投資信託でよく聞く言葉「分散投資」ってナニ?

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1将来どうなるかは、誰にも分からない

2どうなっても良いように、投資対象を分けること

3将来の値動きも分からないので、タイミングを分けること

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将来のことは、誰にも分かりません。これから景気が良くなるのか、悪くなるのか。投資したお金が増えるのか、減るのか。

だから投資はしない、という人もいます。けれども、この先、微々たる金利の預金に預けっぱなしで良いのかどうかも、同じように分からないのです。

少ない利息の預金では、買いたい商品が値上がりした場合に困ります。預金の利息よりも、商品の値上がりが大きければ、お金が足りないのと同じです。

だからといって、必ずしも、この先、利息よりも物価の方が大きく上がるかというと、それも分かりません。
さあどうしたらよいでしょう。あなたならどうしますか?

預けた金額が減らない「預金」と、物価に負けない値上がり可能性にかける「運用」と、両方やってみる! という解決法を選ぶ人もいるでしょう。
はい、それが「分散投資」なのです。

「結果がどうなるか分からないなら、どうなっても良いように対応しておこう」と手持ち資金を「分散」させるのです。
A:株が値上がりした時のために、株を持っておく。
B:株の値下がりに備えて、目減りしない現金で持っておく。
C:円高・ドル安になっても良いように、円のお金を持っておく。
D:円安・ドル高になっても良いように、ドルのお金を持っておく。
E:新興国経済の成長に便乗できるように、新興国投資を行う。
F:新興国の通貨や経済が混乱することに備えて、先進国に投資をする。

などなど、分散の仕方はいろいろあります。上記の例のようにAとB、CとD、EとFのように対極にある組合せは、分散の効果を高めます。

また、タイミングを分ける分散投資の方法もあります。為替や株価は、毎日、いえ、1日の中でも刻々と値段が変わっています。どのタイミングで買うか、どのタイミングで売るかによって、同じ株式でも値段が違います。つまり、タイミング次第で儲けが変わります。

しかし、繰り返しますが、将来どうなるかは誰にも分かりません。なので、準備した資金を一度に投資せず、何回かに分けて投資をするのです。売るときも、一度に売らずに分けて売ります。これを「時間の分散」と言います。毎月、積立てで投資信託を買い続ける方法(累積投資)がありますが、まさに時間の分散です。

投資信託の説明の中に、必ずと言っていいほど登場する「分散投資」という言葉。将来どうなるかわからないから、どうなっても良いように投資先を分ける―――これが分散投資なのです。

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執筆者

石原敬子

CFP® 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 専修大学文学部人文学科心理学コース卒業後、証券会社で約13年の営業職勤務。その後2003年 1月にFP事務所を開業。「使うこと」に焦点を当てた個人相談、金融や資産運用を分かりやすく話すセミナーと書籍やコラムの執筆を行う。 http://www.keikoishihara-fp.jp/

石原敬子

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確定拠出年金のメリットを生かすなら、投資信託

確定拠出年金制度が始まって15年。2015年7月末時点で、確定拠出年金の加入者は約556万人(企業型、個人型の合計)に達し、企業型の導入は2万社を超えました。

確定拠出年金制度は、自分で運用方法を決める、公的年金の上乗せ年金です。加入者には15~20本ほどの金融商品メニューが示されます。加入者がどれを選んだかで、将来の年金額が変わります。複数のメニューの組み合わせも可。時々、運用商品を取り換えることもできます。

確定拠出年金のメニューは、取扱金融機関が選定した、預貯金、保険、投資信託など。一般的には、元本保証の預貯金や利率保証型の保険(まとめて元本確保型といいます)は3,4本程度で、それ以外は投資信託であるケースがほとんど。

 選ぶ金融商品が将来の年金額を左右するので、みなさん必死で研究……、するかと思えば「よくわからないから会社おすすめのパターンで」とか「元本確保型だけで」という方が大半。

しかし低金利の今、元本確保型では、運用利回りは期待できません。微々たる利息では確定拠出年金のメリットも半減です。

というのも、確定拠出年金では、利息や運用利益に税金がかからないからです。わずかの利息では、そもそも税金も少額。非課税でもたかが知れています。投資信託なら、マイナスにもなりますが利益が出る時は元本確保型の利息とはケタ違い。利益が多いと本来課税される税金額も多いですが、確定拠出年金なら税金はゼロです。

また、メニューにある投資信託は、通常の金融商品として金融機関の窓口で販売されている場合があります。その通常版に比べ、確定拠出年金用の投資信託は手数料が無料または割安です。

つまり、同じ投資信託なら、金融機関の口座で買うより確定拠出年金として買う方が、税金の面と手数料の面でおトクなのです。

 厚生労働省の調査では、確定拠出年金の残高の約6割が元本確保型とのこと。それでは従来型の企業年金と同等の年金を受け取れません。企業が想定する、従来と同水準の企業年金を払える運用利回りは、年利2.03%(2013年度)。まずはこの2%を目標にしましょう。元本確保型だけでは手が届きません。投資信託の出番です。

 投資信託にはリスクがつきものですが、守りに入り過ぎて老後の年金が少ないのも考え物。「投資信託は“リスク”があります」を具体的にいうと? の記事を参考に、確定拠出年金のメリットを無駄なく受けられるよう、投資信託で運用してみましょう。

投資信託は「“どこ”の“何”に投資したい」の視点で選ぶ

投資信託は、投資家が出し合ったお金をプロがいくつかの投資対象に振り分けて運用します。このプロとは、運用専門の会社の、運用のプロ。投資信託会社の、ファンドマネージャーです。

だから「投資信託は運用をプロにお任せ」と言われるのです。

ところが、時々「プロにお任せ」の部分が独り歩き。誤解している方も少なくありません。

たとえば「プロに任せて安心」「プロに任せているからわからない」という方や、「プロに任せたのになぜ値下がりした?」というお怒りの声も。

プロに任せているのは運用の実務面です。どの会社の株式やどんな債券、どこの不動産を、いつ、いくらで売買するという具体的な取引と、投資対象や経済環境などの調査と分析です。

では、プロにお任せしない面とは……?

それは、「この投資資金は、“どこ”の“何”への投資か」の全体的な判断です。

“どこ”は「日本国内」なのか「海外」なのか。海外なら「世界中どこでも」か「先進国」または「新興国」なのか、「北米」「アジア」「ヨーロッパ」「環太平洋」と地域を絞り込む場合も。

先進国の経済が好調な場面もあれば、新興国が経済成長する時もあります。世界中全体が不況で落ち込むことも、足並みそろって好景気の時もあります。投資信託を選ぶ際、「自分はこのお金を“どこ”の経済に投資して増やしたいのか」と考えるのです。

また、“どこ”に関連して、通貨も考えます。例えば「北米に投資し、運用資金全てが米ドルで運用」という投資信託は、ドル円の為替相場の影響を受けます。「北米に投資をするけれど、為替変動がない運用をしたい」というニーズに応える投資信託もあります。

“何”するは「株式を買う」なのか「債券を買う」なのか。株式の中でも、次世代エネルギーやシニア関連など業界やテーマに絞ったものもあり、投資家が儲かりそうと思った分野の株式型投資信託を選ぶこともできます。「株式と債券のミックス」もあります。

株式の比率が高ければ、リスクは高めです。「株が上がりそう」と思えば株式の比率が高い投資信託を選び、「株は嫌」なら株式に全く投資をしないか投資比率が低い投資信託を選べば良いのです。

投資信託は、パンフレットに書かれた「“どこ”の“何”に投資する」を見て、自分の考えに合う投資信託を選びます。ここは自己責任。プロに任せているのは、“どこ”の“何”が狙い通りに増えるよう、具体的な調査・分析と運用を行う部分です。

投資信託の値段 上げ下げするカラクリ教えます

『「投資信託は“リスク”があります」を具体的にいうと?』の記事では、投資信託の値段(基準価額)は、毎日、上下しているというお話をしました。投資信託の投資対象である株式や債券が値動きするため、その投資信託の値段が上下する、という内容です。

では、株式や債券はどうして値段が動くのでしょう。株式タイプの投資信託で説明しましょう。

あなたは、テレビのニュースや証券会社の店頭にある電光掲示板の数字が、チカチカと点灯しているのを見たことはありませんか? その数字が株式の値段、つまり株価です。

株価は、数字がひっきりなしに変わる時もあれば、同じ数字のままの時もあります。この数字は、どこかの誰か同士が、その株式を売買した値段です。

売買をした人は、通常、知らない人同士で、証券取引所というオークション会場で取引しています。証券会社を通して、個人投資家、企業や団体、金融機関などが取引に参加しています。

これらの投資家は、売買に際し、株式会社の品定めをしています。良い仕事をする株式会社の品定めです。株式会社が世間から評価されれば、株価は上がります。証券取引所のオークションで、その会社の評価が高まるからです。反対に評価が低い会社は、株価が下がります。

株式の投資家は、買った会社の株価が上がれば自分の資産価値が増えます。株価が下がれば目減りします。そのため、評価が高まりそうな会社を探して投資をしたいのです。高い評価を得ている間にその株式を売れば、投資家は儲かります。

また、自分が株を買った会社の悪いニュースが出るなど、株価が下がりそうなら、下がる前に売っておきたい場合もあります。売り逃して持ち続け、株価が下がると自分の資産も目減りします。

株式型の投資信託は、通常、投資家から集めた資金で数十~百数十種類の会社の株式を買い、運用しています。その判断は、投資信託を運用する会社が行い、さらに、持ち続けるか売るかの判断もしています。

その中の株式は、先に説明したように株価が変動しています。証券取引所の取引は、基本的には午後3時に終了です。毎日の投資信託の値段(基準価額)は、投資した株式の3時の株価で計算されます。

投資信託を持つ投資家としては、毎日の投資信託の値段が自分の資産価値になります。ですから、その投資信託がどの株式に投資していて、株価の動きはどうなっているかをチェックしましょう。

「投資信託は“リスク”があります」を具体的にいうと?

一度でも投資信託の案内を見たことがある人は、この言葉を目にしたことでしょう。
―――投資信託にはリスクがあります。

それを見て、「具体的にどうなっちゃうんだろう?」と思いませんでしたか?

投資信託にはさまざまなタイプのリスクがありますが、集約すれば「買った時の金額より値下がりするかもしれないし、思ったより値上がりするかもしれない」ということです。投資信託の値段(基準価額といいます)は、毎日、上がったり下がったりしています。

例えば10万円で投資信託を買ったとします。その10万円が、10万円以上になったり、10万円を割り込んだりします。このことを価格変動リスクと呼びます。

ある日、あなたがその投資信託を「今日限りでやめます」と解約すれば、その日の値段でお金に換えられます。10万円以上の場合も、以下の場合もあります。特に「やめます」と申し出ない限り、あなたの投資信託は毎日毎日の時価で価値が変動しています。

では、投資信託のその日の時価は、どのように決められているのでしょうか。

投資信託は、投資家のお金を集めて株式や債券などに投資する「パック」です。投資している株式や債券は、それと同じものを、どこかの誰か同士によって証券取引所などで売買されています。その取引値段(株価や債券価格)が投資信託の時価の計算の元となります。

また、投資先の株式や債券が外国証券の場合もあります。米ドルやユーロなどに交換されて外国の株式や債券に投資されていれば、為替相場の変動も投資信託の時価の計算に反映されます。

このようにして、投資信託という「パック」を通じて投資した会社の株価や債券価格、為替の動きは、投資信託の値段(基準価額)に影響を与え、投資信託を持つ人の資産価値の上下となります。

この変動は、投資信託を買う時点では分かりません。そのため、「投資信託は“リスク”があります」と表現されるのです。

ただし、その投資信託が、どの通貨を使いどのような株式や債券に投資しているのかを把握していれば、世の中の出来事に応じてある程度値動きの予測がつきます。投資信託を選ぶ時には、その投資信託は何に投資しているかを確認し、値動きの方向性や傾向を見ることがリスクへの対応策となります。

投資信託は初心者向けだけど複雑。どうすればいい?

投資信託は「初心者向け」と言われます。一方で「難しい!」という声も。難しいのに初心者向けとは、どういうことでしょう。

初心者向けと言われる理由は、主に2つ。1つは、少額で分散投資できる点です。額面1万円が多く、時価は数千円から2万円台。積立方式なら数千円の金額指定で購入できます。しかもその数千円に、数十~百数十種類の投資対象がパックされています。気軽な金額で多種類に投資できるのです。

もう1つは、運用をプロに任せる仕組みの面。本来、投資先や売買タイミングを判断するのは、投資家自身です。しかし投資信託は、それを投資信託会社(運用会社)にアウトソーシングします。例えばあなたが「アメリカに投資したい」と思ったとします。けれど、具体的に何に投資したら良いかの判断は難しいもの。「株価が上がりそうな会社は?」「売買のタイミングは?」「アメリカの政策や、世界情勢は?」など、気になる事柄を調べて判断する部分を運用会社(投資信託会社)に任せるのが投資信託です。

「それならトライしてみよう」と、これまで投資をしたことのない人が投資信託の資料に目を通すと……。言葉が難しい。仕組みが複雑。結果が不確定。分からないことだらけです。

よく「理解できないものに投資をしてはいけません」などと言われます。もしそれが正しいのなら、投資信託は、初心者が投資をしてはいけないことになってしまいます。しかし、少額で多種類に投資できるのが投資信託だったはず。まずは実際に身銭を切って投資経験を積んでみましょう。「習うより慣れろ」です。とりあえず毎月5千円ずつでも積み立ててみましょう。

実際に積立をしながら山あり谷ありの投資環境で重ねた経験は、ノウハウ本やセミナーより数倍の学習効果があります。

3年も続ければ、景気の良い時にも悪い時にも遭遇します。為替が円高にもなれば円安にもなることでしょう。株式ブームになったり暴落に見舞われたりもするかもしれません。その都度、基準価額(投資信託の値段)がどのように動いたかを確認したり、値動きの原因を考えてみたりするなど、前向きにつきあっていけば、だんだんと難しさも薄れてきます。専門用語にも慣れてくるでしょう。

少額で分散投資できるのはトライアル資金として有効です。そこが初心者向けと言われるわけですから、投資信託は投資経験を積む道具として、うまく活用しちゃいましょう。

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