正社員になったら退職金ってもらえるの?

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・退職金がもらえるかどうかは会社により異なる

<Point>

1正社員になったら退職金はもらえるの?

24社に1社は退職金制度がない!

3退職金があるかどうかの確認方法は?

4退職金の相場は?

最近は雇用情勢が改善し、就職氷河期の頃から比べるとずいぶん内定率も高くなり、売り手市場になりました。

契約社員(非正規社員)から正社員に転換してもらえるなど、正社員としてお仕事できる機会も増えているようですが、気になるのは賃金面などの待遇です。正社員になると退職金はもらえるのでしょうか?

実は、退職金はすべての会社で必ずもらえるものではありません。というのは退職金の支払いは、法的に会社に義務づけられたものではなく、会社に退職金制度があるかどうかによります。「平成25年就労条件総合調査結果の概況」(厚生労働省)によると、退職金制度がある企業は75.5%。4社に1社は退職金制度がないのです。中小零細企業に限定すると、退職金制度がないところはもっと多いでしょう。

では、お勤め先に退職金制度があるかどうかは、どのような方法で確認できるでしょうか。

まずは、就業規則や退職金規程を確認してみてください。従業員が10人以上の会社には、就業規則の作成が義務付けられています。就業規則などで退職金について定められていない場合は基本的に退職金の支払いはありません。また、退職金制度があっても条件(例えば、勤続年数3年以上など)を満たさない場合は、支払いの対象とならないので注意してください。

別の方法としては、雇い入れ時あるいは労働条件の変更時に交付される「労働条件通知書」あるいは「労働契約書」に退職金の支払いについての記載があるかどうか確認します。会社に退職金制度があれば、基本的に「労働条件通知書」に記載することになっています。なお、参考までにお伝えしておきますと、パート労働者については、「労働条件通知書」に賞与や退職金の有無を記載することが義務付けられています。

では気になる、退職金の額はどれくらいでしょうか?退職金の世間相場に関する資料として、独立行政法人勤労者退職金機構のHPに東京都産業労働局が中小企業を対象に調査、集計したモデル退職金の統計表が掲載されています(図を参照)。退職金額の水準は業種や規模、また地域によって差がありますが、参考までご覧ください。

最後に、退職金は給与と同じように、労働者が会社に労働を提供した対価という性質を持ちます。支払いが約束されているのに、支給されないという場合は申し立てることができます。また会社が倒産した場合に、未払いの給与や退職金の一部を国からもらえる制度もあります。これらについては、別の機会にお伝えをしたいと思います。

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執筆者

長谷川まゆみ 社会保険労務士/ ファイナンシャル・プランナー

大阪市立大学卒業。OL生活に満足できず、海外留学を体験後、ツアーコンダクターに転職。 旅行を通じて、様々な人々と触れ合う機会をもつ。 出産を機に、資格取得に目覚め、99年社会保険労務士とファイナンシャル・プランナーの資格を取得、翌2000年に独立。現在は、中小企業の人事・労務相談に携わるとともにライフプランニングや運用に関するセミナー講師を務める。

長谷川まゆみ

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退職金って確定申告が必要?

皆さんの会社には、退職金制度はあるでしょうか?会社には退職金を支給する義務はありませんが、退職金制度がある会社は、決められたルールに基づいて退職金を支払う義務が発生します。

退職金は、ご褒美的な意味合いもあり、かなり税金面では優遇されていています。他の所得と合わせて税金を計算するのではなく、退職金だけで税金を計算する方法をとります。この方法を分離課税といいます。税金がかかるのは、退職金から以下の計算式で算出される「退職所得控除額」を引いた半分の額に対してです。ご覧のとおり勤続年数が長いほど優遇されます。【図1】

一般に退職金を受け取る際には、勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出します。 この時点で所得税と住民税が退職金から天引きされますので、退職金の確定申告は必要ありません。ただ、確定申告をしてはいけないということではありません。

というのは、場合によっては、確定申告を行うことによって所得税の還付を受けられることがあるのです。ではどのような場合に、還付が受けられるのでしょうか。
扶養家族が多い、生命保険、個人年金や地震保険などの保険料の支払いが多いなど所得控除が大きい場合は、給与からすべて引ききれないケースがあります。また給与にかかる所得税よりも住宅ローン控除のほうが大きいケースなどです。還付される額は、大きな額にならないかもしれませんが、確認されることをお勧めします。
最後に、住民税については、退職金からの天引きによって課税が完結することになっているため還付はありません。

個人事業主の退職金「小規模企業共済」で節税と資金繰り対策

「老後破産」などという言葉が取り沙汰されるように、国の公的年金ばかりに頼っていられない時代になってきました。老後資金の助けになるのは退職金ですが、フリーランス(個人事業主)の方は退職金がありませんので、自分でなんとかしなければなりません。

そこでお勧めなのが、月々1,000円から始められる「小規模企業共済」。簡単に言えば退職金の積立制度なのですが、ただの積立ではありません。掛金の全額を「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引くことができるので、節税になるのです。掛金は1,000円から7万円まで500円刻みで設定可能。事業の種類により加入できる条件は異なりますが、利用できるのは、おおむね従業員数が20人以下の小規模な企業の役員や個人事業主です。
受取方法も、一括・分割・一括と分割の併用から選ぶことができます。

「確かに老後も心配だけど、まずは事業を安定させないと・・・」というのが本音でしょう。ですが、「小規模企業共済」は、貯めるだけではありません。納付した掛金の範囲内に限られますが、病気や災害による入院で経営に影響が出た場合や、資金繰りが厳しくなった時に担保や保証人なしで貸付もしてくれるのです。退職金準備の制度としては個人型確定拠出年金もありますが、「小規模企業共済」はこの貸付制度があるのがメリットといえます。ちなみに2015年7月7日現在の一般貸付の利率は1.5%となっています。

但し、注意点があります。「小規模企業共済」は、20年以内に解約してしまうと、戻ってくる共済金が少なくなってしまいます。将来、共済金を受け取りたい年齢から逆算して、少額からでも早めに積立を開始した方が良いでしょう。掛金の支払いが苦しくなったら掛金を減額することもできます。逆に、事業が好調なときは掛金を多くして節税対策に利用するということも可能です。

では、一体どのくらい節税になるのでしょうか?一例として、毎月5万円の掛金で20年間加入した場合の節税効果を試算してみます。1年間の掛金の合計額は60万円ですが、所得税と住民税を合わせた節税効果は年間182,500円と、かなりの金額になります(前提条件として、課税所得金額を500万円で試算しています)。また、将来受け取る共済金は、掛金の約1.6倍になるという試算結果でした。これらは、運営元の独立行政法人中小企業基盤整備機構のホームページから試算できます。節税対策にも、将来の退職金としても活用するメリットは大きいですね。

自営業者の退職金 税効果抜群の制度とは!?

自営業者(国民年金第一号被保険者)は、会社員のように定年はありません。ですから、退職金が支払われるとともに会社を引退しなければならない、といったことはありません。

極端な話、元気であれば死ぬまで働くこともできますが、子どもに後を任せるとか、病気やけがなどで商売ができなくなったりする可能性もあるため、実質的にはどこかで一線をひかなくてはなりません。現役を退くと、必然的に収入は減ってしまいます。

そうなると年金や貯蓄が頼りの生活になりますが、自営業者が加入する国民年金だけではとても生活できるだけの収入となりません。65歳からもらえる国民年金の額は、20歳から60歳まで40年間きちんと保険料を納め続けた場合でも、年額約78万円、夫婦2人でも年150万円程度です。

そこで、自営業者が有利に老後資金を積み立てできる方法を3つご紹介します。
まずは、「確定拠出年金の個人型」と呼ばれる制度です。国民年の保険料を満額納めている人が対象です。掛け金は月額5,000円以上68,000円から選択でき、金融機関が提供する金融商品(預金・保険・投資信託)から、自分で好きなものを選んで運用します。運用で得られた収益は非課税となるため有利に運用できます。注意点は、原則60歳前に中途引き出しができないことです。

2つ目は、同じく国民年金の保険料を満額納めている人が、老齢基礎年金に上乗せして受け取れる「国民年金基金」があります。47都道府県に設立された「地域型基金」と25の職種別に設立された「職能型基金」がありますが、どちらか一つに加入します。掛け金は、性別、年齢、加入口数により異なりますが、上限は先ほど紹介した「確定拠出年金の個人型」と同じ月額68,000円です。(両方に加入する場合は、掛け金を合算して月額68,000円の上限までに抑える必要があります。)注意点は、加入後は任意で脱退できないこと、受け取りは、一時金の受け取りはなく、年金での受け取りとなることです。

3つ目が「小規模企業共済」という制度で、自営業者のための退職金制度と呼ばれています。掛け金は、1,000円以上70,000円から選択できます。確定拠出年金の個人型と国民年金基金とは別枠で加入できます。65歳以降あるいは事業を廃業、譲渡した場合に受け取ります。中途で任意に解約もできますが、払い込んだ掛け金額を大幅に割り込むので、注意が必要です。

以上の3つの制度において共通した有利な点は、所得から掛け金を全額引いてもらえることです。国民年金基金や小規模企業共済は、確定拠出年金と違い自分で運用しません。運用が苦手という人でもかなりの節税効果が期待できます。

退職金を自分で運用?!自己責任型の確定拠出年金とは?

「確定拠出年金」という年金制度があることをご存知ですか? お勤め先に、この制度があるという人も多いのではないでしょうか。

企業年金は、会社の退職金制度の一部で、年金形式で受け取りが選択できるものです。本人が希望すれば一時金でまとめて受け取ることもできます。
この企業年金には、将来受け取る額があらかじめ決まっている「確定給付型」と、決まっていない「確定拠出型」があります。このように言うと、将来受け取る額が決まっている「確定給付型」のほうがいいと考える人がいるかもしれません。

確かに、「確定給付型」は会社が積み立てて運用をしてくれるため、会社まかせで楽かもしれません。ただ、制度が変更され、将来約束された額が引き下げられることもあります。また、万一会社が破たんした場合は、約束通りに受け取ることができないということもあるのです。会社に入社して定年を迎えるまでの長い間、何が起こるかわかりません。「確定給付型」は、必ずしも安心できる制度とはいえないのです。

一方、「確定拠出型」は、会社は運用の責任を負いません。毎月一定の約束した掛け金を従業員に支払うことが会社の責任です。あとは従業員が、その掛け金を運用して積み上げていくという年金制度です。ということは、自分でしっかり運用するということが必要になるため、負担に感じる人も多いようです。

お金の管理は、信託銀行が行いますので、会社に万一何かあっても積立金が減るということはありません。その意味では、安心できるかもしれません。ただ、どのように運用するかで、老後に受け取る額が大きく違ってくるため、「自己責任型の年金制度」と言われています。

運用する商品は、あらかじめ会社で決められているので、その中から好きなものを選択するという仕組みになっています。そして個人ごとに口座が管理されているため、いつでもいくらたまっているかを見ることができます。もちろん運用状況も確認できるので、目標とする運用利回りを決めて、定期的にチェックすることが重要です。

「確定拠出年金」の最大の魅力は、税制にあります。運用でもうけたお金に税金がかかりません。ですから利息が利息を生むという「複利の効果」で、長い期間運用できる若い人ほど有利に運用できます。会社でせっかく運用する機会を与えてもらったのであれば、積極的に取り組みたいものです。

最後に、この「確定拠出型」の企業年金を採用する会社は、今では約2万社に。そして加入者も500万人を突破しています。これからは、お勤めをされている方にとっては、より身近な存在になっていくかもしれません。

2015.6.15更新

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