2016年マイナンバー制度と社会保障制度の展望

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2016年1月1日から始まるマイナンバー制度。

現在その利用目的は「税金」「社会保障」「災害対策」の各分野に限定されています。しかし、実際には他分野への活用が多方面で議論されているのが現状です。そこで、今後このマイナンバー制度は、どのような分野で利用されていくのか、社会保障の分野を中心にみていきたいと思います。

2016年1月から始まる社会保障分野でのマイナンバーの利用ですが、まずは労災保険と雇用保険の分野から各種申請書類にマイナンバーを記載することになります。そして1年後の2017年1月1日以降は、年金保険と健康保険の分野で活用が始まります。

このように社会保障の分野では、まず各種申請の用紙にマイナンバーを記載して届け出ることになります。その後は、特に医療の分野において活用効果が高い(医療費削減効果が大きい)と推測されていることから、利用範囲の充実に向けての検討が進められています。
まずはマイナンバーを2018年以降にカルテやレセプトなどへの管理に利用できるように検討されています。病院での診療記録をマイナンバーで管理することにより、二重診療や薬等の不正請求の防止につながり、医療費全体の削減につながると思われます。

また、実施時期は未定ですが、乳幼児が受けた予防接種の記録や健康保険組合がメタボ検診の情報をマイナンバーで管理できるようになります。

マスコミに話題としてよく取り上げられている健康保険証との一体化については、順次行われるものと考えられますが、2018年までにマイナンバーカードが国民の3分の2が有する状態にする目標が設定されていて、この実現が難しい状態になれば健康保険証との一体化は白紙にもどされるかもしれません。

また、預金口座に対してのマイナンバーの記載は、2018年以降預金者に対して任意に番号を収集することになっています。ただし、当初は任意なので、いったいどれくらいの人が銀行にマイナンバーを教えるのか疑問視されていますが、3年後を目途に強制となるようです。そうなると所得が国に把握されて、税金をきちんと納めていない人等は大変なことになりそうです。しかし、公平公正な税制度から考えると当然に必要なことだと思われます。

以上の他、戸籍、自動車運転免許証との一元化や学生証等との機能一元化等も検討されていますが、どれもマイナンバーカードがどのくらい普及するのかにかかっています。普及が早ければ、様々なことに活用が進むでしょうし、反対になかなか普及しなければ、現在の利用分野に留まるかもしれません。マイナンバーカードを持つか持たないかは、個人の判断に任されているので、一人一人が日本の今後をよく考えて決めてほしいと思います。

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執筆者

菅田芳恵 社会保険労務士/ ファイナンシャル・プランナー

愛知大学卒業後、証券会社、銀行、生命保険会社、コンサルティング会社に勤務した後、49歳から2年間でCFPや社労士等7つの資格を取って独立開業。現在は13の資格を活かして、セミナーや研修講師、企業のコンサルティングを行っている。

菅田芳恵

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 さて、ゴタゴタ続きのマイナンバー制度ですが年明けのH28年1月から運用が始まり、所得税などの税務申告や社会保険手続きなどの場面で必要になります。
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 一方デメリットとして、マイナンバーで所得がガラス張りになって税金をたくさん取られるとか、副業がバレる(これに関連してキャバクラからホステスがいなくなる)といったことを見聞きしたことがありますが、これらはマイナンバー制度とは全く関係ありません。番号がなくても税務署はその人の所得や預金残高を調べられますし、副業についても住民税の金額や支払調書によって会社にバレるときはバレます。そもそもデメリット云々以前に、所得を隠せば犯罪(脱税)ですし、会社で禁止されている副業をすれば就業規則違反になりますので、これはこれ、別問題です。
 番号の用途が広がるということはそれだけ大事な情報になりますので、番号の厳格な管理が求められます。個人が自分の番号を大切に管理することは当たり前ですが、カードを失くしてしまった場合は設置が予定されている24時間対応のコールセンターに連絡して利用停止の手続きをする必要があります。失くしたカードでの不正利用が心配ですが、個人カードのICチップには税金、資産、年金、病歴といった情報は格納されませんので、落としてしまっただけでこうした情報が漏れるということはありません。(カードに記載されている氏名、住所、顔写真、個人番号は漏れてしまいます)
 一方、従業員などから番号の提供を受ける会社側も厳格な管理の意識を持たなくてはなりません。番号の収集、利用、保管、廃棄、安全管理の各段階にルールがあり、それらが守られず放置されていた場合や情報漏えいした場合は、懲役もしくは罰金という重い罰則が待っています。個人事業主や会社経営者は運用開始までに事前対策をきちんとしておきましょう。

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具体的には、上記の分野で使われている各種書類に個人番号を書くことになります。そのため各企業では、社会保険や税金関係の書類に社員の個人番号が必要となるために全社員の個人番号を収集します。個人番号を教えないと、その人だけ社会保険や税金関係の手続きが滞ってしまうことにも。社会保険の手続きは給付(お金が支給される)関係が主なものなので、問題はないのですが、税金関係では問題のある人が出てくる可能性があります。

例えば、副業をしている人。昼間正社員として働きながら、塾の講師やキャバレー、コンビニ、ネット関係等で収入を得ている人です。会社に秘密で行っているので、マイナンバー制度の導入で副業がばれるのではと心配しているのではないでしょうか?確かに、税務署に同じ番号の書類があれば収入は合算されます。そして、正社員と副業の合算された収入から計算された住民税の徴収を会社が行うため、副業がわかってしまうと言うわけです。ただし、確定申告をして副業の住民税支払い分を「自分で納付」という選択をすれば会社にはわかりません。

しかし、現実には副業先から源泉徴収票や支払調書をもらっていなければ副業先は税務署に支払い金額を報告していないことになります。これらの書類は、本来会社は必ず出さなければいけない書類なのですが、出していない会社も多々あります。この場合、税務署には正社員としての源泉徴収票だけが出されているので、副業の収入はわからないことになります。しかし、今後マイナンバーの導入に伴い、税金関係の書類の提出は厳しくなりますので、副業先から個人番号を聞かれたということは、源泉徴収票や支払調書の作成に必要だからということですので覚悟をしておきましょう

もし、個人番号を聞かれなければ、副業先はこれらの書類を作成していないことになります。現時点で言えることは、副業先から個人番号を聞かれるか否かが重要だということです。副業に関しては、正社員の会社が副業を就業規則で禁止していても、ばれたからとすぐに解雇はできません。注意をされて副業をやめれば何ら問題はありません。また、会社のお給料だけでは生活が大変なため副業をしているというケースの場合は、会社は副業を認めざるを得ないという裁判例もあります。ともかく、マイナンバー制度の導入とともに税金の徴収は厳格になると思いますので、働き方には十分に注意をしてください。

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みなさま、こんにちは。作家・まんが家の歌川たいじです。

リスクの低い金融商品などの広告を見ますと、結果的には1円とか2円程度安くなるのを謳いあげ、「超オトク!」などと宣伝していたりしますが、そのたびにビミョーな気持ちになってしまいます。「かといってバクチみたいに高リスクな金融商品には手を出せないし、老後資金を増やすことはムリなのだろうか…」そんなふうに頭を抱える人が、ワタクシのまわりにたくさんいらっしゃいますし、ワタクシだって、財政の厳しい国で老後を送ることになるひとりとして、まったく不安を感じないと言えば嘘になります。

ワタクシの知人に、60代のゲイがいるのですが、彼はHIVの感染拡大予防運動に身を捧げた人で、感染してしまった人へのケアも非常にきめ細かく動いてきた人でした。身寄りもなく、私財もすべて活動に捧げてしまったので、ほぼ裸一貫。そんな彼が今年、大病を患ってしまいました。
「もう、生きていたって路頭に迷うだけだから死んじゃってもいいかな」と、彼は思ったそうなのですが、彼が世話してきた人たちが連絡を取り合い、看病や身の回りの世話を少しずつ分担し、カンパを募り、さらに弁護士に相談して生活に困らないだけの行政制度の利用の道筋をつけました。
「そんなことされたから、死ねなくなっちゃった」と、冗談まじりに話す彼の笑顔を見ながら、ワタクシは、「人は財産」という言葉の意味を目の当たりにした気がしたのでした。

お金はもちろん大事ですが、資産の増減に一喜一憂するよりも、人とのつながりを大事にすることのほうが大切なのではないか…思わず、そんな気持ちにさせられた出来事でした。

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