2016年の世界経済はどうなるの?その注目点は!

3786.jpg

このレシピを実行して

円貯まる!
<材料>

・無し

<Point>

1利上げによりアメリカ景気は減速し世界経済も成長が鈍る

2日本経済は新興国向け輸出の減少などから停滞感が現われる

3ドル円相場は3年続いた円安ドル高にブレーキがかかり見通しは難しい

今年の世界経済をアメリカと日本を中心に見ていきましょう。

経済大国・アメリカの景気動向は、世界経済に大きな影響を及ぼします。特に金融政策。異例なペースで金融緩和(マーケットにジャブジャブにお金を供給)を続けてきましたが、これはリーマン・ショックといった非常事態における緊急対策です。その効果があり、アメリカ経済も順調に回復してきましたので元に戻す段階に入ります。具体的にはゼロ金利からの金利引き上げです。

2016年はアメリカの利上げ(いったん始まると、年に数回の段階的な利上げが一般的)により景気は減速し、世界経済も成長が鈍るものと考えられます。特にアメリカの利上げは中国や新興国経済に悪影響が及ぶでしょう。
ここで気をつけたいのは、米国利上げで新興国通貨が減価(通貨安)しやすいこと。ブラジルなどを投資対象とする投資信託が人気でしたが、状況はまったく変わろうとしています。米国利上げで投資マネーが先進国に戻ると、ブラジルレアルなどは売られ(通貨安に傾き)、投資信託の基準価額は下がります。自分のポートフォリオに新興国の投資信託を入れ過ぎている方は、保有を減らすなどの検討が必要でしょう。
次に日本経済ですが、異次元金融緩和が続くなかでも少し停滞感が現われています。頼みの新興国向け輸出は、新興国景気の減速からスローダウン。日本製品を海外で売る環境は厳しくなっています。
そこで期待されるのが“国内消費”。私たちがモノやサービスを積極的に買うかどうかにかかっています。そんなこと言われても、給料が上がらないことには財布の紐は緩みませんよね。賃上げがとても注目される一年になりそうです。

最後に円安ドル高のゆくえです。ここ3年あまり為替の動きによりドル預金など外貨投資が好調でした。でも今年はちょっと様子が変わりそう。これ以上円安が進むと小麦やバターなど輸入品価格が上昇して家計費を圧迫する心配が広がっています。今年は参議院選挙もありますので、政治などの事情から円安警戒の動きが出てくるかも知れません。また、米国は大統領選挙の年。行き過ぎたドル高は、米国の輸出企業にはマイナスですので、こちらはドル高警戒が出てきそう。
両国の為替を巡る環境は、3年続いた円安ドル高にブレーキがかかりそうです。こうした事情から、今年の為替は円安にも円高にも進む可能性があり、見通しはかなり難しくなりそうです。

<関連記事>

画像一覧

執筆者

小松英二 CFP®(ファイナンシャル・プランナー)/ 経済アナリスト

筑波大学卒業後、日本銀行入行。景気動向調査、対金融機関・対政府の金融取引などに携わる。 その後2007年4月にFP事務所を開業し、資産運用、相続対策を中心に相談業務、執筆活動を展開。 生活者向けセミナー、企業の社員研修、FP継続教育研修などの講師も務める。 帝京大学経済学部・湘北短期大学総合ビジネス学科 非常勤講師

小松英二

関連記事

特集

関連記事

日本の財政問題(第4回) 消費増税時に導入予定の軽減税率!対象品目は?

財政悪化が進む中で消費税率は2017年4月に8%から10%に引き上げられる予定です。
その消費増税とワンセットで導入が検討されている軽減税率!どういった内容なのかを見ていきましょう。

消費税の引き上げ議論における争点は、低所得者への負担軽減策です。消費税には低所得者ほど負担が増す「逆進性」があると見られています。その対策にはいくつか方法がありますが、消費増税を主導する自民、公明両党は「複数税率」を強く推しています。以前に話題となりましたが、マイナンバーを活用して「低所得者に消費増税分の税金をあとで還付する」といった財務省の提案は大きく後退したようです。

この複数税率というのは、食料品を中心とした生活必需品について、10%となる予定の標準税率よりも低い軽減税率を適用しようとするものです。実は日本のように消費税を単一税率としている国は少数派。欧州を中心に世界中で幅広く採用されています。
ただ、導入には課題が少なくありません。それは何を軽減税率の対象とするかが難しく、微妙な問題を含むからです。導入している国々では、軽減税率の対象品目の線引きに苦心してきましたが、興味深い事例を挙げてみましょう。

●フランスでは、マーガリン、キャビアは約20%の標準税率となるが、国内産業の保護を目的にバター、フォアグラ、トリュフに5.5%の軽減税率を適用
●カナダでは、ドーナツは5個以下ならば店内で食べると見なされ標準税率(5%)となるが、6個以上ならテークアウトと見なされてゼロ税率を適用
●英国では、名物のフィッシュ&チップスなど温かいテークアウト商品は約18%の標準税率となるが、スーパーの惣菜などはゼロ税率を適用

特定の食品にだけ軽減税率を適用していますので、競合相手からは相当な反発が出たようです。
日本ではどうなるのでしょうか?12月16日に自民、公明両党は、2017年4月の消費増税時に軽減税率を導入するとした「2016年度の税制改正大綱」を決定しました。その中で「酒類と外食を除く生鮮食品と加工食品」を軽減税率8%の対象とすることが盛り込まれました。これから国会で本格的な審議が始まり、2016年3月には正式に決定するものと思われます。

日本の財政問題(第3回) 日本国債が格下げで“シングルA”!大丈夫なの?

日本国債の信用格付けが低下しています。

米国格付会社のスタンダード・アンド・プアーズ(以下、S&P)は、9月16日に日本国債をAA-(ダブル・エー・マイナス)からA+(エー・プラス)に1段階引き下げたことを発表しました。昨年12月にムーディーズ・インベスターズ・サービスがA格に引き下げ、今年4月にフィッチ・レーティングスがA格に引き下げましたので、主要3社が揃って“シングルA”となりました。今回は、信用格付けの意味や見方を解説しましょう。

国債の信用格付けとは、政府の借金返済能力をアルファベットで表した投資情報です。投資家は信用格付けによって、国債を購入したい時に信用リスクの度合いを知ることができます。信用リスクが高いということは、国債の購入を通じて政府に貸したお金を将来返してもらえない可能性が高いことを意味します。

格付け符号は、AAA格が最も借金返済能力が高く、AAA以下、AA、A、BBB……と順に借金返済能力は低くなり、D格が最も低いといった体系です。借金返済能力の程度をより細かく示すため、+-などの記号も用いられます。S&Pの場合、A格の中でA+(エー・プラス)が最も借金返済能力が高く、次いでA(・エー・フラット)、A-(エー・マイナス)の順に低くなります。

信用格付けの“危険ゾーン”は知っておきましょう。格付会社共通に、BBB格とBB格の間で借金返済能力が大きく変わります。BBB格以上が投資適格、BB格以下は投資不適格(投資対象として勧めないとの意味)となります。信用格付けがシングルAまで低下したことはショッキングなことです。でも、投資不適格まではかなりの開きがあることも、しっかりと見ていくことが必要です。やみくもに日本国債の保有に拒否反応を持つ必要もありません。

日本国債の“シングルA”は、日本の財政運営に注意が促されていると考えられます。財政赤字を減らす努力を続ければ、元のダブルA以上の格付けに戻るものと思われます。日本政府は、財政健全化に向けた取り組みが急務であることを、格付けを専門としている会社から付きつけられたと考えるべきでしょう。私たちも、政府の財政健全化に向けた取組みを注意深く見守りましょう。

日本の財政問題(第2回) 消費税率って、どうして上げる必要があるの?

国の財政事情は悪化しています。税金などの収入が支出の6割程度にとどまり、毎年40兆円前後の不足を国債発行(国の借金)で埋めています。かなりの借金依存体質です。

この状態を改善するため、国は収入を増やし、支出を抑えることに取り組んでいますが、今回は収入を増やすための増税を巡る事情を紹介しましょう。

結論から入りますが、今後の増税は消費税に託されています。
日本人が国に払う税金は、2015年度に約55兆円が見込まれています。内訳は、所得税が約16兆円、法人税が約11兆円、消費税が約17兆円、この3税で全体の約8割を占めます。その消費税!これまで一番多かった所得税を超え、さらに増税が託されています。

実は、世界を見渡すと、日本の税収における消費税の割合はまだ低いのです。日本の消費税率8%は、諸外国に比べますと低水準にあります。例えば、北欧諸国は消費税に相当する税(付加価値税率)が概ね25%程度にもなります。他のヨーロッパ諸国も大半の国が15%以上ですので、日本はほぼ半分以下の税率です。

世界の税制改革のトレンドは、「所得課税」から「消費課税」へと向かっています。高齢化社会の進展に向けた負担を『国民が広く分かち合う』といった考え方が背景にあります。所得税は、どうしてもその負担が仕事を持っている現役世代に偏ってしまいます。その点消費税は、物品の購入やサービスの享受といった消費行為への課税ですので、現役世代だけでなく、高齢者にも負担をお願いすることができます。

世界的な「消費課税」促進といったトレンドのなかで、日本の消費税も2017年4月に8%から10%に引き上げられる予定です。当初、2015年10月に予定していましたが1年半の延期です。今回の消費増税は、「景気条項」といって経済の状況が悪ければ延期するといった条件を外しましたので、2017年4月に確実(100%)に実施されます。今後、増税とともに同時実施する負担の緩和措置(例えば、食料品は低い消費税率とするなど)の導入が検討課題として浮上してくるものと思われます。

新興国は戦々恐々!米国利上げで変わるマネーの潮流

世界中の投資家にとって、最大の関心事は“米国の利上げ”。米国は長く続いた金融緩和にピリオドを打とうとしていますが、これにより世界的な規模でマネーの流れが変わります(もうすでに、部分的な変化は出ています)。

特に影響を受けやすいのは、ブラジル、インド、インドネシアなどの新興国経済!大量のマネーが自国から流出するため、経済活動に悪影響が及ぶとして戦々恐々としています。今回は、こうした新興国の事情を解説しましょう。

まず、米国が超金融緩和状態にあった従来のマネーの流れを見ていきます。

2008年のリーマン・ショック後、米国の中央銀行であるFRBは、金融危機から脱出するためにかつてない規模の金融緩和を実施しました。これにより、世界的な規模で“余剰マネー”(「過剰流動性」とも呼ばれます)が生じ、このマネーが成長の期待される新興国に大量に流れ込みました。超低金利の米国や日本などから、高金利の新興国に向かって、投資マネーが向かうトレンドがはっきりしていました。

マネーの流入した新興国では、経済活動が活発となり、株価や地価が勢いよく上昇。通貨(ブラジルレアル、インドネシアルピア、トルコリラなど)も大量のマネー流入により通貨高となりました。日本の投資家にとっては、絶好の投資機会の到来です。新興国を投資対象とするファンド(投資信託)への関心が高まり、大量の投資マネーが新興国に向かいました。

ところが、今後実施される米国の利上げは、状況を一変させる可能性があります。米国の金利が高くなることで、新興国に投資をすることの意味(メリット)がどんどん薄れ、マネーの逆流(新興国から米国などへ)が本格化する可能性があります。

新興国経済や金融マーケットも大きな打撃を受けるでしょう。新興国の株式市場はもうすでに冷え込み、停滞感が漂っています。マネー流出もすでに進み、新興国通貨は軒並み通貨安の様相です。このように新興国の投資環境はすでに厳しい状況にあります。今後さらに株安、通貨安の進むことも予想され、景気の悪化も懸念されます。最悪の場合、金融危機に至る可能性も指摘されています。暫くの間、新興国投資は慎重に構えたほうがよさそうです。

2016年 庶民生活はどうなる? ~家計大予想~

2016年の家計を全般的に見ると、2015年に引き続いて家計の貧富の格差が開きそうです。

前半は選挙睨みで明るい”アメ”ムード。後半は反動でツライ”ムチ”の嵐!?

一握りの人にとっては収入が増えるうれしい年になるでしょうが、大部分の人にとっては、今年に引き続き、「なんとなく苦しい」という状況が続くことでしょう。一握りの人とは、株や不動産などの資産をたくさん持っている人や大企業にお勤めの方なとどです。
それでも、年の前半は多少なりとも明るいムードがただよいそうです。というのも、7月の参院選挙があるので、財布に辛い増税などの話は引っ込み、景気の良さそうなバラまきの話などが先行する可能性があるからです。特に、衆参同時選挙ということになったら、自民党が勝つためには、なり振りかまわず消費税増税のさらなる先送りなどというウルトラCが出てくるかもしれません。
ただ、税も社会保障も、選挙に勝つために痛みを先送りするので、その反動は、選挙後に何倍にもなって出てくる可能性があります。選挙で勝つために後回しにした配偶者控除の廃止や酒税、タバコ税などの増税メニューが、年の後半にはいっきに出てくるでしょう。また、社会保障についても、医療費負担を軽減するための高額療養費制度の限度額を上げるなど、財布に痛い政策が次々と打ち出されてくる可能性があります。
つまり、来年前半は、選挙のための“アメ”のオンパレードですが、後半は選挙に大勝したことをいいことに、“ムチ”がビュンビュン飛んでくるということになりそうです。
それでも、給料が増えればいいのですが、全般的には手取り給与の増加はあまり見込めなさそうです。

給料はなかなか上がりそうにない。

給料は、人手不足になっている業種では多少上がることも予想されますが、そうでないところは横ばいかもしくは下がる可能性もあります。給料は横ばいでも、税金や社会保険料負担が増えていますから、手取りは減るかもしれません。
給料が上がらない最も大きな要因は、消費の低迷です。2014年の消費税の引き上げ以降、消費は低迷し続けています。日銀は、2年でデフレを脱却すると宣言しましたがうまくいかずに、3年に伸ばしました。けれど、それでもデフレ脱却は難しいかもしれません。モノが売れないから、企業も人を雇ったり給料を上げたりできない。給料が上がらないから、消費が増えない。こうした、悪循環に対して、政府は有効な手を打てないままでしょう。

国内の消費の停滞に加えて、海外でのテロや中国の景気減速など、先の読めない不確定要素が増えています。そのため、企業は、積極的に投資などに打って出るというよりも、守りに入って様子を見るという状況になっています。
実際に、12月に発表された日銀短観でも、現状の景気は横ばいですが、3ヶ月先の景気については、ほとんどの企業が悪化すると予測しています。
3ヶ月先と言えば春闘の時期ですから、景気が悪化すると予想している企業が春闘で給料を大幅アップするとは考えにくいでしょう。
しかも、中小、零細企業にとっては、さらに深刻な問題が加わります。1月からスタートするマイナンバー制度に対応するために、それなりの人やお金をさかなくてはならないことです。
マイナンバー制度のスタートで、今まで使っていた源泉徴収票などかなりの帳票類が使えなくなるので刷新しなくてはならず、その経費がかかります。また、マイナンバーにはセキュリティー保護が義務づけられるので、管理者ポストを新設置したりシステムを外部委託するなどで経費がかかることが予想されます。これは、企業にとっては何か生み出すための投資でも将来につながるものでもなく、負担だけを負うということになりますから、そのぶん、給料の値上がりも見込めないということです。
ちなみに、この冬の大企業の冬のボーナスは、平均で3%ほど上がりました。けれど、そもそも夏と冬のボーナスは、多くの企業が今年の春の労使交渉で決めています。2015年の春先までは、まだ、景気の先行きは明るかったので、この冬のボーナスも比較的良かったのですが、2016年になると、大企業でもそんなに給料の大盤振る舞いはできなくなるので、夏、冬とも、ボーナスもそれほど期待できないかもしれません。

ランキング