2016年 庶民生活はどうなる? ~家計大予想~

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2016年の家計を全般的に見ると、2015年に引き続いて家計の貧富の格差が開きそうです。

前半は選挙睨みで明るい”アメ”ムード。後半は反動でツライ”ムチ”の嵐!?

一握りの人にとっては収入が増えるうれしい年になるでしょうが、大部分の人にとっては、今年に引き続き、「なんとなく苦しい」という状況が続くことでしょう。一握りの人とは、株や不動産などの資産をたくさん持っている人や大企業にお勤めの方なとどです。
それでも、年の前半は多少なりとも明るいムードがただよいそうです。というのも、7月の参院選挙があるので、財布に辛い増税などの話は引っ込み、景気の良さそうなバラまきの話などが先行する可能性があるからです。特に、衆参同時選挙ということになったら、自民党が勝つためには、なり振りかまわず消費税増税のさらなる先送りなどというウルトラCが出てくるかもしれません。
ただ、税も社会保障も、選挙に勝つために痛みを先送りするので、その反動は、選挙後に何倍にもなって出てくる可能性があります。選挙で勝つために後回しにした配偶者控除の廃止や酒税、タバコ税などの増税メニューが、年の後半にはいっきに出てくるでしょう。また、社会保障についても、医療費負担を軽減するための高額療養費制度の限度額を上げるなど、財布に痛い政策が次々と打ち出されてくる可能性があります。
つまり、来年前半は、選挙のための“アメ”のオンパレードですが、後半は選挙に大勝したことをいいことに、“ムチ”がビュンビュン飛んでくるということになりそうです。
それでも、給料が増えればいいのですが、全般的には手取り給与の増加はあまり見込めなさそうです。

給料はなかなか上がりそうにない。

給料は、人手不足になっている業種では多少上がることも予想されますが、そうでないところは横ばいかもしくは下がる可能性もあります。給料は横ばいでも、税金や社会保険料負担が増えていますから、手取りは減るかもしれません。
給料が上がらない最も大きな要因は、消費の低迷です。2014年の消費税の引き上げ以降、消費は低迷し続けています。日銀は、2年でデフレを脱却すると宣言しましたがうまくいかずに、3年に伸ばしました。けれど、それでもデフレ脱却は難しいかもしれません。モノが売れないから、企業も人を雇ったり給料を上げたりできない。給料が上がらないから、消費が増えない。こうした、悪循環に対して、政府は有効な手を打てないままでしょう。

国内の消費の停滞に加えて、海外でのテロや中国の景気減速など、先の読めない不確定要素が増えています。そのため、企業は、積極的に投資などに打って出るというよりも、守りに入って様子を見るという状況になっています。
実際に、12月に発表された日銀短観でも、現状の景気は横ばいですが、3ヶ月先の景気については、ほとんどの企業が悪化すると予測しています。
3ヶ月先と言えば春闘の時期ですから、景気が悪化すると予想している企業が春闘で給料を大幅アップするとは考えにくいでしょう。
しかも、中小、零細企業にとっては、さらに深刻な問題が加わります。1月からスタートするマイナンバー制度に対応するために、それなりの人やお金をさかなくてはならないことです。
マイナンバー制度のスタートで、今まで使っていた源泉徴収票などかなりの帳票類が使えなくなるので刷新しなくてはならず、その経費がかかります。また、マイナンバーにはセキュリティー保護が義務づけられるので、管理者ポストを新設置したりシステムを外部委託するなどで経費がかかることが予想されます。これは、企業にとっては何か生み出すための投資でも将来につながるものでもなく、負担だけを負うということになりますから、そのぶん、給料の値上がりも見込めないということです。
ちなみに、この冬の大企業の冬のボーナスは、平均で3%ほど上がりました。けれど、そもそも夏と冬のボーナスは、多くの企業が今年の春の労使交渉で決めています。2015年の春先までは、まだ、景気の先行きは明るかったので、この冬のボーナスも比較的良かったのですが、2016年になると、大企業でもそんなに給料の大盤振る舞いはできなくなるので、夏、冬とも、ボーナスもそれほど期待できないかもしれません。

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執筆者

荻原博子 (おぎわらひろこ) 経済ジャーナリスト

1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。 バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。 新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「どんとこい、老後」(毎日新聞社)、「ちょい投資」(中央公論新社)、「荻原博子式年金家計簿2016」(角川書店)、「10年後、破綻する人幸福な人」(新潮社)など著書多数。

荻原博子

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家電を購入するならボーナス商戦それとも初売り、どっちがオトク?

年末のボーナスで、自宅の家電の買い替えを検討されている方も多い季節です。

量販店では年末商戦に向けたセールも行われますし、そうしたムードに流されて購入したくなるでしょう。
一方で、年が明けると、各家電量販店は一斉に新年の初売りセールを実施します。1週間違うだけで、もしかしたら数千円も損してしまうかも?と思うと、なかなかふんぎりがつかなくなってしまいますよね。
今回は、年末年始に家電を購入するベストタイミングについて考えてみます。

1. ほしい機種が決まっているなら年末に購入しておこう
ほしい家電の機種が決まっている場合、年明けに在庫が少なくなって入荷待ちとなるリスクもあるので、年内に購入してしまいましょう。
3月、9月、12月は、家電量販店にとって一番の値引きシーズンで、それを過ぎ
た直後は反動で売上が落ちます。そういった時期に新型が発表されると、旧型は大幅に値下げされて在庫処分されます。さらにおトクにしたいなら、ちょい型落ちを狙うのがコツです。

2. 機種にこだわらないなら「福袋系」がおすすめ
新年の初売りセールの広告を見ていると、「新春10万円コースセット」などの家
電福袋があります。これだと、機種は指定できませんがほぼ原価を切っているので、かなりお得に購入できます。
家電を安く購入したい理由が、子どもの進学・就職に伴う新生活開始などの場合、それほど家電の機種にこだわりはないでしょうから、こうした福袋をうまく利用して購入しましょう。

3.急いでいなければ3月の決算期に購入する
決算期前は、売り上げを作るために大幅な決算セールを行うことがあります。家電の値引きはこの時期が一番だと言う声もあるようです。もし購入を急いでいないのであれば、3月の決算セールを待ってもよいかもしれません。

結論としては、チラシに載るお得商品や機種にこだわる場合は「年末」に買い、福袋に入る商品やこだわりがなければ「初売り」で買う。急いでなければ決算を控える3月末に回すというのがよいでしょう。

生活の無駄のたな卸し・知ってますか?時間帯割引契約で電気代がお得に!

寒い冬は暖房が必須です。毎月の電気代の請求額に驚いた経験のある方も多いのではないでしょうか。

総務省の統計によると2014年の2人以上の家庭での電気代支出は月平均11,203円。家計を圧迫しますね。電気料金が簡単にお得になる、そんな方法をご紹介します。

1. ライフスタイルに合わせた電気料金の契約プランがある

ライフスタイルの多様化が進み、人によって家庭で電気を使用するシーンも様々かと思います。たとえば早起きが得意で家事は朝に済ませてしまい、すぐ外出してしまうような方もいれば、または夜にドラマや映画、インターネットを楽しみたい、仕事で帰りが遅くて家事をするのが夜遅くになってしまう方など。
そんな様々なライフスタイルにあわせて、電力会社も各種プランを提供しています。
特に契約を変更していない家庭では、時間帯や曜日に関係なく、使用量に応じた従量制の料金設定で契約されていると思います。しかし、ライフスタイルにあわせて契約を見直すことで、電気代が今よりもっと安くなるかもしれません。

2. 契約プランを見直してお得に 

では実際にどうすればよいか。電気料金は首都圏であれば東京電力、東北であれば東北電力などお住いの地域によって契約する電力会社が違ってきます。しかし、どの電力会社も複数の契約プランを用意しているようなので、ぜひ調べてみましょう。各社で名称や詳細は様々ですが代表的な内容ですと、

・ 朝方プラン
・ 夜型プラン
・ 半日お得プラン
・ 土日お得プラン

・朝方プラン 
・夜型プラン 
深夜から朝の電気料金がお得で夜が割高なプラン。朝方の生活で日中不在にすることが多い方向け。日中は割高な料金ですが夜から深夜にかけてお得なプラン。夜型の生活で日中不在にすることが多い方向け。

・ 半日お得プラン 
1日を日中と朝晩の2つに分けて、日中は割高ですが夜から朝にかけてはお得なプラ
ン。日中不在で朝晩ともに電気を多く使用する方向け。

・ 土日お得プラン 
平日は割高ですが土日が終日お得なプラン。平日はお仕事等で在宅していないことが多く、土日は家事などまとめて電気を利用する方向け。

といった内容が多いかと思います。電力会社によってはWebサイトで料金シミュレーションができたりもするので、ぜひご自身のライフスタイルに合った契約プランに変更してみましょう。なお試しにシミュレーションをしてみたところ、月300W程度使用する完全夜型の家庭で、従量プランから夜型プランに変更したシミュレーションですと、年間約14,000円安くなる、と試算できました。毎日の生活になくてはならない電気。オール電化も進んでこれからもより身近なものであり続けると思うからこそ、最適なプランでお得に利用してみてはいかがでしょうか。

光熱費で頭が痛い? 冬休み中に契約形態を見なおして、電気代を節約しよう!

冬場は、暖房代で光熱費が跳ね上がり、頭が痛い季節です。でも実は、電気代って契約形態によってだいぶ料金が変わるって知っていますか? 各電力会社は、実は時間帯別などのおトクな料金プランを用意しているんです。

今回は、生活スタイルに合わせた電気代のおトクな契約方法をお伝えします。冬休みの時間があるときに、見直してみてはいかがでしょうか。

1.生活スタイル別の電力プランを探そう
ほとんどの方は、自分がどんな契約形態で電力を使っているか意識したことはないでしょう。

多くの家庭では、「従量電灯」という契約をしているはずです。これは、一日中どの時間に電気を使っても、電気代は一律のプランです。
例えば、仕事や学校などで日中はほとんど家にいないという方であれば、夜の時間帯の電気料金単価が日中の電気料金単価が半額から70%オフになるというプランがお得になります。

2.時間帯別料金プランを東京電力の例で見てみよう
たとえば、東京電力の「半日おとくプラン」なら、オトクな夜間電力料金の適用が夜9時から朝9時まで12時間適用されます。仕事が終わって自宅に帰り、暖房器具をつけたりテレビやネットをしたりして就寝、朝の出勤前に家事をして昼間はあまり家にいないという生活スタイルの方におすすめのプランです。同じく夜間がオトクな料金になる「夜得プラン」だと、オトクな割引時間帯が朝5時で終わってしまいますから、出勤前の時間で家事をやりたいときにカバーできませんし、冬場の朝のさむーい時間に暖房を使いたいときに困りますよね。

また、平日はあまり家にいないけれど、土日はほとんど自宅で過ごし、家事なども週末にまとめてするという方におすすめなのが「土日お得プラン」です。このプランでは、土日は一日中オトクな電力料金が適用されます。
自分や家族の生活スタイルを考えて、この機会によりオトクな電気料金プランに契約しなおしてみましょう。冬場の光熱費がかなり削減されるかもしれません。

新興国は戦々恐々!米国利上げで変わるマネーの潮流

世界中の投資家にとって、最大の関心事は“米国の利上げ”。米国は長く続いた金融緩和にピリオドを打とうとしていますが、これにより世界的な規模でマネーの流れが変わります(もうすでに、部分的な変化は出ています)。

特に影響を受けやすいのは、ブラジル、インド、インドネシアなどの新興国経済!大量のマネーが自国から流出するため、経済活動に悪影響が及ぶとして戦々恐々としています。今回は、こうした新興国の事情を解説しましょう。

まず、米国が超金融緩和状態にあった従来のマネーの流れを見ていきます。

2008年のリーマン・ショック後、米国の中央銀行であるFRBは、金融危機から脱出するためにかつてない規模の金融緩和を実施しました。これにより、世界的な規模で“余剰マネー”(「過剰流動性」とも呼ばれます)が生じ、このマネーが成長の期待される新興国に大量に流れ込みました。超低金利の米国や日本などから、高金利の新興国に向かって、投資マネーが向かうトレンドがはっきりしていました。

マネーの流入した新興国では、経済活動が活発となり、株価や地価が勢いよく上昇。通貨(ブラジルレアル、インドネシアルピア、トルコリラなど)も大量のマネー流入により通貨高となりました。日本の投資家にとっては、絶好の投資機会の到来です。新興国を投資対象とするファンド(投資信託)への関心が高まり、大量の投資マネーが新興国に向かいました。

ところが、今後実施される米国の利上げは、状況を一変させる可能性があります。米国の金利が高くなることで、新興国に投資をすることの意味(メリット)がどんどん薄れ、マネーの逆流(新興国から米国などへ)が本格化する可能性があります。

新興国経済や金融マーケットも大きな打撃を受けるでしょう。新興国の株式市場はもうすでに冷え込み、停滞感が漂っています。マネー流出もすでに進み、新興国通貨は軒並み通貨安の様相です。このように新興国の投資環境はすでに厳しい状況にあります。今後さらに株安、通貨安の進むことも予想され、景気の悪化も懸念されます。最悪の場合、金融危機に至る可能性も指摘されています。暫くの間、新興国投資は慎重に構えたほうがよさそうです。

米国の利上げによる日米金利差拡大で円安が進む可能性

FRBの利上げが注目されていますが、気になるのは金融商品への影響です。

日銀による“異次元金融緩和”が続く中で、米国の利上げによる日米金利差の拡大は、真っ先に為替相場に影響を与えると思われます。円安が進むとの指摘が少なくありませんので、その辺の事情を見ていきましょう。

まず、「金利差とは何か?」改めて説明しましょう。金利は国単位・通貨単位で中央銀行(日本では日銀、米国ではFRB)が決めます(この金利を政策金利と呼びます)。そのため高金利通貨もあれば、低金利通貨もあり、まちまちです。私たちの日常生活には、政策金利は馴染みがありませんが、これを基準に銀行預金の金利や住宅ローン金利などが決まったり、影響を受けたりします。これから起きようとしているのは、米国の政策金利の利上げにより、米ドル建ての預金金利や債券金利が上昇することなのです。

本題の日米金利差拡大と為替相場への影響に入ります。ここでは投資家の行動が関係します。そもそもお金には“低い金利よりも、高い金利を好む”といった性質があります。そのため、米ドル建ての銀行預金の金利が上がりますと、投資家の中には円建ての銀行預金をやめて米ドル建ての銀行預金にお金を移す人も少なくありません(預金だけではなく債券投資も同様です)。そうなりますと日本円と米ドルの交換が必要となりますが、この役割を担っているのが為替市場です。

その為替市場では、世界中の通貨(円、米ドル、ユーロなど)の売買取引が行われていますが、米国の利上げをきっかけに日本円が売られて、米ドルが買われる取引の増加が予想されます。そのことが影響してドル高・円安につながりやすくなります。為替市場は少し複雑ですが、皆さんが近所の銀行にお札(日本円)を持ち込んで米ドル預金を始めると、その背後で日本円が売られて、米ドルが買われる通貨の売買取引が生じているのです。

投資家目線で見ますと、米国の利上げはドル高・円安につながる可能性がありますので、外貨投資(外貨預金、FX、外貨建てMMFの購入等)のチャンスです。ただ、経済や金融はいろんなことが絡み合いますので、断定的な判断は禁物です。米国の利上げがあっても、さまざまな要因が絡みますので専門家の米ドル・円相場の見方にも幅はあります。投資はあくまでも自己責任であることも念頭に置いておきましょう。

2015.5.27更新

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