ほとんどの大人が投資しているファンドがあるんです!

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<材料>

・月額15590円~(平成27年度)

<Point>

1じつは、ほとんどの大人はファンドを利用している

2公的年金は巨大な金庫、株も外国証券も保管されている

3日本の国債中心からグローバルな分散投資へ

※厚生労働省による試算「給付と負担の関係」より、1985年生まれの人の厚生年金(基礎年金含む)の給付額と負担額の差額

 ときおり、「私は、投資信託や株式のようなリスクのあるものには投資をしない!」と断言する人に出会うことがあります。けれど、実はほとんどの大人が、投資信託のようなものを利用しているのです。

 しかしそれは、銀行や証券会社などの窓口で取り扱う投資信託ではありません。それでも、きっとあなたも利用していることでしょう。

それは、公的年金という巨額なファンドです(中には、加入していない人=保険料未納の人、もいるかもしれませんが……)。

公的年金の運用のしくみは、まさに投資信託と同じ。投資信託も公的年金の運用も「ファンド」で運用されています。平成26年度の運用成績は、12.27%。過去9年間の運用利回りは、賃金上昇率を差し引いた計算で年率3.37%となっています。

公的年金は、現役世代が納める保険料を入れる、大きな金庫をイメージ。その金庫から、リタイア世代などに年金が渡されます。

この金庫には、ただ現金をしまっておくのではありません。現役人口が減れば、金庫に入れる金額が少なくなります。高齢者人口が増えれば、金庫から出すお金は増えます。少しでも金庫の中のお金を増やすため、株式や債券を買い、同じ金庫の中にしまっておくのです。

さてこの巨大な年金ファンドですが、以前は、金庫の中の大半が日本の国債でした。現在は、【図1】の内訳を基本に、グローバルな投資に分散されています。最近公表された平成27年6月末現在の金庫の内訳は、【図2】の通りです。金庫の中には外国株式や外国債券が入っています。これらは為替相場の変動によっても、資産価値が増えたり減ったりします。

国民年金や厚生年金は、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が金庫番です。平成27年9月末の金庫番(GPIF)の発表では、「6月末時点では外国債券がちょっと少なめなので、もう少し増やす」とのことでした。特に、新興国の国債など、債券の中でも比較的ハイリスクな債券を買うと発表しています。

なお、平成27年10月より、公務員の方の公的年金である共済年金が、厚生年金に一元化されました。これからも公務員の方の年金運用を担当する3つの共済連合会は独自の金庫を持って運用しますが、運用の内訳のめやすはGPIFと同じです。

「株式のようなリスクのあるものには投資をしない!」と言っている人でも、公的年金制度に加入して(いるはず!)、年金制度を通じて間接的に株式や債券をパックした巨大な投資信託を利用しているのです。

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執筆者

石原敬子

CFP® 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 専修大学文学部人文学科心理学コース卒業後、証券会社で約13年の営業職勤務。その後2003年 1月にFP事務所を開業。「使うこと」に焦点を当てた個人相談、金融や資産運用を分かりやすく話すセミナーと書籍やコラムの執筆を行う。 http://www.keikoishihara-fp.jp/

石原敬子

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投資信託は「“どこ”の“何”に投資したい」の視点で選ぶ

投資信託は、投資家が出し合ったお金をプロがいくつかの投資対象に振り分けて運用します。このプロとは、運用専門の会社の、運用のプロ。投資信託会社の、ファンドマネージャーです。

だから「投資信託は運用をプロにお任せ」と言われるのです。

ところが、時々「プロにお任せ」の部分が独り歩き。誤解している方も少なくありません。

たとえば「プロに任せて安心」「プロに任せているからわからない」という方や、「プロに任せたのになぜ値下がりした?」というお怒りの声も。

プロに任せているのは運用の実務面です。どの会社の株式やどんな債券、どこの不動産を、いつ、いくらで売買するという具体的な取引と、投資対象や経済環境などの調査と分析です。

では、プロにお任せしない面とは……?

それは、「この投資資金は、“どこ”の“何”への投資か」の全体的な判断です。

“どこ”は「日本国内」なのか「海外」なのか。海外なら「世界中どこでも」か「先進国」または「新興国」なのか、「北米」「アジア」「ヨーロッパ」「環太平洋」と地域を絞り込む場合も。

先進国の経済が好調な場面もあれば、新興国が経済成長する時もあります。世界中全体が不況で落ち込むことも、足並みそろって好景気の時もあります。投資信託を選ぶ際、「自分はこのお金を“どこ”の経済に投資して増やしたいのか」と考えるのです。

また、“どこ”に関連して、通貨も考えます。例えば「北米に投資し、運用資金全てが米ドルで運用」という投資信託は、ドル円の為替相場の影響を受けます。「北米に投資をするけれど、為替変動がない運用をしたい」というニーズに応える投資信託もあります。

“何”するは「株式を買う」なのか「債券を買う」なのか。株式の中でも、次世代エネルギーやシニア関連など業界やテーマに絞ったものもあり、投資家が儲かりそうと思った分野の株式型投資信託を選ぶこともできます。「株式と債券のミックス」もあります。

株式の比率が高ければ、リスクは高めです。「株が上がりそう」と思えば株式の比率が高い投資信託を選び、「株は嫌」なら株式に全く投資をしないか投資比率が低い投資信託を選べば良いのです。

投資信託は、パンフレットに書かれた「“どこ”の“何”に投資する」を見て、自分の考えに合う投資信託を選びます。ここは自己責任。プロに任せているのは、“どこ”の“何”が狙い通りに増えるよう、具体的な調査・分析と運用を行う部分です。

「投資信託は“リスク”があります」を具体的にいうと?

一度でも投資信託の案内を見たことがある人は、この言葉を目にしたことでしょう。
―――投資信託にはリスクがあります。

それを見て、「具体的にどうなっちゃうんだろう?」と思いませんでしたか?

投資信託にはさまざまなタイプのリスクがありますが、集約すれば「買った時の金額より値下がりするかもしれないし、思ったより値上がりするかもしれない」ということです。投資信託の値段(基準価額といいます)は、毎日、上がったり下がったりしています。

例えば10万円で投資信託を買ったとします。その10万円が、10万円以上になったり、10万円を割り込んだりします。このことを価格変動リスクと呼びます。

ある日、あなたがその投資信託を「今日限りでやめます」と解約すれば、その日の値段でお金に換えられます。10万円以上の場合も、以下の場合もあります。特に「やめます」と申し出ない限り、あなたの投資信託は毎日毎日の時価で価値が変動しています。

では、投資信託のその日の時価は、どのように決められているのでしょうか。

投資信託は、投資家のお金を集めて株式や債券などに投資する「パック」です。投資している株式や債券は、それと同じものを、どこかの誰か同士によって証券取引所などで売買されています。その取引値段(株価や債券価格)が投資信託の時価の計算の元となります。

また、投資先の株式や債券が外国証券の場合もあります。米ドルやユーロなどに交換されて外国の株式や債券に投資されていれば、為替相場の変動も投資信託の時価の計算に反映されます。

このようにして、投資信託という「パック」を通じて投資した会社の株価や債券価格、為替の動きは、投資信託の値段(基準価額)に影響を与え、投資信託を持つ人の資産価値の上下となります。

この変動は、投資信託を買う時点では分かりません。そのため、「投資信託は“リスク”があります」と表現されるのです。

ただし、その投資信託が、どの通貨を使いどのような株式や債券に投資しているのかを把握していれば、世の中の出来事に応じてある程度値動きの予測がつきます。投資信託を選ぶ時には、その投資信託は何に投資しているかを確認し、値動きの方向性や傾向を見ることがリスクへの対応策となります。

投資信託は初心者向けだけど複雑。どうすればいい?

投資信託は「初心者向け」と言われます。一方で「難しい!」という声も。難しいのに初心者向けとは、どういうことでしょう。

初心者向けと言われる理由は、主に2つ。1つは、少額で分散投資できる点です。額面1万円が多く、時価は数千円から2万円台。積立方式なら数千円の金額指定で購入できます。しかもその数千円に、数十~百数十種類の投資対象がパックされています。気軽な金額で多種類に投資できるのです。

もう1つは、運用をプロに任せる仕組みの面。本来、投資先や売買タイミングを判断するのは、投資家自身です。しかし投資信託は、それを投資信託会社(運用会社)にアウトソーシングします。例えばあなたが「アメリカに投資したい」と思ったとします。けれど、具体的に何に投資したら良いかの判断は難しいもの。「株価が上がりそうな会社は?」「売買のタイミングは?」「アメリカの政策や、世界情勢は?」など、気になる事柄を調べて判断する部分を運用会社(投資信託会社)に任せるのが投資信託です。

「それならトライしてみよう」と、これまで投資をしたことのない人が投資信託の資料に目を通すと……。言葉が難しい。仕組みが複雑。結果が不確定。分からないことだらけです。

よく「理解できないものに投資をしてはいけません」などと言われます。もしそれが正しいのなら、投資信託は、初心者が投資をしてはいけないことになってしまいます。しかし、少額で多種類に投資できるのが投資信託だったはず。まずは実際に身銭を切って投資経験を積んでみましょう。「習うより慣れろ」です。とりあえず毎月5千円ずつでも積み立ててみましょう。

実際に積立をしながら山あり谷ありの投資環境で重ねた経験は、ノウハウ本やセミナーより数倍の学習効果があります。

3年も続ければ、景気の良い時にも悪い時にも遭遇します。為替が円高にもなれば円安にもなることでしょう。株式ブームになったり暴落に見舞われたりもするかもしれません。その都度、基準価額(投資信託の値段)がどのように動いたかを確認したり、値動きの原因を考えてみたりするなど、前向きにつきあっていけば、だんだんと難しさも薄れてきます。専門用語にも慣れてくるでしょう。

少額で分散投資できるのはトライアル資金として有効です。そこが初心者向けと言われるわけですから、投資信託は投資経験を積む道具として、うまく活用しちゃいましょう。

ローコストで日経平均株価と同程度のリターンを狙う投資信託“ETF”

投資信託は、基本的に株と違って証券取引所に上場されていませんが、中には証券取引所に上場され活発に売買されている投資信託もあります。それが上場投資信託(Exchange Traded Fund)です。

頭文字をとりETFと呼ばれています。このところ人気が高まっていますのでその仕組みや特徴を見ていきましょう。

ETFは、株価指数などとの連動を目指す投資信託です。たくさんの個別株が入り、分散効果が効いた“株の詰め合わせセット”が上場されているイメージです。マーケットが開いている日中にいつでも売買できます。一般の上場していない投資信託は、当日の株式市場が閉まってから基準価額(株価に相当)が算出されますので、日中に買い注文を出してもいくらで買えたかは夕刻にならないと分かりません。

ETFとして認められるためには、公表されている株価指数や債券指数などとETFの価格が連動する仕組みが必要です。そのため、投資家にとっては値動きが分かりやすいといった特徴があります。また、株と同じく機動的に売買でき、一般の投資信託に比べて購入時の手数料や、運用期間中にかかる信託報酬が安い点は注目です。

現在、国内の証券取引所に上場されているETFは約170本。初心者にお勧めなのは、値動きが分かりやすい日本株式を対象とする株価指数連動タイプのETFです。主だったタイプを見ていきましょう。

まず、日経平均株価との連動を目指すタイプ。同指数は、1949年の東京証券取引所開設以来、継続しており、テレビ、新聞などでもお馴染み。東京証券取引所第1部に上場している約1800銘柄の中からトヨタやNTTなどの日本を代表する225銘柄を選定した株価指数です。

2つ目は東証株価指数(TOPIXと呼ばれる)との連動を目指すタイプ。同指数は1968年に始まり、東京証券取引所第1部に上場している全銘柄が対象です。業種別ETFなど選択肢が広がっています。

3つ目は2014年に始まったJPX日経インデックス400との連動を目指すタイプ。上場銘柄の中から、企業の収益性指標である「ROE」などを判断材料として400銘柄を選定します。ROEの向上は、アベノミクスにおける成長戦略の一つ。稼ぐ力のある企業に投資するJPX日経400型ETFは、注目度が高まっています。

投資信託選びの最後の決め手“シャープレシオ”

商品分類を手掛かりにすれば、投資信託は選びやすくなります。でも、数千もある中から絞り込むことはそう簡単ではありません。

目指す1、2本を選ぶには、いくつかのポイントがあります。今回は、投資対象が似ている投資信託において、「運用の上手さ」が比較できる指標をご紹介しましょう。

投資信託を提供する運用会社は、品揃えを充実させ投資家のニーズに応えます。そのため、投資対象が似ていて、どの運用会社の投資信託がいいのか見当がつかないケースも少なくありません。しかし、「運用の上手さ」が分かるシャープレシオを比較することで、投資信託の優劣の判断ができます。投資信託の検索サイトでサイト運営会社が算出しています。そこで確認できますので、「数字が大きいほど運用が上手い」と覚えておいください。

シャープレシオは、一言でいえばリスクとリターンのバランスから運用の上手さ(効率)を見る指標です。例えば、AとBの投資信託の3年間のリターンが10%で同じとします。この情報だけではどちらを買えばいいかは判断できません。そこでリスクを見ますとAのリスクが5%、Bのリスクが10%だとします(%表示でリスクが登場しましたが、BはAよりもリスク、つまり値動きが大きいことを意味する)。この情報があれば、BよりもAのほうが、少ないリスクで多くのリターンを上げており、「運用が上手い」ことがはっきりとします。

さらに図を用いて見ていきましょう。『シャープレシオ=リターン÷リスク』といった基本計算式(実際の式はもう少し複雑)をデフォルメしています。リターンが同じならば、リスクが小さいほどシャープレシオは大きく、リスクが同じならば、リターンが大きいほどシャープレシオは大きくなります。これにより、シャープレシオが大きいほど運用が上手いことがお分かりいただけたと思います。

ただ、シャープレシオを用いる際には注意が必要です。
・あくまでも過去データを用いた数字で、将来を保証するものではない。
・株式中心の投資信託と債券中心の投資信託など、違うタイプの投資信託の比較には使えない。お肉と野菜を比べて美味しさを論じても意味がないのと同じ。
・運用の上手さで差が出る「アクティブ投信」の比較に適している。一般的に「インデックス投信(パッシブ運用)」では用いられない。
以上を念頭に置き、投資信託選びに活用するといいでしょう。

2015.7.01更新

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