労災保険が適用される、”仕事中”の範囲とは?

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<材料>

・会社で仕事をしていること

<Point>

1会社にいる時間がすべて仕事中とは限らない

2仕事中に私的なことをしているときにケガをしても労災は適用されない

3会社の研修や行事に参加する場合は、自由参加では労災は適用されない

※仕事中に医療費が5000円かかるケガを負った場合、医療機関での支払いがゼロになるため

労災保険は、労働者が仕事中および通勤途上において病気やケガをした場合にお金が支払われる制度です。仕事に関することなので、当然事業主に補償責任があるため、労災保険料は全額事業主負担になっています。

通勤途上は、会社に行くまでに「労災事故に遭う」ということでわかりやすいのですが、仕事中とはいったいどんな場合をいうのか、線引きが非常に難しい問題です。仕事中と言うのだから、就業時間および残業時間中は全て該当するのではと思いがちですが、そうとも言えないのが現状です。

では仕事中とは、どのようなケースが該当するのか主なものをいくつかあげてみましょう。このケースにあてはまる場合に、病気やケガをしたら労災が適用されます。

・仕事中
・仕事中断中(お手洗い、飲水等)
・仕事に伴う必要行為
・仕事に伴う準備行為または後始末行為中
・緊急業務中
・休憩時間中(会社外の飲食店利用中はダメ)
・事業場施設の利用中
・出張中
・全員参加のレクリエーション行事に参加中
・他人の暴行による災害 等

ただし、どのケースでも仕事中に関係のない私的なことを行っていた場合は、該当しません。例えば、仕事の途中でのどがかわいたので会社内の給湯室に行きでケガをした場合は労災に該当しますが、会社から出て近くのコンビニにお茶を買いにいき途中でケガをした場合は、当てはまりません。また、反対にお客様にだす飲み物を買いにコンビニに行ってケガをした場合は、私的なことではありませんので、労災が適用されます。

また、会社主催のレクリエーション行事に参加した場合、この参加が自由参加であればケガをしても労災の適用はありません。しかし、自由参加と言っておきながら、参加が半ば強制(自由参加としながらもみんなが参加しているからしぶしぶ参加しなければならない)の場合は、労災の適用があります。さらに会社ではなく別の場所に行くことになりますが、通勤途上ということで往復が労災の適用となります。

実は、この自由参加か強制参加かの違いによって、研修や会議、宴会等への参加中のケガが労災の適用になるのかならないのか判断の基準になります。このような行事等に参加する場合は、必ず自由か強制か確認をしておきましょう。

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執筆者

菅田芳恵 社会保険労務士/ ファイナンシャル・プランナー

愛知大学卒業後、証券会社、銀行、生命保険会社、コンサルティング会社に勤務した後、49歳から2年間でCFPや社労士等7つの資格を取って独立開業。現在は13の資格を活かして、セミナーや研修講師、企業のコンサルティングを行っている。

菅田芳恵

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年収が130万円以上になると親の扶養からはずれてしまう

アルバイトやパートで働いている場合、親や夫の扶養家族(親に養われて生活の面倒をみてもらっている)になっていて、健康保険料は払っていないという人が結構いるかと思います。

なぜなら収入が少ないからですが、ずっと扶養でいられるわけではありません。収入が多くなれば、当然のこととして、親等の扶養からはずれて、自分で健康保険に加入し、毎月保険料を支払うことになります。

親等の扶養になるための要件としては、2つあります。

1つは年収が130万円未満であること。もう一つは親等の年収の2分の1未満であることです。アルバイトだから、正社員でないからといって、この要件は変わりません。働く時間を長くした結果、年収が130万円以上になると、親等の会社の健康保険組合や協会けんぽに届け出をしてもらい扶養からはずしてもらいます。その時点で自ら雇われている会社の健康保険組合か協会けんぽか、それに加入できなければ自治体の国民健康保険に加入することになります。扶養からはずれて保険料を支払うことがいやだから、どこにも加入しないということはできません。日本は「皆保険」の国なので、必ずどこかの健康保険に加入しなければいけないのです。加入してなくて病気になった場合、全額自己負担になってしまいます。加入していれば3割負担で済みますので、大きな違いです。

では、年収を130万円未満にしておくには、どうしたらよいでしょうか。まず12月の働き方が問題です。毎月同じ時給で同じ時間働いていれば、大丈夫でしょう。しかし12月は忙しいからとお願いされて働くと超えてしまう可能性があります。そこで、事前に事業主に「年収が130万円を超えないように時間を調整してください」とお願いをして自分でもメモをしておきます。
ただし、注意をしてほしいのが、働く時間と日数です。本来正社員の労働時間と労働日数を比べて両方が4分の3以上になれば、いくらアルバイトだからパートだからといっても会社は健康保険に加入させなければいけないことになっています。これは契約の問題ではなくて、実際の労働の問題なので、もし加入させなければ会社としても法律違反になるのです。

20歳前の傷病で障害を負っても障害年金はもらえる

「私の障害は、幼いころの傷病が原因なので」との理由で障害年金の対象とならないと思い込んでいませんか?20歳前の傷病が原因で一定の障害になった場合でも、20歳になってから申請をすると国民年金から障害基礎年金が支給されるのです。

「20歳前障害基礎年金」とは、生まれつき障害を持っている方や、20歳前に障害が残ってしまった方、また20歳前の傷病が原因で20歳を過ぎた後に障害になった方を対象とした年金です。また、20歳前という国民年金に加入義務のない年齢なので、一般の障害基礎年金のように保険料納付要件は問われません。「20歳になってから保険料を納めていなかったから障害年金はもらえない」とあきらめている人がいるかもしれませんが、そんな心配は20歳前の障害年金に関しては不要です。ただし、国民年金の保険料を納めていないのに年金をもらえるため、本人に一定以上の収入があると年金がストップされてしまいます。

20歳前に病院で初めて診察を受けた日を「初診日」と言い、初診日から1年6ヶ月経過した日を「障害認定日」と言いますが、初診日の年齢によってこの障害認定日は異なります。

例:生まれつき障害のある方・・・・満20歳になった日が、障害認定日
5歳の時に初診日がある方・・満20歳になった日が障害認定日
19歳と2ヶ月に初診日がある方・・・(1年6ヶ月を経過した)20歳と8ヶ月の日が障害認定日

障害認定日に障害の程度が1級または2級に該当した場合に障害年金がもらえます。

20歳前の傷病による障害年金では、年数が経過してしまうため、生まれつきの障害でない場合は、小さい頃の初診日の証明ができないケースが多くあります。その場合は、平成24年4月から2名以上の者(3親等以内の親族を除く)の証明があればいいことになりました。当時の学校の先生や通院していた病院の看護師さん、あるいは知り合いの人(近所の人やお母さんの友達等)で病気のことや通院の事実を知っている方を探して、証明書を書いてもらえばOKです。

すでに20歳を超えていても小さい時の傷病で障害が残ってしまった場合は、今からでも遅くありませんので、申請をすることをお勧めします。

失業手当をもらうためには、1年以上は働こう

一般的に失業手当と呼ばれる「基本手当」は、会社を辞めて働く意思と能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることが必要です。
つまり、「働きたいのに働けない状態にいること」です。

もう働きたくないと思っている人には、いくら失業手当をもらう資格があってももらうことはできません。また、退職の日以前2年間に雇用保険の加入期間が12ヶ月以上あることが要件です。2年間で12ヶ月必要ということは、同じ会社で続けて1年以上働いていなくても、2年間で会社を変わり、それぞれの会社で半年、2ヶ月、4ヶ月と加入期間があれば、12ヶ月になるということです。1年も働いていないからもらえないとあきらめるのはなく、前の働いていた期間やこれから働く期間を足せば失業手当をもらう資格はできます。

では、失業手当は、いくらくらいもらえるのでしょうか?失業手当の日額は、原則として退職前6ヶ月の賃金を平均した1日分の50%~80%を乗じて得られる金額です。この%については、賃金が高い人は低く、賃金が低い人は高くなります。

また、失業手当をもらえる日数ですが、自己都合で辞めた場合は、一般の受給資格者として日数が決められ、最大で150日です。また、倒産や解雇で失業した場合は、特定受給資格者としてもえらえる日数が多くなっています。

失業手当は、雇用保険加入期間が1年以上あれば支給されますが、いつもらってもいいわけではなく、原則として退職の日の翌日から起算して1年間です。それを過ぎてしまうといくら日数が残っていても打ち切られてしまいますので、注意が必要です。

妊娠や病気等で会社を辞めざるを得えなくて、働けない場合は、ハローワークに受給期間の延長を申請することで最大3年間期間を延ばすことができます。ただし、この延長の手続きは、退職日の翌日から起算して2ヶ月以内にしなければなりませんので、本人が病気で無理な場合は、代理人にお願いをしてください。

医療費が高額になっても安心!高額療養費でお金が戻る

病気になりお医者さんにかかった場合、窓口でお金を支払いますが、健康保険証を提示すれば3割の自己負担で済みます。風邪や虫歯等であればそんなに費用はかかりませんが、入院や手術等で医療費が高額になった時は、どうなるのでしょうか?

実は健康保険には、高額療養費という給付があり、1ヶ月の自己負担額が一定額以上を超えた場合、超えた部分については請求すれば後からお金が払い戻されるのです。

例)お給料が20万円の人が入院して1ヶ月の医療費が100万円かかり、
窓口で3割の30万円を支払った場合
300,000円 - 57,600円 = 242,400円

下記の自己負担限度額の表を見てもらうと標準報酬月額(ほぼ何もひかれていないお給料額)が26万円以下なので、この人の自己負担上限額は57,600円となります。つまり57,600円を超えて支払った分の242,400円が後から払い戻されるのです。

この高額療養費ですが、原則として本人が加入している健康保険(健康保険組合、協会けんぽ、市区町村等)に請求をします。この高額療養費を知らないで、請求せずに払い戻しを受けていない人が大勢いますので注意が必要です。特に協会けんぽに加入している場合ですが、本来協会けんぽに請求をするのは本人です。しかし、多くの会社は本人に代わっていろいろな手続等を申請しているのですべて会社にまかせっきりにしていると、会社が失念をしていることがあるのです。健康保険の担当者は、多くの社員の個別のことなどよくわかりません。そこで医療費の自己負担が多くなった時は、会社の担当者にお話をしておきましょう。

また、この高額療養費ですが、医療機関の窓口でいったんは自己負担の上限額を超えて3割を支払わなければなりません。そこであらかじめ入院や手術で医療費が高額になりそうな場合は、健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、市区町村等)に「限度額適用認定証」を発行してもらいます。そうすると会計時に医療機関の窓口でこれを見せれば上限額以上は払わなくて済みます。例でいえば30万円を支払うのではなく、57,600円を支払うだけとなります。

医療費が高くなりそうな時は、「限度額適用認定証」を発行してもらうことをお勧めします。

障害を負っても安心!障害年金は心強い味方

公的年金には、所定の障害状態になった場合に支給される障害給付があります。国民年金からは障害基礎年金、厚生年金からは障害厚生年金が支給されます。

つまり、サラリーマン等の厚生年金加入者は、国民年金と厚生年金の両方から年金がもらえることになるのです。

障害年金をもらうためには、下記の3つの要件を満たすことが必要です
1.初診日(初めて医師等の診断を受けた日)に国民年金、厚生年金に加入していること
2.障害認定日(初診日から1年6ヶ月を経過した日、それ以前に傷病が治った場合はその日)に該当する障害の状態にあること
3.保険料納付要件を満たしていること

保険料納付要件とは、国民年金、厚生年金加入期間中に保険料滞納期間が1/3以上でないこと(平成28年3月31日までの場合は、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の滞納がないこと)。公的年金は不安だからと20歳からしばらく国民年金保険料を未納していてその後正社員として厚生年金に加入して障害を負った場合、未納期間が長いと障害年金をもらえないケースがでてきます。今年平成27年度までは特例の1年間に保険料の未納がなければ要件を満たせますが、来年平成28年4月1日からはこの特例がなくなりますので、昔払っていない期間がある人は要注意です。

障害基礎年金は、障害の程度によって1級と2級、障害厚生年金は1級から3級さらに障害が軽い場合には一時金である障害手当金がもらえます。「この程度の障害では無理」と初めからあきらめている人が結構いますが、現実は障害手当金もありますので該当する場合が多いのです。このように厚生年金は手厚いので、障害を負った場合は、年金事務所で相談をすることをお勧めします。

年金額については、障害基礎年金は保険料支払い期間に関係なく一律。それに対して障害厚生年金は支払った保険料と加入期間によって年金額は異なります。入社1年であればほんの少額ではと思いがちですが、加入期間が25年未満の場合は、25年で計算されますので、短い期間の人でもある程度の金額がもらえますので安心です。

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