地政学リスクの高まりと金融マーケットの関係

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1テロの脅威などの地政学リスクは、さらに広がるとの見方が少なくない

2テロや戦争などの地政学リスクが高まると、市場心理が冷え込みリスクオフとなる

3リスクオフにおいてマネーは、新興国株などのリスク資産から預金などの安全資産に動く

4地政学リスクが高まると円高が進みやすい

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世界的にテロが多発しています。昨年11月にフランスのパリで起きた同時多発テロは衝撃的なニュースとして伝わりました。

パリ市街と郊外の商業施設において、過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘員と見られるテロリスト・グループによる銃撃や爆発が、死者130名以上、負傷者300名以上を生みました。
そのほか10月には、ロシアの旅客機が墜落し、イスラム国が犯行声明を出しています。また11月には中東のレバノンの首都ベイルートにおいて、イスラム国のメンバーによる自爆テロが発生し、40人以上が死亡しました。
こうしたテロや戦争の脅威は、金融マーケットの関係者から「地政学リスク」と呼ばれ、2016年にはさらに広がるとの見方が少なくありません。今回は、地政学リスクと金融マーケットの関係を見ていきましょう。

結論から入りますが、地政学リスクが高まりますと、金融マーケットでは投資家の投資意欲が弱くなり、安全志向になります。このように市場心理が冷え込む現象は「リスクオフ(Risk off)」と呼ばれます。投資家がリスク資産である株の保有を減らすと株価が下がりますが、われ先にと売ることから、下落が加速する可能性があります。因みに、積極的な投資行動が広がることを「リスクオン(Risk on)」といいますので、“オンとオフ”をワンセットで押さえておきましょう。

地政学リスクが現われたとします。例えば、世界中に衝撃を与えるような大規模なテロが生じたとしましょう。投資家の行動は単純ではありませんが、概して「リスクオフ」につながりやすくなります。具体的には、外国株や外国債券などのハイリスク・ハイリターンな金融商品、特に新興国を投資対象とするリスク資産(株、投資信託など)の保有割合を減らすものと思われます。テロの衝撃が強ければ強いほど保有割合を減らすでしょう。そして、それらリスク資産の売却代金の行き先は、一般的に国内金融機関の預金や日本国債といった安全な金融商品に向かいます。

このようにマネーの流れが、新興国から日本・米国・欧州などの先進国へと向かいますので、通貨の視点では「新興国通貨安・先進国通貨高」が進みやすくなります。取り分け日本円は、スイスフランとともに「安全通貨」の代名詞と見られていますので、地政学リスクの高まりで円高が進みやすくなります。ピンとこないかもしれませんが、実は結びつきが強いのです。覚えておくとよいでしょう。

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執筆者

小松英二 CFP®(ファイナンシャル・プランナー)/ 経済アナリスト

筑波大学卒業後、日本銀行入行。景気動向調査、対金融機関・対政府の金融取引などに携わる。 その後2007年4月にFP事務所を開業し、資産運用、相続対策を中心に相談業務、執筆活動を展開。 生活者向けセミナー、企業の社員研修、FP継続教育研修などの講師も務める。 帝京大学経済学部・湘北短期大学総合ビジネス学科 非常勤講師

小松英二

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原油価格の急低下!その背景に何があるのか

ガソリン価格がどんどん下がっています。その大もとは原油価格の急落!2014年夏頃から原油相場は急低下し、4分の1といった状況です。

この急落は、経済にプラスとなる国やマイナスとなる国がありますが、世界経済にとっては波乱要因。国際的な取引市場で売買される原油の価格がなぜ急落したのか?その背景を見ていきましょう。

本題に入る前に、プラスとなる国とマイナスとなる国を整理しておきます。
プラスとなるのは原油から生まれるガソリン、灯油、電気、化学製品などを大量に消費する国々です。日本はまさにそのタイプ。一方、マイナスとなるのは原油を生産し、輸出している国々。典型的なのはサウジアラビア、イラクなどの中東産油国です。米国のように原油生産国であり、かつ大量の原油消費国である国は、その中間に位置し、プラス面とマイナス面を抱えています。

原油急落の背景ですが、世界的な原油の「需要減少」と「供給過剰」が影響しています。
まず「需要減少」から見ていきましょう。なんといっても大口の消費国“中国”の景気減速が、原油需要を大きく減らしています。2桁成長を続けてきた中国経済も8%台、7%台と低下し、直近7~9月の経済成長率は6.9%、景気減速が一段と鮮明となりました。これまで輸出主導で高度成長を果たしてきましたが、勢いもピークを過ぎたようです。

次に「供給過剰」ですが、近年の米国におけるシェールオイル、シェールガスの産出が大きく影響しています。世界のエネルギー供給は、これまで中東産油国などの原油に依存していましたが、シェールオイルなどの出現で米国がエネルギー供給大国として存在感を高めています。こうした事情から原油を巡る需給バランスが崩れ(原油がダブつき)、原油相場が急低下したのです。

原油価格の動向の見るポイントを2点指摘したいと思います。
1. まず、このところ景気減速が目立つ新興国経済の動向。とりわけ“ポスト中国”として注目されるインドが、世界のエネルギー消費をけん引する存在になるかどうか、注目していきましょう。
2. もう1つは「供給過剰」の解消です。中東産油国や米国などエネルギー供給国は、『自国は減らしたくない』『他国には減らしてほしい』といったところが本音。この点は、各国の利害が厳しく対立しますので、簡単には解決しそうにはありません。エネルギー生産を巡る各国の動きに注目していきましょう。

2016年の世界経済はどうなるの?その注目点は!

今年の世界経済をアメリカと日本を中心に見ていきましょう。

経済大国・アメリカの景気動向は、世界経済に大きな影響を及ぼします。特に金融政策。異例なペースで金融緩和(マーケットにジャブジャブにお金を供給)を続けてきましたが、これはリーマン・ショックといった非常事態における緊急対策です。その効果があり、アメリカ経済も順調に回復してきましたので元に戻す段階に入ります。具体的にはゼロ金利からの金利引き上げです。

2016年はアメリカの利上げ(いったん始まると、年に数回の段階的な利上げが一般的)により景気は減速し、世界経済も成長が鈍るものと考えられます。特にアメリカの利上げは中国や新興国経済に悪影響が及ぶでしょう。
ここで気をつけたいのは、米国利上げで新興国通貨が減価(通貨安)しやすいこと。ブラジルなどを投資対象とする投資信託が人気でしたが、状況はまったく変わろうとしています。米国利上げで投資マネーが先進国に戻ると、ブラジルレアルなどは売られ(通貨安に傾き)、投資信託の基準価額は下がります。自分のポートフォリオに新興国の投資信託を入れ過ぎている方は、保有を減らすなどの検討が必要でしょう。
次に日本経済ですが、異次元金融緩和が続くなかでも少し停滞感が現われています。頼みの新興国向け輸出は、新興国景気の減速からスローダウン。日本製品を海外で売る環境は厳しくなっています。
そこで期待されるのが“国内消費”。私たちがモノやサービスを積極的に買うかどうかにかかっています。そんなこと言われても、給料が上がらないことには財布の紐は緩みませんよね。賃上げがとても注目される一年になりそうです。

最後に円安ドル高のゆくえです。ここ3年あまり為替の動きによりドル預金など外貨投資が好調でした。でも今年はちょっと様子が変わりそう。これ以上円安が進むと小麦やバターなど輸入品価格が上昇して家計費を圧迫する心配が広がっています。今年は参議院選挙もありますので、政治などの事情から円安警戒の動きが出てくるかも知れません。また、米国は大統領選挙の年。行き過ぎたドル高は、米国の輸出企業にはマイナスですので、こちらはドル高警戒が出てきそう。
両国の為替を巡る環境は、3年続いた円安ドル高にブレーキがかかりそうです。こうした事情から、今年の為替は円安にも円高にも進む可能性があり、見通しはかなり難しくなりそうです。

日本の財政問題(第4回) 消費増税時に導入予定の軽減税率!対象品目は?

財政悪化が進む中で消費税率は2017年4月に8%から10%に引き上げられる予定です。
その消費増税とワンセットで導入が検討されている軽減税率!どういった内容なのかを見ていきましょう。

消費税の引き上げ議論における争点は、低所得者への負担軽減策です。消費税には低所得者ほど負担が増す「逆進性」があると見られています。その対策にはいくつか方法がありますが、消費増税を主導する自民、公明両党は「複数税率」を強く推しています。以前に話題となりましたが、マイナンバーを活用して「低所得者に消費増税分の税金をあとで還付する」といった財務省の提案は大きく後退したようです。

この複数税率というのは、食料品を中心とした生活必需品について、10%となる予定の標準税率よりも低い軽減税率を適用しようとするものです。実は日本のように消費税を単一税率としている国は少数派。欧州を中心に世界中で幅広く採用されています。
ただ、導入には課題が少なくありません。それは何を軽減税率の対象とするかが難しく、微妙な問題を含むからです。導入している国々では、軽減税率の対象品目の線引きに苦心してきましたが、興味深い事例を挙げてみましょう。

●フランスでは、マーガリン、キャビアは約20%の標準税率となるが、国内産業の保護を目的にバター、フォアグラ、トリュフに5.5%の軽減税率を適用
●カナダでは、ドーナツは5個以下ならば店内で食べると見なされ標準税率(5%)となるが、6個以上ならテークアウトと見なされてゼロ税率を適用
●英国では、名物のフィッシュ&チップスなど温かいテークアウト商品は約18%の標準税率となるが、スーパーの惣菜などはゼロ税率を適用

特定の食品にだけ軽減税率を適用していますので、競合相手からは相当な反発が出たようです。
日本ではどうなるのでしょうか?12月16日に自民、公明両党は、2017年4月の消費増税時に軽減税率を導入するとした「2016年度の税制改正大綱」を決定しました。その中で「酒類と外食を除く生鮮食品と加工食品」を軽減税率8%の対象とすることが盛り込まれました。これから国会で本格的な審議が始まり、2016年3月には正式に決定するものと思われます。

800万戸を超える空き家!いったいどうなるの?

人口減少で世帯数が減り、だれも住まない空き家が増えています。昨年、政府が発表した住宅・土地に関する調査結果によりますと、全国の空き家戸数は820万戸、住宅数に占める空き家の比率(空き家率)は過去最高の13.5%となりました。

家が100軒あれば、そのうち13軒が無人!ショックな数字です。空き家の放置で建物の破損が進み、樹木や雑草が生い茂るなど隣地に迷惑がかかります。不法投棄の格好のポイントとなり、ゴミ屋敷と化すことも心配です。不審者の侵入で街の治安が悪化することも考えられなくはありません。

空き家増加の背景を供給面と需要面で見ていきましょう。
まず供給面つまり家を建てる事情ですが、政府は住宅着工を景気対策として重視してきました。手厚い税制優遇や給付金を配付するなど新築住宅着工を促進する施策は、日本の高度経済成長を支え、今も過去の政策から抜け出せません。
一方、需要面つまり家に住む人の数ですが、人口ピークを過ぎ、長期的な人口減少トレンドを迎えることから減り続けています。こうした供給と需要のミスマッチが大量の空き家を生んでいます。

政府や自治体は、空き家を増やさないための対策に力を入れています。空き家を解体する動きと、活かして流通させる動きに分けられます。
まず解体する動きとして自治体による解体費補助があります。通常であれば50~100万円程度かかる解体費用のほとんどを補助するものです。老朽化が進み、放置すると倒壊の危険性がある建物は、隣家などに損害を与え、損害賠償責任を負う可能性もあります。訴えられるリスクを無くし、周辺住民の安全を守るためにも老朽化した建物は解体し更地にすることが求められます。

一方、中古住宅の流通市場を充実させる動きもあります。日本における新築と中古を合わせた住宅流通における中古の割合は13%強程度(国土交通省の資料)。9割の米国や8割を超える英国に比べると圧倒的に低い状況です。日本の家はすでに量的には足りていますので、人口減少を考えれば、新しく家を建てるよりも既存の家の活用に注力すべきフェーズに入りました。家を巡る市場は、ゆっくりですが中古住宅市場、リフォーム市場、賃貸住宅市場に向かっています。終の棲家を決める際には、こうした構造変化を捉えることも大事です。

【マネーギャグアニメ動画】ワイドショーでよく聞く「○○金」って?

鷹の爪団を生み出したDLEによるマネーゴーランドオリジナルアニメ「わんわんわんコイン」。

その第4話は…ワイドショーネタの登場!コンビニのレジで繰り広げられる金男くんとの激しいバトルは、ワイドショーやニュースでよく耳にする「保釈金」に関する鬩ぎあい。見事正解して、わんわんわんコインはこのピンチから逃れられるのか!それとも… !?

犬でコインな「わんわんわんコイン」は飼い主の「金田金男」くんが大好き!! …が、金男くんは500円なんて端金(はしたがね)とばかりに、わんわんわんコインをすぐにお金として使おうとするよ! この“すれ違い劇”の先に待つのは、絶望か!? 悲劇か!? …それとも愛か!?

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