大丈夫?収集・保管・届出にセキュアPC……富士通のマイナンバー対策

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 マイナンバー制度導入を2016年1月に控えて、各ソリューション企業はもうすでに“追い込み”の時期に入っている。富士通マーケティングもそんな「マイナンバーソリューション」を提供している企業だ。同社ではどんな点に注力したサービスを提供しているのか、話を聞いてきた。

■従来使用していた人事・給与系ソフトに組み込んで提供
 マイナンバー制度では、人事や給与といった部門で法対応が求められる。同社では「GLOVIA(グロービア)smart」という製品名で人事や給与管理システムを提供しているが、従業員が2000人を超えるような大手企業向けの「GLOVIA smart 人事給与」、そしてそれ以下の中堅企業向けには「GLOVIA smartきらら 人事給与」と2つの製品を提供していた。

 「多くの企業では、もうすでに人事・給与系のソリューションを導入しています。今回のマイナンバー運用開始にあたっては、そういった従来使用していたシステムに、マイナンバー制度を組み込んで提供しています」と語るのは、商品戦略推進部・本部長代理の川嶋健司さん。

 同社では、サーバーやPCといったネットインフラも提供している。「コンサルティングから社員教育、そしてインフラまでワンストップで提供できるのが強みなんです」と川嶋さんは強調する。

■約7割がデータ保管を自社におかないで富士通マーケティングのデータセンターへ
 「マイナンバー対応ソリューションでは、『GLOVIA smart』『GLOVIA smartきらら』向け、他社人事系ソリューション、そして手組み(企業オリジナル)と3つのケースに対応しました」と語るのは、実際にシステムを組むGLOVIA事業本部クラウドビジネス部部長の荒木誠一さん。今使っている人事・給与系システムを活かして、マイナンバーのシステムを追加で組み込むことが、同社サービスの特徴と言える。

 「マイナンバー対応は、『収集』『保管』『届出』という3つのフェーズで新しいシステムが求められます。『収集』は自分たちで集めるという企業さんも多いのでオプション。『保管』に関しては、今までの人事・給与系データベースとは完全に分けて、しっかりとしたセキュリティのもとで管理。『届出』では必要な書類の届出に出力するというものになります」(荒木さん)

 法令上、もっともナーバスになるのは「保管」だが、同社は利用企業のサーバーにセキュリティをかけた上で保管するか、富士通マーティングのデータセンターに保管するという二つの方法が用意されている。荒木さんによれば、「とくに中小企業ではほぼ7割がわたしどものデータセンターを利用しています」とのことで、やはり保管を自社で行いたくないという企業が多いようだ。このデータセンターを所持しているというのも、同社の特徴だと荒木さんは話す。

■コストかけられない企業向けには「アドオンマイナンバーシステム」
 また、コストを抑えたいという企業向けには、現行の人事給与システムをそのまま使えて、最小限のシステム改修コストで対応できる「アドオンマイナンバーシステム」という製品も用意している。

 「こちらもこれまでのフルバージョン同様、強固なセキュリティがかけられています。定期的に取られるバックアップも暗号化され、たとえばそのバックアップの機器(PCやサーバーなど)が盗難や紛失したとしても、復元できないようになっています」と話すマイナンバービジネス統括部・統括部長の森田浩司さん。「アドオンマイナンバーシステム」には、従業員向けの教育ビデオも入っている。SEを呼んでコンサルティングするよりもコストを抑えるためだ。

■メール機能、無線LANなし、USB使用も制限する“マイナンバー専用PC”
 高いセキュリティを求められるマイナンバーだが、同社ではマイナンバー業務システム連携PCという、セキュリティを最高度に高くしたPCも販売している。同制度は特定個人情報の取り扱いに関する安全管理基準「技術的安全管理措置」が求められるが、この措置に準拠したPCだ。これについてはマイナンバービジネス統括部・統括部長の平江敬三さんが、実際に実機を操作しながら解説してくれた。

 ベースは15.6型のノートPC「LIFEBOOK A744/K」。OSはWindows 8,1 Pro、プロセッサはCore i3、メモリ4GB、ストレージは320GBを搭載する。一見普通のノートPCに見えるが……。

 「『技術的安全管理措置』には『アクセス制限』『アクセス者の識別と認証』『外部からの不正アクセスなどの防止』『情報漏えいなどの防止』の4点が求められます。『アクセス制限』『アクセス者の識別と認証』にはID・パスワード方式に加えて手のひら静脈認証を付け加えています。マイナンバーのシステムにアクセスできる担当者の静脈を登録しておき、担当者以外はマイナンバーのデータページにアクセスできないようにしあります」(平江さん)

 「『外部からの不正アクセスなどの防止』では、有害サイトフィルタリング、ウイルス対策を行う一方で、基本メール機能は非搭載。そして盗聴盗撮防止のために、カメラもマイクも付けていません」(平江さん)という。

 『情報漏えいなどの防止』ではUSBポートを基本使えなくしており、Bluetooth、無線LANも非搭載。有線LANと有線マウスで操作するそうだ。漏洩をとにかく徹底的に元から絶つといった姿勢がうかがえる製品となっている。価格は298,000円(税別)とのことだ。

■大手に比べて出足の鈍い中小企業、本格化は来年に?
 取材中にマイナンバーの対応については、大手企業に対して中小企業の出足はやや鈍いとの声を聞いた。「実際、一番マイナンバーが必要となるのは、来年の年末調整期。そのため、まだ少し時間があると思っている企業もありますね」(荒木さん)。マイナンバー関連ソリューションの本格導入には、とくに中小企業は来年というところもあるようだ。

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画像一覧

  • 「マイナンバー業務システム連携PC」は手のひら静脈認証機能を搭載。担当者を登録しておき、PCログイン時に担当者のみデータにアクセスできるようにしている
  • メール機能、Microsoft Office、無線LAN、カメラ、マイクも非搭載。USBポートも装備されているが、デフォルトでは使用できない
  • マイナンバー入力画面。通知カード画像(画面左奥)と入力欄が同一画面に表示され、画像を見て確認しながらの入力に対応した
  • 富士通マーケティングのマイナンバー制度導入ソリューションのチャート図。『収集』『保管』『届出』という3つのフェーズでソリューションを組み立てる
  • 富士通マーケティング 商品戦略推進部・川嶋健司さん
  • 富士通マーケティング GLOVIA事業本部クラウドビジネス部・荒木誠一さん
  • 富士通マーケティング マイナンバービジネス統括部・森田浩司さん
  • 富士通マーケティング マイナンバービジネス統括部・平江敬三さん

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中小企業のマイナンバー対策に! 指紋認証機能付きPC収納ボックス

 日本フォームサービスは、「2015 Japan IT Week 秋」内の「第5回 情報セキュリティ EXPO【秋】」にて、マイナンバー関連のPCや書類を安全に保管できるPC収納ボックスとセキュリティ管理ロッカーを紹介した。

 展示された製品は、10月から施行されたマイナンバー制度の安全管理措置に対応するものだ。机上に設置するPC収納ボックスは、事前に登録したユーザーのみが指紋認証によって扉の開閉ができる。

 これにより、普段はマイナンバーが保管されているPCを触れないようにし、必要なときだけシャッターを開けて作業が行えるようになる。カバー構造になっているため、入力作業中も横からの覗き見を防止できる。さらに開閉の履歴を機器に保管でき、USBで取り出せる。

 このPC収納ボックスは、隣に設置したセキュリティ管理ロッカーと連動できる。指紋認証が完了するとロッカーのソレノイドも開放され、4段キャビネットが開錠される仕組みだ(ロッカー単独の指紋認証にも対応)。PC収納ボックスがない場合は最大3台、PC収納ボックスがある場合は最大2台のロッカーを増設することが可能だ。

 「300人程度の企業が、源泉徴収票などのマイナンバー関連書類をロッカーに収納できる。だいたい1年分でキャビネット1段ぶんの使用を想定している」(同社担当)という。

 大きな特徴はPC収納ボックスの価格だ。指紋認証機器を含む本体価格が8万5000円。さらにセキュリティ管理ロッカーを1つ付けても22万円。中小企業でも手が届く価格帯だ。

 同社のブースでは、スタンドアローン型の鍵管理システム「Traka21」も展示していた。こちらも中小企業向けの鍵管理システムで、マイナンバーなど重要な書類の入ったロッカーキーを21本ほど保管できる。本体の液晶タッチパネルから4桁のPINを入力すると、本体が開き、目的の鍵にタッチするだけで取り出せる。

 鍵はユーザーごとに取り出せるように権限を事前に設定でき、使用履歴も記録。さらに記録した用履歴をスクリーン画面で確認したり、履歴データをUSBメモリにエクスポートすることも可能だ。

 同社担当者によると、「我々はデータセンター向けのハイスペックな鍵管理システムを扱っているが、その技術を利用し、中小企業でも扱えるようなシステムとして提供している」という。こちらも本体価格25万円と手ごろな料金設定になっている。

※記事は取材時点の情報に基づいて執筆しています。閲覧時点で実際の状況が変更されている場合もあります。

マイナンバーと連動して医療が番号制に?!これって医療費削減につながるの?

10月から導入されたマイナンバー制度。住民票に基づいて国民のひとりひとりにマイナンバーと呼ばれる12桁の番号を付与し、社会保障や税制度などを一本化させるために仕組みです。

医療分野では、健康保険を利用した診療を受けた場合の記録とマイナンバーをひも付けることで、確定申告の際の医療費控除で、レシートの提出が必要ななくなるという効果があります。いちいちレシートを保管せずとも、マイナンバーポータルサイト上の記録を電子的に税務署に送るだけで、保険診療の記録がわかるからです。

さらに、2018年度からは、医療に「番号制」が取り入れられ、マイナンバーとひも付けられるようです。この制度は、医療費の削減につながるのでしょうか。

1.治療情報の共有で、重複した検査や投薬などを防ぐ
政府は今年5月、カルテや診療報酬明細(レセプト)などの医療情報に番号を付与し、マイナンバーとひも付ける制度の導入を決定しました。
2018年度から段階的に導入されるこの制度では、医療情報を管理するための番号を(医療番号)を使って医療機関や薬局、介護事業者らが患者の治療や検査・投薬の情報を共有します。そうすることで、医療機関を移るたびに重複した検査や治療、投薬をすることを防ぐことができます。検査や投薬、治療がへれば、もちろん医療費の削減につながります。
また、飲み合わせの悪い薬を誤って服用するといった危険性も防げるようになるでしょう。

2.マイナンバーを知られて大丈夫?
マイナンバーが始まると、番号カードが配布されます。このカードにはICチップが搭載されており、今後保険証としても使えるようになります。
このカードを医療機関で認証してもらうことで、医師は患者の医療番号がわかるようになります。ただし、医師が把握できるのは医療番号だけで、マイナンバーそのものは扱いません。
また、この番号制度の導入によって、医療データや投薬データなどがビッグデータとして集約できるようになるのもメリットの一つ。もちろん個人情報は伏せられた形でのデータ収集になります。このビッグデータは、将来の治療の進歩や新薬の開発に利用される見通しです。

マイナンバー導入後の医療費控除をおさらい!通院の際の交通費の取り扱いについて

10月から導入が始まったマイナンバー制度。住民票に基づいてひとりひとりに固有の12ケタ番号を付与し、社会保障や納税、健康保険の利用記録などを紐付け、行政サービスを効率的に行なうという仕組みです。

導入には賛否両論がありますが、諸外国でも「納税者番号」や「社会保障番号」という名称で利用されている制度でもあります。イギリス、アメリカ、カナダなどでは、1960年代から導入されています。

さて、マイナンバーの活用で、大きく変わるもののひとつに、確定申告の際の医療費控除があります。今回は、マイナンバー導入後に変更される面をおさらいし、変更されない面、とくに通院の際の交通費について紹介します。

1.マイナンバー導入で、医療費のレシート提出が必要なくなる!
医療費控除とは、年間にかかった医療費が10万円を超えた際に、確定申告すればそのぶん所得税・住民税の負担が免除される制度です。
ただしこれまで、確定申告の際にすべての医療費にかかわるレシートの提出が求められており、1年分を保管しておく必要がありました。
1年分の紙のレシートをくまなく保管するだけでもけっこうな手間ですが、それをきちんと集計して、提出用に一覧表にまとめることも要求されていました。
まちがいなく10万円を超えていればいいのですが、ぎりぎりのラインだった場合、数百円単位の1年分のレシートを集計してみたら、ほんのちょっと足りなかった……なんてときの徒労感は想像に難くないでしょう。
マイナンバー導入後は、健康保険の利用記録と紐付けがなされることになっています。そのため、マイナンバーの個人ポータル上から、医療費の記録を電子的に税務署に送るだけで、医療費控除の手続きができるようになります。

2.通院の際の交通費は引き続きレシートが必要
医療費控除では、病院・薬局での支払い以外に、通院の際の交通費もその対象となります。当面、この方針は維持される見通しですが、もちろんこの出費に関してはマイナンバーと紐付けされませんので、今まで同様にレシートを保管しておかなければいけませんので注意しましょう。
このほか、ドラッグストアで売られている市販薬の購入記録もマイナンバーとは紐付けされないので、引き続きレシートを提出する必要があります。

マイナンバー制度の導入で、医療費控除の申請がカンタンになる?!

10月から導入されたマイナンバー制度。住民票を有する全ての国民に12桁のマイナンバー(個人番号)が付与されます。これまでバラバラに運用されてきた社会保障や税、災害対策などを効率的に進めるための制度として導入されました。

マイナンバー制度の導入後は、国や地方公共団体等での手続きをする際に、個人番号の提示や申請書への記載が求められるようになります。こうすることで、複数の役所や機関をまわって書類を集める手間をはぶくことができるのです。
今回は、医療費控除について、マイナンバーが導入されるとどうなるのかを紹介します。

1.医療費控除を受けるには、1年分のレシートの保管が必要だった
医療費控除とは、年間にかかった医療費が一定ラインを超えた際に、申告することによって所得税、住民税の税負担を減らせる制度です。

ただし、確定申告の際にレシートの提出が求められるため、1年分を保管しておく必要がありました。長期間にわたる通院や投薬が必要な治療だと、数百円単位のレシートを全て保管しておくのも用意ではありません。また、提出の際には一覧表の作成も求められます。全て集計しても医療費控除が発生する10万円に達しなかった場合、その徒労感たるや、かなりのものがあります。

2.健康保険とマイナンバーをひもづけでレシート不要に
政府によると、導入後は、医療機関で診療等を受けた健康保険のデータがマイナンバーにひも付けされるようになります。そしてその情報は、マイナンバー情報閲覧の個人用サイト「マイナポータル」に集約されるようになります。そして、この「マイナポータル」で集計された医療費データを税務署にインターネット経由で送れば、めんどうなレシート提出が必要なくなります。

3.例外もあるので注意
ただし、市販の医薬品を購入した場合や、保険によらない自由診療での治療などは、健康保険を利用しないので、データがマイナンバーに紐づけされません。また、通院にかかった交通費も紐づけされません。こういった場合は引き続きレシートの提出が求められますので注意が必要です。

マイナンバー制度の影響も?ネットカフェを利用するときに注意すべき点

2015年10月から、マイナンバー制度が導入されます。住民票を有する全ての国民に12桁のマイナンバー(個人番号)が付与され、これまでバラバラに運用されてきた社会保障や税、災害対策などを一元管理できるようになります。

来年1月から、マイナンバーを記載した個人番号カードが交付されます。マイナンバーのほか、氏名や住所、顔写真、生年月日などが記載され、個人番号を証明する書類や本人確認の際の公的な身分証明書として利用できます。

このマイナンバー制度、気軽におトクにインターネットが利用できるネットカフェを利用するときも、関係してくるようです。

1.ネットカフェは個人番号のコピーが許可されていない!
個人番号をコピー・保管できる事業者は、行政機関や雇用主等、法令に規定された者に限定されています。昨今、ネットカフェを利用する際には本人確認ができる書類や身分証の提出が求められることがほとんど。本人確認のために個人番号カードの提出を求めることは可能ですが、ネットカフェはこの「コピー・保管できる事業者」には当たらないようです。

警視庁は9月11日、都内のインターネットカフェなどに、個人番号カードをコピー・保管すると罰則が適用されるとして、注意を呼びかけました。

警視庁によると、2016年1月以降に店頭での利用者確認で「個人番号カード」を使用できるものの、「個人番号カードによる確認をしたこと」「カード発行機関」(市区町村名など)「氏名」「住所」「生年月日」のチェックにとどめ、コピーをしてはならないとのこと。

万が一ネットカフェを利用したときに、受付でコピーを求められたら、注意すべきでしょう。

2.マイナンバーを提出するときは注意!!!
ネットカフェに限らず、マイナンバーや番号カードを提出するときは細心の注意が必要です。上でも述べた通り、マイナンバーには個人の税金、社会保障、医療費の利用状況といったプライバシーがすべて紐づけられているのですから。

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