退去時の敷金を取り戻すには、原状回復がポイント!

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<材料>

・退去時の原状回復

<Point>

1原状回復とは借りたときの状態に戻すことではない

2通常損耗は原則、オーナー負担

3入居時の不具合チェックは念密に

4特約の内容は要チェック

※(例 家賃8万円のワンルームで敷金16万円を支払い、返還率を約7割とした場合)

賃貸住宅の敷金、できれば退去時に満額回収したいですよね。正当な割合で敷金を返還してもらうには、借主自身もきちんと知識をつけることが大切です。

ちょっと古いですが、国交省の平成20年のデータでは、敷金の返還率が5割未満であった割合は42.3%、うち全く戻ってこなかった割合は2割を超えています。

借りた部屋を退居する際、借主は原状回復する必要があります。この原状回復についての認識のズレが、トラブルを生む原因となっています。

原状回復とは「借りたときの状態にもどすこと」ではありません。国交省のガイドラインでは、原状回復を「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義しています。つまり故意に何かを破損してしまった場合は借主の負担となりますが、そうでないもの、例えば、経年変化、通常の使用による損耗などの修繕費用は、オーナー側の負担であるとしています。

経年変化、通常の使用による損耗とは、具体的には、次のようなものがあげられます。
・壁に張ったポスターなどの跡、
・家具の設置によるカーペットのへこみ
・日照等による畳やクロスの変色
・冷蔵庫やテレビなどの後部の壁の黒ずみ
・壁にあいた画びょうの穴 など
これらの損耗はオーナー側の負担となるということをしっかり認識し、必要以上に修繕費用を請求された場合は、きちんと説明を求めましょう。

退去時のトラブルを回避するには、まずは入居時にきちんと物件をチェックすることです。不動産業者と一緒にチェックリストを作成し、お互いの認識を一致させることができれば理想的です。もともとあったキズや汚れなどを写メで記録を残しておく、というのも一つ方法です。その際、日付なども記録し、データをきちんと管理しておきましょう。

契約書の内容もしっかりと確認しましょう。とくに特約の欄には、退去時のハウスクリーニングや原状回復に関する内容が記載されている場合があります。借主に不利な内容でも、一度合意をしてしまえば、その契約内容を守らなければなりません。契約時の認識不足が後々のトラブルにつながることがとても多くなっています。

そして、退去時の物件のチェックにも必ず立ち合いましょう。入居時に作成したチェックリストと照らし合わせて、元々あったキズや汚れをきちんと主張すれば、その分敷金の戻りは多くなるでしょう。

退去時費用の見積もりも、内容をきちんと確認し、納得してからサインをするようにしましょう。納得いかなければ、一度持ち帰るなどして、改めて話し合いの場を設けるという方法もあります。

国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
(http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf) 
や、東京都の「賃貸トラブル防止ガイドライン」(http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-4-jyuutaku.htm) 
には、原状回復の定義や事例などがまとめられています。一度目を通しておくとよいでしょう。

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執筆者

工藤清美 ファイナンシャル・プランナー

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。 シンクタンク、出版社を経て、銀行に勤務。銀行では市場部門でリスク管理を担当。08年CFP®(FP上級資格)取得。 現在は独立系FPとして、相談業務、セミナー講師、執筆などを行う。個人相談ではリピーターも多く、資産運用や相続対策などについて、実行支援までを行う。2児の母。

工藤清美

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ここをチェック!トラブルを防ぐための賃貸契約とは?(Part2)

前回に続き、賃貸契約時に気を付けるべきポイントをご紹介しましょう。今回はフリーレント物件についてみていきます。

フリーレント物件とは、ある一定期間、入居後の賃料が無料になる物件のことをいいます。以前は事務所などの事業用物件でよく見られましたが、最近では居住用物件でも目にするようになりました。居住用物件の場合は1~2ヵ月程度をフリーレント(賃料無料)期間とし、入居者を募集することが多いようです。もし、気に入ったフリーレント物件に出会えれば、それはとてもお得な契約になるかもしれません。

ただ、フリーレント物件であるということは、物件としてのなんらかの弱みを持っていると考えるべきでしょう。「長期間空室が続いている」、「オフシーズン(転居などが少ない時期)に空室となってしまった」「大家さんが早く入居者を決めたがっている」など、理由はそれぞれです。気になるフリーレント物件に出会ったら、まずはその理由を不動産会社に聞いてみましょう。

理由に納得したら、次に契約期間と違約金を確認しましょう。通常、フリーレント物件には最低居住期間が定められており、その期間内に退去する場合には違約金がかかります。これは、フリーレント期間終了後、すぐに退去してしまうような「住み逃げ」を防ぐためです。最低居住期間は1~2年程度が多いようですが、その期間や違約金の金額は物件により異なります。

また、退去通知の時期についても、しっかりと契約書で確認をしましょう。賃貸物件から退去する際には、退去通知を退去日の一定期間前までに行わなければなりません。これは、フリーレント物件に限らず、どの賃貸物件でも必ず行う必要があります。通常は30日前が主流ですが、60日前までに通知が必要な場合もあります。

賃貸ライフは、持ち家と異なり、自由に住居を変えることができることがメリットでもあります。そのメリットを生かすためにも、最低居住期間や退去通知の時期などの条件が自分にあっているかどうかをしっかりとチェックすることが大切です。契約時にそれらをきちんと確認せず、退去時に想定外の違約金が発生・・・などということだけは避けたいものです。

不動産会社は、賃貸契約前に必ず重要事項説明を行います。重要事項説明とは、宅地宅建取引主任者という国家資格を持つ人が、物件を借りようとする人(賃借人)に対して、その物件の内容や契約条件について、書面と口頭とで説明をする、法律で定められた行為です。ここで貸借人は、わからないこと、納得いかないことがあれば、どんどん質問をしましょう。このときに丁寧に対応してくれるようであればひとまず安心です。

事前に重要事項説明書や契約書のコピーを依頼するという方法もあります。前もってじっくりと書類に目を通すことができれば、契約日当日に慌てることもないでしょう。

ここをチェック!トラブルを防ぐための賃貸契約とは?(Part1)

様々な物件を見学し、気に行った物件を見つけ、ここにしよう!と決めたき・・・、ホッとしますよね。でも、ここでホッとしてはいられません。いよいよ大事な賃貸契約です。今回は、賃貸契約を結ぶ場合に注意すべき点を2回に分けてご紹介しましょう。

マンション等を賃貸するには、賃貸契約を結ばなければなりません。賃貸契約書には専門用語などで分かりにくい部分もあります。少しでも疑問があれば、しっかり理解できるまで質問するようにしましょう。

賃貸契約書では、まず、住所や建物の構造、間取り、広さ、契約期間など、基本的な事項をチェックしましょう。もしも、紹介された物件と契約書に記されている物件の広さや間取りが異なっていたことを後で気が付いたとしても、契約書に署名捺印をしてしまうと変更はできません。契約締結前にしっかりと確認することが大切です。

もちろん、お金に関する項目の確認も必須です。賃料、共益費(管理費)、敷金、礼金、更新料など、お金に関する項目にも色々とあります。いつの時点でいくら必要なのか、引き落とし日はいつなのかなど、きちんと確認をしましょう。残高不足にならないためにも、お給料日の直後に賃料の引落日を設定することも大切ですね。

よくトラブルになりやすいのは、設備についてです。なにが付帯設備で、なにが残置物なのかをきちんと確認するようにしましょう。付帯設備とは、トイレや給湯機など、そもそも建物に付随している設備のことです。もし故障したとしても、その修理代は大家さんの負担となります。一方、残置物とは、前の入居者が残していった設備で、まだ使えそうなのでそのまま部屋に残されているものをいいます。エアコンやガスコンロ、照明器具などがよくあげられます。残置物がある場合は、まずそれらが使用可能なものであるかを確認し、不要な場合は大家さんに処分してもらうようにしましょう。残置物を一度引き受けてしまうと、修理代や処分費用は入居者が負担することになります。

特にエアコンの場合は、ちょっとした修理費用だけでも2万円程度かかることが普通です。買い替えるにしても、取り外し費用、処分費用、購入費用などを考えると、下手に古いエアコンを引き受けるよりも、最初から新品を購入した方が安上がりになることもあります。一言で「エアコン付き」といっても、それが付帯設備なのか、残置物なのかによって、費用負担が大きく異なるというわけです。

残置物のエアコンを使用したい場合は、大家さんに交渉して付帯設備にしてもらうという方法もあります。そうすれば、後々の修理費用等を気にする必要もありません。付帯設備で交渉して修理費用を節約というのも賢い方法といえるでしょう。

補助金でリフォーム、省エネ住宅ポイントが復活!

省エネ住宅ポイント(以前は住宅エコポイント)が2年半ぶりに復活しました。省エネ住宅ポイントとは、一定基準のエコ住宅を新築したり、省エネ効果を高めるリフォームをしたりした場合にポイントが発行される制度です。

一戸あたりのポイント発行は最大30万ポイント。1ポイント=1円で換算され、商品券や旅行券、プリペイドカードなどとの交換が可能となります。

今回は、リフォームに注目して省エネ住宅ポイントをみていきましょう。省エネ住宅ポイントの対象となるリフォームは以下のものとなります。

◆1~3で最大30万ポイントを発行

1.窓の断熱改修:ガラスの交換、内窓設置、外窓交換など、
2.外壁、屋根、天井または床の断熱改修:一定の量以上の断熱材を使用する場合の断熱改修
3.エコ住宅設備の設置:太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯機、節湯水栓などの設置
※3のみの場合は3種類以上の設置が必要

◆1~3のいずれかとあわせて以下のa~dを行う場合は、合計で最大45万ポイントを発行

a.バリアフリー改修
b.エコ住宅設備の設置(2種類以下)
c.耐震改修工事
d.リフォーム瑕疵保険への加入

ポイントはリフォームの種類ごとに上限が設定されており、それらを加算していきます。中古住宅を購入し3ヵ月以内にエコリフォームを行う場合は、更に10万ポイントを上限にポイントが加算されます。

ポイントの申請は工事完了後となりますが、費用が1,000万円を超える場合は、事前申請も可能です。申請には工事請負契約書等の必要書類の他、工事写真が必要となります。写真は、原則、工事後のものでOKですが、外壁、屋根、天井、床の断熱改修工事と耐震工事に限り、改修部位ごとに工事中の状況を写した写真が必要です。忘れずに撮っておくようにしましょう。

省エネ住宅ポイントの対象となるリフォームや製品は、細かく定義されています。契約をする前に、そのリフォームがポイント対象となるかどうか、リフォーム会社や工務店等に詳細を訪ねておきましょう。

今回の省エネ住宅ポイントの予算総額は905億円。2015年8月24日時点での申請済ポイントは52%(約470億円分)です。適用対象は2016年3月31日までの工事着工分ですが、予算が達成されると制度は終了します。ちなみに、前回の住宅エコポイントの場合は、申請受付から半年で被災地以外の地域の受付は終了しています。予定のある人は早めに申請した方がよいでしょう。

特優賃を利用して、賃料を節約!

素敵な部屋に住みたいけれど、家賃は安く抑えたいというあなた、特定優良賃貸住宅(特優賃)制度というのをご存じでしょうか?国や県が認定した優良賃貸物件に入居する際、所得水準により、家賃の一部を一定期間補助してくれる制度のことです。

特優賃制度は、中堅所得者層に対し、より良質な賃貸住宅の供給を促進しようとつくられたもので、スタートは平成5年。すでに20年以上も続く意外と古い制度なのです。

制度について具体的にみていきましょう。まず、この制度が利用できるのは、以下の要件に該当する人となります。

・2人以上のファミリー世帯(単身世帯は適応外)
・世帯の所得金額が基準内であること
・原則、持ち家がないこと

東京都の場合は所得水準が5つに区分され、例えば、3人家族の場合、特優賃に入居できるのは給与収入で1018万円まで。ただし、実際に家賃補助を受けられるのは、現在のところ給与収入で564万円までの世帯が多いようです。家賃補助の金額も物件により大きく異なり、同じ都内でも、全く補助のない物件もあれば、数万円の補助が出るところもあります。

補助金額の違いは、その物件の特優賃としての管理がいつ始まったか、に大きく影響します。特優賃の家賃補助期間は管理開始から20年間。毎年約3.5%ずつ家賃は上昇していき、20年経ったところで補助は終了となります。よって管理開始から時間が経つほど、家賃補助の額が減ってしまうことになるのです。

ただ、家賃補助以外にもメリットはあります。それは、礼金や更新・仲介手数料がかからないこと。通常、一般の賃貸物件の場合、入居時には礼金や仲介手数料を、更新時には更新手数料をそれぞれ家賃の1~2ヵ月分用意する必要があり、それだけでも数十万円の大きな出費となります。その負担がないだけでも、うれしいですよね。

全体的に、都心よりも千葉県や埼玉県などの郊外、そして地方の方が補助は手厚いようです。また、福岡県では新婚世帯や子育て世帯に補助を上乗せしたり、北海道では中学生以下の子どもがいる世帯には家賃の額を据え置いたりと、自治体により独自の制度を設けているところもあります。

今はどの自治体でも、インターネットで申込方法、物件検索などの情報が入手できます。ファミリー世帯なら、「特優賃、自治体名」で検索し、住みたい街の特優賃サイトをまずはチェックしてみては?

入居日を月後半に設定すれば、賃料を節約できるかも?

新しい部屋を探すのって楽しいですよね。これから新しい生活が始まると考えるだけでワクワクします。

ただし、お金の面ではいろいろと出費が重なります。敷金、礼金、損害保険料、引っ越し代…。新しい部屋には新しいカーテンや家具も欲しくなったりします。いろいろと入り用だからこそ、節約できるところは節約したいもの。そこでちょっと知恵を使って、賃料を節約する交渉テクニックをご紹介しましょう。

今回のポイントは新居への入居日です。もし、引っ越しの日程を調整できるのなら、月末近くに入居日を設定してみてはいかがでしょうか?うまくいけば、入居月分の賃料をおまけしてくれるかもしれません。

通常、賃貸の場合、退居月、入居月の賃料は日割り計算されます。例として、6月25日にマンションAからマンションBに転居する場合をみてみましょう。賃料は同じ8万円とします。この場合、通常ならば、マンションAの賃料として24日分の6万4,000円を、マンションBの賃料として6日分の1万6,000円を支払うことになり、合計の支払額は8万円となります。

そこでもし、あなたの入居日が月末近くなら、新居の契約前に、入居月の賃料をサービスしてもらえないかどうか、丁重に聞いてみましょう。家賃8万円のマンションBに場合なら、1万円前後の節約ができるかもしれません。ちょっとしたお小遣いですよね。

家主側としても、確実に入居者を確保しておきたいところ。このくらいの家賃のサービスで入居してくれるのならば、万々歳というのが本音かもしれません。

この場合、入居日は月の後半、25日以降というのが交渉を成功させるポイントです。繁忙期を過ぎた6月以降であれば、場合によってはもっと長い期間サービスをしてくれるかもしれませんが、あまり欲を出し過ぎると交渉の成立は難しくなります。

いろいろとお金のかかる転居費用。少しでも節約したいという方、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか?

2015.7.06更新

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