【ムダな出費】♂♂ほぼ夫婦「明日は明日の風が吹く」vol.8

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みなさま、こんにちは。作家・まんが家の歌川たいじです。

雑誌を見ても、Webサイトを見ても、「コスパ(コストパフォーマンス)」という言葉を頻繁に見るようになりました。お店のチラシや店頭に貼られるPOPなどにも「コスパ最高!」という文字が踊っています。商品を得るために要する費用と得られる価値の度合いという概念が、短く言いやすい言葉で共有されるようになりました。
商品を売る側でも「やみくもに安価なものを開発するよりも、費用対効果の高いものであると訴求できるものを開発しよう」という動きが活発になったような気がします。それは、基本的にはいいことだと思うのです。

でも、売る側から「コスパがいいですよ!」と売り込まれることに対して、なんだかモヤッとした気持ちが湧き起こるのを禁じ得ない、ワタクシ。コスパというのは消費される段階で評価されるべきものであって、売る側から押しつけられるものではないのではないかと思ってしまうのです。
「高コスパ商品ベスト10」だとか、そういう特集を雑誌で見たりすると、「コスパはこっちが決めるもんでしょ」と口をとがらせてしまうのでした。

「この圧力鍋はコスパがいいですよ」と言われても、「そりゃあ、一般的にはそうかもしれないけど、ワタクシは大量にアンコを煮たりするので、これじゃあ小さすぎ」という極めて個人的な事情が頭をもたげます。そして、その個人的な事情こそがコスパを決定づけるものなのではないかと思うのです。
ヘタすると、コスパが高いと評判の商品にあわせて自分のライフスタイルの方を変えようとしてしまう自分がいたりする…。それでは、甘さ控えめのおいしいアンコが食べられなくなります。結果的に、コスパ最悪じゃん的な結果を招きかねないと思っています。コスパについて検討するときに、「自分」という軸をけっしてブレさせないように気をつけねばなと考えています。








※これまでのハナシ
Vol.1【プロローグ】
Vol.2【ポイントカード】
Vol.3【アイデアを金に変える】
Vol.4【小さな倹約】
Vol.5【ふるさと納税】
Vol.6【ネットショッピング】
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執筆者

歌川たいじ

1966年生まれ。漫画家。1日に10万アクセスを記録した人気ブログ「【漫画】♂♂ゲイです、ほぼ夫婦です」のカリスマブロガーでもあり、著作に、自身の壮絶な家族との関係を描いた伝説的コミックエッセイ『母さんがどんなに僕を嫌いでも』がある。困難な人生に奮闘する人々をあたたかく描き出す作風に、老若男女セクシュアリティを問わずに多くのファンを持つ。8月末に本格小説として『やせる石鹸』を刊行。その他、コミックの著作に『母の形見は借金地獄』『じりラブ』など。

歌川たいじ

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【無料サービス】♂♂ほぼ夫婦「明日は明日の風が吹く」vol.7

こんにちは。作家・まんが家の歌川たいじです。

無料! 無料 ! と、なんでも無料のものばかり追い求めるのは好きではないのですが、こんなワタクシでも東京都内の無料スポットは時々、利用しております。

ワタクシが暮らしております新宿区には無料で使えるデスクスペースがあったりして、相方のツレちゃんが大音量でアイドルソングを聴くせいで自宅では仕事に集中できないときの緊急避難となっているのです。ケンカするより、逃げたほうが仕事の効率は落ちないので、有り難い限りです。

また、東京都内を探すと、無料で楽しめるスポットはけっこうあります。
杉並には無料とは思えないクォリティのアニメーション・ミュージアムがありますし、丸の内には圧巻のクジラの骨格標本なんかが見られる博物館があります。江東区では手漕ぎの和船に乗せてもらって、ゆらゆらと水路でなごむひとときを過ごすことができます。府中のサントリービール工場では、工場見学のあとにビールやドリンクの試飲をさせてもらっちゃったりも。

でもまぁ、これらのお楽しみスポットは、ワタクシは自分で利用したりは、ごくたまにしかしません。小さなお子さまがいらっしゃる地方の友人が東京に遊びに来るときに教えるだけです。都内の無料お楽しみスポットは、どこもお子さま連れだらけ。家族全員で有料施設を利用したらけっこうな出費だし、お子さまがいたらカフェでスマホを眺めて時間つぶしをするわけにもいきません。

小さなお子さまがいらっしゃる方が無料スポットを求めるのは仕方のないこと。なるべくお子さま連れに、ワタクシはですが、場を譲りたい。特に経済的に苦労なさってるシングルマザーの方々には、無料スポットをがんがん利用してほしいと思うのです。








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Vol.2【ポイントカード】
Vol.3【アイデアを金に変える】
Vol.4【小さな倹約】
Vol.5【ふるさと納税】
Vol.6【ネットショッピング】

【ネットショッピング】♂♂ほぼ夫婦「明日は明日の風が吹く」vol.6

こんにちは、作家・まんが家の歌川たいじです。

みなさまは、どのくらいネットショップを利用されておいででしょうか。
ワタクシが暮らしております粗末な家は、新宿駅から遠くはなく、ビックカメラも紀伊國屋書店も伊勢丹もドンキホーテも散歩がてらに行けるところにあります。なのに、ついつい買い物となるとAmazonでポチッてしまう体たらく。

健康のために歩きなさいとよく言われるのですが、歩くのがきらいなわけではありません。実際、よく歩いているのです。ただ、荷物を持って歩くのが大きらい。ポケットに入らないものは持ち歩きたくないのです。そんなワタクシに、ネットショップは強い味方なのでした。
最近ではネットショップの価格競争により配送会社ほかのステークホルダが儲けられず、青息吐息であるとか。課題はまだまだたくさんありますね。ですが、ネット注文による流通がますます成長していくであろう事は、疑いようがありません。

今後の課題としてぜひ、ネットショップのみなさんに検討していただきたいのが、「レコメンド商品表示の洗練」です。過去に買ったものの傾向から表示されるレコメンドによる事故は、マイノリティにとって恐ろしいものでして、会社でたまたま開いてしまったAmazonのレコメンド表示で腐女子なのがバレてしまった友人が数人おります。友人の腐女子達は、萌えようもない男性の同僚が抱き合うのを見せられ「どうだ、萌えるのか」とからかわれて、「おまえなんかに萌えるかッ」と怒りに震える日々を過ごしているそうです。レコメンド表示は、おしゃべりな商店街のオバサン的なキャラとなっているのかもしれません。

そして、ワタクシから個人的にAmazonさんにお願いです。私の著書を私にレコメンドするのは、やめていただけないでしょうか。どうか、他の人に薦めてほしいのです。

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Vol.5【ふるさと納税】

【ふるさと納税】♂♂ほぼ夫婦「明日は明日の風が吹く」vol.5

みなさま、こんにちは。作家・まんが家の歌川たいじです。

「ふるさと納税」をご存じない方は、もうあまりいらっしゃらないと思いますが、念のために簡単に書かせていただきます。

「ふるさと納税」は「納税」という名前がついておりますが、地方自治体への寄付です。「ふるさと」という名前ではありますが、任意の地方自治体に寄付ができます。
寄付をした地方自治体からは「お礼の品(多くはその地方の特産品)」が送られてきまして、それだけだとバカ高い買い物をしたカンジになるのですが、2,000円以上寄付をしますと住民税の一部が還付、控除されるため、結局はオトクな買い物をしたことになるというものです。

「ふるさと納税」のwebサイトには、「寄付を通じて地域の人を応援、お礼品を通じてあらたな地域の魅力を知る。寄付金を有効活用した地域づくりに貢献でき、地域の生産者も喜び、寄付した人もお得になる、みんなが幸せになれる制度がふるさと納税です。」と、書かれていて、まんざらウソではありません。

しかししかし、寄付した地方自治体から忘れた頃に送られてくる受領書を受け取って保管し、確定申告の時にちゃんと引っ張り出すなど、忙しい人や書類仕事がニガテな人にはなかなかハードルの高い手続きが必要になります。

ちゃんと仕組みを理解させて的確な手続きをさせるために、各自治体では噛んで含めるようにご案内する「ふるさと納税コンシェルジュ」のような担当者を置かねばならなくなっているようです。また、「お礼の品」PRが地方間で競争になっていて、宣伝費も使われている様子。それらは税金でまかなわれていると思うと、なんだかなぁ的な気持ちになってしまうのを禁じ得ません。

しかし、「オトクなお買い物ゲーム」的な感覚でやるのであれば、けっこう楽しいので、未体験の方は1回ぐらいトライしてみてはいかがでしょうか。ただし、確定申告はお忘れなく。

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Vol.1【プロローグ】
Vol.2【ポイントカード】
Vol.3【アイデアを金に変える】
Vol.4【小さな倹約】

【小さな倹約】♂♂ほぼ夫婦「明日は明日の風が吹く」vol.4

みなさま、こんにちは。作家・まんが家の歌川たいじです。

うちには猫が3匹おります。もともとは1匹だけ飼っていたのですが、その猫が老いてきまして、「この猫が死んだら、猫バカな相方が深刻なペットロスになるに違いない」と思ったワタクシ。なんでも、ペットロスになると次の猫が飼えないまま、ずっと傷心のままでいるのだとか。
「この猫が生きているうちに新しい猫を飼ってしまおう、ほかの猫がいるからといって飼い猫が死んだ時の悲しみは減らないだろうけど、とりあえず次の猫が飼えないなどとは言っていられなくなる」と、ワタクシは一念発起して子猫を2匹、愛護団体からもらいうけたのでした。

「猫が3匹もいたら、お金がかかって仕方がないでしょう」と、心配してくださる方が大勢いらっしゃいました。たしかに、エサ代、トイレ砂代などなど、コストはだいぶ嵩みます。ただでさえワーキングプアなこの身に、大きな負荷となりました。

ところが、我が家の猫の画像を表紙カバーにした「僕は猫好きじゃない」という本を出版したところ、都内の猫本専門店で好調に売れまして、昨年、一昨年は、この本の売上げで糊口をしのぐことができました。「表紙カバーの猫ちゃんが可愛くて、ジャケ買いが多いんです。この猫ちゃん、優秀なセールスマンですね」と、猫本専門店の店長さんはおっしゃったのでした。人間万事塞翁が馬ですね。

【アイデアを金に変える】♂♂ほぼ夫婦「明日は明日の風が吹く」vol.3

みなさま、こんにちは。作家・まんが家の歌川たいじです。

リスクの低い金融商品などの広告を見ますと、結果的には1円とか2円程度安くなるのを謳いあげ、「超オトク!」などと宣伝していたりしますが、そのたびにビミョーな気持ちになってしまいます。「かといってバクチみたいに高リスクな金融商品には手を出せないし、老後資金を増やすことはムリなのだろうか…」そんなふうに頭を抱える人が、ワタクシのまわりにたくさんいらっしゃいますし、ワタクシだって、財政の厳しい国で老後を送ることになるひとりとして、まったく不安を感じないと言えば嘘になります。

ワタクシの知人に、60代のゲイがいるのですが、彼はHIVの感染拡大予防運動に身を捧げた人で、感染してしまった人へのケアも非常にきめ細かく動いてきた人でした。身寄りもなく、私財もすべて活動に捧げてしまったので、ほぼ裸一貫。そんな彼が今年、大病を患ってしまいました。
「もう、生きていたって路頭に迷うだけだから死んじゃってもいいかな」と、彼は思ったそうなのですが、彼が世話してきた人たちが連絡を取り合い、看病や身の回りの世話を少しずつ分担し、カンパを募り、さらに弁護士に相談して生活に困らないだけの行政制度の利用の道筋をつけました。
「そんなことされたから、死ねなくなっちゃった」と、冗談まじりに話す彼の笑顔を見ながら、ワタクシは、「人は財産」という言葉の意味を目の当たりにした気がしたのでした。

お金はもちろん大事ですが、資産の増減に一喜一憂するよりも、人とのつながりを大事にすることのほうが大切なのではないか…思わず、そんな気持ちにさせられた出来事でした。

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