遺言があるとないでは大違い?!遺言でトラブルを防ごう!

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<材料>

・遺言

<Point>

1遺言があればそれに従って財産を分ける

2遺言がなければ相続人で遺産分割協議を行う

3兄弟姉妹には遺留分がない

4一般的な遺言には自筆証書遺言と公正証書遺言がある

※算定せず

人が亡くなったとき、遺言があるかないかで、財産の分け方が異なります。遺言があれば、それに従って財産を分けるのが原則です。多少の不平不満が出ても、本人の意思とあれば、納得する人も多いでしょう。

遺言がないときは、民法に定められた相続人で話し合って財産を分けます。しかし本人の意思がわからないため、相続人同士が譲らず不仲となってしまうことも少なくありません。

夫婦のいずれかが亡くなったケースについて見てみます。相続人が配偶者と子どもなら、話し合いをすることはそう難しくないでしょう。しかし法律では、「相続分は2分の1ずつ」としか定めていないため(詳しくは相続のコラムを参照)、具体的な分け方をめぐってもめるケースも。「誰に何を相続させるか」を遺言に残したほうがスムーズです。

子どもがいなければ配偶者と本人の親が相続人。残された配偶者は、義理の親と遺産分割協議を行うことになります。でも想像してみてください。義理の親を相手に、遺産分割の話なんて切り出しにくくないでしょうか。遺言を残せば、配偶者をこういった煩わしさから解放できます。

子どもも親もないと、配偶者と本人の兄弟姉妹が相続人です。こちらのケースも、遺産分割の話となると連絡をとるのにも気を遣いそう。やはり遺言が必要でしょう。兄弟姉妹には遺留分※もありませんから、思いのままを遺言に残すことができます。
※遺留分とは、配偶者、子、直系尊属に留保された相続財産の一定割合のこと。兄弟姉妹に遺留分はない。

ここで、自筆証書遺言と公正証書遺言をご紹介します。
自筆証書遺言は、本人が全文を自筆で書く遺言書です。自分ひとりで作成が可能で、費用がかからないのも魅力です。しかし、内容が曖昧になる可能性、形式不備で無効になる可能性もあるし、紛失・改ざんの恐れもあります。家庭裁判所で検認手続きをとらなければならないことも手間といえるでしょう。これらのデメリットをカバーするのが公正証書遺言です。しかし、作成にはそれなりの手間とコストがかかるところが難点でしょうか。

いずれの方法をとるにしても、いちど法律の専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。自分の思いをきちんと反映した遺言を残すようにしたいものです。

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執筆者

久谷真理子 ファイナンシャル・プランナー

大学卒業後、都市銀行において融資業務に従事。FPとして独立後は、ライフプランから見た住宅ローンや相続・不動産に関する相談業務および、実行支援業務を行っている。また、各種セミナー講師をつとめるほか、雑誌やWebサイト等で情報発信している。

久谷真理子

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相続税と法定相続人

相続税は、相続などで受け取った財産の合計額が基礎控除額を超えるとき、その超えた部分に対してかかる税金です。基礎控除額の算出式は次のとおりです。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

法定相続人が1人なら、基礎控除額は3,600万円(3,000万円+600万円×1人)、2人なら4,200万円(3,000万円+600万円×2人)。なるほど、法定相続人の数が多いほど相続税の負担を軽くできそうだとわかります(詳しくは相続のコラムを参照)。ところで、法定相続人とは、誰をさすのでしょうか。民法のルールを確認しましょう。

まず、被相続人(亡くなった人)の配偶者は、常に相続人になります。但し、婚姻関係にある配偶者だけです。

配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。

第一順位は、「被相続人の子」です。「被相続人の子」が、相続の開始よりも前に亡くなっているときなどは、「被相続人の子」の直系卑属である子や孫(被相続人からみると孫やひ孫)が相続人になります。いずれもいるときは、被相続人により近い世代が相続人になるルールです。

第一順位の人がいなければ、第二順位である「被相続人の直系尊属」が相続人になります。父母も祖父母も健在であれば、被相続人により近い世代である父母が相続人になります。

第一順位、第二順位のいずれもないときは、第三順位として「被相続人の兄弟姉妹」が相続人になります。兄弟姉妹が、相続の開始よりも前に亡くなっているときなどは、兄弟姉妹の子(被相続人からみると甥や姪)が相続人になります。

このように、法定相続人になる人は、民法で決まっているから、適当にその数を増やすことは難しいとわかります。でも、養子縁組をしたらどうでしょう。

実は、相続税を計算するにあたって、「法定相続人の数に含めることのできる被相続人の養子の数」は制限されています。具体的には、被相続人に実子がいるなら、その数は1人まで。実子がいない場合は2人まで。そうそう思うようにはいきません。

ところで、「被相続人の配偶者の実の子で被相続人の養子となっている人」などは、実の子として扱われるため全て法定相続人の数に含まれるなど、細かいルールが多くあります。具体的な相談は、税理士などの専門家にすることをお勧めします。

空き家を人に貸したら相続税の節税になる!?

住み替えにあたって家を買い増したり、上の代から相続を受けたりといった理由で、自宅以外の家を所有する人は意外といるものです。中にはそういった家を、「空き家」のまま持ち続けるケースも見られます。しかし、空き家も財産。いずれ相続税の課税対象です。

ところで、相続税の計算をするときは、ひとつひとつの不動産に値段をつける作業を行う必要があります。この作業を少し専門的に表現すると、「評価をする」といいます。ここでは、人に貸している不動産の評価に着目。空き家を人に貸すと、一定の割引を受けられるようになることをお伝えします。

例えば、一軒の空き家を持っているとします。これを評価するとき、割引はありません。空き家だからです。そこで頑張って、「荷物が置いてある」「手を入れないと貸せない」といったもろもろの事情をクリア。人に貸すことにします。

そうすると一定の条件のもと、空き家は「貸家」となって、割引の対象です。土地も「貸家建付地」として、割引を受けられるようになります。空き家のままにしておいたら自分で自由に使うこともできるけれど、人に貸すとそうはいきません。その不自由さが考慮されるというワケです。

さて、どの程度の割引を受けられるかを見てみましょう。建物は、「貸家」という評価になることで、30%引きになります。土地は、「貸家建付地」という評価になると、エリアによって違いがあるものの、おおよそ20%引きの評価といったところでしょうか。これで計算上、相続財産を圧縮することに成功します。

加えて、土地200平方メートルを限度に、更に50%の割引を受けられるかもしれません。一定の条件をみたすことで、貸付事業用として小規模宅地等の特例の適用の可能性もあるからです。

不動産は、利用の仕方によって評価額の割引があります。しかし、税の制度は複雑です。賃貸などで活用することが他へ与える影響も少なくないでしょう。活用にあたっては、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

※税計算において、記載のない条件は考慮していません。

相続時精算課税で贈与を受けても相続税は減らない?!

贈与の制度には、「暦年課税(れきねんかぜい)」と「相続時精算課税(そうぞくじせいさんかぜい)」の2つがあります。

暦年課税については、以前ご紹介しましたから(詳しくは、相続のコラムを参照)、今回は相続時精算課税に注目してみましょう。

相続時精算課税を選択して贈与をうけると、どうなるでしょうか。

相続時精算課税は、一定の条件をみたす場合に、選択できる制度です。例えば利用できるのは、「60歳以上の両親や祖父母から、20歳以上の子どもや孫へ贈与をするケース」といった具合です。
贈与税がかからないのは、贈与者ごとに2,500万円(特別控除額)まで。その額の大きさに驚く人も多いでしょう。でも、「相続時精算課税の適用をうけた贈与財産は、贈与者が亡くなったときに、相続財産としてカウントされる」決まりです。どういうことでしょうか?

ひとりっ子が、親の財産6,000万円を相続するとしましょう(図参照)。そうすると、相続税の基礎控除額である3,600万円(3,000万円+600万円×1人=3,600万円)を超える2,400万円(6,000万円-3,600万円=2,400万円)に対して相続税がかかります。その額は310万円です(詳しくは、相続のコラムを参照)。

もし、相続が昨年までにおきたなら、相続税はかかりませんでした。基礎控除額が6,000万円もあったからです(5,000万円+1,000万円×1人=6,000万円)。少し残念な気がします。そこで、生前贈与を受けて、親の財産を減らすことを検討します。

相続時精算課税の適用を受けて、親の貯蓄から2,400万円、贈与を受けます。2,500万円を超えないので、贈与税はかかりません。親の財産も、3,600万円に減りました(6,000万円-2,400万円=3,600万円)。

ほどなくして親が亡くなったとしましょう。親の財産が3,600万円なら相続税はかからないはず。でも、かかります。先に触れた通り、「相続時精算課税の適用をうけた贈与財産は、贈与者が亡くなったときに、相続財産としてカウントされる」ことになっているから、親の財産は6,000万円のままというわけです。

相続時精算課税とは、その名の通り、相続のときに精算して課税する制度です。安易な選択は失敗のもと。詳細な条件もあります。選択の際は、あらかじめ税理士などの専門家に相談しましょう。
※税計算において、記載のない条件は考慮していません。

親との同居で相続税が安くなる?! 小規模宅地等の特例の威力!

7月1日、2015年分の路線価が発表になりました。

路線価は、道路に面する標準的な宅地1平方メートル当たりの評価額で、相続税や贈与税を算定するときの基準になるものです。報道によれば、大都市圏が引っぱる形で、地価全体に底入れ感が出ているといいます。

所有する財産の価値が上がるのはうれしいものです。でも、相続税のことを考えると気が重くなってしまうという人もいるでしょう。そこで知っておきたいのが、「小規模宅地等の特例」です。

小規模宅地等の特例は、相続などで取得した土地の評価額を、一定のルールの下に減額できる制度です。いくつかの条件をクリアする必要がありますが、例えば、同居している子どもが、親の土地(自宅の土地)を相続すると、330平方メートルを限度に、評価額を80%も減らすことができます。

ひとりっ子が、親の財産6,000万円(土地(160平方メートル)3,000万円、その他3,000万円)を相続するとき、基礎控除額は3,600万円です(3,000万円+600万円×1人=3,600万円)。これを超える2,400万円に対する相続税は310万円にもなって、なんだかもったいないと感じます(詳しくは、。相続のコラムを参照)

そこで、マイホームを買う計画をやめて、親との同居を考えることにします。その分のお金で、実家をリフォームするのもいいし、思い切って建て替えるのもいいかもしれません。いずれにしても、同居によって小規模宅地等の特例を適用できれば、3,000万円の土地の評価を80%も減らすことができます。その額は2,400万円にもなります(3,000万円×80%=2,400万円)。親の財産が減ると、相続税も減ります。このケースは基礎控除額である3,600万円におさまりますから、相続税はかからないことに(6,000万円-2,400万円=3,600万円)。同居で310万円もの節税に成功です。

土地の利用の仕方を変えることで、相続税の節税になることがあります。節税ありきではないかもしれませんが、検討する価値は充分にあるでしょう。また、その効果を確実に得るためには、相応のプランニングが欠かせません。あらかじめ税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
※税計算において、記載のない条件は考慮していません。

通帳のお金は誰のもの?! 贈与したつもりに注意!

相続税が心配だからといって、子どもの通帳に、せっせとお金を移す人がいます。税金を減らすために、生前贈与をしておこうと考えるのです。

お金を、子ども名義の通帳に預け替えたらひと安心。通帳の類をまるごと貸金庫に入れて家に帰ったりします。でも、ちょっと待ってください。コレ、贈与になっているでしょうか?

贈与は、「あげます」「もらいます」という合意があって、はじめて成立します。だから、子どもの知らないところで、子ども名義のお金を増やしても、贈与したことにはなりません。仮に、合意があったとしても、あげた人がお金を握っていたらダメです。やっぱり贈与になりません。

7,000万円の財産を、子ども2人が相続すると、基礎控除額は4,200万円(3,000万円+600万円×2人=4,200万円)。それを超える2,800万円(7,000万円-4,200万円=2,800万円)に、320万円もの相続税がかかります(詳しくは、相続のコラムを参照)。

320万円も払いたくないので、頭をひねります。よく見られるのは、子ども1人につき、1年に110万円を超えない範囲での贈与です(詳しくは、相続のコラムを参照)。2人の子に110万円ずつお金をあげれば、親の財産は220万円減ります(110万円×2人=220万円)。そうすると、相続税も287万円に減って、30万円以上もの節税に成功です。
でも、贈与が成立していなかったらどうなるでしょう?子どもの通帳に入れたお金は、実質、親のモノということになります。いわゆる名義預金です。親の財産に変動がなければ、相続税は320万円のまま。節税に失敗です。

こういった事態を避けるためには、贈与があったことを証明できるようにしておかなければなりません。そのためには、「あげます」「もらいます」という合意を贈与契約書として残しておくこと。お金をもらった子どもが、そのお金を自由に使える状況にあることもポイントです。
念を入れたいのなら、効率的な贈与の方法なども含めて、税理士などの専門家に相談するといいでしょう。良かれと思ってやったことが、無駄になってしまうのは残念ですから。
※税計算において、記載のない条件は考慮していません。

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