高金利の外国債券は得なのか?

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<Point>

1高金利の新興国債券には飛びつかない。

2異なる通貨の金利を比較しても意味がない。

3外国債券投資のメリットは、外貨預金より高い利回り。

※ 100万円相当の外貨資金で期間10年の米国国債に投資。
100万円×2%×10年=20万円相当(税引き前受取利子)

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金利8%?!

銀行にお金を預けておいても利息が付かない時代、魅力的に見えますよね。
投資に興味がある人なら、
「外国の債券だしリスクはあるかもしれないけど、毎年8%も利息が受け取れたら、為替の変動があっても大きな損はしなさそう」
と考えるかもしれません。しかし、この考え方は危険です。

外国債券とは、「日本円」以外の通貨で発行されている債券のことです。海外の企業や政府などが発行しています。米ドル建て、ユーロ建て、豪ドル建て、NZドル建て、ブラジルレアル建て、トルコリラ建て、南アフリカランド建てなど多くの外貨建て債券が日本の金融機関でも販売されています。

さて、『金利8%』と聞いてどう感じましたか?高いですか?低いと感じますか?
日本では、高金利であると感じる人が多いでしょう。しかし、日本円の金利と比べれば高いかもしれませんが、為替のリスクを考慮すると国によっては8%でも低いと判断される場合もあります。
したがって、異なる通貨の金利を比べても意味がありません!
比べるのであれば、同じ通貨の預金や国債の金利と比較する必要があります。

新興国など金利が高い国の経済は、物価上昇のペースが速く、そのペースを抑えるためにあえて金利を高く設定しています。物価上昇、つまりモノの値段が上がっていくことは通貨の価値が下落している事を意味します。
少し難しい話になってしまったかもしれませんが、
「高金利の国の通貨は価値が下がりやすい。つまり、いくら金利がたくさん受け取れても、通貨の下落によって最終的には儲からないことが多い」という結論は知っておいた方がいいでしょう。

では、外国債券に投資するメリットは何でしょうか。
外国債券のメリットは、同じ国の通貨の預金(外貨預金)に比べて好利回りなことです。『外貨預金で生活防衛!』の記事にもあるように、自分自身の資産を防衛する為にも外貨建て資産を保有することは重要です。資産防衛のために長期で外貨預金を保有するのであれば、短期的な為替の変動を気にせずに、その資金を活用して外国債券に投資してみてはいかがでしょうか。

せっかく外貨資産を保有するのであれば少しでも高い利息を受け取りたいですよね。
くれぐれも高金利だからという理由で、新興国通貨の債券に飛びついちゃいけません!

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執筆者

高橋忠寛 (たかはし ただひろ) ファイナンシャル・プランナー (CFP®)

株式会社リンクマネーコンサルティング代表取締役  http://link-money.co.jp/ ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・日本証券アナリスト協会検定会員(CMA) 上智大学経済学部経済学科卒業。東京三菱銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)、シティバンク銀行での10年超の銀行勤務を経て、2014年9月に独立。金融商品の販売には関わらない完全に独立した立場で資産運用や保険、相続について総合的なアドバイスを提供している。 著書『銀行員が顧客には勧めないけど家族に勧める資産運用術』(日本実業出版社)

高橋忠寛

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銀行って街中にたくさんあるけれど、窓口はいつも混んでいるし、午後3時には閉まるので不便だな~と感じたことはありませんか? 外貨預金に興味はあるけれど、銀行へ行く時間がない…という人は、オンライン取引を考えてみてはいかがでしょう。

外貨預金のオンライン取引は、時間を節約できるだけでなく、24時間いつでもどこからでも取引ができる、いつも気にしていなくても為替レートが動いたときにはお知らせメールが届く、窓口よりも為替手数料が安くなる場合があるなど、いくつもメリットがあります。

携帯電話やパソコンを使って代金の振込みをしたり、税金を支払ったりするオンライン取引は、多くの銀行で利用できるようになっています(通常、申込みから数日後にログインや取引に必要なパスワードが表示される「トークン」や数字を組み合わせてパスワードとして利用する乱数表などが届き、取引ができるようになります)。中でも、ソニー銀行や住信SBIネット銀行などの実店舗を持たないネット専業の銀行は、外貨預金のオンライン取引機能が充実しているので重宝します。

例えばソニー銀行の場合、米ドルやユーロのほかブラジルレアルや南アフリカランドなどの珍しい通貨も含めた12通貨がラインナップ。
「今日から1週間以内に、1ドル120円ちょうどになったら、10万円分預ける」「毎月1万円分ずつ米ドルを積み立てる」という風に、自分の希望に合わせて取引内容を指定することもできます。また、預けるときと解約するときに生じる為替手数料が、大手の銀行に比べて割安なのもうれしいポイント。大手銀行では、1ドルにつき、窓口の場合1円程度、オンライン取引の場合で25銭~50銭程度になりますが、ソニー銀行では15銭です。為替手数料は1ドルあたりでは小さな数字ですが、預けるときと解約するときの2回必要になること、金額が大きくなるほど増えることを考えると、安いにこしたことはありません。

メリットの多いオンライン取引ですが、利用する人が増えるにつれて、パスワードを騙し取られるなどの被害も急増しています。パスワードは厳重に管理し、不審なメールなどで入力を要求されても安易に入力せず、定期的に変更するようにしましょう。また、口座のある金融機関のWebサイトなどで、最新の被害事例や注意事項も確認しておくとよいでしょう。

金利と為替の深~い関係

外貨預金で成功するかどうかは、為替の動きにかかっています。為替が動く要因は様々ですが、短期的に見た場合、大きく影響するのは通貨間の「金利差」です。

唐突ですが、ここで、自分がフランス人だと想像してください。
仮にアメリカドルの金利が2%、日本円の金利が1%だとしたら、どちらの通貨に投資したいと思いますか?

日本人であれば馴染みのある日本円がいいと思うかもしれませんが(これを「ドメスティック・バイアス(国内志向)」といいます)、どちらも外国の通貨であった場合、金利の高いアメリカドルを選ぶ人がほとんどでしょう。

世界中の人が金利は高いほうが好きなので、お金は原則として相対的に高い金利の通貨に流れるのです。
たとえば、現在、ドル円では、ドルのほうが金利が高い状況にありますが、アメリカで利上げ観測のニュースが流れれば、金利差がより大きくなる(ドルのほうがよりたくさんの利息をもらえて得をする)ため、ドルが買われて、ドル高(円安)となるのです。

実際、下のグラフを見ても、国債の利回りが下がるほど、円安ドル高に進んでいるのが
わかりますね。

仮に日本の景気が良くなり、金融緩和(世の中に流通するお金の量を増やして金利を低めに誘導する)政策をやめていく方向になれば、金利差が縮小されるため、円が買われて、円高傾向となるでしょう。

実際には、金利の影響のみで値動きするわけではありませんし、プロは常に先を予測して動くので、他の要因のインパクトの方が大きかったり、「織り込みずみ」(相場に影響のある要因が想定内のこととして既に相場に反映されていること)として、ニュースが流れたときには逆の値動きをする場合もありますが、外貨投資をする上でこうした原則を知っておくことは大切です。

損益分岐為替レートを押さえれば、アナタも外貨預金の達人!

前回のコラムで、外貨預金で失敗しないためには、投資の時期を分けること、そして長期間運用を続けることだとご紹介しました。

長く預けていればその間の利息が付く分、為替が円高にふれても元本割れしずらくなるからです。ある程度高い金利であれば、長く持てばもつほど、損益分岐点となる為替レートは低く(円高に)なっていきます。

そこで、予め、損益分岐となる為替レートを把握しておいてはいかがでしょう。
損益分岐為替レートは、図2の式で計算できます。

具体的な例で見ていきましょう。

100万円を元手に、1NZドル=80円のときに、NZドル預金を始めるとします。
年利3%で、5年間預けた場合の損益分岐為替レートはいくらになるでしょうか。
為替手数料は片道40銭とします。

元手100万円で作れるNZドル預金の額は?
100万円 ÷ 80.4 ≒ 12,437.8NZドル
        ↑
(80円 + 為替手数料40銭)

年利3%で5年間預けた場合のNZドル建の受取額は?
12,437.8NZドル × 1.03^5 ≒ 14,418.8NZドル
             ↑
  (1年ごとの利息が元本に組み込まれて新たな利息を生む複利計算)

損益分岐為替レートは?
100万円 ÷ 14,418.8NZドル ≒ 69.4円/NZドル 
                   ↑
  (円に戻す際の為替手数料を考慮した場合、69.8円/NZドル)

つまり金利が3%あれば、5年間で100万円につき1981NZドルの金利がつくため、1NZドル=70円まで円高が進んでも元本割れしないということに計算になります。(話を簡単にするため、上記の計算では税金は考慮していません)

金利は経済動向とともに変わりますから、5年間変わらずに3%の金利を受け取れるとは限りませんが、一定の仮定をおいて損益分岐点を把握しておくことで、日々の為替の変動も余裕を持って見ていられるでしょう。

でも、自分で計算するのは面倒だと思いますので、実際に運用する際はこちらのシミュレータをお使いください。
⇒ http://pt-con.jp/tool(Life Architect~ライフプランツール~外貨預金)

損益分岐となる為替レートがわかるだけでなく、満期時の為替レートによる円での受取額も試算できるので、とても便利です(当ツールでは、利息にかかる税金は考慮していますが、為替差益にかかる税金は考慮していません)。

▼図2

ドルコスト平均法で、失敗しない外貨預金

外貨預金は、円預金よりも相対的に高い金利が得られることが魅力ですが、最近は世界的に金利が下がっているため、為替差益を重視する傾向が強くなっています。

為替差益を得るためには預入時より円安になることが必要ですが、予想に反して円高に進んでしまうと、為替差損で元本割れすることにもなりかねません。
つまり、外貨預金で成功するか否かは為替の動向にかかっているわけですが、運を天にまかせるだけではなく、自ら元本割れの確率を減らす有力な方法があります。

それは、投資の時期を分けること。
一度にまとめて投資せず、何回かに分けて購入する、できれば毎回決まった額を積み立てる(=ドルコスト平均法)ことで、タイミングのリスクを分散するのです。

ここで、ドルコスト平均法の効果を説明しましょう。

リンゴを毎回1,000円ずつ買うとします。
リンゴの値段が100円なら10個買えますが、150円に値上がりすると6個しか買えません。逆に50円に値下がりすれば、20個買えます。
このとき、購入に充てる金額を毎回一定にすることで、「価格が高いときには少しだけ、安いときにはたくさん」買う仕組みが自動的に働き、平均単価を安くすることができるのです。

外貨預金に置き換えて見てみましょう。
下表は、赤文字のような為替レートで、毎回5万円ずつと毎回500ドルずつ、ドルを購入した場合の比較です。ご覧のように毎回5万円購入した場合は平均すると1ドル=98.3円、毎回500ドルずつ購入した場合は1ドル=100円となります。毎回5万円ずつドルを買ったほうが、平均単価が低く(円高に)なっているので利益が出やすいわけですね。

投資は、安いときに買って高いときに売るのがセオリー。
しかし、実際には値下がりしているときはもっと下がるかもしれないと思って買うことができず、値上がりするともっと上がるかもしれないと買い増ししがちです。そこで、毎回、円で一定額ずつ積み立てていくことによって、こうした心理的な影響を排除し、合理的な投資を行なえるようにするのです。

外貨預金で生活防衛!

外貨預金は、為替差益や相対的に高い金利を得るという観点と同時に、長期的な資産防衛としても役立ちます。

長期的な経済の成長は人口動態の影響が大きく、特に現役世代の割合が高いほど成長が大きいといわれます。そのため、少子高齢化が進み、人口も減少している日本は、長期的には経済が低下していくとみられているのです。
そして経済力が弱い国の通貨は、原則として人気が薄れ、安くなっていきます。通貨が安くなると、輸出には追い風になりますが、輸入には不利になるのはご存知ですね。

具体的に、円とドルの例で見てみましょう。
2012年後半には1ドル80円前後でしたが、最近では120円台まで円安が進んでいます。その影響で、輸出企業の収益は上がりましたが、生活面では輸入品を中心にさまざまな物資が値上がりし、生活は苦しくなっています。
しかし、もし3年前にドルを買っていれば1.5倍の価値になっているので、物価が高くなってもそれほど困ることはないでしょう。
日本は現在も多くを輸入に頼っていますが、将来的には、資源や食糧以外の加工品まで輸入する機会が増えるかもしれません。そんなとき、外貨をもっていれば、その価値が上がっているので、リスクヘッジになるというわけです。

世界の準備通貨(政府や中央銀行が国際間の経済取引の決算や為替相場に介入するために持っている外貨)は、その6割が米ドル、2割強がユーロとなっています。そこで、通貨当局同様、皆さんもいざというときのため、米ドルとユーロを資産の一部として持っておいてはいかがでしょう。特にグローバル社会に生きる若い世代には、必要なことだと思います。

世界の中心的な通貨である米ドルは、貿易の決済にも使われ、他の通貨との換金しやすさから比較的値動きが安定しているといわれます。また、為替レートに関連する情報が入手しやすいことから、初心者でもチャレンジしやすい通貨といえるでしょう。
米ドルは年内の利上げが見込まれていることから、さらなる円安が期待される一方、既にかなりの円安が進んでいるのも事実。一度にまとめて投資するのは避けたほうがよいでしょう。

ユーロは、ヨーロッパ25カ国の共通通貨。ユーロが誕生するまでは、フランスではフラン、ドイツではマルク、イタリアではリラと、各国の通貨が利用されていましたが、通貨統合により経済の集合体としての力を発揮するようになり、今ではアメリカに勝るとも劣ない経済規模を誇っています。ここ数年、ユーロ圏の経済は低迷していますが、悪い時期から少しずつ積み立てていくことで、将来的にはここのところのドル円のような大きな利益が得られるかもしれません。

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