シニア層のおこづかい? 毎月決算型投資信託とは?

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・10万円

<Point>

160歳代、70歳代の投資信託保有者のうち、約65%が毎月決算型の投資信託で運用

21ヵ月ごとに決算し、利益の一部を投資家に支払うのが毎月決算型

3分配余力があれば、決算が悪くても投資家に分配金を支払っているのが現状

4投資家に支払った分配金の分だけ、投資信託の基準価額が下がる

※2016年3月22日の現在基準価額10,673円の毎月分配型投資信託を10万円分購入(購入時手数料を除く)、過去1年間と同じ収益分配金(毎月15円×12ヵ月)を受け取ったと仮定した場合(税引き前)

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相変わらず、毎月決算型投資信託が60歳代、70歳代の間で絶大な人気を誇っているようです。

以前の記事「若年層は投信積立、シニアは毎月分配型 ~投信協会アンケートより~」でご紹介した「2015年(平成27年)投資信託に関するアンケート調査」(一般社団法人投資信託協会)では、60歳代、70歳代の投資信託保有者のうち、なんと約65%もの人が毎月決算型の投資信託を持っていることが分かりました。

一方、30歳代以下の投資信託保有者で、毎月決算型の投資信託を持つ人は約3割。年代の違いで利用者に差がある「毎月決算型投資信託」とは、どのようなものなのでしょうか?

投資信託は、定期的に運用状況を集計して公表します。資産残高、一定期間の損益、運用対象の金融商品や銘柄、運用資産のうちその期間に売買した証券や資産なども明らかにされます。この集計が「決算」です。

決算の期間は、あらかじめ投資信託ごとに決められています。その期間を1ヵ月としたものが「毎月決算型」。決算を行い運用利益が上がれば、利益の一部分が投資家に支払われます。これが「収益分配金(以下、分配金)」です。

しかし、毎月の決算期間では、運用資産が値下がりする場合もあります。本来、決算期間の利益が少なければ分配金額も少なくなるはず。運用がうまくいかない月は分配金0円でも当然です。

ところが、実務上は、以前からの利益の蓄積で、何とか過去の月と同程度の分配金を支払っています。この利益の蓄積を「分配余力」といいます。今後の分配金の支払いを左右する、重要な指標です。

このように、分配金を毎月支払っている現状では、「毎月決算型」を「毎月分配型」とも呼んでいます。

数年前は、投資金額に対し毎月の分配金の利回りが年8%程度で、高いものでは年10%を超えるような投資信託もありました。この時期ほどではありませんが、毎月の分配金を楽しみにしているのが、給与収入のない世代、つまりシニア層なのです。

反対に、現役で働く若年層は、投資収益よりも給与などが収入の柱です。わざわざ毎月決算型投資信託を買う必要はないわけです。

最後に、分配金に関しては十分に理解をしておきましょう。決算期間が毎月であれ年に1回であれ、分配金を投資家に支払うと、その分、基準価額(投資信託の値段)が下がります。基準価額の上昇は運用の利益であり、その利益を投資家に支払ったのですから。

つまり、毎月分配金型投資信託では、基準価額を押し下げる分配金の支払いも毎月なのです。

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執筆者

石原敬子

CFP® 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 専修大学文学部人文学科心理学コース卒業後、証券会社で約13年の営業職勤務。その後2003年 1月にFP事務所を開業。「使うこと」に焦点を当てた個人相談、金融や資産運用を分かりやすく話すセミナーと書籍やコラムの執筆を行う。 http://www.keikoishihara-fp.jp/

石原敬子

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若年層は「投信積立」、シニアは「毎月分配型」を利用~投信協会アンケートより〜

「みんな、どんな運用をしているんですか?」相談などの現場で、よく質問されます。

一般社団法人投資信託協会から「2015年(平成27年)投資信託に関するアンケート調査」が公表されました。この結果では、年代別に特徴が浮かび上がります。私なりにまとめてみました。

(※調査対象:20歳以上の男女個人、2,700人中1,523人が回答し回答率56.4%、調査期間:2015年9月10日~9月29日)

【30歳代以下】投信積立の利用者多数、しかしイマイチ勉強不足。
【40歳代】投資に回すお金が少なく、関心が低い。解約したら預貯金か生活費へ。
【50歳代】老後がちらつき保有を継続、ボチボチ投資の勉強も。
【60歳代以上】知識を蓄え賢く運用、基準価額はマメにチェック。毎月分配金がお小遣い。

といった感じでしょうか。

年代別に目立ったのは、若年層ほど積立(累積投資)の利用が多く、シニア層ほど毎月分配型の利用が多かった点です。また、投資信託の特徴や用語の意味については、50歳代、60歳代が他の世代よりも理解していたようです。

若い世代が多く利用している投資信託の積立投資。しかし、このアンケート結果からは、積立投資の特徴や効果などについて理解不足のようでした。比較的収入が少ないから積立てで、というだけなのかもしれません。

シニア層に人気の毎月分配型の投資信託は、運用が順調であれば、毎月、投資家に収益分配金が支払われます。収益分配金の使い道について聞いたところ、30歳代以下~50歳代の各層では「特に使わない」という人が3割を超えました。この人たちは、わざわざ毎月分配型を選ぶ必要はなさそうです。投資効率が高い「無分配型」が良いでしょう。60歳代、70歳以上の半数近くが、分配金は自分のおこづかいにするそうです。

投資信託のように基準価額が上がったり下がったりする金融商品は、安い時に買いたいのが本音。しかし、タイミングを見て売買するのはプロでも難しいものです。そこでリスクを抑える方法として、毎月決まった日に、決まった金額で自動的に買い付ける方法があります。

これを「ドルコスト平均法」と呼びます。

しかし残念ながら、このアンケートを見る限り、ドルコスト平均法のメリットを理解して積立投資信託を買っている人は多くありません。少額から積立できるから利用している、というのが実情でしょうか。せっかくなので、どんな効果があるのか、次回は「ドルコスト平均法」を解説しましょう。

変額型の個人年金保険、必要なのは投資信託の知識

「公的年金だけでは心もとない」と、個人年金保険を検討される方も多いと思います。個人年金保険には、将来の受取金額が決まっている「定額型」と、受取金額が運用の実績しだいで変わる「変額型」があります。

定額型は、世の中の金利水準に応じて受取金額が決まります。つまり、金利が低い時期に契約した定額型は、将来の受取金額に多くの期待を寄せられません。そこで、変額型の個人年金保険に注目が集まっています。

そこで知っておきたいのが、投資信託の知識。

「えっ? 個人年金に入るのに、投資信託を知る必要があるの?」と思うでしょうか。あるんです。

変額年金保険のパンフレットなどには、「記載の年金額は仮定の計算であり、将来の受取金額は運用実績により変動します」といった内容の注意書きがあります。この運用の実績が、まさに投資信託の運用実績なのです。

パンフレットをよく見ると、「特別勘定」という言葉が書かれているはずです。特別勘定とは、保険料から保険の経費などを引いた、年金や一時金の運用資産です。特別勘定には、契約者の考えに合った運用ができるよう、リスクの度合いや投資先が異なる複数の選択肢が用意されています。その選択肢として、投資信託が用意されているというワケなのです。

具体的には、「世界債券型」「日本株式型」「新興国株式型」「短期金融市場型」といった、地域や金融商品でくくった投資信託があります。保険会社によっては「安定成長バランス型」「積極運用バランス型」などの、1つを選ぶだけで分散投資が可能な投資信託もあります。同じバランス型でも、「安定成長」と「積極運用」ではリスクの度合いが違います。

変額型の個人年金保険は、将来の年金や一時金が特別勘定という名の資産として、保険料払込満了まで運用され続けます。いくつかの投資信託に配分された運用資産は「ポートフォリオ」と呼ばれます。経済環境の変化に応じて、ポートフォリオを入れ替えてもOK。その判断は、契約者が行います。

将来の受取金額をどう殖やすか、またはどう減らさないか、などの運用方針は、契約者が選ぶポートフォリオにかかっています。つまり、変額個人年金で老後の資金を上手に殖やすには、投資信託の知識が必要なのです。

マイナス金利での余波は、安全志向の投資家にも?MMFが存続の危機に

2016年1月、日銀がマイナス金利導入を発表しました。その影響で株式市場や為替相場は大荒れ。「投資の世界の話でしょ」と思うことなかれ。余波は、安全志向の投資家にも広がっています。

MMF(マネー・マネージメント・ファンド)が、存続の危機です。

マイナス金利の発表後、金利の市場は急降下し、全ての投資信託会社が新たな資金によるMMFの購入を停止しました(2016年2月5日現在)。

遂に長期金利もマイナスになった2月9日。その前日、日興アセットマネジメントがMMFの運用を終了すると発表。この記事がアップされる頃には、他の投資信託会社も追随しているでしょう。

「MMFの運用を終了する」とは「繰上償還」という措置で、投資信託の運用資産を投資家に返金して運用が終わることです。

MMFの場合、通常は運用期限を約款で「無期限」と定めています。そもそも「償還」がなく、投資家が自由に購入・解約ができます。

しかし、今回のように、運用が著しく困難になりそうと判断される場合や、投資家の保有口数(つまり残高)が極端に減って運用が難しくなると判断される場合に繰上償還されます。繰上償還の条件等は、あらかじめ信託約款に定められています。

MMFは、国や特殊法人、金融機関などの間で短期的に貸し借りされる資金で運用されています。平均3ヵ月程度で返済されます。ここから得た金利が、MMFの主な運用益です。

日銀のマイナス金利政策により、この短期の運用資金から金利を稼ぐことが難しくなると判断し、新たな資金でのMMFの購入停止や、繰上償還になったというワケです。

高金利時代に人気だった中期国債ファンドや公社債投信は、ほとんどが繰上償還されて姿を消しました。その後、預金のように利用できる便利さから、MMFは多くの投資家に親しまれ、ピーク時には約21兆円もの残高がありました。

2001年には元本割れになったMMFもありましたが、その後は安全性の面で基準が厳しくなり、今では「とりあえず置いておこう」という時に重宝していました。2015年12月末時点で、国内のMMFは13本、残高は1兆6千億円強です(投資信託協会)。

投資のための待機資金や預金感覚で利用できる運用資金には、証券総合口座の決済に使われるMRF(マネー・リザーブ・ファンド)があります。今後はMRFに資金が集中するでしょうが、MRFの運用環境とて同じこと。安全性を保ちながら運用するのは厳しいと思われます。

【マネーギャグアニメ動画】紙幣でケツを拭く!?意外と知らないお札の寿命

人気シリーズ鷹の爪団を生んだDLEによるマネーゴーランドオリジナルアニメ「わんわんわんコイン」。

第8話は…金男くんからぞんざいな扱いを受けるわんわんわんコイン。そんなわんわんわんコインに与えられた究極の選択が、誰もがうらやむ紙幣に進化するか、端金(はしたがね)500円のままでいるのか…。しかし、そのためにはお金にまつわる難問クイズに答えなければならないのです!オー・マイ・キャッシュ!
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犬でコインな「わんわんわんコイン」は飼い主の「金田金男」くんが大好き!! …が、金男くんは500円なんて端金(はしたがね)とばかりに、わんわんわんコインをすぐにお金として使おうとするよ! この“すれ違い劇”の先に待つのは、絶望か!? 悲劇か!? …それとも愛か!?

好評連載!【マネーギャグアニメ】わんわんわんコイン バックナンバー!
第1話「忘年会で得するフェイクって!?」
第2話「クリスマスのラブホの相場!?」
第3話「仕事で貯まったポイントって誰もの!?」
第4話「ワイドショーでよく聞く保釈金のつかい道!?」
第5話「バレンタイン、実は損してる!?」
第6話「マイレージを侮るなかれ!獲得マイルでどこまでいける!?」
第7話「ドキッ!大好きな彼氏でも見切りをつける年収って!?」

最新作の第8話はこちら!

「奨学金」で変わる、天国と地獄

皆さんは自分が学生の時、もしくは自分の子どもに「奨学金制度」を利用したことはあるでしょうか。

最近の奨学金の話題といえば、話題になった保育園問題に対し、子育て支援事業を行うJPホールディングスが最大120万円の給付型奨学金制度を始め、
また、日本学生支援機構(JASSO)は今月、奨学金の返済が滞っている人の率(未返済率)を、大学や専門学校など学校別に公表することを発表しましたね。
どちらをみても、奨学金が大きな社会問題になっていることが分かります。

今回はそんな奨学金について、現状の説明と、返済不要の「給付型奨学金」制度を行っている大学を一部紹介します。

基本知識!奨学金のおさらい
そもそもですが、奨学金制度には2種類のタイプが存在します。
1つは「貸与型奨学金」です。
これは、独立行政法人日本学生支援機構やあしなが育英会といった公的な組織が行っているもので、学業を修了するまで月額数万円を「貸して」くれるものです。そのため、学業が修了し社会に出て就職すると、返済を求められます。しかし、利子を付けて返済する必要がないため(無利子返済)、借りた分だけ返せばよいということになります。
2つ目は「給付型奨学金」です。
これは、大学や企業が独自に行っているもので、月額数万円から十数万円まであります。学業を修了するまで「いただける」ものなので、返済義務は一切ありません。また、「給付を受けるから必ずこの進路に進め」という制約もありません。

貸与型奨学金の実情
平成24年文科省統計によれば、平均貸与月額は無利子5.9万円、有利子7.3万円。平均貸与総額は、学部生299万円、大学院生378万円です。
また、前述のJASSOによると、奨学金を返還する必要がある374万1000人のうち、3か月以上滞納している「延滞者」は約17万3000人(4.6%)。14年度末までの全体の滞納額は計898億円にも及んでいます。
さらに、JASSOの調査によると、奨学金延滞者の37.6%が申し込み手続きを終えた後も返還の義務を知らず、延滞督促を受けてから返還義務があることを知ったという人も9.8%いた。返還期限を猶予する救済措置についても、延滞者の35.7%が「知らない」と答えていたそうです。

大学を卒業した途端300万円近くの返済人生が始まると考えると、自分で借りたとはいえ生活が厳しくなるのは当然でしょう。
当然ですが、貸与型奨学金制度を利用する前にはしっかりと制度について把握しておかないと、自分で将来の自分の首を締めることになるかもしれません。

私立大学は給付型奨学金が充実している
「給付型奨学金」は親の収入要件や成績要件などを満たしていれば、4年間毎年数十万円などの給付を返済不要で受けられるので家計はとても楽になりますよね。
2016年度の受験は既に終わっているかと思いますが、2017年度に向けて志望校を選ぶ際、「給付型奨学金」があるかどうかも判断基準の一つとして持っておくのもよいでしょう。

給付型奨学金は各自治体や企業でも行っているものがありますが、今回は私立大学の2016年度向けに行っている給付型奨学金制度をいくつか紹介します。気になる制度があったら是非各大学のHP等で詳細を確認してみてください。

<慶應義塾大学「学問のすゝめ奨学金」>
要件:首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者、父母の収入・所得金額合算が1000万円未満、家族が東京・神奈川・埼玉・千葉以外に住んでいて自宅外通学の予定であること、高校の教員から推薦が得られる者 等
支給額: 60万円/年(医学部は90万円/年、薬学部薬学科は80万円/年)
      入学後1年間給付(成績や要件の審査に通れば継続給付が可能)
新規採用人数:全国合計で107名(出身地別に上限人数が定められています)

<早稲田大学「めざせ!都の西北奨学金」>
要件:首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者、父母の収入・所得合算が800万円未満 等
支給額:40万円/年 4年間継続給付(各学年で継続判定あり)
採用候補者数:約1200名

<立教大学「自由の学府奨学金」>
要件:首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者、主たる家計支持者の収入・所得金額が800万円未満、高校における全教科の評定平均値3.5以上 等
支給額:50万円/年(理学部は70万円/年) 原則4年間継続給付(各学年で継続判定あり)
人数:約500名

<青山学院大学「地の塩、世の光奨学金」>
要件:首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者、父母の収入・所得合算金額が800万円未満、自宅外通学予定、高校における全教科の評定平均値3.5以上 等
支給額:50万円/年 4年間継続給付(各学年で継続判定あり)
人数:約350名予定

<中央大学「中央大学予約奨学金」>
要件:首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者、父母の収入・所得合算金額が700万円以下、自宅外通学予定、高校における全教科の評定平均値4.1以上 等
支給額:授業料相当額半額 4年間継続給付(各学年で継続判定あり)
人数:約100名

<東京女子大学「挑戦する知性」奨学金>
要件:国内高等学校出身者、父母の収入・所得合算金額が805万円以下、自宅外通学予定、高校における全教科の評定平均値4.3以上、高校から推薦が得られる者
支給額:学納金相当額および学寮経費相当額 原則4年間継続給付(各学年で継続判定あり)
人数:約10名

奨学金制度はうまく利用すればとても便利な制度ですが、計画的に返済のことを考えないと大変な20代、30代を過ごすことになってしまいます。
将来のことを考えた上での利用や、給付型奨学金を利用するなど、賢く奨学金と付き合っていきましょう。

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