若者が限界集落へIターン、棚田再生、夢ある百商で地方創生!

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 28日・29日に東京・渋谷で開催された、地方創生まちづくりEXPO「まちてん」。初日のカンファレンス「エクスペリエンス編」では、「棚田deセグウェイ」をはじめ、次世代の地域モビリティをプロデュースしたNPO法人の英田上山(あいだうえやま)棚田団の松原徹郎氏が登壇した。

 同氏は、兵庫県宝塚市の出身で、15年間ほど西日本一帯の自然環境調査に従事してきた。そして、農耕・林業などを通じた人と自然の共生を実践するために、岡山県美作市(みまさかし)上山に移住したという。

 美作市上山は、いわゆる「限界集落」と呼ばれる地域だ。同地区は、かつて8,300枚もの棚田があった。しかし、人口減少や高齢化によって、美しい棚田もほとんど姿を消していた。そこでかつての原風景を取り戻そうと、地域の協力を得ながら、2009年より棚田再生への復興作業を本格的にスタートさせたという。

 英田上山棚田団の松原氏はその中心人物として、棚田再生、農業、林業、古民家再生などに取り組んでいる。上山では現在、松原氏のような移住者が15名ほどいるそうだ(同氏の家族5人を含む)。同氏の理念は「楽しいことは正しい。だから人が集まってくる」ということ。その楽しいことの1つとして、中山間地に最先端のモビリティであるセグウェイを2台ほど導入したという。

「これはセグウェイ ジャパンから無償で提供してもらったもの。農道や林道での移動に利用している」(松原氏)

 もう1つの理念は「収益性があり、かつ人と恵みをシェアし、循環できて、大きなインパクトを与えられる新しいビジネスモデルの構築」をすること。実際に、汗を流しながら一生懸命に作業に取り組む地元協力隊を中心に、この地域の復興作業が進み、ついに棚田の再生にも成功した。

「現在では昔の4分の1ぐらいは棚田が元に戻ってきた。これを見ていた地元の人も、涙を流して喜んでくれた」(松原氏)という。そして棚田で作られた米は、できるだけ農薬や化学肥料に頼らずに栽培され、冷めても美味しいメリーライス(MERRY RICE)として好評を博している。

 同氏は、この地に移住して、あらためて思ったことがあるという。「それは、百姓は百商だということ。実際に100もの多様な仕事があるからだ」と述べ、100の仕事の例を挙げた。そして移住者は地域おこし協力隊として、さまざまな活動を通じて、地域再生に取り組んでいる。

 なかには大学生を卒業し、一般企業に就職せずに直接この地に移住してきたツワモノもいるそうだ。彼は草刈りから、農作業、家回りの片づけなど、何でもお手伝いする「みんなの孫プロジェクト」を始め、半日あるいは1日単位で仕事を得ている。また動物の皮をなめし、革製品を製造して生計をたてる移住者もいる。

 松原氏は、山間に茂る薬草を採って、それをお茶にして販売しているという。「実は、棚田は薬草の宝庫でもある。そのために棚田を再生するということは、自分自身にとってモチベーションが高い」という。同氏は「これからの地域は、自立のための生活自給の知恵を獲得することが重要だ。そのためには、多くの公益コンテンツを輸出し、交易していくことも必要。他人事と考えずに、あくまで自分事として捉え、自分で考えていくことが大切だ」と説いた。

画像一覧

  • NPO 法人英田上山棚田団 理事 松原徹郎氏
  • 岡山県美作市上山の風景。美しい棚田が広がる、日本の原風景
  • 「楽しいことは正しいこと」をモットーに、中山間地に最先端のセグウェイを導入
  • かつての上山の風景(写真左)と、荒れた上山の風景(写真右)。同じ場所からの撮影。美しい棚田の姿がなくなっていることがわかる
  • 再生した棚田。ここで栽培されたメリーライス(MERRY RICE)は、冷めても美味しいと好評を博している
  • 百姓は百商だという自説。100の仕事の例。逆にいえば、なんでもできるオールマイティーな職業が百姓=百商だということ
  • 移住者は地域おこし協力隊として、さまざまな活動を通じて地域再生に取り組み、地域のなかに溶け込んでいる
  • 自立のための生活自給の知恵を獲得すること、多くの公益コンテンツを輸出し、交易していくことも必要
  • 2014年には上山集落独立国宣言も

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今回は内部の人材を育成する時に活用できる助成金として≪キャリア形成促進助成金≫を紹介します。この助成金は、労働者のキャリア形成を促進するためのものですが、その中で「政策課題対応型訓練」という区分があります。これは国が重点的に伸ばしたい分野に関して、同じ助成金でも特に手厚く支援するというものです。

<政策課題対応型訓練>
1.成長分野等人材育成コース
2.グローバル人材育成コース
3.中長期的キャリア形成コース
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5.若年人材育成コース
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Webスキル以外にも、グローバル人材を育成するための英語、営業研修なども受講することができます。人材育成に力を入れている会社は、是非チェックしてみて下さいね。

独立・起業の強い味方!○○補助金とは?

「ビジネスプランはあるけど、資金がない・・・」
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独立起業時は、このような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。今回はそんなときに使える補助金を紹介します!

それは「創業・第二創業促進補助金」と呼ばれるもので、
・独立起業する場合の「創業時」
・事業を引継ぎ、新分野へ進出する場合などの「第二創業時」
に活用できるものです。

創業時では、
・ソフトウェア開発
・アロマサロンの展開
・地域の素材を活かした飲食店の展開・・・

第二創業時では、
・自然食材のお店の開業
・販路開拓サポート
・アジアへの輸出事業・・・
などが採択されています。実際に事例をみると、身近に感じられる事業もあるのではないでしょうか。中小機構のHPで採択の事例が紹介されていますので、興味ある人はチェックしてみて下さい。

それと、今回は補助金の申請のタイミングについて紹介します。

例えば、
平成25年度補正予算事業の時は
・先行締切分:47.7% (採択数 761件/申請数 1593件)
・最終審査分:30.8% (2363件/7649件)

さらに過去の採択結果に遡ると、
2014年度は、
・第1回一次締切:86.6% (13件/15件)
・第1回二次締切:82.9% (526件/634件)
・第2回一次締切:85.2% (196件/230件)
・第2回二次締切:74.8% (1724件/2302件)
・第3回一次締切:53.8% (1715件/3184件)
・第3回二次締切:27.2% (2125件/7800件)
となっています。上記からもわかりますが、採択率が大きく異なるため、早めの申請が狙い目といえます。

創業時の強い味方になる《創業・第二創業促進補助金》ですが、全ての人が対象になるわけではないので、注意が必要です。所在地により対象外となる場合もありますので、事前に公式ページをご確認下さい。

第一回の公募は終了してしまいましたが、再度募集される可能性があるので、前回紹介したGoogleアラートなどを活用しながらチェックしてみてくださいね。

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