ゴールデンウイークを挟んだドル円相場の行方~【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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始めまして。これから毎週、為替市場の動向や今後の見通しなどをお送りします。このコラムのコメンテーター岡安盛男と申します。第1回目となる今回は、GW突入目前の特別編をお届けします。

外国為替取引という世界は、他の市場とは比較にならないくらい最も大きな市場で、毎日平均で5.3兆ドルの取引が行われています。ちょっとした宇宙のようなものです。そのため、誰かが大きな資金を使って動かそうとしてもびくともしません。砂漠に水をまくようなものです。そのため、株式市場などのようなインサイダー情報というのはまず通用しない、公平な世界です。

さて、そのような市場ではファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)とテクニカル分析(過去の動きから予想する方法)が大きな武器になります。それらの情報を週一のペースで今後私が皆様にお届けすることになりますので、よろしくお願いします。

■5月第1週の見通し(2016/04/27)
「ゴールデンウイークを挟んだドル円相場の行方」
為替相場の動向はファンダメンタルズが長期的な方向性を示すことになります。ファンダメンタルズといってもピンときませんよね。簡単に言えば金融政策だと思ってください。

例えば、米国の中央銀行FRBが「経済が好調で物価が上がり始めたので、そろそろ金利を引き上げる環境が整った」といったような発言をしたとします。金利が上がれば投資家はその通貨を買っておこうとします。この場合はドルですね。ドルがこれから上がるだろうとみんなが考えれば、上昇が始まります。長期的に上昇が続くことを長期上昇トレンドといいます。

一方、為替というのは必ず相手の通貨が必要です。相手が日本であればドル円という通貨ペアであり、その通貨との綱引きが為替レートになります。日本の中央銀行である日銀は、今年の1月下旬にマイナス金利を導入しました。しかし、マイナス金利の効果がどの程度あるか未定であったことから寧ろ円高に反応してしまいました。

さて、今週は日米の金融政策が発表されます。まず、28日の午前3時にFOMC(米国の金融政策を決定する最高意思決定機関)会合の結果が発表されます。前回3月のFOMCでは年内の利上げペースを引き下げたことで、今月4月は利上げを見送るとの見方が広がりました。利上げペースを引き下げたのは世界経済の減速懸念や、原油価格の下落などが要因とされました。それが、ここ直近の動きをみると原油価格は上昇し、新興国などの株や通貨は上昇、海外金融市場は安定に向かっています。これを受け、FRBが利上げに前向きな姿勢を示すようなら早期利上げ期待が高まりドル高に動くと予想されます。反対に、これまでの内容に変化がない場合でもドル売りの反応は限定的と見られます。こう考えると、FOMCではドル高に向かう可能性の方が高いと見ることが出来ます。

また、その日の東京市場では日銀会合が開かれます。既に、市場は日銀がマイナス金利の金融機関拡大とともに、金融機関のマイナス金利適用を実施するとの見方で既に円が売りこまれました。織り込み済みという事です。予想通り実施したとしても、円売りが更に進む可能性は低いと考えます。ただし、更なる量的緩和といった追加緩和が加われば一段の円安をもたらす可能性があります。こちらも、円高よりも円安に振れる可能性が高いと言う事になります。

総合的に考えると、米ドルが上昇し円が安くなるという事からドル円は上昇すると予想されます。

ところで、そのシナリオが正しいかどうかは終わってみなければわかりません。ただ、次の日から日本がゴールデンウイークに入ります。日本の投資参加者が長期休暇に入る前には、売買ポジションを出来るだけ持たないように対応します。という事は、どちらか上下に動きがあっても元のレベル(水準)に戻りやすくなります。

そのゴールデンウイークですが、毎年円高に振れることが多いと言われます。通常期、急速に円高に向かう時には日銀当局が阻止しようと対応策を講じる事があるのですが、日本のゴールデンウイーク中にドル円が急落しても、邦銀が休みのためにドル買い円売り介入などの対応策が出来にくく、海外投資家がそれを狙ってドル円を売るのでは、といった見方が広がるためと考えられます。

また、ドル円が売られる時には、ゴールデンウイーク前に上昇している場合が多くみられます。実際ドル円は上昇傾向にあり、そのアノマリー(経験則)の視点から判断しても売られる可能性が高いという事になります・・・・結果は??

今後も「岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場」・・・よろしくお願いします。

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執筆者

岡安 盛男 (おかやすもりお)

レグザム・フォレックスLLC (http://fx-okayasu.com/)代表、為替アナリスト                                                 外資系銀行に20年間在籍、1999年より為替デイトレーダーとして独立後は、 自身のトレードスタイルを確立、実践的な為替投資の啓蒙活動の他、FXスクール講師やFX会社向けの情報提供サービス、投資家向け情報レポートを展開(http://www.gladv.co.jp/members/fx_bible/)。ラジオ日経「岡安盛男のFXトレンド」、日経CNBCの「朝エクスプレス」など出演中。執筆多数。

岡安 盛男

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「社会人として仕事をしていく上で、どんな能力が必要だろうか?」

新社会人の皆さんは、今、人生の新しい扉を目の前に、大きな期待と不安が入り混じった複雑な気持ちでしょう。社会に出て働くと、苦労することもたくさんあります。しかし、扉の向こうには、それ以上に充実した刺激的な生活が待っています。働くということは他人や社会の役に立つことでもあります。1日でも早く社会人に必要な能力=「社会人基礎力」を学び、身につけ、デキる社会人を目指しましょう。

【社会人基礎力とは】
では、社会が求める「社会人基礎力」とは具体的にはどのようなものでしょうか。経済産業省では、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を「社会人基礎力」と名付けています。さらに「前に踏み出す力(アクション)」、「考え抜く力(シンキング)」、「チームで働く力(チームワーク)」の3つの能力と、それを構成するものとして12の能力要素を定義しています。

【3つの能力】
「前に踏み出す力」とは、主体性・働きかけ力・実行力という3つの能力要素から成ります。目標に向かって試行錯誤しながら、自ら踏み出そうと行動する力です。失敗しても他者と協力しながら、粘り強く取り組むことが求められます。

「考え抜く力」とは、課題発見力・計画力・創造力という3つの能力要素から成ります。常に問題意識を持ち、既存の方法に拘らず課題の解決に向けてのプロセスを納得いくまで考え抜くことが求められます。

「チームで働く力」は、発信力・傾聴力・柔軟性・情況把握力・規律性・ストレスコントロール力の6つの能力要素から成ります。組織としての付加価値の創出や目標達成に向けて多様な人と協働する力のことです。社会人になると、自分と考えの合わない人や苦手な人と一緒に仕事をすることも多くあります。
そういった人々とも上手く付き合いながら、円滑なコミュニケーションを取り、目標に向け協力することが必要です。

(出典:経済産業省HPより)

12の能力要素の中には、既に身についていると感じる能力もあるかもしれません。
しかし、企業側が求めているものは本人が認識しているレベルよりももう一段高いレベルにあります。

「社会人基礎力」の12の能力要素を身につけ、その能力を伸ばしていくことによって、仕事が円滑に進み、結果にも繋がっていきます。それに伴って、周囲からの評価も高まり、社会人としての人生は豊かなものになるでしょう。

このシリーズでは、「社会人基礎力」の12の要素を「12のスキル」として、具体的な事例に基づいて、一つずつ学んでいきます。この中には、当たり前だと感じることがあるかもしれません。しかし、この当たり前のことをきちんと身につけることができれば、あなたは周囲の誰からも必要とされる人間になれます。

1日でも早く「社会人基礎力」を身につけて、デキる社会人を目指しましょう。

※ このシリーズは、著書『わかる!できる!「社会人基礎力」講座 誰からも必要とされる人になるための12のスキル』(高橋忠寛著・ビジネス教育出版社)を一部改編しながらお伝えしていきます。

【節約絶景ドライブ】GWは富士山と芝桜が同時に楽しめます~富士パノラマライン編~

●節約絶景ドライブ:富士パノラマライン編
これまで見たことのない景色や風景に出逢ったとき、そこには決してお金には替えることのできない喜びと感動があります。

そんな体験をもっと身近に感じるためにこんな企画を用意してみました。題して「節約絶景ドライブ」。みんなが知っているドライブスポットから、地元の人しか知らない隠れた穴場まで、おすすめルートに節約テクニックも交えてお届けします。

●富士五湖を巡りながら日本一を堪能
本栖湖・精進湖・西湖・河口湖・山中湖で構成される富士五湖。その周囲をぐるりと取り囲むようにして走っているのが、国道139号線です。通称“富士パノラマライン”と呼ばれるコースとしても有名で、美しい富士山を見られる以外にも多くの観光スポットや穴場スポットが点在。まだあまり知られていない絶景を撮影して、Instagram(インスタグラム)で友達に自慢してみるのもおすすめです。

朝霧高原から眺める富士山

おすすめスポット●3
国道139号で行く富士山ぐるっと周遊プラン
・ルート:新富士IC(新東名高速道路)→西富士道路(無料区間)→浅間大社→白糸の滝→朝霧高原→本栖湖→精進湖→西湖→河口湖IC
・距離:約50km
・所要時間:約75分

静岡県富士市を起点にして東京・奥多摩までをつなぐ国道139号線。その途中に富士山をたっぷりと眺められる道が続くことから“富士パノラマライン”とも呼ばれています。139号線上には多くの絶景ポイントや観光名所があり、主要な高速道路からもアクセスしやすく人気のあるドライブコースです。

新富士ICから国道139号線を北上すると、パワースポットとして有名な富士山本宮浅間大社が出現。139号からは少し離れますが、ぜひ立ち寄りたいスポットです。ここでたっぷりとパワーをもらった後、さらに北上して白糸の滝へ。富士山の伏流水が何本もの滝になって流れる光景は圧巻のひと言です。

国道139号線に戻ってさらに北上すると、今度は朝霧高原が見えてきます。ここは富士山の絶景スポットとして有名で、「道の駅朝霧高原」があるため駐車場も広くて快適。名物のソフトクリームを食べながら道の駅の裏にある展望台に上がれば、見事な富士山の大パノラマを見ることができます。

139号線を北上すると、途中には鳥と花の楽園「富士花鳥園」があるので、ここに立ち寄るのもおすすめ。園内には人気のふくろうが「これでもかっ!!」というほど飼われていて、目の前で鑑賞することができます。さらに北上すると富士五湖のひとつである本栖湖に到着。GWは富士芝桜まつりの真っ最中なので、ぜひ芝桜と富士山の絶景ビューを撮影してInstagramやFacebookなどのSNSにアップしておきたいところ。

さらにこの周辺には日本人なら誰でも知っている“あの景色”が見られるスポットもあります。本栖湖畔に車を停めて少し山を登ると、1000円札の裏面に描かれている富士山の景色と同じ構図を楽しむことができるのです。これは意外と知られていない穴場スポットかも。

続いては隣にある精進湖を横目で見ながら西湖へと移動。ここは観光客があまりいない穴場。落ち着いた雰囲気で富士山を眺めることができます。近くには美しい氷柱が洞窟の中に続く鳴沢氷穴もあり、手頃な入場料(大人230円)で異空間体験が楽しめます。

いつも観光客で大賑わいの河口湖が見え、富士急ハイランドのジェットコースターから絶叫が聞こえてくるとドライブは終了。このまま中央自動車道で帰路に着くのもいいですが、元気があれば今度は138号線に乗って山中湖へ向かい、富士五湖を完全制覇するのもおすすめです。

★節約絶景スポット1:白糸の滝
幅200メートル近い岸壁から、富士山の伏流水(地下水)が何本もの細い滝となって落ちる白糸の滝。高さは20メートルもあり、上から覗き込むだけでなく滝つぼの近くまで下りていくことができるため、気持ちの良い水しぶきを体に浴びることができます。周辺には公営だけでなく民間の駐車場もあり、滝へ続く遊歩道沿いには売店があるので便利です。

★節約絶景スポット2:朝霧高原
富士山西麓の標高700~1000メートル付近に広がる朝霧高原。富士箱根伊豆国立公園にも指定されており、間近で富士山の大パノラマを見ることができます。周囲には道の駅「朝霧高原」のほかにも、「富士ミルクランド」や「まかいの牧場」などの見どころもたくさんあり。広大な草原に乳牛が飼育されその向こう側に富士山が見えるという構図は、絶景そのもの。

★節約絶景スポット3:富士芝桜まつり
本栖湖にほど近い国道139号線沿いで、毎年春に開催される富士芝桜まつり。今年は4月16日から5月29日まで開催されています。首都圏最大級を誇る約80万株の芝桜が、広大な敷地一面に咲き誇る風景は絶景そのもの。晴れた日には真正面に富士山の雄姿を見ることができ、そのコントラストの美しさは日本全国的にも有名です。入場料は大人600円、駐車場は500円。園内には足湯に浸かりながら景色を楽しめる「展望足湯(100円)」なども用意されています。

●節約テクニック
世界遺産に登録された雄大な姿を眺めるドライブ
日本人にとっては特別な存在ともいえるのが富士山。今回はその富士山の姿をいつも見られるドライブプランを提案してみました。富士山麓をぐるりと回る富士パノラマラインは、ただ走っているだけでも十分楽しいのですが、そのルートには見逃せない絶景スポットが盛りだくさんなので、あちこちに立ち寄ってみるのもおすすめです。どの観光名所もそれほどお金がかからず、費用対効果の高いドライブコースになっています。

●【節約絶景ドライブ】 シリーズ
おすすめスポット●1 伊豆半島編

おすすめスポット●2 房総フラワーライン編

ゴールデンウィークだからこそできる、他人とは違う3つの過ごし方!

いよいよゴールデンウィークも間近!予定がすでにあるという人はそちらの準備で忙しいかと思いますが、そうでない人もたくさんいらっしゃると思います。

予定の見えない仕事だったり、スケジュール的に休みが取れなかったり、そもそもお金もかかるし、人ごみがいやだ!という人もいるかもしれません。

そんな人にお勧めするのが、ゴールデンウィークというまとまった時間が取れるからできることをするということ。
その間につけた力がひょっとしたら、数ヵ月後、数年後の自分にとってとても役立つものになるかもしれません。ウサギとカメのカメのように虎視眈々と目標に向けて時間をつぎ込む、そんなゴールデンなお休みと考えてみてはいかがでしょう?

マネーゴーランド編集部ではこの期間だからこそでき、かつ他人とはちょっと違うようなものをピックアップしてみました、何か興味のあること始めてみると想定していなかった新しい出会いもあるかもしれませんね。

■ボランティア活動への参加
(日数:自由に設定可能)
ここ数年で空いた時間や連休を活用してボランティアに参加する方が増えています。ネットやFacebook・twitterなど様々な場所で募集をしています。人の役に立つというやりがいや充実感が得られると評判です。
ボランティアというと少しまじめな作業みたいなイメージもあるかと思いますが、筆者である私も実際に「まちづくり」という分野でボランティア活動をしていたり、そのような仲間をたくさん見てたりしましたが、そのような堅苦しいイメージではなく、サークル活動に近いです。さまざまな知見がつくことはもちろん、まったく違う分野で活動する仲間に出会えるということはなかなか素敵なことですよ!

■プチ断食
(日数:自由に設定可能だが最大でも3日)
ダイエット・体調管理・療養・便秘予防など様々な分野でプチ断食がブームになっています。断食と言っても週に数回1食抜いてるなどの簡単にできるもので、整腸作用や体調の改善が期待できるそうです。GWにプチ断食をすることで5月病予防にもなりそうです。
ただ勝手にやって体調を壊してしまっては意味が無いので、ちゃんと指導者のもとすることをお勧めします!

■短期修行
(日数:3~4日、最短日帰り)
京都や鎌倉などでは短期の坐禅会や写経などができるお寺があります。3泊4日の泊まり込みでのプチ修行なども人気があるようです。坐禅は数ある仏教の宗派の中でも禅宗のみの修行方法です。

最近は世界的に「禅」がブームになりつつあります。スティーブジョブスが曹洞宗の禅に影響を受けたというのも有名な話ですし、駒澤大学の関係者のお坊さんがアメリカで開いた禅センターに通っていたそうです。世代に関係なく密かに禅が注目されています。
瞑想は健康に大きな影響を与えたり精神面の強化になるなど話題から人気を集めつつあります。

筆者も「呼吸」にすごく興味をもっており、さまざまな局面で自信を持った選択ができそうだなとひそかに勉強をしようと思っております。「修行してきた!」なんて孫悟空のように言うことができれば、それだけで強くなれる気がしそうですね。

ゴールデンウィーク、習い事などに時間を割いたりするのももちろん素敵なことかとは思いますが、ちょっと変わったことをしてみると世界が開けるかもしれませんね!素敵なゴールデンウィークをお過ごしください!

和泉昭子の「お金持ちになるための教科書s」 第4回中野晴啓著「預金バカ 賢い人は銀行預金をやめている」

4月。街にあふれるフレッシュマンの初々しいスーツ姿に春の訪れを感じます。

和泉昭子の「お金持ちになるための教科書s」シリーズ。4回目は中野晴啓氏による「預金バカ 賢い人は銀行預金をやめている」です。前々回に低所得でも貯蓄ができる!貯金術を学んだばかりなので、そのタイトルに衝撃を受けます。たしかに、マイナス金利で物価上昇、インフレ傾向の現在では、銀行に預金しているだけでは、実質目減りしていくのが火を見るより明らかです。いったいどうすればよいのでしょうか?銀行預金だけに頼らない資産形成づくりとは何か?この本を通して学んでいきましょう。

■著者のコメント
預金バカ ― 刺激的で思い切ったタイトルですが、とよく言われます。そのわりに内容は真っ当で難しい言い回しはほとんどなくすんなり読みすすむことができると思います。預金でお金は増やせず、ましてやインフレ時代には実質目減りしてしまうこと、銀行が本来の機能を果たしていないことや、一定期間は販売サイドも顧客に解約誘導をしない業界の暗黙ルールの後、その期間をすぎると一斉に乗り換えを促す回転売買で手数料稼ぎをする証券会社に対しては、ふだんセミナーでも言っていますが、憤りをそのまま書き記しています。また長期投資の必要性やお金を働かせることによって私たちが社会に果たす大きな役割などその理念についても触れましたが、マイナス金利の導入によって将来の資産設計はますます難しく、預金だけではやはりダメだということは本書を読めば納得していただけるはずです。
金融や投資の内容を期待して読み始めると一転、第2章「私はこうして投資信託ビジネスを起業した」では、大逆境の中で何度打たれてもめげずに会社を設立するまでの道のりを包み隠さず語っています。新入社員で店頭株にはまり大損したこと、長期投資へのめざめ、自分で投信会社を作ろうと何度も上司につぶされ左遷を繰り返し、日本の投信業界の「常識」に阻まれ、数々の困難に立ち向かいやっとの思いで会社を作り上げる、こうした告白を通じて自分自身の投資信託への「思い」を伝えており、実話なだけに面白い読み物になっていると思います。
投資初心者に投資について関心をもってもらうことにも適した一冊。投信ビジネス業界の裏側も知ることができます。

中野 晴啓(なかの はるひろ)
セゾン投信株式会社 代表取締役社長。1963年東京生まれ。1987年明治大学商学部卒。同年、現在の株式会社クレディセゾン入社。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金の運用のほか外国籍投資信託をはじめとした海外契約資産等の運用アドバイスを手がける。その後、株式会社クレディセゾン インベストメント事業部長を経て2006年セゾン投信株式会社を設立、2007年4月より現職。販売会社を介さずに直接販売する直販ファンド2本を設定、運用し、2本のうちの1本「セゾン資産形成の達人ファンド」はR&Iファンド大賞「最優秀ファンド賞」を2年連続受賞。現在、顧客数10万7千、運用資産総額は1,300億円を突破した。また全国各地で年120本以上の講演やセミナーを行い、社会を元気にする活動とともに積み立てによる資産形成を広く説き「積立王子」と呼ばれる。著書に『投資バカ』(朝日新聞出版)『投資信託はこうして買いなさい』(ダイヤモンド社)ほか多数。

●和泉昭子のココがオススメ!

金融業界で「プリンス」といえばこの人、セゾン投信株式会社社長の中野晴啓さん。
彼の講演には、若いファンの方たちが列をなすほどの人気者です。
その風貌や柔らかな語り口からは想像できない衝撃的なタイトル「預金バカ」という本が、2014年夏に発刊されたときの衝撃は今も忘れられません。
発売からやや時間が経っている本書をあえて今とりあげるのは、
ご存知「マイナス金利」の影響を受け、銀行の預金金利が1年物から10年物に至るまで、軒並み地を這う状態だから。もはや預金だけではお金を2倍にするのに7200年もかかり、人生を豊かにする手段としては間に合わないのです。
本書前半は、中野さんご自身が投信ビジネスを始めた経緯や長期投資に対する熱い思いがつづられています。
そして、第3章「国も会社もあなたを守ってくれない」、第4章「『勉強』しなくても投資はできる」まで読み進めれば「頭ではわかっていても、もうひとつ動く気になれない」「何から始めればいいのかわからない」といった投資予備軍の方たちも一歩を踏み出さざるを得ない気持ちになるでしょう。
また、続編的な「投資バカ」(朝日新書)では、投資を始める際に陥りがちな誤解についてより深く紹介されています。
できればセットで読み、王道な長期投資で明るい未来を切り拓きましょう。


和泉昭子の「お金持ちになるための教科書s」 第2回大江英樹著「知らないと損をする 経済とおかねの超基本 1年生」

1月より始まった、『和泉昭子の「お金持ちになるための教科書s」』。

第2回目は、「わかりやすいにもホドがある!」と大評判の、大江英樹著の「知らないと損をする 経済とおかねの超基本1年生」です。日ごろ何となく使用している経済用語や経済のしくみについて、知っていると知らないとでは大違い。日常生活で損しないように、超基本を学びましょう。

■著者のコメント

何気なく日常で使っている「景気が良い」とか「悪い」とかいう言葉は一体何をあらわしているのでしょうか。あるいはニュースで「GDP」がプラスとかマイナスとか言っていますが、これは何のことなのでしょう。普段使っている経済に関する言葉も実はぼんやりとしかわからないことが多いものです。学校を出て会社に入った時には先輩や上司から「日経新聞を読みなさい」と言われた人も多いと思いますが、読んでもさっぱりわからないのでいつのまにか読まなくなってしまった人も多いのではないでしょうか。

「生活していく上でそんな経済のことは知らなくてもいい」、そう考える人も多いと思いますが、実は経済のことを正しく知っておくことは日々の生活の中で“損をしない”ようにするために決定的に大事なことなのです。
 そこで、この本の目的は、ズバリ
人生において大きな損をしないために経済のしくみを正しく知ろう! ということです。

 この本の特徴は、経済の基本を知っておくことでいかに損が未然に防げるかということが身近な実例も交えて紹介されていることです。本当はかなりレベルの高い話なのですが、きわめてやさしく解説しています。なぜなら経済用語を知ることが本書の目的ではなく、そのことばの裏側にある考え方を理解するためだからです。本の表紙の帯にも書いてありますが、まさに「わかりやすいにもホドがある」一冊です。経済学を勉強したことがある人もない人もぜひ読んでみてください。そのわかりやすさにきっと驚かれると思います。

大江英樹(おおえ・ひでき)
経済コラムニスト 株式会社オフィス・リベルタス 代表取締役
企業年金、行動経済学、資産運用、セカンドライフ支援の専門家として各種講演や雑誌への執筆活動等を行っている。日経電子版人気コラム「定年楽園への扉」好評執筆中
CFP(日本FP協会認定)、日本証券アナリスト協会検定会員、行動経済学会会員
主な著書: 「投資賢者の心理学」 日本経済新聞出版
        「知らないと損する 経済とおかねの超基本 1年生」 東洋経済新報社

●和泉昭子のココがオススメ!

これまであまりお金のことに関心を持たずに来た人が、経済の勉強をしようと思っても、専門用語が難しかったり、前提が説明されていなくてよくわからず挫折するケースが少なくありません。そんなとき助けになるのがこの本です。
「効用」とか「最適化」「トレードオフ」など、経済の本質をきちんと理解するための概念を正面から扱っているので、本を開いた瞬間はタイトルの印象よりはちょっぴり難しく感じるかもしれません。でも、読んでいくと表紙の帯どおり、本当にやさしく説明してくれているので、読み進めるうちに、断片的な知識が線でつながり、いつしか面に、そして立体的なものへとつながっていくでしょう。
お金持ちへの扉は、まずここから。さあ、始めましょう。


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