいのですが、相場というのはなかなか思った方向に行ってくれません。寧ろ、嫌な方向に向かう事の方が多いように思われます。

今週は105円の円高に向かうのか、或は110円の大台を試すような円安方向に向かってくれるのか注目してみましょう。

来週も「岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場」・・・よろしくお願いします。

円高もここにきて一服観~【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

毎週月曜に為替市場の動向や今後の見通しなどをお送りする【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】の第3回。

■5月第2週の見通し(2016/05/09)
「円高もここにきて一服観」
ゴールデンウイーク中にドル円は105円55銭まで下落しました。このレベルは以前にもこちらで書きましたが、2014年10月の黒田バズーカ2(市場の意表を突く大胆な量的質的緩和)発射前のレベルが105円台でした。市場はこのレベルに達したことで一先ず達成感もあり上昇に転じました。

バズーカ2からひと月余りでドル円は105円から122円手前まで買われました。一方、今年の1月末のドル円は122円手前から下落が始まり、3か月後の4月末には105円台に下落。まるで、2014年後半の巻き戻しが入ったような動きになりました。バズーカ2が第二のアベノミクスとすれば、その効果がこれで完全に掃けてしまったといえるかもしれません。

先週末に安倍首相は世界レベルでアベノミクスの三本の矢を展開させると発言しました。しかし、既に三本の矢の一つである金融政策は先日の日銀会合で失敗してしまいました。円安に戻すことは難しい状況にあるという事です。それでも、先週のドル円は105円50銭を付けた後は107円ミドル(中間)近辺まで押し戻されるなど、一先ず下落リスクは後退しました。

先週末には市場が最も注目する米国雇用統計発表を控え、その前のドル買戻しという見方もありました。その米雇用統計の結果は予想を大きく下回る冴えない結果となり、発表直後ドル円は107円から106円40銭付近に下落しました。しかし、106円には届かずに下落前の107円に押し戻されてNY市場を終えてきました。結果的にドル円の底値の堅さを確認したようなもので、今週はもう一段の上昇が見込めそうです。

ただ、これでドル円の下落が終わったわけではありません。現在のドル円は日銀会合で下落する直前のレベルから6円余り下落したその反動の買い戻しの過程にあるという事です。あくまで調整の買い戻しであり、これが一巡したところでは再びドル円の売りが強まりかねません。上値目標としては109円付近も想定しておきたいところです。もし、上値の重さが確認されれば再び売りを出していきたいところですね。一方、107円ミドルが上値を抑えられるようなら再び105円割れのリスクが高まりそうです。

ここにきてFX取引が拡大しているとの報道が新聞に載っていました。FXは売り買いどちらからも同じように始めることが出来る取引です。ドル円が大きく下落する時には売りから入ることで稼ぐことが出来るというのもFXの魅力です。しかし、儲けるにもこのような為替の記事を読んだりするなど、勉強は必要というわけです。

今週は円高が一服しそうで、、、ゆっくり見ていられそうです。

来週も「岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場」・・・よろしくお願いします。

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